鎌倉ハロウィンパーティー~ハロウィン・ヒーロー

作者:キジトラ

 はあっ、と深い溜息が漏れた。
 窓から見えるのは商店街で行われるハロウィン・イベントののぼりだ。
 いつの間にハロウィンもこんな賑やかな祭りになったのだろうと、里島はまた溜息を漏らした。今年でいよいよ30歳になるが、あの手の賑やかなイベントにはとんと縁が無い。それも彼の内気なところが原因なだけに、ただ溜息を漏らすばかりだ。
 そこに、くすくすと笑い声のようなものが聞こえた。
 慌てて振り向けば部屋の隅に赤い頭巾を被った少女がいる。
「えっ? 一体どこから?」
 里島が疑問を口にしたと同時に、少女が突進してきた。
 手には鍵のようなものを持ち、まるでナイフを突き刺すように里島へ向ける。急いで飛び退こうとするも全てが突然過ぎた……。鍵は里島の心臓へと突き刺さり、
「ハロウィンパーティーに参加したい……ですか。その夢、かなえてあげましょう。世界で一番楽しいパーティーに参加して、その心の欠損を埋めるのです」
 少女の言葉に、里島の反応は無い。
 代わりに意識を失って崩れ落ちると、倒れた里島の上にヒーロースーツとマントを身に纏った筋骨隆々のまるでアメコミのヒーローのような男が現れた。唯一、ヒーロースーツで覆われていない顔にはモザイクがかっている。
 再び少女はくすくすと笑い。
 誕生したヒーロー――ドリームイーターはその場から姿を消した。

「藤咲・うるる(サニーガール・e00086)さんが調査してくれたのですが、日本各地でドリームイーターが暗躍しているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は集まったケルベロスたちにそう告げてから、自らの予知した内容を伝える。
「出現しているドリームイーターは、ハロウィンのお祭りに対して劣等感を持っていた人たちで、ハロウィンパーティーの当日に一斉に動き出すようです」
 そして、そのハロウィンドリームイーターが現れるのは、世界で最も盛り上がるハロウィンパーティーの会場――つまり、鎌倉のハロウィンパーティーの会場である。
「皆さんには実際のハロウィンパーティーが開始する直前までに、ハロウィンドリームイーターを撃破して欲しいのです」
 ここまで説明すると、セリカはおもむろに地図を広げた。
「皆さんはパーティー会場のこの辺りで待ち構えてください。ハロウィンドリームイーターは、ハロウィンパーティーが始まると同時に現れます」
 そのため、『開始する直前まで』に撃破するにはひと工夫しなくてはならない。
「ハロウィンパーティーが始まる時間よりも早く、あたかもハロウィンパーティーが始まったかのように楽しく振るまえば、ハロウィンドリームイーターを誘き出すことができるでしょう。前夜祭とでも思って心から楽しんでください」
 一般人の退避は済んでいるので、その辺りの心配は無用だ。
 要は上手く誘い出して撃破すること。
「現れるハロウィンドリームイーターは典型的なアメコミ風のヒーローの姿をしています。使用するグラビティは3つ、顔の部分のモザイクを巨大な口の形に変えて欲望ごと喰らうもの、モザイクを飛ばして包み込み冷静さを失わせるもの、受けた傷をモザイクで補修することで回復するものです」
 能力は筋骨隆々の姿ながら、敏捷に特化したスタイル。
 この点には留意しておかないと思わぬ苦戦を強いられるかもしれない。
「説明は以上です。このハロウィンパーティーはたくさんの人たちが楽しみにしています。皆さんがハロウィンドリームイーターを撃破すれば会場には多くの人たちが集まってくるでしょう。楽しいハロウィンパーティーを行うためにも頑張ってください」


参加者
フラッタリー・フラッタラー(絶対平常フラフラさん・e00172)
ウィセン・ジィゲルト(不死降ろし・e00635)
草火部・あぽろ(超太陽砲・e01028)
萃・楼芳(干常の青・e01298)
赤羽・イーシュ(ロックロッカーロッケスト・e04755)
ブレイ・ディジョン(弱き者を守る者・e05435)
山田・ビート(コスプレ刀剣士・e05625)
九六九六・七七式(フレンドリーレプリカント・e05886)

■リプレイ


 パーティー会場の一角には、8人のケルベロスと、ボクスドラゴンが2体(封印箱の中には更に1体)、ライドキャリバー1体の姿があった。
 おのおのが仮装を済ませ、今は作戦の確認を行っているところで、
「楽しいイベントが、ドリームイーターのせいで滅茶苦茶にされるんじゃあ溜まったもんじゃねぇな……俺達の手でバッチリ倒してやろうぜ」
 締めに、赤羽・イーシュ(ロックロッカーロッケスト・e04755)が仲間たちに呼び掛けると、それぞれの形で肯定が示され、続いてサーヴァントたちも声を上げた。
 ちょうどその時だ。
 どこからか音楽や声が聞こえ始めた。
 別の場所にいるケルベロスたちが動き出したのだ。
 彼らは再び顔を見合わせ、
「囮とは言えお祭りなんだ。派手に騒ごうぜ!」
「楽シムデスヨーEnjoyスルデスヨー♪ TodayハHalloweenPartyデスカラナ!」
 ブレイ・ディジョン(弱き者を守る者・e05435)が拳を突き出し、九六九六・七七式(フレンドリーレプリカント・e05886)が声を弾ませる。
 それを見て、山田・ビート(コスプレ刀剣士・e05625)は大きく深呼吸。
「大丈夫! なんとかなる! さーて、一足先にパーティーを始めようか」
 こうしてケルベロスたちの仮装パレードが始まった。
 先頭を行くのはハーメルンの笛吹き男の仮装をした、イーシュ。
「よってらっしゃい見てらっしゃい、ロックなハロウィンパーティーの始まりだぜ!」
 楽しく盛り上げられるように、ハロウィンに合うロックな曲をギターで演奏。後にはサーヴァントたちがとことこと続き、そして仲間たちがその後を追う。
「派手に行くぜ!」
 ゴム製の猫型マスクに緑色のツナギを身に着けた、ビートが持ち込んだクラッカーを盛大に鳴らす。
 こうして賑やかに進むパレードの先には、出迎える仲間たちの姿が。
「ハーメルンの笛吹き男なのにギターなのかい?」
「そういや俺、笛持ってないんだよな……これじゃハーメルンの笛吹きじゃなくってハーメルンのギタリストだな! ははは!」
 三角帽子に黒のローブ、大きな杖がセットの魔女コスチュームで出迎えた草火部・あぽろ(超太陽砲・e01028)の質問に、笑い出すイーシュ。
「まあ、何だっていいさ。トリックオアトリート! 魔法の代わりに素敵なお菓子のプレゼントさ!」
 あぽろもにっと笑って、持参したアップルパイを配っていく。
 反対側でも、フラッタリー・フラッタラー(絶対平常フラフラさん・e00172)と、七七式が白装束と布巻き蝋燭で、丑の刻参りの仮装をして楽しげな声を上げている。
「トリックとー、トリートですのー。お菓子と呪いをー、一緒にプレゼントですわぁー」
「OH! フラフラ、ナニヤラ楽シソウデスゾー! ワタシモヤリマス! コデスカー?」
 2人が手渡しているのは、実は飴の釘を入りの藁人形(お菓子袋)と、実はキャンディのハンマーだ。ちなみに記憶領域の半分を戦闘の計算に使っているせいで、七七式は少しぎこちないのだが違和感を感じるほどではない。
「よく分からないけど、ありがとな!」
 宇宙人の被り物をしたブレイが、ライオンに仮装したライドキャリバーと共にそれを受け取って破顔する。後ろにはくすんだ騎士鎧にボロボロのマントを纏って幽霊騎士に扮したウィセン・ジィゲルト(不死降ろし・e00635)が続いた。
(「今回は派手に目立つ気は無かったがデウスエクスが来る以上止めねぇとな」)
 そう考えていたところに、フラッタリーから声が掛かる。
「かっこいいですのー」
「ありがとう。大したものじゃないが、お菓子でもどうだ?」
 感謝に合わせて用意したものを配れば、向こうからもお菓子のプレゼントが。
 楽しげにパーティーは続き、ビートはサイリウムも振って彩を増やす。
 そんな仲間たちを見て、萃・楼芳(干常の青・e01298)は竜の頭蓋を被った黒衣の騎士になった自分を省みる。
(「あまりイベントごとを楽しむのは得意ではないが、皆が楽しみにしているであろうハロウィンを壊そうとするのだけは阻止したいものだ」)
 次いで自らの相棒であるボクスドラゴンに目を遣った。仮装させる予定は無かったのだが、イーシュがサーヴァント用の衣装を準備していたので着せてもらっている。
「良く似合っている」
 頭を撫でてやりながら、持ってきたお菓子をあげると美味しそうに食べ始める。
 こうして楽しい空気が満ちたところで――それは現れた。


 ゆっくりと歩み寄ってくるものがひとつ。
 ヒーロースーツにマントの仮装、極めつけは顔に掛かったモザイク、間違いなく目標のドリームイーター――ヒーローだ。ケルベロスたちは素早く身構え、
「やはりー、気恥ずかしいとー、顔がモザイクなのかしらー?」
 と、ここでフラッタリーが首を傾げた。
 一拍の間が空いたところに、七七式がとことことヒーローに近付いていく。
 第一の犠牲者にしようとヒーローがグラビティを放とうとしたところに、七七式から『カシオリのようなもの』が差し出された。元々がハロウィンパーティーに参加したいという夢からできているだけに自然とヒーローはそれを受け取る。
「Trick or Treat?」
 七七式が言葉と共にスイッチをオンにすると『カシオリのようなもの』が爆発。
 見事に開戦ののろしが上がって、 
「マスク・オン!」
 ブレイが掛け声と共にマスクを展開・装着。
 そして、もうその間には仲間たちが動き出していた。
「さあ皆! ロックにキメてやろうぜ!」
 イーシュがギターを激しいビートで掻き鳴らしてフラッタリーを奮起させる。彼女はほぼ同時に爆煙の中へと飛び込んでいた。
 手には2振りの鉄塊剣。
「aハ歯ハ!!! 呉遠慮ナ$aラズ! Tリッck! トリeat! ドチラモ!!」
 理解できぬ奇声を上げて十字に斬りつけるとヒーローは吹き飛び、フラッタリーは恍惚とした表情を浮かべて、それを追う。
 ――いや。
 そこに一歩抜きん出て、ウィセンが先に詰め寄った。
 畳み掛けるならここだと間髪を入れずにオリジナルグラビティを繰り出す。
「敵を見て核を見抜きそこを砕かぬように敵を砕く、これぞ造踊活食の有り方なり」
 宣言通り。
 核に強い衝撃を叩き込んだ。
「……?!」
 だが、直後にサイドステップ。
 被弾したヒーローはダメージに怯むことなく、すぐさまモザイクを飛ばして反撃すると、
「させないぜ」
 間一髪、ブレイがルーンアックスで割って入った。
 されど痛打となったその一撃はブレイの体を吹き飛ばして壁に叩きつける。
 かなりのダメージが入ったことは損傷具合からも分かる。
 ディフェンダーである彼をもってしてもあの威力……戦場の空気がひりつくものへと変わり、ヒーローが次の目標へと動き出す。
 ブレイのライドキャリバーがガトリングを掃射して迎撃。
 銃弾の雨にヒーローが回り込もうとしたところに楼芳のボクスドラゴンが体当たりで追いすがる。そうして時間が稼がれている間に、楼芳は破壊のルーンをブレイに施した。
(「傷が深いな。これは集中されると危うい……」)
 傷の具合を見てから、楼芳は敵へと目を遣る。
 七七式がガトリングガンの連射で弾幕を張っているが、被弾をものともせずにケルベロスたちへと向かっているところ。
 その軌道を冷静に見極ながら、七七式は爆破スイッチに手を伸ばした。
 既に敏捷系のグラビティは選択肢に無い。
 スナイパーである彼女が外さざるを得ないほどに敵の能力はピーキーだ。
 そして、
(「……また」)
 七七式の視線の先で、ヒーローがモザイクで傷を治している。
 これで2度目。
 傷も深くないのに回復が多い。回復が入ることで攻撃の合間ができるのはいいのだが、それだけ撃破にも時間が掛かりそうだ。 
「ちんたら時間稼ぎしてんじゃねえよ。ムカつくぜ……テメェらデウスエクスの恐怖を忘れるための催しだ、なのにまだ邪魔すんのか」
 あぽろが太陽神の加護を受けた日本刀で緩やかな弧を描いてヒーローを斬りつける。
 攻撃が入ったこところで、あぽろが半歩下がれば予想通りに敵が向かってきた。
 そこにウィセンのボクスドラゴンがカバーに。
「にひっ、頼りになるなアンタ!」
 快活に笑って、あぽろはすぐさま追撃に移った。
 他のケルベロスたちも接近戦に加わってクロスレンジでの打ち合い始まり、ビートがその間隙を突いて対デウスエクス用のウイルスカプセルを投射する。
 ヒットしたのを見て、ビートは思わず拳を固めた。
(「よし。少し驚かされたけど、落ち着いて対処すれば勝てない相手ではないはず」)
 既に視線の先では、徐々に仲間たちが推し始めている。
 そして、ここを機に戦いはひとつの分岐点を越えた。


「いくら強くとも俺達の連携を崩せるほどはないな」
 ウィセンがチェーンソー剣の刃をヒーローの体に喰い込ませる。
 そのまま力押しはしようとせず、あぽろとスイッチ。
「お菓子代わりの手土産も無しかよ、礼儀がなってねえなヒーロー」
 身軽に飛び跳ねながら、ヒーローの側面に回り込んで零距離から『超太陽砲』と彼女が呼ぶ極太の焼却光線を放った。そこにイーシュがスカルブレイカーで斬りつけ、
「よっしゃロック、今だ! この隙に突っ込め!」
「ぎゃおー」
 ボクスドラゴンがブレスを吐く。
 怒涛の連携に、さしものヒーローも体が揺らいだ。
「Тэи穣天外、$hI方八法、視得ルワタシノ此ノ景色、伽覧ヨ御覧。煩ワシキ孤之世界」
 そこに間合いを詰めたのは、フラッタリー。
 陽炎のようになものをヒーローにぶつけると、その動きが止まり、次の瞬間には顕現した地獄の顎が襲い掛かった。
 だが、ヒーローはそれでも止まらない。
 モザイクを巨大な口に変えて、イーシュに猛烈な反撃を加えてくる。
 獰猛なそれが腕に噛み付くと、
「――やらせるものか」
 楼芳がブレイクルーンを施して傷を癒す。
 敵が敏捷耐性の防具を持たぬ者には致命打を連発するだけに、彼は直ぐに回復できるように努めていた。そして、それに支えられてケルベロスたちの攻撃は更に加速する。
 対するヒーローは後退して回復を。
 だが、回復をしようとモザイクを動かしたところで体が痺れて動きが止まった。
 そこに撃ち込まれるガトリングの連射。
 七七式が巨大なガトリングガンの反動を押さえつけて正確な射撃を続けている。ヒーローがそれで釘付けになっているのを見て、ブレイが胸のパーツを展開した。
「今だ! 超・電・拘トルネーーーードォ!!」
 展開した胸部から放たれる光の竜巻。コアブラスターの破壊エネルギーを特殊な電磁波に変換したそれはヒーローを捕らえて動きを封じる。
 この好機にケルベロスたちは一斉に動いた。
「俺達の魂が奏でる最高の一曲でトドメを狙うぜ!」
 イーシュが叫びながら全身全霊を篭めてロックを奏で始め、ビートが斬霊刀に霊力を流していく。更には、あぽろが右手にエネルギーを集めだした。
「俺達のロック! 聞いてシビレてイッちまいやがれ!」
「この刀の糧となれ! 霊刀封印!!」
「トリック・オア・ダァーイ(消し飛べ)」
 まずは斬霊刀が一閃。
 次いで魂を揺さぶる音と、まばゆい光が極太の線となってヒーローを貫いた。
 光はそのまま伸びて空へと消えていき。
 ヒーローはポンっという音を立てると、巨大なかぼちゃのランタンへと姿を変えた。
「これはー、面白い物にー、なりましたのー」
 仲間が仕留め切れなかった場合に備えていた、フラッタリーはゆるい口調に戻ってかぼちゃのランタンを調べ始める。どうやら害のある物でも無さそうで、ドリームイーターも少しはパーティーの役に立ってくれそうだ。


「これで元通りだろう」
 楼芳は会場の壊れたところをヒールして回り、その出来栄えに首を縦に振る。
 既にパーティー・スタッフも幾人かは会場に戻ってきていて、彼らも肯定を示した。
「後片付ケモ終ワリデスネー。楽シクナルデスヨー♪」
 会場の飾りを直していた、七七式は現れた巨大かぼちゃランタンを目立つ位置にどーんと置いて仲間たちに声を掛ける。
 半ばシンボルのように鎮座して良い意味で華やかになった。
(「里島さん……無事に起きてくれるといいな」)
 ブレイは会場の方がひと段落したこともあり、杞憂に思っていることをつぶやく。
 ドリームイーターを倒せば目覚めるはずだが心配なものは心配だ。
 そして、彼をそんな目に遭わせた少女に対しては怒りを燃やしている。
「心配ですのー。ですからー、様子をー、見に行って来ますのー」
 つぶやきが聞こえていたようで、フラッタリーが微笑みながら応える。
 手にはお菓子と東南アジア系の仮面が。
 どうやらあれを持って里島を訪ねるつもりなのだろう。
 幸いにも里島の家はここから近く、ハロウィンパーティーにも問題なく参加できそうだ。
「それなら綺麗にしておかないと」
 ビートがクリーニングを使って戦いの汚れをさっと消し去る。
 もう他の仲間にも使ったようでケルベロスたちの姿はドリームイーターを誘き出す前の状態へと完全に戻っていた。
 と、ここでパーティー・スタッフが歩み寄ってきた。
「すいません。実は皆さんが来ていることを聞いたと一般の方が来られていまして――」
 その説明を聞いた直後に、パーティー会場にひとりの少年が入ってきたのを皮切りに半ば押し切るような形で子供たちが入ってきた。
 どうやらパーティーに参加予定の小学生グループのようだ。
「すげぇ、本物だ! 本物のヒーローだ!」
「かっけー!」
 様々な仮装をしてケルベロスたちの周りではしゃぐ子供たち。
「何だが照れるぜ。ほら、お菓子でも食べな」
 あぽろが持ってきていた薔薇の形をしたアップルパイを押し付けるように渡す。
「危ないからあまりはしゃぎ過ぎるな」
 反対側では、ウィセンが剣を模した飴細工を渡しながら子供をあやしている。
 イーシュは子供たちに向けてにやっと笑うと、
「さあ、ケルベロスハロウィンはまだまだこれからだ! 皆で行列しに行こうぜ!」
 手を振って呼び掛ける。
「うん、本番はこれからだ! もっと楽しんで多くの人を笑顔にしてまわろう」
 ビートもすぐさま同意して賑わい出している方へと子供たちをうながす。
 子供たちと一緒に歩き出す者。
 里島を呼びに行く者。
 いずれも賞賛とエールを、そして心からの感謝を浴びて。
 ケルベロスたちは徐々に盛り上がっていくパーティー会場を歩いて行った。

作者:キジトラ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2015年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 5
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