三色魔女のハロウィン~きまぐれの風

作者:森高兼

 ハロウィンパーティが開催される会場の建物には、多くの参加者達が集まろうとしていた。出入口前で友人と合流して一足早く盛り上がっている者達もいる。
 女性2人の力作衣装は完成度が高かった。
「今年はすごく派手だけど、似合っているよ♪」
「ふふ、お互いにね。皆にも去年みたいな顔なんてさせないんだから」
 一方で、残念コスプレと参加条件じゃないから普通な服装の少年2人組。
「あ~それは、アレだな。アレだろ?」
「何か分かんねぇなら正直に言えよー」
 そんな人々を遠くから眺めていたのは、緑を基調とした格好で……左腕と左足のモザイクが特徴的な『緑の未熟魔女アネモス』だった。
「ハロウィンの季節だー! 『王子様』にもらったチャンスは絶対つかんでみせるんだから。今日の私は絶好調で良い風も吹いているし、赤青の魔女になんか負けないよ!」
 ハロウィン期間中でイベント会場付近ということもあり、キョンシー姿の『屍隷兵』を5体引き連れていても目立っていない。
「パンプキョンシー達、あの場所を襲撃してきてちょうだい! もしハロウィンの力を持つ魔女が出てきたら、私が応援に行くからね! 絶対逃がさないでよ? でも、邪魔者に手は抜かなくていいからね。あんた達に負けるようなのは大した魔女じゃないもん」
 パンプキョンシー達はアネモスの指示に従い、指し示されたイベント会場へと向かい出した。

「それぞれ赤、青、緑の名を冠するドリームイーターの魔女達が、ハロウィンの力を求めて動こうとしているぞ」
 サーシャ・ライロット(黒魔のヘリオライダー・en0141)は資料を並べながら話を切り出してきた。
「君達には『緑の未熟魔女アネモス』が起こす事件の対処を頼みたい。奴は『屍隷兵』のパンプキョンシーを使い、ハロウィンのイベント会場を襲撃させるつもりだ」
 しかし、真の目的はハロウィンの力を宿した魔女を探し出すことにある。アネモスに狙われている魔女や力の詳細は一切不明ながら、パンプキョンシーに人々を襲わせるわけにもいかないだろう。
 重要事項のようで蛍光ペンの線が引かれた箇所に、サーシャが指を差して説明を続けてくる。
「パンプキョンシーはハロウィンの魔女に関することを優先してくる。君達がハロウィンの魔女だと見せかけ誘導することによって、一般人の被害を出さずに済ませられるはずだ。さらに、緑の魔女が姿を現すかどうかは……君達の演技力にかかっているな」
 パンプキョンシーの一掃は必須であり、最も魔女の雰囲気を醸し出せばアネモスを撃破するチャンスも舞い込んでくるのだ。
 サーシャはイベント会場周辺の衛星写真を広げてきた。建物から歩道までの中間地点に印がついている。
「幸い、襲撃が開始される場所は広いようだ。パンプキョンシーと戦闘になれば、一般人はそのまま会場に避難や歩道に引き返してくれるだろう」
 そして、場合によってはアネモスとも交戦だが、彼女の戦闘能力については情報が無いらしい。
「君達に相手をしてもらうパンプキョンシーは全体攻撃が多いようだ。周囲に浮かんでいる鬼火のようなものが、パンプキンの形をした小さな火を振り撒いてくる。袖からはやはりパンプキン型の小型爆弾を撒き散らしてくる」
 魔炎と爆炎には呪力が帯びているため、付与されるとケルベロスの全身を絶えず焼く。
「手に提げているランタンは鈍器代わりに振り下ろしてくるぞ。当たり所が悪ければ……思わぬ痛手になるかもしれないな」
 全ての説明を終えたようで、サーシャが時期に沿った菓子を勧めてきた。それから……やや悪戯っぽい笑みを浮かべてくる。
「実際に戦うのは君達だからな。魔女になりきれというのは無茶ぶりかもしれないが、いっそのことイベントの一環として楽しむといいだろうか」
 思い切って行動することが人々の安全にも繋がるのだから。


参加者
リリア・カサブランカ(グロリオサの花嫁・e00241)
ロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・e01329)
赤星・緋色(小学生ご当地ヒーロー・e03584)
霖道・裁一(残機数無限で警備する羽サバト・e04479)
アトリ・セトリ(幻像謀つリコシェ・e21602)
四方堂・幽梨(義狂剣鬼・e25168)
アザレア・エルシード(紅玉の龍拳士・e33359)
カルマ・プレンダーガスト(ヴァルキュリアの鹵獲術士・e35587)

■リプレイ

●お題は『魔女』
 パンプキョンシーの襲撃に備え、ケルベロス達がイベント会場付近の人込みに紛れていく。
「時間は少しだけど、思いきり楽しもう!」
 黒いローブと三角帽子で着飾るロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・e01329)は、双子の姉の姿であるビハインド『イリス』とお揃いになっていた。
 リリア・カサブランカ(グロリオサの花嫁・e00241)がジャック・オー・ランタン風のバスケットを腕に提げながら、道行く来場者にお菓子を配り始める。
「ハッピーハロウィン♪」
 衣装はとんがり帽子とコウモリのアクセサリーという魔女っ娘スタイルだ。
 アザレア・エルシード(紅玉の龍拳士・e33359)はとんがり眼鏡をかけて樫の柄の箒も所持していた。
「なんか……視線が一部、胸の方に刺さるのは気のせいかい?」
 考えるのは止めて軽く咳払いして、秘蔵のクスリ(食紅を使った天然かつ安心素材の水飴)を配り歩く。
 魔女のイメージから、男子のカルマ・プレンダーガスト(ヴァルキュリアの鹵獲術士・e35587)はスカートとタイツで女装していた。ウィザードハットと黒のロングコートも身に纏って、身長的には背が高めの女子で通じるかもしれない。
(「ちょっと恥ずかしいなぁ! でも、なんだかこのノリ嫌いじゃないかも…………おっと、いけいないいけない」)
 新たな世界に目覚めそうになるノリ恐るべし。
 四方堂・幽梨(義狂剣鬼・e25168)がパンプキョンシー達の暴れ出す時間を見計らい、人込みを掻き分けるように外套をはためかせて飴入りクッキーを大量に撒いていく。
「そらそら、魔女サマのお通りだ。道をあけな!」
 少々露出多めなチューブトップワンピースという女性らしい服装は、普段の印象と真逆の格好だった。一般人を遠ざける妙に高いテンションはヤケクソ気味ゆえだ。
 こちらに来るパンプキョンシー達を発見し、赤星・緋色(小学生ご当地ヒーロー・e03584)はキョンシー人形を持っていない方の手で仰々しく指を突きつけた。
「ふははははー。貴様らを倒して主の魔女をあぶりだしてくれるわー!」
「贄を……甘いお菓子の贄をくれねば、我がハロウィン魔法で悪戯してくれようぞ……!」
 頑張って老婆っぽいしゃがれた声を出した霖道・裁一(残機数無限で警備する羽サバト・e04479)が、パンプキョンシー達にオバケ南瓜付き杖を向ける。サバト服の着用で怪しげ感は十分だろうか。
 アトリ・セトリ(幻像謀つリコシェ・e21602)は素顔を隠すように黒いローブのフードを目深に被っていた。ウイングキャット『キヌサヤ』と一緒に練習した通りに、下っ端使い魔を演出しようとパンプキョンシー達に語りかける。
「魔女様に御用でしたら、承りましょう」
 邪魔者を排除すべく、一般人には目もくれず皆に迫ってくるパンプキョンシー達。
 かくして、魔女の一団を装ったケルベロスとパンプキョンシーの戦いの火蓋は切られた。

●魔女のフリして
 リリアが先陣を切って如意棒に紅蓮の炎を装填した。
「せっかくの楽しいハロウィンだったのに……覚悟はできたかしら?」
 油断せず魔女っ娘になりきっておき、全身全霊で攻めるために防御は顧みない。炎熱を纏った如意棒で5体のパンプキョンシーを焼き払う。
 キヌサヤは後方で跳弾射撃したアトリの近くにて羽ばたき、前衛陣の呪力耐性を向上させた。盾たる緋色達と共に加護をもらい、裁一が攻撃を仕かける。
 戦闘突入で剣士の眼になっていた幽梨は、もはや自身の服装など意に介していなかった。白鞘にスズランの焼き絵がなされた日本刀『黒鈴蘭』から刀身を抜き放ち、ただ敵陣へと斬り込む。
「断ちて……滅す」
 極限の集中力をもって相手の死角、出足や引き足を先読みした上でパンプキョンシー達を斬りつけた。以降も隊列の中央より睨みを利かせることで、後々に行動を封じる瞬間は必ず訪れるだろう。
「イリス!」
 仲間を守るべくロベリアと肩を並べながら、イリスが金縛りをかけることでパンプキョンシーの動きをさらに抑制させる。
 緋色はカラフルな爆発を起こして士気を高めた。多彩な色の爆発に対し、2体のパンプキョンシーが帽子に灯る青白い炎を燃え盛らせてくる。
 それに呼応して膨張する、パンプキョンシーの周囲に浮かぶ鬼火のようなもの。全身を振ってパンプキン型の火を飛び散らせ、徐々に元のサイズに戻っていく。
「リリアちゃんは守るよ!」
 ロベリアは小馬鹿にするみたいな火の笑い声に惑わされず、第二波ではリリアの分まで火傷を負った。
「楽しいハロウィンを邪魔なんかさせない!」
 作戦ゆえに女装継続中のカルマが、仲間や敵の視線はある戦場にて舞い踊る。様々な『ワケ』から華麗な踊りかどうかはさておき、慌ただしく回復手として花びらのオーラを戦場に降らせた。癒しの力が前衛陣の体を焼こうとする呪いの火を鎮火させる。
 しかし、3体のパンプキョンシーは回復を無にする勢いで火を飛来させてきた。やはり響く笑い声が鼻につくと言わざるを得ない。
「……火は魔女の十八番さ」
 アザレアがチャクラを体内に巡らせ、発生する熱を足に集めた。個々の力が高くないながらも守備は堅い敵との距離を詰めるために、幽梨やリリアの側を横切る。
「ほれ、熱いのいくよぅ!」
 ガードの甘い所を見逃さないで、パンプキョンシーの左脇腹に蹴りを入れた。叩きつけられた炎のチャクラが敵を焼いていく。
 掌に力を集中させたアトリは、オーラの弾丸を作り出した。戦闘に際して素の口調でパンプキョンシーに述べる。
「これは魔法の弾だよ」
 そう言っておき、敵に喰らいつくオーラで狙い撃った。口調の変化は敵と認識した者に態度を変えたくらいにしか思われていないだろう。
「我が魔法の弾も味わうが良いぞ」
 裁一が『サバトオーラ』(なんかすごいバトルオーラ)で作り出したのは時空凍結弾だ。武器から精製できる特性を活かし、その弾丸をパンプキョンシーに目がけて魔法っぽく撃ち出してみせる。
「トリック・オア・デストローイ!」
 実は……本当に時間の止まりそうなダジャレを閃いていたが、それは言わぬが花か。
 ある理由によって精神の幼いロベリアは、年相応の容姿には見合う美しい舞で自分達の下に花びらオーラを降らせた。
 緋色が謎の筒にグラビティの力を込めながら、戦場に耳をつんざくような魂の叫びを上げる。
「魔女アタァァァァァァック!」
 そして、謎の筒をパンプキョンシー達の足元に思い切り投げつけた。地面で跳ねた後、戦場にまばゆい閃光が迸って凄まじい爆音が轟く。
 グラビティの光と音が瞬時に収まると、パンプキョンシー達は効果を免れた者も含めて硬直した。それだけ、緋色の雄叫びにも……度肝を抜かれたのだろう。

●あくまでも魔女
 パンプキョンシー達が仲良く固まっていたのは一瞬で、2体は腕を大振りした。魔法の衣の袖口より小さなパンプキン型爆弾を、これでもかと言わんばかりに前線にばら撒いてくる。
 爆発して高熱を帯びた破片が貼りつけば、押しつけられる焼きごてのようにくっ付いて離れなかった。それをヒールで除去するカルマ。緋色が続く敵達の爆破からリリアを庇う。アザレアは降魔の蹴撃を繰り出し、リリアは如意棒の一突きで1体を追い詰めた。
 アトリが黒いフードは深く被ったまま、銃身に義父の名が彫られている古びたリボルバー銃『S=Tristia』をクールに構える。
「標的を仕留めるチャンスだね」
 その標的とは各個撃破の対象にしているパンプキョンシーだった。銃弾を操る魔法のごとく弾道を計算して花壇のレンガ、街灯の柱と当たり、最後に後頭部を貫く。被弾の衝撃によって、敵は前のめりに倒れながら消えていった。
 今後の狙い目は、攻撃の肩代わりで最も傷ついているパンプキョンシーだ。
 幽梨は抜刀居合を主体とする剣術の使い手で、納刀させていた『黒鈴蘭』の柄を握り締めた。
「この調子でいこうか」
 瞬く間に刀身が抜き放たれ、三日月のような弧を綺麗に描いてパンプキョンシーを一閃する。太刀捌きではあるものの……妖艶さは何となく魔女っぽいか。
 続けて単体攻撃をくらっていったパンプキョンシーが、範囲攻撃をも苛烈なリリアにランタンを振りかざしてきた。だが裁一が彼女に代わって受ける。
 そんな凶器が使用されてしまい、カルマはオーラを練っていった。
「俺、じゃなくて……ワタシの出番だね!」
 パンプキョンシー達がリリアへの一斉攻撃を諦めた場合、今度襲われるのは裁一の可能性が高い。エールを送るように放出したオーラは彼のタンコブを引っ込ませた。
「感謝しようぞ」
 万が一にも、まだ大事に至ることはないだろう。
 カルマの予想通り、3体のパンプキョンシーは裁一に殺到してきたが、3発目はイリスが身代わりになることができた。
 リリアが謳い伝えられし一節を自らアレンジした魔法を口ずさむ。
「愛しの母、愛しの母。貴女の娘を穢す卑しき者の血を、花と交えて滅ぼし給え」
 詠唱によって出現したのは、美しくも凶悪な女王蜂を象った魔獣だった。忠実な兵隊蜂の大群を呼び出し、驚異的な進軍でパンプキョンシー達を蝕む。敵が危惧していたことは現実になり、弱っていた1体を消滅に至らせた。
 射撃で3体に牽制するアトリと、次なる獲物に見定めた敵の傷を斬り広げる幽梨。
 ロベリアはドラゴニックハンマーを『砲撃形態』に変形させ、新たな攻撃目標に決まったパンプキョンシーに照準を定めた。竜砲弾で敵を吹き飛ばして足をふらつかせる。
「キミ達をやっつけたら、魔女はどこから現れるのかな?」
 不意打ちには注意するとして……現在の戦況を踏まえれば、元より必須の勝利は間違いないと言えるだろうか。
 もう1度、カルマは裁一に活力を送っておいた。2体のパンプキョンシーが腕を振り、戦場に無数のミニマム爆弾を転がしてくる。1体は幽梨の鋭い眼光によって飛ばし損ねたようだ。
 リリアの正面に飛び込んだ緋色が、多数飛散してくる爆弾の破片を浴びながらも咆える。
「魔女ブロック!」
 パンプキョンシー達は緋色の大声に反応し、体を竦ませてきた……気がした。戦闘に影響するものではなくとも、ちょっぴり意味はあるのかも。とりあえず、顔全体に付いた物はカルマ達に早く治してもらいたい。
 呼吸を整えたアザレアは、右足に降魔の力を込めるとパンプキョンシーに肉迫した。
「部外者には退場願うよ」
 左足を利用して目障りなランタンを蹴り払い、魂を喰らう右蹴りを首にクリーンヒットさせる。敵の状態から察するに、間もなく誰かが撃破することになるかもしれない。
 リリアとアトリの攻撃を何とか耐えたパンプキョンシーに、裁一が一旦口調のことを忘れて告げる。
「与えた苦しみは、苦しみをもって返すまで!」
 これより操る暗殺術は八つ当たりで生まれた業だが、今宵は魔法と言ったら魔法だ。己の気配を殺して敵の懐に潜り込み、なんやかんやという方法にて体を痺れさせる薬物を投与する。
 負傷具合が著しかったパンプキョンシーは、長く苦しむことなく滅び去った。

●風はいずこ
 ロベリアが地獄化している両腕を広げ、腕の一部を無数の刃に変形させた。
「止まない嵐を見せてあげる」
 舞い散る花にも見えそうな刃を剣風と同時にパンプキョンシーの両腕へと叩きつける。容赦なき裂傷は、回復を使える敵だったところで地獄の力によって治癒を妨げていた。地獄化が両腕だけではないロベリアの念は尋常ならぬものなのだ。
 扇の羽を鞭のように伸ばしながら、緋色がパンプキョンシー達に躍りかかる。
「魔女アタック・ツゥゥゥゥ!」
 条件反射で振り向いてきた敵を打ち据え、扇の冷気で震え上がらせた。魔氷は魔炎に干渉されることがない。それは逆もまた然り。
「終わったら、沢山お菓子を食べるんだっ!」
 攻撃の余裕が舞い込んだため、カルマは『竜語魔法』で掌から幻影を生み出した。凍えていたパンプキョンシーをドラゴンの火炎に包み込ませる。
 2体のパンプキョンシーがランタンを振り回してくるも……急ぎ回復を要請するケルベロスは皆無らしい。
 アザレアが再び体内のチャクラを循環させる。熱エネルギーは急速に溜まっていき、炎と化したチャクラを纏う蹴りを、パンプキョンシーの腹に見舞った。その一撃で敵がノックダウンとなる。
「さて、ラスト1体さ」
 残ったパンプキョンシーに畳みかけるケルベロス達。
 滅びを喰らう精霊の魂を宿す儀式用ナイフ『El Diablo』に、リリアはパンプキョンシーのトラウマを具現化させた。はたして、此度の敵が見る悪夢とは……。
 アトリが敵を追跡するオーラの弾丸を準備する。だがすぐには撃たない。
「キヌサヤ、合わせるよ」
 先行したオーラがパンプキョンシーに喰らいついた直後、キヌサヤは黒い風となった。素早く飛翔して近づいた敵の手を連続で引っ掻く。
 何かが滲み出ている『サバトオーラ』の手元より、裁一が弾丸を精製した。狙撃者には及ばずとも、熟練の命中力によってパンプキョンシーの足に当てる。
「止めは任せようぞ」
「これで終わりか」
 幽梨は至極冷静に『黒鈴蘭』から美しき刀を引き抜き、密かに急所を断つ斬撃でパンプキョンシーを斬り伏せた。
 パンプキョンシーの殲滅が済み、リリアが周辺を見回す。今のところは敵の気配が無いようで、ひとまず仲間の回復に取りかかった。
(「……これ以上、嫌なことが起きなければいいけど。神さま、どうかわたしたちをお守りください」)
 回復を担当できない者は警戒続行だ。
 仮装して立ち回ったことが、恥ずかしくはなってきていた幽梨。
(「いつまでもこんな格好していられるかよ」)
 アネモスが出没しないことの確信を得られれば、きっと……誰よりも早くこっそりと去ろうとするのだろう。

作者:森高兼 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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