演奏無きオーケストラ

作者:飛翔優

●無音こそが音楽!
 木々はざわめき小鳥は歌う。
 風は軽やかなステップを踏みながら世界に涼を与えていく。
 鼓動も響く。
 命の息吹も混じり合い、人里離れた山小屋は静寂という名のオーケストラに彩られていて……。
「……」
 10名の男女たちの前でバイオリンを構えていた鳥人間ビルシャナが、音を鳴らすことなく腕を降ろし一礼した。
 生まれゆく拍手に穏やかな微笑みを浮かべながら、片手で静まるよう促していく。
 再び生命の息吹だけが聞こえる空間に変わるのを待った上で、ビルシャナは落ち着いた調子で口を開いた。
「やはり、より。自然の作り出すオーケストラというものは。人も共に奏でる音色は。無音であるからこそ、決して再現することのできない、一度きりの音楽が生まれていく……それが、よい。それが至高……他には何も、必要ない」
 ビルシャナが見つめる中、満足げに頷いていく信者たち。
 ならばと、ビルシャナは一礼しバイオリンを構え直した。
「ならば今一度奏でよう。無音という名の音楽を。世界が作り出してくれるオーケストラを」

●ビルシャナ討伐作戦
 ケルベロスたちと挨拶を交わした黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は、資料を取り出し説明を開始した。
「悟りを開きビルシャナとなった者の信者が悟りを開きビルシャナとなり、独立して新たに信者を集めるという事件が起きているみたいっす」
 今回は悟りを開いてビルシャナ化した人間ととの配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破することが目的となる。
「そのために、このビルシャナ化した人間が周囲に自分の考えを布教して、配下を増やそうとしているところに乗り込む形になるっすね」
 また、ビルシャナ化した人間の言葉には強い説得力があるため、放っておくと一般人は配下となってしまう。
 しかし、ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になることを防げるかもしれない。
「ビルシャナの配下となった方は、ビルシャナが撃破されるまでの間、サーヴァントのような形で戦闘に参加してくるっす」
 幸い、ビルシャナさえ撃破すれば元に戻るため、救出は可能。しかし、配下が多くなればそれだけ戦闘では不利になるだろう。
「続いて、今回のビルシャナの特徴について説明するっすね」
 教義は、無音こそ音楽。
 演奏しない事によって紡がれる様々な自然の音色、命の鼓動を楽しむという音楽こそが至高、他には何も必要ないというもの。
「集まっている人々も、この教義に賛同している方々になるっすよ」
 男6名女4名の合計10名。
 反応としては、男2名女2名は全面的にビルシャナの教義に賛同しており、それ以外のうるさい音楽はなくなって欲しいと思っている。
 一方男4名女2名は、初めて聞いた無音の良さに感銘を受け、支持していきたいなと考えているような状態である。
「この辺りから、うまい説得の方法を考えて欲しいっすよ」
 最後に、ビルシャナたちの戦力について。
 ビルシャナは信者を盾として使いながら、遠くから的確な一撃を叩き込んでくる。
 使うグラビティは三種、破壊の光で複数人を威圧するビルシャナ閃光。氷の輪を飛ばし複数人を凍りつかせる八寒氷輪。経文を唱え心を乱すビルシャナ経文。
 一方、戦闘に参加してくるかもしれない信者たちの力量は非常に低い。が、ビルシャナを護るように立ち回ってくる上に、気をつけなければ死んでしまいかねないほど脆いため、色々と厄介な存在となるだろう。
「最後に場所になるっすけど……この山の奥地にある山小屋っすね。ここで演奏会を行っているっすから、簡単に乗り込めると思うっすよ」
 以上で説明は終了と、ダンテは資料をまとめ締めくくった。
「残念ながら、ビルシャナとなってしまった方を救うことはできないっす。でも、これ以上被害が広がらないようにすることはできるはずっす。だからどうか、全力での行動をお願いするっすよ!」


参加者
叢雲・蓮(無常迅速・e00144)
ロベリア・アゲラータム(向日葵畑の騎士・e02995)
ジュリアス・カールスバーグ(山葵の心の牧羊剣士・e15205)
ゲリン・ユルドゥス(白翼橙星・e25246)
リオルト・フェオニール(ドラゴニアンの思春期・e26438)
愛澤・心恋(夢幻の煌き・e34053)
モヱ・スラッシュシップ(機腐人・e36624)
王・美子(首無し・e37906)

■リプレイ

●自然音だけのオーケストラ
 小鳥のさえずり、木々のざわめき、規則正しく打つ鼓動。微かに聞こえる呼吸音、空の彼方から聞こえてくる飛行機のエンジン……。
 意図なきメロディが重なり合う山の中。ビルシャナが無音の演奏会を行っている山小屋の裏側で、モヱ・スラッシュシップ(機腐人・e36624)は電源パネルを発見した。
 身振り手振りで同道してきた仲間に場所を示し、言葉は紡がぬまま情報を交換しあっていく。
 本格的に動き始めたのは、山小屋内部で無音の演目が終わった時。
 ビルシャナの無茶苦茶な演説に紛れる形で、ケルベロスたちは奇襲のための準備を行っていった。
 唯一、ゲリン・ユルドゥス(白翼橙星・e25246)だけが山小屋の扉を開け放ち、教義に賛成して演奏会に参加する意志を示していく。
 彼が受け入れられていく様子を聞きながら、作業を終えたケルベロスたちは監視役を残し山小屋から離れ、大樹のそばで過ごすこと数時間。
 日が落ちるとともに再び山小屋へと舞い戻り、監視を行っていたモヱに演奏会が続いている事を確認する。
 内部の人数、ビルシャナ1体と一般人10名に変化がないことも確かめた上で、行動を開始した。
 電源パネルのもとへと向かった叢雲・蓮(無常迅速・e00144)は耳を澄まし、ビルシャナの演奏が始まるタイミングでブレーカーを落とす。
 山小屋内部の電気が消え、数名がにわかにざわめく気配を感じた。
 同時にゲリンが動き始めたらしく、小さな音色が聞こえてくる。
 大きな動きではないと、蓮はその場に待機した。
 読み通り、ざわめいていた数名も周囲の落ち着きに合わせるようにしてもとの気配を取り戻していく。
 風が窓を叩いても、枯れ葉の擦れる音が響いても、誰も居ないはずの外からドアが叩かれても、人々が大きな反応を見せる気配はない。
 王・美子(首無し・e37906)は目を細め、窓枠に首に漂う炎の尾を用いて火の玉をぶら下げた。
 発見したらしき男性が瞳を見開くと共に、中にいる人々は次々と火の玉に見入っていった。
 再びざわめき始める者がいた。
 体を震えさせていく者がいた。
 けれど演奏は止まらない。
 ビルシャナはバイオリンを構えたまま、4名の男女は静かな様相を崩さぬまま、ゲリンは不規則に動き続けるまま、音の無き音楽に身を委ねていて……。
 ……これ以上は望めないだろうと、蓮が美子に手を振った。
 美子は頷き、火の玉を窓枠に固定した上で仲間たちとの合流を果たしていく。
 演奏が終わり、何度繰り返されたかわからないビルシャナの演説が始まったタイミングで……いざ、玄関から……!

 玄関扉が開かれると共に、ゲリン・ユルドゥス(白翼橙星・e25246)が光の翼を広げていく。
 暖かな灯りに映し出された表情は、概ね恐怖と困惑。
 大きな反応を見せない4名とビルシャナも視界に収めつつ、ゲリンは素早く一般人の正面へと躍り出た。
「やっぱりみんな、無音の演奏、きいてない! やっぱり歌とかなきゃ音楽って気がしない!」
 恐怖と困惑に染められていた6名へと視線を送れば、罰が悪そうに視線をそらしていく。
 流れるままにビルシャナへと向き直り、言い放った。
「鳥の鳴き声も歌だ! 鳥だって、みんなに聞いて欲しいから、いっしょに歌って盛り上げてほしいから歌うんだ! 歌わなかったら、みんな、鳥のこと見なくなる!」
 眉根を潜めていくビルシャナ。
 表情を変えぬ4名。
 伝えたいことを伝えるため、ゲリンは畳みかけていく。
「音楽家だってそうだ。音楽家も自分のこと忘れないでほしいから、自分らしい音楽を作るんだ。無音だと……自分の音楽って気がしないし、いつか思い出さなくなる。それは音楽家としても寂しいことじゃないの?」
 ビルシャナの瞳をまっすぐに見つめ、言葉を待つ。
 しばし見つめ合った後、ビルシャナは深い溜息を吐き出した。
「そもそも、貴殿の演奏は無音ではなかったであろう。床を転がる音色も、飛び跳ねる音色も……すべて、人為的に作られたもの。そういう音楽グループもあるが……決して、無音ではない。それに……」
 落ち着いた調子で、ビルシャナは語り続けていく。
「音楽家の意志と我々がどう受け取るかは無関係。そして、我々は一曲を除きそれ以外のすべてを拒絶する」
「随分と強いお言葉ですね」
 2人の間に割り込むように、ロベリア・アゲラータム(向日葵畑の騎士・e02995)がバイオリンを携え歩み出た。
 視線を受け止めた上で、自らの意志を示していく。
「花鳥風月も結構ですが、音楽とは文字通り音を楽しむ事です。音楽に優劣をつける行為はそれ程高尚なものですか?」
「無論。さもなくば様々な音楽が生まれることはなかっただろう。そして、それらはすべて一つの曲に収束する……ただ、それだけの話しだ」
「ですが……」
 バイオリンを肩に携え、弓を引く。
 流麗なバイオリンの音色が響き始めた。
「人は音を楽しむ為に音楽という文化を洗練させてきたのです。その長い歴史の結実は自然の作り出す音楽に決して劣るものではありませんし、収束するものでもありません」
 語る言葉もメロディに乗せ、ロベリアは弓を引き続けていく。
 音色は持参したオーディオプレイヤーから流れているものだけど。
 気づく様子なく、6名の男女は聞き入る素振りを見せている。
 その6名へ、リオルト・フェオニール(ドラゴニアンの思春期・e26438)が語りかけた。
「無音ってそもそも音が無い、目を閉じると少し不安にならない?」
 先程、山小屋が暗闇に抱かれたときのように。
「目を閉じても人が奏でる情景が浮かぶような音楽ってあるよね。人を楽しませるように音を奏でる人達がいるのを忘れないで欲しい。このままだと、信じたことで人を悲しませることをするようになるよ」
 もしもビルシャナに従っていくのなら、今、演奏されているようなメロディは聞けなくなる。
「音楽には色んなジャンルがあるから、人からじゃない、自分の好きを自分で見つけよう? 支持なんてしなくても、自分で好きに楽しんだら良いと思うんだ」
 悟ったか、6名の男女が顔を見合わせ始めた。
 結論に至ったのか、立ち上がりビルシャナに一礼すると共に、小屋の外へ向かって歩きはじめていく。
 何か声をかけようというのかビルシャナが鉤爪を伸ばしかけたけど、諦めたかのように首を横に振った。
 くちばしからため息を漏らしながら、残る4名は逃さぬとばかりにケルベロスたちを睨みつけてきて――。

 前触れもなく、ジュリアス・カールスバーグ(山葵の心の牧羊剣士・e15205)がビルシャナと一般人たちの間に割り込んだ。
 騒がしく床を踏みしめながら、ウェアライダーとしての体格を活かして思いっきり威嚇しつつ、土星にも似た声を浴びせかけていく。
「無音が良いですどぉーッ!?」
「っ!?」
 瞳を見開き驚くさまを見せていく一般人。
 何かを話し始める素振りはなかったから、ひとしきり見て回った上で言葉を畳みかけていく。
「どうですかァ! 素敵なんでしょう無音! 笑ったらどうですかねェッ!」
 表情は変わらない。
 ただただ驚いているさまを一瞥した後、ビルシャナへと向き直っていく。
「やはり貴方は間違っている! 人も天然自然から生まれ出たもの、つまり貴方の主張する無音の一部! それを忘れての自然の無音など……愚の骨頂!」
 拳を硬く握りしめ、突き付けた。
「無音を掻き乱す者が在るとすれば、神を騙る異物の甘言に惑わされ、その異物の姿となっている貴方だけです! それは解脱したのではなく、自己満足の妄執であると知りなさい!」
 ジュリアスが口を閉ざすとともに、山小屋は静寂に抱かれる。
 表情を変えることなく、ビルシャナはくちばしを開いた。
「瞳を閉ざしなさい」
 睨み返すも、ビルシャナが表情を変えることはない。
「そうすれば感じ取ることができる。人もまた、自然の一部であることを」
 訝しげな表情を浮かべながら、ジュリアスは瞳を閉ざした。
 誰も口を開かぬ空間に、響くは己の心臓が脈打つ音色。誰かが紡ぎ続けている息遣い……。
「それが、人の奏でる音色。楽器で装飾する必要のない、自然な音色」
「もしや……」
 すかさず愛澤・心恋(夢幻の煌き・e34053)が切り込んだ。
「それが群れる理由ですか? 自然の音を楽しみたいだけならその必要はありませんし、本当に楽しみたいなら騒がしいビルシャナさんと一緒にいる意味はありませんし……」
「鼓動、息遣い、時には自然に生まれてしまう衣擦れ……それさえも音色とみなし、身を委ねる。それが、二度と同じ音楽が訪れることはない、無音の曲」
 酔いしれるように語るビルシャナに、頷いていく一般人。
 見守っていたモヱは、静かなため息を吐くと共に切り出した。
「あなた方が無音を至高とすることに異論を挟むのではありません」
 落ち着いた声音で、ビルシャナを真っ直ぐに見つめながら。
「デスガ、そうでしたら、音楽のカテゴリーに自然音を侵食させないでクダサイ」
 反応を伺うことなく、自分の矜持を伝えていく。
「曲を創り、演奏するという一連の流れは、いわば土を掘り、形を造り、窯で焼いて置物を作るようなものデス」
 大自然が形作った二つとない美しい自然のかたちの素晴らしさは、人の手で心を込めて作られたカタチの芸術性を否定するためのものではない。
「皆違って、皆良い、その心を思い出してクダサイ」
 言葉を終えると共にビルシャナの、そして4名の男女の様子を伺っていく。
 1秒、2秒と、誰も何も語らぬ時間が訪れる。
 新たな声が響くまでに、おおよそ三十秒ほどの時が過ぎただろうか。
 ビルシャナは首を横に振り、くちばしを開いた。
「相容れん。我々の演奏もまた、音楽。音なき曲を楽譜を残した偉大なる音楽家もいる。故に、相容れん」
 頷き、立ち上がっていく4名の男女。
 これ以上の語り合いは無意味だろうと、その瞳は語っていた。
 ケルベロスたちにとっても、それは同じ。
 人々を救うため、音楽の未来を護るため……いざ、ビルシャナとの戦いへ……!

●音は自然に紡がれるもの
 くちばしから紡がれゆく経文を聞きながら、心恋はテレビウムのメロディと共にビルシャナの前に立ち続ける。
「音楽は……歌は、人を癒す力だってあるんです……!」
 ビルシャナを抑えている内に、男女を無力化して欲しい。
 そんな願いも込めた歌声で自分とメロディを癒やす中、暗がりから飛び出した蓮が男性の首筋に刀の峰を叩き込んだ。
「しばらく眠っていてね」
「痛いだ何だと叫ぶんじゃありませんよ!」
 ジュリアスも別の男性の鳩尾に掌底を叩き込み、首尾よく昏倒させていく。
 2人が自らが眠らせた男性を小屋の端へと運び終える頃にはもう、ビルシャナを護る人々はいなくなっていた。
「さぁ! 戦場音楽を奏でましょう」
 これより本格的な戦いを始めると、ロベリアは踵で床を鳴らしながらビルシャナとの距離を詰めていく。
 戦槌を思いっきり振り下ろし、掲げられた翼とぶつかり合う。
 鈍い音が響く中、ビルシャナが虚空に八枚の氷輪を浮かべ始めた。
「残念だが、わしはそのような音楽は好んでいない」
 水平に回転しながら、前衛陣へと向かっていく氷の輪。
 リオルトが最も多い4枚へと踏み込んで、クロスした腕に掠めさせていく。
「っ……大丈夫、この程度なら……」
 焼けるような痛みを感じながら、分身を作り出すと共に問題のない程度まで塞いでいく。
 様々な方法で前衛陣は対処し、再び攻撃へと戻っていった。
 守りはもっと多くの信者たちに任せるつもりだったのか、ひどく脆い。
 羽根が散る、血が溢れる。
 みるみるうちに傷ついていくビルシャナを見つめながら、ゲリンは歌う高らかに。
「さあさあ、この調子で一気にやっつけちゃおうよ!」
「……ハイ」
 受け取り、モヱは薬の入ったカプセルを指で弾いた。
 誤ることなくカプセルはくちばしの中へと飛び込んだ。
 内包していたウイルスがビルシャナの体を蝕み始めた時、初めて苦悶の声が聞こえてくる。
「だが……!」
 それでも……と、ビルシャナは指先をかざした。
 仲間たちを護るため、心恋はメロディと共にビルシャナの正面に立ち塞がる。
「させません……!」
 指先から放たれた光のすべてをメロディと共に受け止めて、二歩、三歩とよろめきながら左側へと退避した。
 刹那、一発の銃撃音が鳴り響く。
 美子の持つリボルバーからは硝煙が漂い始めていく。
 対象的に、ビルシャナは胸を抑えながら膝をついた。
「ぐ……」
「そういや思ったんだが……」
 小首を傾げながら、美子は歩み寄った。
「アンタ、実は楽器弾けないだけじゃねェの」
「……そんな、ことは……」
 ない、と答えるビルシャナが、再びバイオリンを手にすることはない。
 弓にも本体にも手が届かぬまま、羽根のような光と化して消滅し……。

●人と自然のオーケストラ
 再び静寂に満たされ始めた山小屋を、ジュリアスは音を立てて歩いて行く。
 ビルシャナが残していったバイオリンを拾い上げ、小首を傾げていく。
「あの鳥はああなる前、どんなトラウマがあったのでしょうねえ。バイオリンを持ったまま無音が最高とは、ねえ」
「ビルシャナの言葉を信じるのなら、そういう曲もあるのでしょうね」
 返答しつつ、ロベリアは持参したバイオリンを構え、今度は本当の意味で弾き始めた。
 蓮が跳ね上がり耳を塞いだ。
 リオルトは尻尾を逆立てた。
 けれど美子は笑い、心恋、ゲリンへと視線を向けていく。
「良いじゃねえか。どうせなら、その音も交えて演奏しようぜ」
「……そうですね。どんな音も、きっと人々に訴えかける力があるはずですから……!」
「いいね、面白そう!」
 ロベリアの演奏? をメロディに、3人は歌う高らかに。
 人の作る、今宵のみの演奏を。
 各々形は違えど重なりあえるオーケストラを。
 気づけば木々のざわめきも、風のささやきも音色に加わり世界を飾った。
 それはきっと倒れた人々の目覚めを促し……心の扉を開いてくれることだろう。

作者:飛翔優 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年9月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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