●最初に知ったインディーズ
歩調を弾ませ、彼は行く。
晴れやかな空の下、友人宅を目指してひと気のない道を。
口ずさんでいる鼻歌は、珍しいリズムとメロディの組み合わせ。彼が見初めたインディーズバンドが奏でている曲だ。
「……ま、あの魅力的な音楽ならすぐにメジャーデビューしちまうんだろうけどな。けど、構わない。俺が好きなのは、今だ!」
誰かに語るような声音も紡ぎつつ、前へ前へと進んでいく。
そんな彼の進路に2人の女性が立ちはだかった。
片や下半身が四足獣のような形状になっている赤い魔女、片やどこぞの民族のシャーマン……そんな出で立ちをしている女性たちだ。
彼が訝しげな視線を2人に向ける中、不意に、荷物が軽くなる。
何かが落ちて砕ける音もした。
恐る恐る音の在り処へと視線を送れば……。
「っ……」
ちぎれた荷物袋。
ケースごと砕けたCD。
息を呑み、女性たちへと向き直る。
赤い魔女風の女性が荷物のあった場所を示していたから……彼女が犯人だと断定した。
「な、何をしてくれたんだ! あれ、あれはな! 俺が始めた魅力的だと思った……初めて好きになったインディーズバンドのCDだぞ! メジャーデビューせずに引退し、今ではもう手に入らないどころか曲を聞くことさえも難しい幻の……いや、そうでなくても思い出の……だのに、なんで……」
湧き上がる怒り。
こみ上げる悲しみ。
表情を変えずに見つめていた2人の女性は、それぞれ鍵を取り出した。
詰め寄ろうとしてきた彼の胸に、ひと思いに突き刺して……。
「あ……」
「私達のモザイクは晴れなかったねえ。けどあなたの怒りと」
「オマエの悲しみ、悪くナカッタ!」
2人の女性が告げると共に、彼は倒れ伏していく。
入れ替わるように、2体の人型が現れた。
片や壊れたCDを組み合わせて作られたような人型で。
片や空のCDケースを組み合わせて作られたような人型だ。
特徴的なのは、それぞれの頭の両側面。
耳があると思しき辺りが、歪なモザイクに覆われていて……。
●ドリームイーター討伐作戦
「そうですか。でしたら……」
「うん、それでですね……っと」
遠之城・鞠緒(死線上のアリア・e06166)と会話していた笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)は、足を運んできたケルベロスたちと挨拶を交わしていく。
メンバーが揃ったことを確認し、説明を開始した。
「パッチワークの魔女がまた動き出したこと、ご存知の方もいらっしゃると思います」
今回動いたのは、怒りの心を奪う第八の魔女・ディオメデスと、悲しみの心を奪う第九の魔女・ヒッポリュテの2体。
この2体の魔女はとても大切な物を持つ一般人を襲い、その大切な物を破壊し、それによって生じた怒りと悲しみの心を奪ってドリームイーターを生み出すようだ。
「生み出されたドリームイーターは2体連携して行動し、周囲の方々を襲ってグラビティ・チェインを奪うみたいです」
悲しみのドリームイーターが物品を壊された悲しみを語り、その悲しみを理解できなければ怒りでもって殺害するようだ。
「戦いの際は怒りのドリームイーターが前衛、悲しみのドリームイーターが後衛……という風に行動するみたいですね」
そのため、2体のドリームイーターが周囲の人間を襲って被害を出す前に、撃破することが目的となる。
「次は……今回襲われちゃった人と、戦うことになるドリームイーターについて説明するね」
今回襲われたのは、インディーズCDの収集を趣味としていた男性。当日は友人宅で鑑賞会を行うはずだったとか。
「破壊されたのは、その方がインディーズCDを集めるきっかけとなったインディーズバンドのCD。メジャーデビューせずに引退したみたいで、もう手に入らない、CDを失えば聞くことも難しい……って品物だったみたいです」
それを破壊された怒りと悲しみで、ドリームイーターは生み出された。
怒りのドリームイーターの姿は、空のCDケースを組み合わせて作ったような人型。耳にあたる場所がモザイクになっている。
戦いにおいては攻撃を担当。怒りをぶつけることで複数人を威圧する、空のケースをバラマキ複数人を挟み込み捕縛する、カラのケースを大量に射出し複数人に何度も何度もダメージを与える、といった行動を取ってくる。
悲しみのドリームイーターの姿は、壊れたCDを組み合わせて作ったような人型。耳にあたる場所がモザイクになっている。
戦いの際は命中精度の戦い攻撃を仕掛けてくる。嘆きの言葉を放ち複数人の足取りを鈍らせる、鋭利なCDにの破片を乱射し複数人を防具ごと斬り裂く、反射光で複数人を威圧する、といった行動を取ってくる。
「以上で説明を終了します」
ねむは資料をまとめ、締めくくった。
「大切なものを目の前で破壊され、その怒りと悲しみを利用される……絶対に許せないですよね! ですから、全力での戦いをお願いします!」
参加者 | |
---|---|
エニーケ・スコルーク(黒馬の騎婦人・e00486) |
四乃森・沙雪(陰陽師・e00645) |
西村・正夫(週刊中年凡夫・e05577) |
村雨・柚月(黒髪藍眼・e09239) |
リョウ・カリン(蓮華・e29534) |
キアラ・エスタリン(光放つ蝶の騎士・e36085) |
ラジュラム・ナグ(桜花爛漫・e37017) |
フィア・ミラリード(自由奔放な小悪魔少女・e40183) |
●始まりの音を奪った者たち
冷たい風が肌を刺す、緑がくすんでいく秋の頃。とある男性の怒りと悲しみを取り戻すため、ケルベロスたちは街を歩く。
怒りと悲しみをもとにしたドリームイーターの捜索を行いながら語らうのは、インディーズバンドを愛し、大切なCDを壊された男性に対する思い。
西村・正夫(週刊中年凡夫・e05577)は視線を落とし、ため息1つ。
「思い出や思い入れの価値ってのはその本人しかわからないものですけれどね。だからこそ、踏みにじっちゃいけないのが道理でしょうに」
「魔女の暗躍が続く以上、これからも起きてしまう事件なのだろうな」
瞳を細め、村雨・柚月(黒髪藍眼・e09239)は続けていく。
毎回毎回、後手に回っている魔女の事件。少しでも被害を防ぐためにこうして行動しているけれど、やはりもどかしく感じてしまう。
同様の思いを抱いていたか、リョウ・カリン(蓮華・e29534)は拳を握りしめていた。
「ほんと、二度と取り戻せないものを壊して感情を無理やり引き出すなんて、相変わらず下衆な連中だよね。限定者だとかではなく、それだからこそ宝物だっただろうに……」
「そうですね。今まで何人かの魔女が出てきましたが、今回の2人が一番悪辣で醜悪です。許しちゃならない類ですよ、こいつらは」
正夫は少しだけ強い声音で語りながら、顔を上げて前を見据えていく。
車の通りも少ない小さな道路の中にドリームイーターの痕跡がないかが探られていく中、エニーケ・スコルーク(黒馬の騎婦人・e00486)が小さく肩をすくめた。
「負の要素が多かれど怒りと悲しみを忘れてしまったら人として成り立ちませんですしね。それら現在の出目になり得る要素と人の中に内包する愛があってこその人間なのですから」
あるいは、いずれ憎しみや哀れみすらも奪おうとするドリームイーターも出てくるかもしれない。
魔女たちとの更なる戦いをも話題に上がる中、変化が訪れたのはおおよそ二十分の時が経った時。
平時ならば近所の子供たちが遊んでいるだろう、誰もいない小さな公園の前。看板を背に佇む、2体の異形を見つけた時。
ケルベロスたちは立ち止まる。
壊れたCDを組み合わせて作られたような人型が語り始めた。
男性が抱いていただろう悲しみを。
始まりの音を壊された悲しみを。
受け止めた上で、キアラ・エスタリン(光放つ蝶の騎士・e36085)は告げていく。
「メジャーデビューすることのなかったインディーズバンドのCD……。決して多くの人の耳に届くことはないけれどそこでしか聴けない貴重な音だったんですね……それを奪われた怒りと悲しみ、絶対に晴らしましょう」
「ええ、必ず取り戻しましょう」
頷き、正夫は身構える。
ケルベロスたち全体が同様の反応を見せた時、人型の片割れ……空のCDケースを組み合わせて作られたような人型が全身を怒らせながら前に出てきた。
壊れたCDが悲しみのドリームイーター、空のCDケースが怒りのドリームイーター。
男性の悲しみと怒りによって作り出された存在だ。
取り戻すためにも、打ち倒す。
そのためにケルベロスたちは、ここに来た――!
●怒りと悲しみを騙る者
「陰陽道四乃森流、四乃森沙雪。参ります」
刀の刀身を刀印を結んだ指でなぞった後、四乃森・沙雪(陰陽師・e00645)は跳ぶ。
まっすぐに。
怒りのドリームイーターの懐へと入り込む。
「神速の一撃、見切れると思うな」
着地した瞬間姿を消し。
瞬く間もなく怒りのドリームイーターの中心に刀の切っ先を突き立てていた。
押されるのみで貫かれた気配はない怒りのドリームイーターを視界に収めながら、フィア・ミラリード(自由奔放な小悪魔少女・e40183)と柚月が左右から怒りのドリームイーターのもとへと向かっていく。
「魔女が出すドリームイーターとは前も戦ったことあるから大丈夫!」
「期待してる、援護を頼むぞ」
頷き、フィアは笑い懐へと飛び込んだ。
勢いのままに放つ回し蹴りは、怒りのドリームイーターの喉元あたりを掠めていった。
「ナイスタイミング!」
直後、柚月は1枚のカードを解放し、手裏剣のように飛ばしていく。
「清らなる風に舞う雪の花! 顕現せよ! シャインブリザード!」
吐息すらも凍てつかせる雪の結晶を。
それは輝きを伴い、怒りのドリームイーターの体を包み込み足を止めさせた。
援護のためか、それても偶然か。
怒りのドリームイーターに隠れていた悲しみのドリームイーターが、無数のCDの破片を放出してきた。
ラジュラム・ナグ(桜花爛漫・e37017)が破片の只中へと身を躍らせていく。
咲き乱れる桜の花が刻まれた白鞘に収めたままの金色の鍔を持つ刀を横に構え、群れの中心を薙ぎ払う。
「っ、流石……!」
斬撃を中心にダイヤのシンボルを描くかのように破片は散りゆけど、勢いを失わなかったものたちはラジュラムの肩に、足に突き刺さる。
即座にキアラらによる治療が行われていく中、沙雪は改めて怒りのドリームイーターに狙いを定めていた。
横を柚月が駆け抜けていく。
柚月は怒りのドリームイーターの間合いへ入り込むと共に跳躍し、背後を取った。
「背中ががら空きだ」
冷たく言い放ち、至近距離から飛び膝蹴り。
ぴしりと何かが砕ける音を響かせながら、怒りのドリームイーターの体が宙に浮く。
沙雪が叩き落とす。
一点の曇りもない斬撃によって。
「この調子を保っていこう」
地面に叩きつけた怒りのドリームイーターを見下ろし、沙雪は後ろへ飛んでいく。
仲間たちの追撃を導くために。
順調な滑り出して始まった戦いの流れを途切れさせてしまうことのないように……。
悲しみのドリームイーターは視界の端に捉えるに止め、リョウは怒りのドリームイーターの背後に回り込む。
前方に気を取られているのか振り向いてくる気配のない背中に簒奪者の鎌を突き立てた。
「ほんと、無防備だね。気にする余裕がないだけかもしれないけどさ」
ひと思いに切り裂き、勢いのまま離脱。
前衛陣の後ろへと戻った時、怒りのドリームイーターが何枚もの空のCDケースをばらまいてきた。
「こちらの区域は私が受け持ちます」
「無理すんなよ」
CDケースの群れの左側には正夫が、右側にはラジュラムが立ち塞がる。
ラジュラムは再び鞘に収めたままの刀を横になぎ、己に向かう来る大半のCDケースを吹き飛ばした。
「まだだ」
一歩踏み込み、1枚、2枚と叩き落とす。
肩に、足に噛み付いてくるCDケースもあったけど、構わず怒りのドリームイーターの間合いへと踏み込んだ。
今なおCDケースを操っているのか、怒りのドリームイーターはばらまいた姿勢のまま固まっている。
「そこだ」
抜刀すると共に雷を走らせ、切っ先を喉元へと突き付けた。
一跳躍すると共に姿を消し、怒りのドリームイーターをブロック塀へと押し付ける。
「俺も音楽は好きだ。だからこそ最初で最後の音が失われる悲しみは想像してくもない。それを利用するヤツは断じて捨て置けん!」
より一層の言葉を込め、怒りのドリームイーターの喉元を貫いた。
体を形成するCDケースに亀裂が入っていくのを確認した後、引き抜きバックステップを踏んでいく。
怒りのドリームイーターが喉を押さえながらケルベロスたちへと向き直る中、ラジュラムの体を蒼く優しい光が包み込んだ。
キアラだ。
キアラの翼が、傷ついたラジュラムを癒やしたのだ、。
無事に傷跡が塞がれていく様子を見つめたまま、キアラはふらつきながらも抗う構えを見せていくドリームイーターを前に目を細めていく。
「絶対に取り戻します。もう、CDは戻ってこないとしても……その感情は、あなたたちのものではないのですから」
浄化の思いを仲間に託す。
胡蝶型の翼に、黄金の輝きに抱かれながら、思いを託した仲間たちを支えていく。
彼女が支え続けているから、ラジュラムたちが守ってくれているから、他のケルベロスたちは全力を尽くし続けることができるのだ。
万全の防御態勢が敷かれた最前線を視界に収めたまま、エニーケは両脇両腰の砲塔を展開し怒りのドリームイーターに狙いを定めていく。
ただそれだけに意識を集中させる中、聞こえてくるのは恨み節。
怒りのドリームイーターが綴る、恨み節。
「……満足でないならもっと私を怒らせてみせなさいな……!」
かき消すかのような轟音と共に主砲を放つ。
ふっとばされた怒りのドリームイーターはブロック塀へと叩きつけられ……ばらばらになって地面に降り積もる。
即座にリョウは踵を返す。
悲しみのドリームイーターへと仕掛けるため。
「後はあなただけ、覚悟してね」
前方へ飛び、間合いへ踏み込むと共に右へ。
着地とともに左へ、前へ……フェイントを織り交ぜながら悲しみのドリームイーターのもとへと向かっていく。
目と鼻の先まで顔を近づけた瞬間に、飛び退りながら簒奪者の鎌をぶん投げた。
正夫がルーンアックスの刃で目を多い、悲しみのドリームイーターが放つ反射光を防いでいく。
仲間たちの影に隠れる形で身を潜めていたエニーケは、反射光を放ちながらも始まりの音を壊されてしまった悲しみを語り続ける悲しみのドリームイーターに問いかけた。
「悲しみの先にある感情が何かはあなたはご存知かしら?」
返答する気配はなく、ただ悲しみのドリームイーターは嘆くだけ。
「知らぬなら死んでどうぞ」
エニーケは冷たく言い放ちながら飛び出して、悲しみのドリームイーターにバスターライフルを突きつける。
一呼吸置いてトリガーを引き、漆黒の弾丸を打ち込んだ。
悲しみのドリームイーターの体が宙に浮く。
すかさず柚月とフィアが踏み込んだ。
互いに視線を交わした後、今度は柚月が先に懐へと入り込む。
勢いのままエクスカリバールを振り下ろし、悲しみのドリームイーターの両足を地につかせた。
「フィア! 今だ!」
「オッケー! 任せて!」
直後、フィアが側面へと入り込み、背中へと放つ回し蹴りを!
悲しみのドリームイーターはブロック塀へと叩きつけられた。
左腕を失いながらも立ち上がり、CDの破片の群れをばらまいてきた。
もっとも、勢いはない。
「俺だけで十分だ、備えててくれ」
率先してラジュラムが前に立ち、鞘に収めたままの刀に手をかける。
深く息を吸い込み、腰を落とした。
飛来するCDの破片だけを見つめ……居合い、一閃。
透明感のある刃の斬撃は唸る風圧を作り出し、CDの破片を全て吹き飛ばした。
さらに悲しみのドリームイーターを横一文字に切り裂いて、再びブロック塀へと押し付けていく。
「今です、行きましょう!」
すかさずキアラが御業を展開し、炎の弾をぶっ放す。
炎に抱かれていく悲しみのドリームイーターを見つめたまま、沙雪は当院を結んでいく。
「鬼魔駆逐、破邪、建御雷! 臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」
印は指先に光の刀身を導き、軽く振るうとともに悲しみのドリームイーターを斜めに切り裂いた。
幾つものCDが砕けていく中、その亀裂に簒奪者の鎌の切っ先が潜り込んでいく。
「取り戻すよ、絶対に」
担い手たるリョウは力を込め、1枚、2枚と壊れたCDを斬り砕いた。
胴体の半分ほどを失った悲しみのドリームイーターを見つめ、フィアは静かな思いを巡らせていく。
――今更ではあるけれど、なぜ人型なんだろう。人の気持から生み出されたからかな?
もっとも、もともとの姿もパーツを失ってなお動く姿も、完全にホラー映画の領分。
静かな息を吐き出して、フィアは再び懐へ。
回し蹴りを叩き込み、悲しみのドリームイーターを仲間たちの中心へとふっ飛ばした。
待つはエニーケ。
バスターライフルを携えた。
「いい発散ができそうです。お礼はワンパンでどうぞ!」
飛んできた悲しみのドリームイーターに数多の弾丸を叩き込み、体を形成する全てのCDを打ち砕く。
やがて全ては地に落ち、先に砕けていたCDケースと混ざり合い……光の粒子へと変わり、いずこかへと飛び去っていった。
きっと、それは……。
●始まりの音を探しに
光の方角は、おおよそ男性が倒れた地点と同じ場所。
後を追うようにして移動したケルベロスたちは、倒れている男性を発見した。
素早く駆け寄り、沙雪は安堵の息を吐き出していく。
「無事なようですね、良かったです」
耳をすませば聞こえてくる、小さな寝息。
その表情は決して明るいものではなかったけれど、それでも、命の鼓動は確かにある。
ケルベロスたちは近くの公園へと移動し、男性の介抱を行った。
滞りなく作業が進んでいく中、正夫が1人つぶやいていく。
「壊れてしまったものを元に戻す、っていうのはできる時ばかりではないですからね。割れたCDから、音源のサルベージとかできると良いのですが……」
どこかに救いがあって欲しい。
もっとも……CDは幾つもの破片になるほど砕けており、サルベージもできそうにはなかったけれど……。
冷涼な風に影が落ちる中、フィアはそれでも……と口を開く。
「もしかしたら、同じバンドが好きな人がいるかもしれない。もしかしたらCDを持ってるかもしれない……だからさ、諦めるには早いって思うんだ」
世界は広い。
どこかに、始まりの音の兄弟を持つ人が居るかもしれない。
だから、それを伝えよう。
あるいは協力していこう。
彼が元気を取り戻し、前を歩いて行くことができるように……。
作者:飛翔優 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年10月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 2
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