「ここか……」
ガロンド・エクシャメル(愚者の黄金・e09925)は何かに呼ばれるように、とある過疎地域に来ていた。人口の減少、交通網の不備、魅力の皆無……様々な要因により、地図に残された、忘れられた村と化したここにたどり着いたガロンドが見たもの。それはモザイクのドームだった。
「さて、何が出るかな……」
口にはしてみるものの、モザイクのドーム……ワイルドスペースの噂は十全に聞いていた。だからこそ、空から見下ろす『ソレ』に遭遇しても驚きはしない。
「この場所を見つけたか」
「この空間を見たからには生かしては帰せぬ」
「この場で死ねェ!!」
三つの頭と三人分の意思を持つ飛竜を前に、ガロンドは頭痛を覚えたようにこめかみを押さえるのだった。
「皆集まったね?」
大神・ユキ(元気印のヘリオライダー・en0168)は集まった面々を見回し、コロコロと地図を広げてとある山村を示した。
「ここに調査に向かったガロンドさんがワイルドスペースを見つけて、その内部でワイルドハントに襲われてるの。急いで救援に向かって!」
彼は一度、暴走した過去がある。故に番犬の一部は敵の姿を知っており、もしや、と嫌な予感が胸を打つ。
「敵は頭が三つあるドラゴンで、それぞれ別々の意識を持ってるの。でも姿をコピーしてるだけだから、ガロンドさんの暴走の時みたいに哲学的な話をしてくるわけじゃなくて、ただ単に三人分の意識があるだけだと思って大丈夫だよ」
でも。少女の言葉は続く。
「逆に言えば、話し合いでわかり合うなんてまずできないから、全力で戦う必要があるの。しかも、完全にやっつけるには三本の頭全部を倒さないといけないからね!」
一つの体でありながら、意識は別個である故に、実質三体分戦う必要があるらしい。長期戦が予想されると同時に、厄介な戦術が語られる。
「敵は大型のドラゴンで、ずっと空を飛んでブレスを吐いてくるの。そのせいで攻撃範囲はすっごく広いのに、威力の減衰が起こらないから立ち回りに気をつけて!」
防御のための陣形を整える。もしくは敵の優位性……番犬全体を攻撃できるという、空中という戦場から引きずり下ろす作戦が必要になりそうだ。
「相手は偽物とは言っても、ドラゴンだよ。変な能力こそ持ってないみたいだけど、単純に強いから、絶対に油断しないで」
真剣な青い瞳に、番犬は頷きを返してヘリオンへ急ぐのだった。
参加者 | |
---|---|
クーリン・レンフォード(紫苑一輪・e01408) |
ルーク・アルカード(白麗・e04248) |
佐藤・非正規雇用(狩りの季節・e07700) |
ガロンド・エクシャメル(愚者の黄金・e09925) |
白銀・ミリア(白銀の鉄の塊・e11509) |
黒須・レイン(十字架はただ其処に在る・e15710) |
ホルン・ミースィア(ヘイムダルの担い手・e26914) |
北條・計都(凶兆の鋼鴉・e28570) |
●
「うぉおおおお!?」
ガロンド・エクシャメル(愚者の黄金・e09925)は走る。敵が空にいる為、頭上を覆う遮蔽物を求めて森の中に身を潜めるのだが。
「無駄無駄!」
「その程度の森」
「あってないようなものだ!」
口々に嘲笑う黄金竜の炎の吐息が森を焼き払い、更地になったそこでガロンドが膝を着いた。
「く……攻撃の範囲が広すぎる……隠れるのは無駄か……」
歯噛みする竜人に、巨大な影と嘲笑が降りかかる。
「では目撃者よ」
「さらばだ」
「消し炭になるが……ッ!?」
黄金竜の声を一発の銃声が打ち消した。狙撃を回避した飛竜が距離をとり、硝煙を上げる拳銃を携え、騎乗機を駆る北條・計都(凶兆の鋼鴉・e28570)が微笑んだ。
「分かりやすくて助かりましたよ……なにせ金色が目立つことこの上ない!」
「図体はでかいしね」
救援に冗談を返すガロンドを庇うように、黒須・レイン(十字架はただ其処に在る・e15710)が立ちはだかり腕を組む。
「我が弟子を騙る不届き者よ!海賊船長が地を這わせてやろう!」
「さて、あの時のリベンジってわけだ。今回はあたしが後ろだがいけるか?」
後方に構える白銀・ミリア(白銀の鉄の塊・e11509)に、背を向けたままレインは親指を立てる。
「海賊船長は万能だからへーきへーき!ミリアこそいつもと違うからって外すんじゃないぞー?」
「当然だろ!」
「ならばよし!なに、二人でなら大丈夫!」
背中越しだというのに、二人は鏡合わせのように微笑みを浮かべていた。
「これがガロンドおにーさんの本当の姿……?」
ホルン・ミースィア(ヘイムダルの担い手・e26914)はルナを抱きしめて黄金の飛竜を見上げる。
「……ううん、違うっ!」
その現実を否定するように、少女は首を振った。
「普段はクールに見えるけど、心は優しい人なんだってボク知ってるもんっ!いくら形を真似たって、その魂に本物の輝きはないっ!」
ルナを飛び立たせて、ホルンは空へ手を伸ばす。応えるように光の柱が彼女を包み、頭上へと白い機体……彼女の鎧装が降臨する。
『メインシステム【The Soul Conductor】起動』
電子音とも、天からの声ともつかぬ音声と共にホルンの体が光の粒子と化し、流線型の機体の中に取り込まれた。機体は関節部位と両肩の花弁と翼を合わせたような形状のアーマーから光を放ち、背に光輪を纏う。
『システムオールグリーン……戦闘機動開始します』
駆動機関が動きだし、機体の……否。もはやそれは、ホルンそのものだ。彼女は目を開けると、周囲を飛び回る相棒を視認。
「行こうっ!ルナッ!」
その声に、白猫は小さく鳴いて応えた。
「……っ」
クーリン・レンフォード(紫苑一輪・e01408)は飛竜を前に息を飲んだ。対峙するそれを前に胸に抱くのは恐怖でも、不安でもなく。
「あれはそっくりな別のもの。別だと分かっててもちょっと躊躇しちゃうな……」
クーリンは自分に言い聞かせるように呟いて、青い水晶をあしらった杖で地面を叩く。地面に星々の輝きを走らせて、彼女は金色の竜人を見やった。
「うん!」
本当のガロンドはここにいる。それをしかと目にして、彼女は一つ頷いた。同時に輝きは番犬達を守る加護となり、無数の犬の姿をとって後衛の番犬達の前に陣取り、防御陣形を整える。
「フッ、この中でヤツと戦ったことがあるのは俺だけのようだな。任せておけ、二度だろうと三度だろうと討ち果たしてや……」
ゴォウ! 死亡フラグをサクッと回収して? 真っ黒焦げになる佐藤・非正規雇用(狩りの季節・e07700)。
「……作戦は対空戦のままでいくぞ!」
アフロヘアーを投げ捨てて、人型を前衛に展開するアルヴァイト。彼の号令に番犬達が頷くが、飛竜は嘲笑を浮かべる。
「虫けらどもめ」
「我々に届くとでも思っているのか?」
「む……?」
首の一つが、急に明るくなった周囲に疑問符を浮かべた。振り向けば、モザイクの空には美しい満月が輝いて……月光の中に、何かが煌めいた。
●
「奇襲!?」
「逆光で見えん!」
「とでも言うと思ったか!?」
「何っ!?」
月を背に飛びかかるルーク・アルカード(白麗・e04248)だが、狙った首とは別の首に横合いから食いつかれ、その半身を顎に囚われてしまう。
「この……!」
手にしたナイフを突き立てるが、黄金の鱗は刃を通さず、甲高い音を立てて折れてしまった。同時に、ルークの体を噛み潰すように圧力が加えられる。
「ぐ……ぁ……!」
ミシリ、肉が少しずつ分断されて繊維が千切れる音が耳を打つ。皮と肉が潰し切られ、内臓が潰れ穴が開いた消化管に血が流れ込み、喉をせり上がる赤い液体を吐き出した白狼の腕から力が抜けていく……。
「いや……だ……死にたく……な……」
目尻に涙を浮かべながら、地上の仲間へ腕を伸ばすルーク。しかし、その微かな声すら掻き消すように……。
――パキッ。
乾いた音と共に背骨が砕け、千切れた上半身が地面に……落ちる前に消えた。
「「「は!?」」」
三つ分の驚愕の傍ら、右翼に楔を打ち込んだ本物のルークが輝く鱗を蹴って跳躍。
「悪いな、そっちは分身だ」
地上へ舞い降りるルークと入れ替わるようにこがらす丸の追加兵装からワイヤーが射出され、楔に接続される。
「ガロンド!引け!!」
「おうっ!」
アルヴァイトの大声に、本命は敵を地上に引きずり下ろす事なのだと察したガロンドがワイヤーを掴む。
「馬鹿め!」
「それでは動けまい」
二本の首が嘲笑い、一本が大きく息を吸った。彼に攻撃を集中させて焼き払うつもりなのだと察したホルンが宙を撫で、彼女の腕の軌跡の残光が矢を形取る。
『プリズムダート展開、具現化安定確認』
「ガロンドおにーさんをいじめるなーっ!」
射出した矢を集中、攻撃を阻害しようとするがギロリ、敵の目標が変わる。
「えっ!?」
「狙い撃ちだと!?」
計都が咄嗟にホルンの前に飛び込む。その全身を業火に包まれ、地面を転がり急いで消火するも、既に虫の息だ。
「く……防御の型で来なかったら終わってたぞ……」
よろめきながらも立ち上がる計都。重力鎖を攻撃を防ぐ事に集中させてなお、自身の魂の一部を騎乗機として顕現させている彼に次はないだろう。
「だ、大丈夫!?」
「怯むな!」
クーリンが子犬の姿をしたヒールを計都へ送り、戸惑うホルンをアルヴァイトが両手の中に生み出した気力を計都に叩きこみながら一喝、左翼を示し。
「アンカー急げ!ガロンドが集中砲火されるぞ!」
「う、うんっ!」
射出された金属製の矢は翼膜を貫通、抜けた先で傘のように開き、返しで左翼に食らいついた。そしてアンカーを引くホルンを、更にアルヴァイトが引く。
「我々を墜とすつもりか?だが、その程度の力では我らは墜とせん」
二本の首が息を吸い込み、それぞれ冷気と熱を纏う。辺りを真っ白に凍結させるブレスが番犬達を薙ぎ、続けて残された氷すら蒸発させる業火が周囲ごと番犬を飲み込んだ。
「これは……辛いですね……!」
ヒールを受けたばかりの計都の意識が揺らぎ、番犬達の隣人が消えかけている。被害状況を確認したガロンドが舌打ち。
「さっさと墜とさないと部隊がもたないぞ!?」
「任せておけ弟子!」
帽子の煤を払い、レインがニヤリ、口角を上げた。
「動けないのはあっちも同じ。ここで引きずり下ろしてやる!!」
ワイヤーを足場にしてレインが飛竜へ肉薄。
「海賊船長のお通りだー!!」
叩き落とそうと首の一つが食いついてくるが、その鼻っ面を蹴り飛ばしながらぶっ飛ぶ頭に飛び移る。鱗の隙間にブーツを噛ませて体を固定、鱗を剥ぐようにカトラスを突き立てた。
「おのれ小娘」
「叩き潰してくれる!」
「おい待て俺に頭突きする気か!?」
他の頭がレインを叩き潰そうとするが、二つの頭の意識が彼女に向いた隙に小さな影が背後を取る。
「いつまでも見下してんじゃねぇ!!」
ミリアが頭の一つに踵落とし。体重に脚力を乗せて強引に振り抜いて、大きく体を揺らす飛竜。反動で後方宙返りする彼女にもう一本の首が迫るが、ミリアをレインが横からかっさらい、無数の牙が打ち鳴らされて火花を散らす。
「一気に決めるぞ!」
「言われるまでもない!!」
そのまま頭上に逃れたレインが角目がけて跳び蹴りをかまし、つんのめった竜の頭蓋からミリアがカトラスが突き立ったままの首に飛び移り、駆け抜け様に得物を抜き取った。そして鼻先へ向かう途中で飛び降りて。
「いくら硬くても、ここは脆いよな?」
竜の目玉に刃を突き立てる。
「「「ぐぁああああ!?」」」
痛覚は共通しているのか、三つの慟哭が響いて力が緩んだ瞬間、地上の竜人二人が一瞬だけ目を合わせ、一気にワイヤーを引く。
「なんっ」
「だとっ」
「馬鹿な!?」
地上を睥睨していた飛竜が大きく弧を描き、地面に叩きつけられた。
●
「師匠も無茶をする……」
ミリアとハイタッチするレインにガロンドがため息をつき、海賊船長は豪快に笑った。
「弟子と同じ戦場は数あれど、並び立つのは珍しい!なれば、海賊船長百二十%!つまり不可能はないってことだ!」
ユラリ、強大な影が持ち上がり、地上に落されてなお高所から見下ろす三つの視線が怒りを孕む。
「脆弱な者共が……」
「舐めた真似を……!」
「……」
首が一つ黙った。もはや瞳に意思を感じないが、確かに動いている。
「意識を失っても、他の頭が代わりに動かしてんのか、あれ?」
カトラスをレインに投げ返すミリアの予想は正しいのだろう。隻眼の頭がどこかぎこちなく息を吸い込んだ。
「吐かせるか!援護頼む!!」
「任せてください……!」
焼け焦げて震える腕をもう片方の腕で支え、銃口を向ける計都の横をルークが走り抜けていく。前衛を焼き払おうと頭が後ろに下がった瞬間、その顎先に狙いを定めて引き金を引いた。
「一発じゃ足りない……だから!」
最初の弾丸が目標を捉え、その尻に二発目の弾丸が衝突、更にその後ろに……五発の弾丸を重ね、六発目の衝突と同時に頭を後方へ吹き飛ばした。ブレスを吐き損ねた頭を蹴りつけて、他の頭を睨みつけるルークが拳を握り、跳躍。真っ直ぐ突っ込んでくる彼に分身を警戒した頭は同時に左右を向くが。
「俺は本物だ!」
自ら死角を晒した首の一つに向けて拳を重ね、振り下ろす。スレッジハンマーで撃ち落された頭めがけて、ホルンの視覚にターゲットマーカーが浮かぶ。
『フォトンライン壱、弐番解放……薬室内光素加圧、充填完了。L.O.T.A.S、スタンバイ。レイカノン、砲身精製を確認。ヴァルキュリアアーク展開終了』
「ルナ、おいでっ!」
腰から無数のビットを飛ばし自身を囲むように浮遊させ、胸部の前に光の砲台を形成して両肩のアーマーから光を溢れさせながら、機体の光輪の翼のように広げて複数の細い砲身を敵に向けるホルンの下へ翼猫が飛来。光に姿を変えて機体に飛び込んだ。
『統合端末『ルナ』、接続を確認。火器管制オールグリーン』
マーカーが重なり、アラートが響く。
『ターゲット、ロック』
「フルファイヤーっ!」
光学武装による一斉射撃。胸部からの砲撃に両肩からのレーザーが重なり驚異的な熱量を誇る光が、ビットによる支援射撃により輝きを増した。更にその外側から翼型の砲台による複数の光条が重ねられ、地上から天に駆け上る光の柱と化す。一本でも敵を焼き払うに事足りる熱エネルギーを持つ光が無数に重なったそれは、首一つを跡形もなく消し飛ばすには、十分すぎる。
「アドウィクス」
呼ばれた偽箱はガロンドに寄り添い、白煙を吐いて彼を包み込んだ。
「これ以上何かできると思うな!!」
首一つを失った激痛か、追い詰められた焦燥か、最後の首がガロンドもろとも番犬を焼き払おうと大気を呑む。その喉笛にコヨーテが食らいつくが、構わずブレスを吐きつける飛竜。迫る冷気の前に加護たる無数の犬が飛び込み、凍てつき、砕けて消えていく……。
「あの時とは、違うから」
ただでさえ拡散するブレスにその身を焼かれ、さらにガロンドを庇う為に重力鎖を消費したクーリンが肩で息をしながら、淡く微笑んで背中越しに、彼を想う。
「今度は私も貴方を守るよ、怪我なんてすぐ治しちゃうし、これ以上傷つけさせだってしない。だから……」
もう、動くだけのスタミナも残っていないのか、自らを噛み砕こうと迫る顎を前にクーリンは動かない。
「一緒に、帰ろう?」
無数の牙がクーリンを刺し貫こうとして、わずかに届かない。
「あぁ……」
『宝を狙う不届き者よ』
白煙の中、黄金の鱗を持つ腕が竜の頭を掴んでいる。不可思議な声が響く中、白煙は少しずつ風に押し流されて。
「皆で帰るんだ……!」
『そこで永遠に彷徨うがいい』
黄金の鱗が、脚が、翼が……いつもとは違うガロンドが、姿を見せる。彼はチラとクーリンに目をやると、竜の頭を押し返して咆哮を上げた。
――絶体絶命の時はいつも、仮面の全て、周囲の全てを捨てて逃げ延びた。弱いやつが生き延びるとは、本来そういうこと。
「貴様、その姿は……!」
「驚いたかい?」
だが最近、危険なときほど捨てられない人が来るものだ。
「何をする!?」
「なに、空の旅としゃれこもうじゃないか!」
……皮肉だな。
「おのれおのれおのれぇえええ!!」
肩口に食いつかれてなお、組み付いたガロンドは飛竜を離さない。翼を広げ、天高く飛び立っていく……。
「ガロンドさん……まさか!」
嫌な予感がした計都の頬を冷や汗が伝う。
「あいつと心中するつもりか!?」
「え!?」
クーリンが口元を抑え、じっとガロンドを見つめた。反転した彼は真っ直ぐ地面に向かって……。
「まさか、僕に命に代えても守りたいモノができるなんて、な」
自嘲的な微笑みと共に、二体の竜は地面に叩きつけられて消滅した。
「そんな……ガロンドー!!」
「なんだい?」
にょきっ。落下地点から普通に帰ってきた。
『……』
一瞬の沈黙の後、ガロンドに番犬達が駆け寄っていったのは言うまでもない。
「よかったぁ」
鎧装から剥離したホルンがスイーツっぽい霊犬、店長に乗っかってぐてぇ、じゅるり。
「それにしても店長ってホントにプリンそっくりだよねぇ……」
緊張が解けたせいか、単にお腹が空いたのか舌なめずりをするホルンに店長がビクッ!?
「どしたの店長?お腹空いた?」
ジャーキーを差し出され、ぱぁっと上機嫌になる店長。しかぁし!
「甘い!そしてジャーキーは美味いッ!」
ズザーッと滑り込んだアルヴァイトがジャーキーを咥えて奪う。ゆっくりと悲しみの表情に変わっていく店長の前で勝ち誇ったように肉の旨味を噛みしめるアルヴァイトを眺めてガロンドは想う。
「帰って、来たんだな……」
どこかに行ってたわけじゃないけれど、そう感じるのはここが僕の居場所ってやつだからかな?
その疑問は、決して心地の悪いものではなかった。
作者:久澄零太 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年10月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 6
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