鎌倉ハロウィンパーティー~寂しい吸血鬼

作者:東雲ゆう

 10月も終わりにさしかかったある日の夕方。
 ハロウィンカラーのオレンジと黒で賑やかに飾りつけられ、どこか浮き足立った人々の声で溢れかえる駅前の商店街を、トモヤは一人とぼとぼと自宅に向かっていた。
(「くっそ、俺だって去年は……!」)
 そう、去年は隣に彼女がいた。ハロウィンの日には一緒に吸血鬼の仮装をして、たくさん写真を撮って、いっぱい笑って。
(「今年だって、本当は……」)
 トモヤはこの1ヶ月を振り返る。
 突然の転勤が決まり、彼女と離れ離れになった。馴染みのない土地での慣れない仕事は大変だったが、頑張ろうと思えたのは、今年も一緒にハロウィンを過ごすという約束をしていたから。でも、それも昨日までのこと――。
『ごめん、やっぱり遠距離ってムリ』
 久しぶりの彼女からの電話は、別れの知らせだった。
 突然の言葉に頭が真っ白になってしまい、何も言えないまま彼女は電話を切ってしまった。今日一日、仕事をしている間も幾度と無く頭に響いた彼女の声。
 苦いものを飲み込んで、改めて町を行きかう楽しげな人々を見やり、ため息をつく。
「いいなぁ、俺も楽しくハロウィンパーティーに参加したいよ」
 そう呟いた直後、だった。
 
「ハロウィンパーティーに参加したい……ですか。その夢、かなえてあげましょう」
 トモヤはその声にはっと振り返る。するとそこには、赤い頭巾をかぶった美しい顔立ちの金髪の少女が立っていた。
 まるで童話の世界から抜け出してきたような幻想的な姿に呆然としていると、突然、少女は巨大な鍵でトモヤの心臓を一突きした。
 ぐらり、と力を失い地面に倒れこんだトモヤと入れ替わるように、そこには吸血鬼の洋服を身にまとったドリームイーターが現われる。
 それを見て少女は満足げに微笑んだ。
「――世界で一番楽しいパーティーに参加して、その心の欠損を埋めるのです」
 まるでそれが合図だったかのように、ドリームイーターは忽然と姿を消した。
 
「皆さん、ちょっとお願いしたいことがあるんっす」
 いつも通りの軽い口調で話し始めたヘリオライダーの黒瀬・ダンテだが、その笑顔にはどこか緊張感が漂っている。
「実は、先月の鎌倉奪還作戦の後から、『日本各地でドリームイーターが暗躍しているらしい』ってことを藤咲・うるる(サニーガール・e00086)さんが調べてくれたんっすよ。その結果、なんと! 暗躍しているドリームイーターは、ハロウィンのお祭りに対して何らかの劣等感を持っていた人たちだ、ということが判明したんっす」
 ダンテによると、そのドリームイーターたちはハロウィンの当日に一斉に動きだし、世界で最も盛り上がるパーティー会場、すなわち鎌倉のハロウィンパーティー会場を狙うらしい。
「そういう訳で、皆さんにはパーティーが始まる直前までに、こいつらをぱぱっと片付けてほしいんっす」
 ケルベロスたちが頷くのを確認すると、ダンテは手元の資料に視線を移した。
「皆さんのターゲットは、つい最近彼女にフラれてしまった男性から生まれたドリームイーターっす。ぱっと見は吸血鬼の仮装っすけど、仮装で隠れていない部分がモザイクになってるんで、仮装をしている一般人と見間違えることはまずないっすよ」
 去年の彼女との楽しい思い出が忘れられなかったんすかね、とぽつりとつぶやく。
「相手の攻撃は、トラウマを具現化させる『心を抉る鍵』、相手の心を悪夢で浸食する『夢喰らい』、それと大きな牙で噛みつく『欲望喰らい』の3つっす」
 さながら夢を吸う吸血鬼、といったところだろうか。
 一通り話し終えたところで、そうそう、とダンテは付け加える。
「ドリームイーターは、パーティーが始まると同時に現われるみたいなんっす。だから、パーティーの開始時間よりも早く、あたかもパーティーが始まったぜ! 的に賑やかにふるまえば、誘き出すことができるはずっすよ」
 そして、改めてケルベロスたちを見回し、に、と笑った。
「囮作戦で戦ったあとは、本物のハロウィンパーティーで思う存分楽しんでほしいっす!」
 その表情には先ほどまでの硬さはなく、ケルベロスたちへの信頼であふれていた。


参加者
ティセ・ルミエル(猫まっぷたつ・e00611)
アイリ・ラピスティア(宵桜の刀剣士・e00717)
イピナ・ウィンテール(四代目ウィンテール家当主・e03513)
御巫・朔夜(シャドウエルフのガンスリンガー・e05061)
千歳・涼乃(銀色の陽だまり・e08302)
真神・忠史(地球人の降魔拳士・e09847)
荒耶・四季(苦悩する軍事博物館館長・e11847)
秋空・彼方(英勇戦記ブレイブスター・e16735)

■リプレイ

●準備は念入りに!
 10月31日。鎌倉でハロウィンパーティーが開かれる会場に、一足先にケルベロスたちは到着していた。
「お兄さん、ちょっと頼まれごと、お願いできますか?」
 緑の葉をイメージしたドリアードの仮装をまとったイピナ・ウィンテール(四代目ウィンテール家当主・e03513)が、にっこりと笑いながら会場スタッフに語りかける。
 一応、ケルベロスたちが会場入りすることは伝えられているが、よりスムーズに話を聞いてもらえるよう、その手にはプラチナチケットが握られている。
「デウスエクスをパーティー前に誘き出して倒すため、一般人を近づけないでほしいんです。ただ、パニックにならないように、『機材を搬入していて危険』といったように説明してもらえますか?」
 そう言うと、ちらり、と入口の方を見やる。そこでは、狼男に扮した荒耶・四季(苦悩する軍事博物館館長・e11847)が黙々とキープアウトテープを貼っていた。
 続けて、イピナの横から真神・忠史(地球人の降魔拳士・e09847)が進み出る。
「お前たちも、一般人と一緒にこちらから連絡するまで非難してもらいたい。会場を出たら、万一戦闘の被害が大きくなったときのために、後始末用のバイトも手配してもらえると助かるのだが」
 彼のフランケンシュタインの仮装と元極道の独特な迫力が相まって、一瞬スタッフがびく、と体をこわばらせたが、分かりました、と答えると、会場の外へと避難していった。

 一方、会場内では残りの5人が飾りつけにいそしんでいる。
「お菓子釣りゲーム用のプールは、このあたりでいいでしょうか?」
 クリップをつけた駄菓子でいっぱいになった幼児用プールをずりずり、と引きずりながら尋ねるのは、自身もまるでお菓子の家のようになっている千歳・涼乃(銀色の陽だまり・e08302)である。
「うん、いいと思うよ!」
 服も、とってもかわいい! と絶賛しているのは、ティセ・ルミエル(猫まっぷたつ・e00611)である。コロボックルの衣装に愛用のヘッドフォンを着けた姿は、小さめの身長と相まって愛らしい雰囲気である。
 そんな光景を笑顔で眺めながら、手際よく南瓜ボウリング用のピンを並べる海賊姿の秋空・彼方(英勇戦記ブレイブスター・e16735)の横で、大量のお菓子を両手に抱えながらううむ、と悩んでいるのは御巫・朔夜(シャドウエルフのガンスリンガー・e05061)である。
「ハロウィンでは菓子類が重要と聞いたのだが……こんな感じでよかったのだろうか?」
 幼い頃から裏社会で生きていたため、パーティーやお祭りといったものと縁遠かった彼女であるが、とまどいつつも精一杯楽しみたいという気持ちでいることが伝わってくる。ちなみに、仮装は高貴な雰囲気ながらも割と露出度の高い女吸血鬼である。
「とてもいいと思うよ。これだけあれば皆で分けてもお腹いっぱいになりそうだね」
 羽織袴に鉢巻をしめ、銀色の髪をポニーテールにまとめて凛々しい幕末の志士姿に扮したアイリ・ラピスティア(宵桜の刀剣士・e00717)が、ゆったりと微笑む。

 しばらくして、避難誘導の3人も飾りつけに加わり、全員で細かい部分を調整しながら作戦を確認している間に、ティセがジュースを注いで回る。
 ――準備は整った。

●トリック・オア・トリート!
「みなさん、ハロウィンパーティーへようこそ!」
 会場のステージに上がった司会のイピナが、マイクを手に腕を高々と上げると、ティセが控えめにパン、と小さなクラッカーを鳴らす。それを合図に、皆が嬉しそうに拍手をし、グラスを片手に歓談を始めた。
(「襲撃タイミングは多分乾杯の直後か……? 奇襲を受けないよう警戒しないと」)
 楽しそうにふるまいながらも、忠史は用心深く周囲に気を配る。ステージの上では、イピナが着々とパーティーを進行させていた。
「ふふ、長い挨拶は不要でしょう。秋空さん、始まりの乾杯を!」
 言われて、彼方が舞台上に進み出る。イピナからマイクを受け取ると、こほん、とひとつ咳払いをして喋り始めた。
「皆さま、本日はお忙しいなかお集まりいただき、まことにありがたく……」
「そこー! 挨拶長いぞ!」
 長引きそうな雰囲気を察知して、すかさず四季が茶々を入れる。いたずら好きの血が騒いだようだ。
 四季に続いて皆からもはやし立てられ、彼方は半ばやけくそ気味に大声で叫ぶ。
「楽しい楽しい、ハロウィンパーティーの始まりに乾杯ー!」
「乾杯ー!」
 楽しげな声が会場に響く。おのおのグラスを合わせ、わいわいとお菓子を食べ始めたを見ると、彼方は四季の用意したクラシック音楽のカセットテープをかける。さらにパーティームードが高まった会場で、にこやかにイピナが続ける。
「みんなで楽しめるゲームを用意しました。まずは、お菓子釣りゲーム!」
 びし、と指差した先には、涼乃が用意したお菓子のプールがある。磁石がついたおもちゃの釣竿を手に取る皆にイピナも合流すると、さっそく釣りをし始めた。
 一番最初に釣り上げたのは、朔夜である。
「すごいすごい! 袋菓子が3つも釣れてます!」
 手をたたいて褒める涼乃の言葉に、朔夜は少し照れながらありがとう、と答えるが、3つもあるお菓子をどうしようかとどこか所在なげにしている。そんな彼女に忠史が助け舟を出す。
「お、俺にもひとつもらえるか?」
 朔夜はこくり、と頷くと、お菓子の袋を忠史に差し出した。それを受け取ろうとして、自然と2人の指が触れる。

 その瞬間だった。
「俺にも……一緒に……ユメを……喰わせろ……喰わせろぉ……!!」
 空間が歪み、一目で異形と分かるモザイクの吸血鬼が、大きな鍵を手に、自身のトラウマともいえる女吸血鬼の格好をした朔夜に襲い掛かる。
「――っ!」
 警戒していた忠史が素早く朔夜をかばい、地面に伏せる。2人は無事だったが、勢いあまったドリームイーターの鍵は、後ろを向いていて一瞬反応が遅れたアイリの胸へ深々と突き刺さる。
「お兄……ちゃん?」
 血濡れの兄の幻影に震えながら、ううん、違う、死んだんだから、と必死にトラウマに抗おうとしている。そして。
「ああああああっ!!」
 己を取り戻すための血を吐くような彼女の叫びが、ドリームイーターとの戦いの合図となった。

●夢喰う吸血鬼との戦い
 アイリからドリームエナジーを奪い取ったモザイク吸血鬼は、心なしか現われたときより殺気が増している。
 注意深く間合いと取りつつ、ケルベロスたちは陣形を整えていく。
「お菓子いっぱいいただきましたからね。その分回復は任せてください!」
 シャウトで回復したものの、まだ少し青ざめているアイリを涼乃が気力溜めで回復する。
「ええ、パーティーは始まったばかりです!」
 涼乃と背中合わせでギターを構えたティセが演奏するのは「紅瞳覚醒」。その奏でた音は、敵の近くにいる仲間たちの心を奮い立たせる。
「せっかくのハロウィンなのに、空気を読んでほしいな」
 まずは敵の動きを妨害しないとな、と四季は禁縄禁縛呪を唱える。半透明の「御業」がドリームイーターを鷲掴みにする間に、落ち着きを取り戻したアイリが密やかに間合いを詰める。
「恋人にフラれて、傷心でパーティーどころじゃない、かぁ。恋したこと無いから、よくわからないけど」
 じ、と敵の姿を見つめる。
「辛かったら、楽しめないよね。でも……本当は、楽しみたいんだよね?」
 悲しげな口調で語りかけつつも、繰り出されるシャドウリッパーは容赦無く敵を斬り刻む。隣にいるイピナも、タイミングを合わせて斬霊斬を放つ。
「女々しくするなと言いたくはなるが…裏切られたと感じる心中は察するに余りあるか」
「哀れではある。同情もする。だが潰す」
 やや後方からグラインドファイアで援護する朔夜に続き、運のないヤツだ、と呟きながら忠史が降魔真拳で攻撃する。
「復興パーティーなんだから……邪魔はさせない……!」
 文科系の中学生レベルの身体能力しかない自分を後ろめたく感じながらも、彼方が一生懸命スターゲイザーで追撃した。

 ケルベロスたちの攻撃は、確実にドリームイーターの体力を奪っていっていた。しかし、敵もやられっぱなしではない。
「ユメ……ヲ……クワセロォ……!!」
 最前線で対峙していたイピナに、鍵を手に襲い掛かる。が、その鍵が貫いたのは、彼女をかばって間に入った彼方だった。
 攻撃が直撃し、彼方にしか見えない『トラウマ』が彼の心を蝕み、彼の頭の中に『お前なんか役立たずだ』『ここに居ても何の役にも立たない』という、普段心の隅に押し込めている闇がこだまする。
 投げかけられる言葉の辛さに、彼方は思わず膝をついてしまう。その様子を見て満足したのか、ドリームイーターが次に涼乃を攻撃しようと踵を返した、その時。
「――違う、違う、違う! 力を持ったからには僕がやらなきゃダメなんだ!」
 自分を奮い立たせてライドキャリバー・ヤタガラスと共に間に割り込み、涙を流しながらも必死に詠唱する。
「ブレイブスター! アクションモジュールファイブ! アメノヌボコ! 来い!」
 彼の声に呼応するかのように、左手のガントレットの宝石から、巨大な氷の矛が出現する。それは一直線に敵に向かい、ドリームイーターの右腕を貫いた。
 攻撃は当たったものの、トラウマの所以か辛そうにその場にうずくまる彼方を見て、助けられた涼乃はティセに目配せする。その意図を瞬時に理解したティセは、すかさずギターを構えた。
「回復しますっ、元気の出るナンバーです~」
 かわいい猫をモチーフにしたエレキギターをかき鳴らし、ハイトーンボイスの歌で援護する。
 一方、朔夜は静かに怒りを覚えていた。
「何者の仕業かはまだ分からないが……心の隙を突くやり口は許せないな」
 その怒りは、直接的には、仲間を傷つける目の前の敵に対してのもの。しかし同時に、トモヤの寂しさを利用してデウスエクスを生み出した『何者』かに対して彼女はより憤怒していた。
「雷よ、我が弾丸となりて敵を撃て!」
 彼女の理力によって生み出された稲妻のごとき魔法弾は、嵐のように敵に襲いかかり、その動きを封じ込める。
 動きが止まったその瞬間、別な方向からドリームイーターに高速で襲いかかるものがあった。
「この翼に背負った、願いと祝福と共に……行きます!」
 それは、4対8枚の翼の複雑な動きを駆使して斬りかかったイピナだった。さらに、その横から斬霊刀・宵桜を手にしたアイリも続く。
「宵の闇にて咲き誇れ。――命を啜って、鮮やかに」
 彼女の魔剣は深々と敵の左肩を突き刺す。その刀身はドリームイーターの生命力を奪い取り、更に美しく、妖しい輝きを放っていた。
 流れるような連続攻撃にふらり、とよろめく敵の姿に好機を見出したティセと涼乃も攻撃に加わる。
「こうなる前に、一緒に楽しめたら良かったのに……」
 少し感傷的に呟いた涼乃だが、すぐに引き締まった表情に変化する。
「ハロウィンの元の意味通り、悪霊は追い出しましょう。黒き触手の招来!」
 涼乃が呼び出したのは、おぞましき触手。その間に間合いを詰めたティセは、大きくギターを振りかぶり、そのままバランスを崩しながら殴りつける。
 息絶え絶え、といった様子のドリームイーターの前に、2つの人影が立ちはだかる。最初に動いたのは、四季だった。
「愚か者に裁きの鉄槌を……!」
 不思議な呪文と共に、拳から禍々しい光の輪がすさまじい速度で放たれ、ドリームイーターの体を地面に叩きつける。その横で、忠史が構える。
「眠れ、落とし前だけはきっちり付けてやる」
 言うと、鍛え上げられたその拳をドリームイーターの顔面に叩き込む。攻撃が命中した瞬間、ドリームイーターは消滅したと思われた。が――。
「……?!」
 ポン、と軽い音を立てて、まるまるとした可愛らしいコウモリの飾りへとその姿を変化させ、ころころと地面を転がった。近くにいた四季がそれを拾い上げる。
「な、何だこれは?!」
 冷静沈着な彼だが、想定外の結末に驚きを隠せない。
「ドリームイーターの彼は寂しかったのでしょうね。姿を変えて一緒にパーティーに参加したい、ということなのでしょうか?」
 四季からコウモリを手渡された涼乃は、しばらく考えたのち、それを女吸血鬼姿の朔夜へと手渡す。――彼女がその仮装を選んだのは偶然だけど、これもきっと何かの縁かもしれないから。
 困惑しながら、朔夜はそっと両手で包み込むようにコウモリを受け取る。横から、ティセがそれをのぞき込む。
「こんなパーティーでも楽しんでくれましたか?」
 ふう、と先ほどまで振り回していたエレキギターを地面に置くと、にっこりと微笑んだ。ドリームイーターを倒したことで、きっと、トモヤも元気を取り戻すことだろう。

●ハッピー・ハロウィン!
 ドリームイーターは無事に撃破できたが、戦いの余波を受けて会場は散らかってしまっていた。
「大丈夫。私は、大丈夫……」
 割れてしまったグラスの破片を拾いながら、独り言のようにアイリが呟く。しかし、次の瞬間には元通りの笑顔になっていた。
「さ、パーティー、楽しめるようにしないとね?」
 その言葉に、同じくトラウマの攻撃を受けた彼方が力強くうなずく。やや離れたところでは、戦闘終了の連絡を受け会場に戻ってきたスタッフたちに忠史が掃除の指示を出している。皆で協力した結果、ほどなくして会場は元通りの姿になった。
「とりあえず、ここにいるメンバーでパーティーの続きをやらないか?」
 どこから持ってきたのか、祝砲バズーカを構えながら四季が言う。
「え、また乾杯からなのです? 大歓迎! ゲーム! ビンゴゲームとか、好きなのです」
「私もパーティー、楽しみにしてたんです!」
 ティセと涼乃が手を取り合いながらきゃっきゃと飛び跳ねる。
 徐々に賑やかになってきた皆の間を、彼方がジュースを配りながら歩く。
「忠史さんと朔夜さんも、何か召し上がります?」
「俺は……どうしようか。酒が飲みたいんだが」
 残念ながらまだ会場内にはアルコールはないようなので、ジュースのコップを受け取る。
「トモヤとやらも悪夢から開放されたなら楽しませてやりたいが……」
 そう呟く朔夜の手には、トモヤのドリームイーターが変身したコウモリの飾りがある。
「そうだな。後で酒にでも誘ってやるとして、いまはそいつが代理、だな」
 に、と笑って忠史は答えた。
 
「みなさん、準備はいいですか?」
 はきはきと音頭をとるイピナが、グラスを持った手を高々と挙げるのに合わせて、全員が楽しげに声を揃える。
「ハッピー・ハロウィン!」

作者:東雲ゆう 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2015年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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