●夢破れ
彼女は破れた。
なぜなら、いままで高めてきた自分の全てが通じなかったから。
お前の武術を見せてみろ。そう言われ一心に技を叩き込んできた結果がこれでは、自ら膝を折るのも仕方のないことだった。
「こんな、こんなところで負けてられないアル……なのにっ!」
「中国拳法のようだけど見たことない動きだったな。名前のある武術なのか?」
相手、幻武極に尋ねられて彼女は首を振った。
それもそのはず、彼女の拳法は自身が独学で学んだものを組み合わせたオリジナルのものなのだ。
全ては叶えるべき願いのために。
「そうか。僕のモザイクは晴れなかったけど、素晴らしい武術だったよ」
しかし、それもこれまで。
幻武極が鍵を刺したことで、彼女は意識を手放した。
そして、気づくともう一人の彼女がそこにいた。
違いといえば格好か。チャイナドレスのような服を着て、長い髪をツーサイドアップにしている。
しばらく確かめるように身体を動かすのを見たあと、玄武極は言った。
「お前の武術を見せつけてきなよ」
その言葉にもう一人の彼女、新たに生まれたドリームイーターは頷いたのだった。
●闘う中華拳法娘
武術を極めようと修行をしている武術家が襲われる事件が起きている。
犯人はドリームイーターで、欠けている自分の『武術』を奪い、モザイクを張らそうとしているらしい。
「名前は幻武極。結局モザイクは晴れないので、代わりに武術家のドリームイーターを生み出しているみたいですね」
ヘリオライダーの茶太がそう説明する。
つまり今回の目的は、その新たなドリームイーターが被害を出す前に倒すことにある。
彼女が一人修行していたのは山中。
今からいけば、ドリームイーターが人里に到着する前に叩けるだろう。
「僕はあまり詳しくないのだけど、その筋では有名な人だったみたいで、ここに資料があります」
どの筋とかこのさい言わないことにしよう。
「複数の通信教育で得た知識を組み合わせて、自分なりに扱いやすい形にしていったんでしょう」
通信教育だった。
ドリームイーターの姿からして中国拳法をリスペクトしてるっぽいのはわかる。特に足技がお気に入りのようだ。
「それでもドリームイーターが目をつけたんです。実力は侮れないでしょう。けど、彼女を武術家たらしめているのはその目的です」
彼女は無力故に絶望した。
力さえあれば……そう思い武術の道を歩み出したのだという。
「だからこそ、その目的の果てにたどり着くための彼女の武術の真髄を見せてくることでしょう」
ドリームイーター自身にその目的はないだろうが、それを実現するほどの武術ということだ。
いったいどれ程の目的というのか、誰かが聞いた。
「なんでも、もともと料理店を経営してたんですけど潰れちゃったみたいなんです。力があれば逃げる従業員を引き留められたのかもしれません」
茶太がなにいってんだかわかんなくなってきた。
「まあ、その店イタリアンだったらしいんですけど」
中華料理屋ですらなかった。
なにか込み上げる思いがある気がするが、すべきことはひとつ。
ドリームイーターをたおすことだ。
参加者 | |
---|---|
雨月・シエラ(ファントムペイン・e00749) |
草火部・あぽろ(超太陽砲・e01028) |
橘・芍薬(アイアンメイデン・e01125) |
サイガ・クロガネ(唯我裁断・e04394) |
カルナ・ロッシュ(彷徨える霧雨・e05112) |
鮫洲・蓮華(ぽかちゃん先生の助手・e09420) |
長船・影光(英雄惨禍・e14306) |
ユーロ・シャルラッハロート(スカーレットデストラクション・e21365) |
●ヘブンオアヘル
山道を進んで程なく、ケルベロスたちはドリームイーターに遭遇した。
逃げも隠れもしない、武人が正面から相対したのならすべきことはただひとつ。己が力を証明することだ。
「アーイヤァァァ!! ホワッチャアアアア!!」
ドリームイーターの放った蹴りから炎がほとばしり襲い来る。
「そーいえば、最近見なくなったわね。語尾にアルってつける中国人っぽいキャラ」
「いやもう戦い始まってるのに何考えてるんですへぶぅっ!」
「だって、狙い私じゃないし?」
炎は橘・芍薬(アイアンメイデン・e01125)をすり抜け、カルナ・ロッシュ(彷徨える霧雨・e05112)に直撃。
「それにしても悩むわね。今回の女性を助けたらごはん奢ってもらうにしても中華なのかイタリアンなのか……」
テレビウムの九十九さんが心底どうでもいいって顔した。
まだなんかいってる芍薬をよそに、カルナが炎を振り払い復活。
「ふぅ、さすがはイタリアン中国憲法。僕がコーヒー牛乳神拳の伝承者でなければ危なかったところです」
「なにその神拳」
「今何となく飲みたかったから言ってみたかっただけです!」
先制攻撃くらってこの余裕。恐るべし。
「しっかし火まで出すたあイマドキのツウシン? ってすげえのなあ!」
興味津々といった様子で褒め称えるサイガ・クロガネ(唯我裁断・e04394)だが、その横では何故か雨月・シエラ(ファントムペイン・e00749)がわなわな震えていたりする。
「まさか……通信教育で達人の域に辿り着くだなんて……いいなー、私も通信教育で女子力の達人とかになれないかなー」
「それはどーなんだ」
「出来れば3日ぐらいで!」
「それこそ無理だろ」
きっと通信教育いえど、長い長い修行の時間があったのだろうきっとそう。
そして時間だけではない、それを成すだけの強い想い、すなわち心があったに違いないのだ。
「……」
それは、長船・影光(英雄惨禍・e14306)にとっても他人事と言い切れないことであった。
「……己の無力さ故の、絶望」
力さえあれば、憧れに手が届いたのか。いや、それ以前に失うこともなかったのか。
答えは出ない。それでももがき続けている。
そんな自分の手を見て、それから彼女も同じなのだろうと顔を上げてみた。
「ほああああ~、アチョゥッ」
「目的はどうあれ、その理由は、理解できなくも……」
「チョッ、ハッ、ハイィッ!」
「……すまない、やはり……少々、厳しいな……」
素直に、でも申し訳なさそうにいう。
「……なぜ拳法なのだ……」
「ホントそれな。料理の腕とか、宣伝とか、いろいろ、あるよなぁ」
頭を抱える勢いで本気で悩む影光に同意するように草火部・あぽろ(超太陽砲・e01028)がうんうん頷く。
「料理屋取り戻すのに拳法だろ……で、ドリームイーターに認められるほど、ってどんだけ才能あったんだって話だよな」
なんか、考えるほどドツボにはまっていく気がする。
「拳法学ぶ暇あったら料理の腕上げたら良かったんじゃねーかな」
思考放棄した。そして至極正しいことを言った。
「もうその道極めてもいんじゃね?」
「それもいいな」
逆アプローチのサイガ。これにはあぽろも納得。
さて、しばらく動きのないドリームイーターだが、何もしていないわけではない。
先ほどの攻撃後、両腕を開いて片足立ちをし、身体を上下に揺らしたまま構えを解かない。警戒しているのだ、同じようなポーズで構えている鮫洲・蓮華(ぽかちゃん先生の助手・e09420)を。
「今回の蓮華は華ロリパンダ仕様! チャイナなコスプレとは相性が良い、はず!」
謎の自信。うしろでウイングキャットのぽかちゃん先生さんが温かい目で見守っていたりするが、その姿はどう見てもパンダ。
「久しぶりにコスプレっぽいこと出来て――って、コス、プレ?」
見つけてしまった。彼女を。ユーロ・シャルラッハロート(スカーレットデストラクション・e21365)を。
「何?」
なんかボンテージっぽいの着て、髪を大きなリボンで留めて、なんか羽根とか尻尾とか生やしてて。これで髪が青かったらやばい。
「なんかすんごいビームとか撃ちそうー!?」
「身長はちょっと低いけど、胸は負けてないわ」
ふふんっ、と胸を張るユーロ。何と比較してとか言わない。
●絶剛段
構えの崩れた瞬間が、均衡の崩れたとき。
そう判断したのかは定かではないが、ドリームイーターが動いた。
「従業員いただきアルヨ~!!」
「っとぉ! 良いわよ、私達に勝てたら従業員でも何でもやってやるわよ」
合わせるように芍薬が応戦、牽制の突きをいなして言う。
「私以外が!」
九十九さんが、自分じゃないのかって顔した。
「ついでに、チャイナ服のサービスも付けるわ!」
いろいろ勝手すぎる。
それはさておき反撃の蹴りでも叩き込もうとしたときには、すでにドリームイーターは芍薬の脇をすりぬけ、その先へ進んでいた。
「こっちへ来るとは良い度胸です。今日は片っ端から本のカドで強打していきますよ!」
からのアルター・エッジ。不可視の剣を喚びだし斬りかかる。
いきなり大嘘つきカルナ。
しかしてそれも紙一重でかわされ、その姿がかき消える。
「……後ろ!?」
「こいつ、素早い動きで相手を翻弄した上で距離を詰めて近接の連続攻撃を得意とするタイプだね……! ここは冷静にリーチを取るか……」
なんて良いながらもう、完全に詰められてるシエラ。ドリームイーターとしても得意な距離での攻撃が出来る瞬間を狙っていたようだ。
「もしくは攻撃の切れ目に反確を狙うおぐぅっ!」
アイスエイジインパクト撃とうとしたところでみぞおちに蹴り一発くらってしまった。どう考えてもカウンター判定。
「あううう……お願いリバサは隙を晒すだけ……」
「いやさっきから何の話してんの?」
ただの格ゲー脳。
すごく痛そうなので、サイガが癒やしてあげた。
「さっきから技のたびに光やら炎やら出てっけど……そういうことじゃねえんだなぁ」
炎やらなんやらは、ケルベロスやデウスエクスなら出せることはもはや常識。このドリームイーターの厄介な点はそういうところじゃない。
「ちっ、こいつならいけると思ったが……!」
あぽろが一太刀入れようとしたところで、飛び上がりながらの回し蹴りで回避しながら攻め込まれた。すんでで刃を引き戻し、その蹴りをガードする。
「通信教育とはいえ、独学でここまで鍛え上げたのは正直すげえな……だが軽ぃ!!」
ガードの状態から腕を振り抜くと、ドリームイーターは飛び退き距離を置いた。状況としては仕切り直しといったところだろう。
「どーしたもんかな……」
どうにも捉えづらい。かといって下手に踏み込んで隙を見せれば、一気に攻め込まれてしまう危険もある。
「兎にも角にも、ドリームイーターに賞賛されただけはある……ということか」
そういって、影光が前に出た。
「守りに徹してもらいたい。俺が……」
言葉を一端切る。どこか笑ったように見えたのは気のせいかもしれない。
「俺たちが……流れを作る」
上手く回り始めたのはそこから。
仲間が攻められているところを割り込むように斬り込めば、後方からさらに追撃が飛ぶ。
「ヘヴィだぜー」
謎の言葉とともにユーロがドリームイーターを掴むと何故か一旦停止した。
「お前はもう、死んでいるー」
投げ判定らしい。激しい爆発とともに打ち上げられるドリームイーターに向けて、下斜め前みたいな動きで、蓮華も攻撃を乗せていく。
「ゴリューホー!!」
追加入力でぽかちゃん先生さんも昇りアッパー。
牽制しつつ攻め入る隙を狙い、少しずつドリームイーターにダメージを与え、かつ動きを奪っていく。
戦況は、だんだんとケルベロスたちに有利に傾いていった。
●唯我独尊
だいぶドリームイーターの動きも制限されてきた頃、動きにも慣れてきたのだろうサイガがドリームイーターの蹴りに合わせて蹴りを放ち相殺。半回転しつつ一歩下がっておもむろにその辺の木を拾い上げる。
「オーケー、上等だ!」
降魔の力を乗せて思いっきり叩きつけた。ぶん殴った木は派手にへし折れて、先がどっかに回転しながらすっ飛んでいった。
「ま、この手の奴ぁ、一度捕まえればこっちのもんってトコだな」
「それじゃ、もうひとつくらいおまけに被せとこうか」
ヒット確認からのシエラによるアイスエイジインパクト。今回はコンボだ。
「ここから一気に崩していこう!」
「今度こそ本のカドで!」
そういうカルナだけど、実際本で叩いても破鎧衝。ダメージは内側からなのでなんか違う。
「よし、このままもう一発……」
「あ、下がって」
「え」
起き上がりと同時にドリームイーターの拳がすっ飛んでくる。
「アーイヤー!!」
「ぐわー」
「ああ、起き攻め甘いから暗転でリバサされた!」
吹っ飛ぶカルナをよそ目に格ゲー脳シエラ。
「油断するな……こちらが有利といえど、攻め方ひとつで逆転されることもある……」
「む、格ゲー脳仲間!」
「……違う」
冷静に刻むように絶空斬で攻めつつ、影光は静かに否定した。心外である。
だが、ここいらが攻め時だろう。
「じゃあひとつ、ここらでさっきのお返し……させてもらうわ!」
攻撃後の隙をついて芍薬がドリームイーターの顔を掴む。やがてその掌が赤い光を放ち――。
「充填OK、インシネレイト!」
膨大な熱が放出され、ドリームイーターに襲いかかる。焼き尽くさんばかりの熱線が晴れる間もなく、蓮華が飛び込んでくる。
「ほらほら、こっちの奥義も見ていって!」
なんやかんや、中華なドレスになった姿を見てドリームイーターの動きが止まる。
「こいつで仕舞いだぁー」
とまったところを狙い、杖から炎を噴出させながらユーロが突進、ドリームイーターにぶち当てたところで炎がその背中から斜め上に突き抜け、追撃の炎が爆発となってドリームイーターを包み込む。
「出し惜しみしてる場合かー」
もうさっきから完全に言動がバッドなガイの人である。セリフ棒読みだけど。
さて、ここまで追い込んだ状況であればもう、決められない道理がない。
「こう見えて武とか剣とかは得意じゃねーんでな、本領はこっちだ!」
太陽神降臨。明らかに尋常じゃないエネルギーがあぽろの右手を中心に収束していく。
これきっと、一撃必殺とかフィニッシュ技とかそういう類だ。
「喰らって消し飛べ、『超太陽砲』!!」
周囲一体が光の奔流に飲み込まれ、視界のすべてが白に染まっていく。
次に、一瞬遅れて轟いた音が衝撃となり、すべてを震わせ薙ぎ倒す。
遠くからながめているものがあったとすれば、その光景が文字通りまぶたの裏に焼き付いたであろう。
光の柱が、遥か空の彼方へと昇っていく様子が。
「え、えーと……」
とりあえず機を逃す前に、動く影ふたつ。
「デストロイ!」
蓮華とぽかちゃん先生さんがハイタッチしてポーズとってた。
●サービス定食アル
跡形もなく消し飛んだドリームイーターを確認する術などないので、ケルベロスたちは件の女性のところへ向かった。
かくして彼女は目覚めており、無事ドリームイーターを撃破し女性を救い出すことに成功したと確認できて、一行は胸をなで下ろしたのだった。
「またつまらないものを斬ってしまいました……今日はイタリアンでも食べて帰りますかね。小籠包とプリンが食べたいです」
「え、大丈夫……?」
なんか支離滅裂なこといいだしたカルナをすごく心配する蓮華。何が大丈夫なのか聞かない優しさ。でもぽかちゃん先生さんが頭に向かってヒールし始めてる。九十九さんもバール的な何かで頭叩こうとしてる。
いろいろと情報が交錯して混乱するような事件だったから仕方ない。とはいえ、ようやく女性も話が出来るようになってきた。
「うう、それにしても、ワタシのすべて、通用いしなかったアルね……」
「あ、この人素でアルとか言うんだ……じゃなくて元気出して、これをあげるわ」
そういって芍薬はウーロン茶の缶を差し出した。
「ありがとうアル……ってこのウーロン茶空アル! どうしろ言うアルか!」
「髪止めるとか」
「酔狂アルね」
自覚はないらしい。
「それにしてもまだまだ強い人おおいネ。もっと修行してワタシ強くなるアルよ」
「あ、コイツ全然懲りてねえ」
呆れ気味にサイガが呟いた。
それで良いのか悪いのか、何とも言えない。少なくとも今の彼女は負の気持ちで動いているわけではなさそうだ。仮に今回みたいに利用されることはあっても、前に進むことは出来そうである。
「うん、まあ、良いってことで」
サイガがそう締めくくってみんなが納得しかけたところで、あぽろが遮った。
「いやいやいや、根本的に間違ってるだろ」
「何故アルか!!」
その言葉に女性も抗議の声をあげた。
「本来の目的を見失うなよ」
「従業員ゲットアル!」
「じゃなくてイタリアン作るんだろーが!!」
「そ、そうだったアル……?」
「俺に聞くなよ!?」
独学で拳法学んで相当の実力を積むくらいなのだ。それだけの能力を料理に傾ければ、いくらでもいい料理を作って客を集められそうなものであるが。
なんかもう本当に拳法家目指せば良いのにって言いたくなる。
「なんでイタリアンなんだろう」
ユーロが首をかしげた。
「でもそんなことより中華が食べたいわ」
「こういうのって奢ってもらえるのが相場だよね。私は回鍋肉食べたい」
「だからイタリアンって言ってんだろ……」
シエラまで乗ってきたのであぽろが頭を抱えだした。
「じゃあ汁なし担々麺で」
「イタリアン!」
「中華も作れるアル。店はないけど厨房貸してくれたら作れるアル」
「作れんのかよ!」
この女性も、なかなか一筋縄ではいかない。
何はともあれ、助けたお礼として中華を御馳走になることになったのだった。
「……理解は出来ない、が……」
ここまでのやりとりをみて、影光が呟く。
店が潰れて、無力に絶望して、力をつけるため拳法を学ぶ。因果がさっぱり分からない、しかし重要なのはそこではない。
「……貫き通す、心か」
彼女はきっとそれが正しいと信じていた。故に貫き通した。
なりたい自分になる、それがどれだけ難しいか知っている。そして如何に簡単なことであったのかを今日知った気がする。
「……半端物」
自分を縛るその言葉、それを乗り越えなるべき自分を見定めることが出来たとき、前に進めるのかもしれないと影光は思うのだった。
作者:宮内ゆう |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年10月22日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 5/キャラが大事にされていた 2
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