麻婆豆腐こそ至高!

作者:柊暮葉


「麻婆豆腐こそ至高の食べ物である!」
 廃寺でビルシャナが麻婆豆腐丼の丼掲げて叫んでいる。
「まず、うまい。甘さと辛さと脂っこさが適度に混じり合ったこの絶妙なハーモニーは麻婆豆腐のみ! そして・豆腐が豊富に入っており、カルシウムや良質なたんぱく質に優れる! 豚肉を使っており、ビタミンB1が豊富! さらに唐辛子のカプサイシンパワーでダイエットにも最適! 正に麻婆豆腐こそ至高、最強の食べ物なのである!! 人間、一生のうちに食べられるものは有限、ならば全て麻婆豆腐を食べるべき!」
 ビルシャナの訳の分からない演説に聴き入る信者10名。
「よって、人類は365日三食、死ぬまで麻婆豆腐を食べ続けるものである! 喰え! 麻婆豆腐! 喰らえ! 麻婆豆腐!! 麻婆豆腐以外の食物はいらないのである!!」


「麻婆豆腐こそ至高なので他の食べ物はいらないというビルシャナが発生しました。問題を解決してください」
 セリカ・リュミエールが集めたケルベロス達に説明を開始した。
 タキオン・リンデンバウム(知識の探究者・e18641)はツッコミどころしかないと思った。
「悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事が、今回の目的です。このビルシャナ化した人間が、周囲の人間に自分の考えを布教して、配下を増やそうとしている所に乗り込む事になります。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、ほうっておくと一般人は配下になってしまいます。ここで、ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの配下となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば元に戻るので、救出は可能ですが、配下が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」


「ビルシャナの能力は?」
 誰かの質問に対して、セリカはすぐに資料を広げてくれた。
 ビルシャナ閃光……敵を退ける、破壊の光を放ちます。
 孔雀炎……孔雀の形の炎を放ち、敵を焼き払います。
 浄罪の鐘……鐘の音を鳴り響かせ、敵のトラウマを具現化させます。
 これらの力で戦うらしい。
「今回のビルシャナは、中華料理に凝っていた青年が、至高の中華料理を研究しているうちに麻婆豆腐にたどり着き、そのままマニアックに極めていったら悟りを開いてしまったというものです」
 セリカは淡々と説明を続けた。
「中華料理の系列店を中心に配下を10名獲得、現在、横浜中華街の近所の廃寺に勝手に住み着き、日々、麻婆豆腐を食えと周辺に押しつけ説教をしてまわっています。このままでは麻婆豆腐を嫌いな人や教えに従わない人に対して危害を及ぼしかねません。そうなる前に、配下達にはインパクトを与えて正気に返し、ビルシャナは退治してください」


 最後にセリカはこう締めくくった。
「教義を聞いている一般人は、ビルシャナの影響を受けているため、理屈だけでは説得することは出来ないでしょう。重要なのは、インパクトになるので、そのための演出を考えてみるのが良いかもしれませんね」


参加者
ラインハルト・リッチモンド(紅の餓狼・e00956)
テオドール・クス(渡り風・e01835)
七種・酸塊(七色ファイター・e03205)
鏡月・空(藻塩の如く・e04902)
スノードロップ・シングージ(堕天使はパンクに歌う・e23453)
アビス・ゼリュティオ(輝盾の氷壁・e24467)
キャロライン・アイスドール(スティールメイデン・e27717)
ルベウス・アルマンド(紅卿・e27820)

■リプレイ


 ケルベロス達は現場の廃寺に到着した。
 すると本堂から山門までビルシャナの信者に説教する声が響き渡ってきた。
「麻婆豆腐こそ至高の食べ物である! よって、人類は365日三食、死ぬまで麻婆豆腐を食べ続けるものである! 麻婆豆腐以外の食物はいらないのである!!」
 そして信者達と喰え麻婆豆腐喰らえ麻婆豆腐とうるさい合唱を始めた。そして本堂の隣の厨房からは麻婆豆腐を作る香ばしい匂いが漂ってくる。
 ケルベロス達は顔を見合わせた。
「しかし、何でこうゆう系の敵って器が小さいっていうか自分の好きなもの以外は認められないのですかね…いや、だからビルシャナなのかな」
 ラインハルト・リッチモンド(紅の餓狼・e00956)は呆れたようにそう言った。
「とりあえず、そんな麻婆豆腐好きな人には限界に挑んでもらいましょう」
 そして片手に事前に作ってきた麻婆豆腐の入った蓋付きトレイを携える。
「いや美味しいけどね! 麻婆豆腐!」
 テオドール・クス(渡り風・e01835)はうるさい麻婆豆腐麻婆豆腐という叫びにそう突っ込んだ。だが、何事にも限度があると思う。
(「麻婆豆腐……あれは激辛兵器ネ……。今はもう慣れたけど、家のメイドのマーボーは本当に辛かったネ。あれが毎日続くとかほんと死んじゃうデスデス。ってことでうちのマーボーを再現するネ。地獄のように辛い獄辛を。とはいっても家のメイドの秘伝のソースをちょっと使うだけデスケドネー」)
 スノードロップ・シングージ(堕天使はパンクに歌う・e23453)は口内でメイドの作った麻婆豆腐の味を再現し、凄い顔になった。しかしソースを確認して気を取り直し、元の表情に戻る。
「さー、ぱぱっとやっつけマショー」
 なんだかんだで彼女は頼れるメイドだと思う。
「お待ちなさい。そんなに辛いものばかり食べていたら、お尻が大変なことになってしまうわ」
 ルベウス・アルマンド(紅卿・e27820)は喰え喰え麻婆豆腐の唱和に対してそうたしなめる。
 その間にもビルシャナの説教はヒートアップしている様子。
 とにかく、ケルベロス達は、七種・酸塊(七色ファイター・e03205)、鏡月・空(藻塩の如く・e04902)、アビス・ゼリュティオ(輝盾の氷壁・e24467)、キャロライン・アイスドール(スティールメイデン・e27717)は全員で本堂の方へと向かった。
 本堂ではビルシャナが隣の厨房で作った麻婆豆腐の皿を信者達に配り、自分の皿を頭上に掲げて大声で喚いている。
「まず、うまい。甘さと辛さと脂っこさが適度に混じり合ったこの絶妙なハーモニーは麻婆豆腐のみ! そして・豆腐が豊富に入っており、カルシウムや良質なたんぱく質に優れる! 豚肉を使っており、ビタミンB1が豊富! さらに唐辛子のカプサイシンパワーでダイエットにも最適! 正に麻婆豆腐こそ至高、最強の食べ物なのである!!」
 大声の説教の合いの手に信者達が麻婆! 麻婆! 麻婆豆腐と叫び続ける。うるさいことこの上ない。
 そこで酸塊は本堂の錆び付いた引き戸を力任せに開けた。
 ズッパパパパーーーーンン!!
 物凄い音を立てて壁に激突する引き戸。
「麻婆ッ……ぐうッ!!」
 説教の途中に驚かされて声が詰まるビルシャナ。更に麻婆豆腐の辛い匂いも喉に吸い込んでしまい、げっほげっほと咳き込み始める。
「アタシ達はケルベロスだよ。お前達を説得しに来たんじゃん?」
 ビルシャナが咳き込み、信者達が呆然としているうちに、酸塊は本堂に突っ込んで行くとそう叫んだ。
「麻婆豆腐ばかり一生喰い続けるのは無理があるんじゃねーの? まずはアタシ達の華麗な説得を聞くがいいぜ!」
「か、勝手な事を言うなっ。ここは麻婆豆腐の聖地だぞ?」
 立ち直ったビルシャナが酸塊にそう叫ぶ。
「は? そんなの聞いてないけど。山門にも寺の名前しか書いてなかったし」
「これから聖地にするんだ!!」
「自称じゃねーかよ……」
 そんなおもしろやりとりの後に、ルベウスが本堂の中に入ってきた。他のケルベロスも続々と現場に突入。
「偏食を責めるような事はしないわ。本当にそれが好きで、それしか食べないというのも本人の好き好きでしょう……でも、本当にそれでいいのかしら?」
 ルベウスは小首を傾げた後、信者達に詰め寄った。
「麻婆豆腐こそが至高? それは何を以て至高なの? 麻婆豆腐なら何でもいいの? 味が悪くても? 味を求めるなら、麻婆豆腐をよりおいしくするために、そして違いを確固たるものにするなら、麻婆豆腐以外のものを広くその舌で知るべきだと思わない? そのためにはまず、ご飯と一緒に食べるべきだわ……脂っこいものを食べ続けると、舌が疲れて味を感じにくくなってしまうもの。さあ、迷うことはないわ。ご飯を……さあ!」
 ルベウスは漬け物でご飯がいけるほど白米が好きなのだが、長く喋っているうちに舌が疲れてしまいひとりでに黙りこくった。
 無表情のルベウスの独特の迫力に押されてビルシャナと信者達も沈黙。
「ご、ご飯……もいいけど、一生のうちに食べられる量は限られているし、やっぱり麻婆……」
「花椒たっぷりの本格麻婆豆腐……興味があるけれど、白米のご飯と一緒に食べるべき……」
 ご飯に戻ってしまうルベウスとの会話。
 ビルシャナちょっとどうしよう状態。
「麻婆豆腐が至高。ではあなたたちはどんな麻婆豆腐を至高とするのですか。ちなみに俺は甘い麻婆豆腐などと論外です。麻婆豆腐は地獄のような辛さがあってこそ!」
 そう言って次は空が厨房から出て来た。
 いつの間にやら作り上げた地獄の激辛麻婆豆腐を信者の一人に押しつけ喰わせる。
「ぶわっは! 水水水水……」
 余りの辛さのたうつ信者。
「麻婆豆腐はご飯にもあいます。シンプルに麻婆豆腐だけ味わうべきではありません。辛さを緩和するためにも麻婆豆腐にはご飯です」
 空がそういうとルベウスが寄ってきてそっと手を握りしめた。目が輝いている。
「あ、甘くたって辛くたって麻婆豆腐は麻婆豆腐。色々な味が楽しめるから至高なんだろうがッ!」
 ビルシャナは色々な辛さの度合いの麻婆豆腐を楽しむのがいいという立場らしい。しかしそこを無視するケルベロス。
「貴方達の主張はわかりました。麻婆豆腐こそ至高というのならそれもいいでしょう。ですが、そこまで麻婆豆腐が素晴らしいというのならこれを食べてもらいましょう!」
 そしてやはりラインハルトがトレイの蓋を取って麻婆豆腐を取り出す。
「それは一口食べると口の中とお腹が焼け爛れたようにズンガズンガして汗が大量に流れ、指先が震え、次の日のトイレが大変になる劇物麻婆。本当に麻婆豆腐こそ至高と言ってAIするのならば食せるはず!」
 彩りからして酷い事になっている麻婆豆腐をビルシャナと信者達に突きつけるラインハルト。じりじりと壁の方に寄っていく信者達。
「これは、僕が料理修行している診療所に時々来る。謎の元中華料理屋オーナーシェフの周さんから教わった、ある神父に満足してもらうだけに作られた激辛麻婆豆腐です…さぁ、食べてみてください」
「麻婆豆腐こそ至高ッ! 麻婆豆腐への愛を舐めるなーッ!」
 そう叫ぶなり、ビルシャナはその皿をひったくって一気に嘴の中に流し込んだ。
「ゴゲッゴッゴーーーー!!!」
 そんな凄い音を喉から発してジャンプして跳ねて踊ってまたジャンプして倒れるビルシャナ。
「きょ、教祖……?」
 信者が声をかけると倒れたままサムズアップ。
「麻婆豆腐ッ……至高ッ……」
「教祖ぉおおおお!?」
 伊逹に悟りは開いていないらしい。
「いくら好きなものでも限界はあるって体で味わってもらうよ」
 そこでアビスが歩み寄ってきて、厨房で作ったひたすら辛さを追求した尋常じゃない辛さの麻婆豆腐をビルシャナに食べさせた。
「ゴッゴゴゴ……」
「どう? 大好きな麻婆豆腐を食べた感想は。これでも毎日食べたいと思う?一生麻婆豆腐だけ」
 羽毛が生えているんでよく分からないが、その羽毛がハゲそうな勢いで汗を流しているビルシャナ。その悶絶の表情を見て信者達はどん引き。
「ビルシャナも相変わらずこんなことして何が目的なんだか。面倒だけどさっさと助けて片付けるよ。いくら好きでも一つのものしか食べないとか勿体無いでしょ。他にも辛くて美味しいものいっぱいあるんだし」
 アビスは呆れてそう言っている。
「さあ、これを食べるとイイねー。死ぬほどおいしい(辛い)ヨ。(激辛に耐性のない人は)天国みれるらしいヨー」
 次に現れたのはスノードロップであった。ビルシャナの麻婆豆腐の皿に家のメイドの特性激辛ソースを混入。
 倒れている開いた嘴にたぱー。
「ッツッッッッ!!」
 最早声が出なくなっているビルシャナ。
「れが麻婆豆腐だけを食べた人の末路……ネ」
 分かっていた表情を見守りながら呟くスノードロップ。
(「家のメイドだと多分平気だろうけどネー」)
 味覚も人それぞれなんだが、ビルシャナはデウスエクスなのに一般人の味覚であったらしい。
「からさを超えた しびれるような もう普通の刺激じゃ 我慢できない」
 そこでキャロラインが歌い始めた。麻婆豆腐を食べたくなるチャイニーズロックである。
「麻!(マー) 辣!(ラー) 麻!(マー) 辣!(ラー)。
 君の心にさあ火をつけて。
 ボクと一緒に行こうよ ヘブン……」
 バイオレンスギターを奏でながら魅惑の歌を歌い上げるキャロライン。
「もう普通の刺激じゃ 我慢できない。
 我(ウォ) 愛(アイ) 麻辣(マーラー)!
 麻! 辣! 麻! 辣!
 我! 愛! 麻辣!」
 どん引きしていた信者達だったが、ビルシャナの姿を見ていた信者達だったが、結局食べてしまった。地獄の激辛麻婆豆腐の数々を!
「うんぎゃらげれぽぽほげるぴれええええええッ!!!」
 一人一人がそんな雄叫びを上げたかと思うと天井までジャンプする勢いで跳ね回って踊った。
「一生麻婆豆腐しか食べないなんて…すごーい! なんかの修行かな!? オレには真似できないよ!」
 そんな阿鼻叫喚混沌状態の中に笑顔で進み出るテオドール。
「それじゃあこの、辛さで焼け爛れた舌を癒すように甘く優しくまろやかに包み込む、冷たいお口直しの杏仁豆腐は要らないねぇ……折角だからオレが食べちゃおう♪」
 そして持参した専門店の杏仁豆腐を見せ付ける。
 見せ付けながら食べてやる。
 ひんやりぷるるん。甘く美味しい杏仁豆腐。
「えー欲しいの?」
 最早声を立てられないまま、次々と杏仁豆腐の方へ手を伸ばす信者達。
「仕方ないなぁ、ひとに強要しない、迷惑かけないって約束するなら食べさせてあげる!」
 そういう訳でテオドールは約束させながら杏仁豆腐を信者達に配り始めた。
 一人、二人……九人、十人……。
「え?」
 なんと、何喰わぬ顔をしてビルシャナが杏仁豆腐を食っている。そのことに気がついて愕然とするケルベロス達。
「おめー、喰ってんじゃねーよ! 元凶が!!」
「やかましい、今日から杏仁豆腐は麻婆豆腐の仲間だ!」
「杏仁豆腐はスイーツで、麻婆豆腐は料理だろ!」
「今日から杏仁豆腐の名前は麻婆豆腐と改名する! 何故なら下二文字が同じだから! 上半分変わったぐらいなんてことないだろ!!」
「訳わかんねー! これでも喰らえ!」
 テオドールはビルシャナの口にあつあつの揚げたての胡麻団子をお見舞いした。
「むぎょほーーーー!」
 当然、怒り狂って羽毛を逆立てるビルシャナ。
 戦闘が開始された。


「わかってないなあ麻婆豆腐の真価というものが」
 空がそう嘆いた。
 酸塊のゾディアックブレイクが炸裂する。
 空の投げバールが決まる。
「輝き潰せ、華刃剥命!」
 スノードロップがルーンディバイドで装甲を砕く。
 アビスはスターゲイザーで蹴り上げる。
 キャロラインのメタリックバースト。
 ラインハルトもまたスターゲイザーでビルシャナを足止め。
 テオドールは稲妻突きで特攻。
 ルベウスはライジングダークを使った。

「麻婆豆腐こそ至高ーッ! 麻婆豆腐は勝利への導きッ!」
 舌が晴れて変な声になりながらビルシャナは叫び、ビルシャナ閃光をぶっ放した。
 そして次々と孔雀炎を撃ち放つ。
 アビスのボクスドラゴン、コキュートスが属性インストールを順番に回し始めた。

 コキュートスに続いてアビスがヒールドローンを飛ばす。
 キャロラインが「ブラッドスター」を歌い上げた。次々と立ち上がる仲間達。
 酸塊が流水斬を使った。
『とっておきを見せちゃるデース!!わが声に従い現れヨ!!抜けば魂ちる鮮血の刃!!ダインスレイブ!!』
 スノードロップが魔剣招来・絶死の魔刃を使い、紅の魔刃でビルシャナをどこまでも追尾していく。
 ラインハルトはマインドソードでビルシャナのクビを狙う。
『死点突き』
 テオドールはバックアタックでビルシャナの死角に回り込んで急所をナイフで突く。
 ルベウスはマインドスラッシャーでビルシャナを切り裂く。
『捉えて離さない!!』
 空は裂空嵐気龍刃を使った。竜巻を利用してビルシャナを巻き込み上昇し、ズタズタに破壊しながら落下してトドメを刺す。
 ビルシャナは滅びた。


「さてと……片付いたしヒールして帰るよ。……帰りに麻婆豆腐買って帰ろ」
 アビスがそう言った。
 戦闘後、ケルベロス達はルベウスが中心になって被害を確認し、ヒールで片付けを行った。
「お腹が鳴るし、早く帰ろうかな……」
 ルベウスが独り言を言っている。
「カオスな料理や食材たちをブイヨンでなんかいい感じにして、口直ししたいね……元信者の人たちとか、他のみんなも食べるかな??」
 テオドールはそう言って辺りを見回している。
「帰りに皆で美味い中華料理屋に食べに行こうと思っていたけど……」
 ラインハルトはそう声をかけた。
 皆、固唾を飲んで地獄の麻婆豆腐達を見守った。
 興味はあるのだ。どんな味がするのか……。
 ブイヨンでどれだけ辛さが緩和されるのかは分からない。食べてみようか。食べまいか。
 そういう訳で、ケルベロス達は、地獄の激辛麻婆豆腐シリーズを食べたい人は廃寺に残り、普通の中華料理が食べたい人はラインハルトについていった。
 それぞれが食べた後は満足したらしい……そうである。

作者:柊暮葉 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年9月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 0
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