ラーメンは粉落とししか認めない!

作者:澤見夜行

●麺の硬さは?
「軟弱者――ッ!!」
 廃寺の奥からけたたましい怒声が響く。
「ラーメンにおいて麺の硬さは粉落とし、一つ! ハリガネやバリカタ、ましてや硬めなどありえーん!」
 そう主張するのは羽毛の生えた異形の姿のビルシャナ。
 彼は、ラーメンの麺はさっとお湯に通しただけの所謂『粉落とし』しか認めないと力説しているのである。
「粉落とし以外の柔らかい麺を頼む奴は軟弱者だ! ラーメンを食べる資格はない! いや、そもそも粉落とし以外はラーメンにあらずぅ!!」
「そうだぁ! 硬すぎる麺こそ至高! 粉落としのできない麺などラーメンにあらず!」
 ビルシャナを囲む信者達もまた、ビルシャナの教義に共感し、滅茶苦茶な持論を声に上げる。
「ラーメン! 替え玉! 粉落とし!!」
「ラーメン! 替え玉! 粉落としぃ!」
 シュプレヒコールが静寂湛える廃寺に響き渡るのだった。


「粉落としって、美味しいんですかね?」
 資料を目にしながらセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が口にする。
 ミッションルームに集まったケルベロス達を待っていたのは、悟りを開きビルシャナとなってしまった人間の撃破依頼だった。
 今回のビルシャナは、ラーメンの麺の硬さについて強い執着心があるようだ。普段普通に食べているときにはあまり聞かない用語がでて、セリカは首を傾げていた。
「なんにしても、ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力があり、放っておくと教義に賛同している一般人も配下になってしまいます。これはやはり止めなくてはなりません」
 ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になる事を防ぐことができるかもしれないと言うことだ。セリカが言うように、できるだけインパクトある説得方法を考えるべきだろう。
「配下となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いになり、戦闘に参加してきてしまいます。
 ビルシャナさえ倒せば元に戻るので、救出は可能ですが、配下が多くなれば、それだけ戦闘が不利になるので気をつけてください」
 資料をめくり、敵性目標の詳細情報を説明しはじめるセリカ。
「ビルシャナはラーメンがさらに輝く光を放ったり、氷水の氷を礫のように飛ばす攻撃、それにラーメンのスープを煮えたぎらせるごとき炎を放つ攻撃をしてくるようですね」
 苦笑いを浮かべながら資料を読むセリカ。どうやら範囲攻撃や、状態異常を多く付与してくるようだ。回復はもっていないので、力押しでもどうにかなるかもしれない。
「ビルシャナの周囲には十名の信者がいることを確認しています。ほとんどが男の人で、自称ラーメン通な方々ばかりですね。……ラーメン通ならどんなラーメンも美味しく食べそうな気がしますが、違うんでしょうかね?」
 やはり、自分の知る世界と違うことに理解が及ばず、セリカは小首を傾げる。
 コホン、と一つ咳払いをすると、セリカはケルベロス達に向き直る。
「教義を聞いている一般人はビルシャナの影響を受けているので、理屈だけでの説得は出来ないでしょう。重要なのはインパクトになるので、そのための演出を考えて見るのが良いかもしれません」
 ビルシャナとなってしまった人は救うことは出来ないが、これ以上被害を大きくするわけにはいかない。しっかりと撃破しよう。
 説明を終えると「くぅ~……」と小さくお腹がなって、セリカは赤面するのだった。


参加者
ズミネ・ヴィヴィ(ケルベロスブレイド・e02294)
山之内・涼子(おにぎり拳士・e02918)
ミルディア・ディスティン(猪突猛進暴走娘・e04328)
熊谷・まりる(地獄の墓守・e04843)
タキオン・リンデンバウム(知識の探究者・e18641)
エージュ・ワードゥック(もちぷよ・e24307)
豊田・姶玖亜(ヴァルキュリアのガンスリンガー・e29077)
エレコ・レムグランデ(小さな小さな子象・e34229)

■リプレイ

●粉落とし至上主義者
 現場に急行したケルベロス達を待っていたのは、声高らかに教義を叫ぶ自称ラーメン通の集団だった。実にうるさい。
「そこまでだよ!」
「ヌヌッ! 何奴!?」
 廃寺の扉を蹴破り進入する。信者である一般人十人に囲まれた羽毛の生えた異形の者、ビルシャナが答える。
「痛い目見ないうちに、くだらない教義なんて捨てるがいいさ」
「我が教義をくだらぬと断じるとは、貴様らケルベロスか!」
 豊田・姶玖亜(ヴァルキュリアのガンスリンガー・e29077)の口上に、大仰な態度で応じるビルシャナは、勢いよく立ち上がると信者達に号令を下す。
「我らが教義を愚弄することは許さーん! お前達、やってしまいなさい!」
 一般人への手出しがし辛いことを知ってか知らずか、意気揚々と信者を盾にするビルシャナ。
 信者達は一様に腕を組み仁王立ち。バンダナ代わりに分厚いタオルを頭に巻くその様、まさにラーメン店主のごとく。
「この人達、普通のラーメン好きな一般人だよね?」
「ラーメン屋の主人のコスプレパオ?」
 熊谷・まりる(地獄の墓守・e04843)とエレコ・レムグランデ(小さな小さな子象・e34229)が信者を見て呆れかえる。
「やれやれ、とりあえず信者達の説得を試みて見ましょう」
 タキオン・リンデンバウム(知識の探究者・e18641)も半ば呆れながら、仲間達に説得を促す。
「なにをブツブツと! お前達にも粉落としの素晴らしさを教えてくれるわっ!!」
 羽ばたくように両腕を広げるビルシャナを中心とした、粉落とし至上主義者達との戦いが幕をあけた!

●ラーメンが好きなのか、麺が好きなのか
(「ラーメンの麺はやっぱり普通ぐらいが……いいよね。固すぎるのはね……」)
 そう思うのは山之内・涼子(おにぎり拳士・e02918)だ。立ちはだかるラーメン店主もとい、ラーメン好き信者達へと一歩近寄り説得を試みる。
 その手には、湯をいれて三分ちょうどの即席カップ麺。
「固くてほぼ生な麺を食べるより、ちゃんとスープを絡めて食べるラーメンの方が、美味しいよー!」
 廃寺に漂うラーメンの香り。ヒクヒクと鼻を動かしその香りに反応する信者達。
 それに呼応するようにタキオンも前に出る。
「粉落としの、硬いラーメンがお好きだそうですけど、硬いラーメンは消化にわるくて、体に優しくありませんよ。柔らかい麺なら、麺が汁を吸って味わいも深まると思います」
 そう言いながら手にした即席麺二つに湯を注ぎ、調理する。
「さぁ、硬い麺と柔らかい麺を用意しましたので、食べ比べてみて下さい」
 涼子はまだ熱いそのラーメンを一口啜る。「ズズズ……」と音を立て口へ収めると、そのツルツルシコシコとした食感を楽しむ。
「んんー! 絶妙の硬さ! それに麺にスープが絡んで、美味しい!」
 心底美味しそうに食べる涼子。その様を見た信者達の喉が「ごくり……」と唾を飲んだ。
 二名ほどの信者が、心揺り動かされたのか、その二つの麺を交互に口にする。熱々の麺を掻き込むように食べていく。
「やっぱり、硬い麺は最高だ! そして柔らかい麺もこれはこれで……」
 確かに美味い。そう答えようとした信者であったが、しかし――。
「あまーい! そのようなスープと絡まなければ味が引き立たない軟弱な麺など、断じて許さーん!! 柔麺など軟弱者の食べ物であーる!! 喝ッ!!」
 ビルシャナの一言により、心揺れ動かしていた信者達が立ち直る。「粉落とし最高!」と声を揃えて唱和してしまう。
「もう、絶対美味しいのになぁ!」
「良い線ついていたように思いますが、力及ばずですね」
 肩を落とす涼子とタキオン。二人に入れ替わるように今度はエージュ・ワードゥック(もちぷよ・e24307)とまりるが前に出る。
「まず、すっごいフツーの意見なんだけど……ラーメン好きなら誰でも知ってるみたいな顔で言うけど、『粉落とし』って、そんなメジャーな言葉じゃないよねえ?」
 エージュの言葉に「うんうん」と頷くケルベロス達一同。しかし、そんな彼女らを見下すように、ビルシャナご一行が顔を見合わせ薄ら笑いを浮かべる。なんともむかつく光景である。
 まりるは思う。食の好みは人それぞれ。故に他人にソレを押しつけるな、と。
「ラーメンは麺とスープと具のマリアージュを楽しむもの。粉落とし麺はスープが絡みにくいし吸わないし、麺の食感を楽しむと言っても、茹で麺と火が通ってないほぼ生みたいな粉落とし麺では、もう別の食べ物だよねー」
 同意するように頷くエージュ。
「それに、ラーメンって麺の太さも形も材料もいっぱいいっぱい色んな種類があるのに、麺の硬さにだけそんなこだわりがあるのっておかしくない?」
 その素朴な疑問に、しかしビルシャナは首を縦には振らない。
「ラーメンとはその名の通り麺を喰う食べ物であーる! その麺を一番美味しく食べるのが粉落としなのだー!!」
「粉落とし! って注文して、俺はラーメン通だとドヤ顔したいだけ、みたいな? 格好に囚われて、ラーメンという食べ物の本質を見失ってるよ!」
 まりるの鋭い指摘に、ラーメン店主もとい信者達が胸を押さえる。思い当たる節があるらしいのは格好を見れば丸わかりだ。
「そうやって、粉落とし以外のゆで方は認めない! のはいいけど、麺の太さや形とか種類、スープなんかはこだわらないのかなーって。ラーメン好きなんだよね?」
 エージュの言葉に、信者の間で動揺が走る。
「ま、まぁ、そうだよな。ラーメン好きだからこんなことしてるわけで……」
 追い打ちするように「今のところ一番は熊本風の黒マー油とんこつラーメンがおいしかったよ~。みんなはどお?」と聞けば、「あぁソレ知ってるわ、うまかったなぁ……」などとラーメンの感想が漏れ聞こえてくる。
 一頻りラーメンの感想をしゃべり終えると、信者の一人がボソっと呟いた。
「あぁ……そういえば最近豚骨ばっかだったなぁ……。たまにはオーソドックスな醤油や塩、煮干しダシや、そう、つけ麺なんかもいいなぁ……」
 そしてそのままトボトボとビルシャナの下を離れていく。
「やったよー。信者さん一人かくほ~」
 ハイタッチを交わすケルベロス達一同を見るビルシャナは、その怒りをラーメンスープのように煮えたぎらせる。
「認めん、認めん認めーーん!!」
 羽毛をばたつかせて暴れるビルシャナ。信者達にも幾分の動揺が走る中、次なる挑戦者が歩みを進める。
 輝く赤茶の髪をなびかせて、優雅に出でるはズミネ・ヴィヴィ(ケルベロスブレイド・e02294)だ。
 その妖艶な姿に信者達の分厚いタオルの下から覗く眼光が鋭く光った。
 勝ち誇るように信者達を見渡すと、ポツリとその言葉を口にする。
「あら、生麺をご存知ない? ――クスッ」
 その時、ビルシャナを含めた自称ラーメン通に衝撃が走る――!
 ざわつき始める一帯を抑えるように手をあげると、ズミネは静かに語り出した。
「一般的な麺の硬さは『粉落とし、ハリガネ、バリカタ、カタ、普通、やわ、バリやわ』ですが、その最上位である生麺を選べる店舗はごく少数ですが、確かに存在します。
 ――しかし、他に配慮すべき事柄があるように思えます」
 生麺という単語へ興味を向けながら、しかしズミネはあえて別の切り口で挑む。
「そう例えば、濃いスープに縮れ麺だと、スープが絡まりすぎて口当たりがしつこくなるのでストレートの麺を選ぶ。愛知県に店舗を出すなら麺に八丁味噌を、鹿児島県ならサツマイモを練り込む。寒い地方なら唐辛子を醤油に漬け込んだタレを用いる、などですね」
 麺一つ、スープ一つ、どれをとっても来店するお客へ向けた苦心のサービスがあるのだとズミネは言う。
 その言葉はラーメン通にしてみれば当然でありながら、忘れていた何かを思い出させていく。そうラーメンとは店主の作り出す『世界』との対話なのだと。
「料理はお客様の顔を見てお出しするものです。そのあたり気付かれなかったんですか?」
 忘れていたラーメンという世界との対話。何かによってつなぎ止められていた信者の心が氷解していく。
「ああ……そうだ。麺の硬さだけじゃ語れないものがそこにはあるんだ」
「そういえば、最近あの店行ってなかったな……硬さは選べないけどまた行ってみるか」
「生麺……本当にあるのか? 喰ってみたい……!」
 ズミネの言葉に心動かされた信者三人がフラフラとビルシャナから離れていく。
「いや、待てーい! 硬さこそ至高とはいえ生麺は邪道なり! そう邪道であーる!」
 声高らかに叫ぶも、離れた信者達には届かない。
 ほぼ半数へと減った信者達を前に、焦りの色を浮かべるビルシャナ。
 だが残る信者はいずれも強靱な心を持つ粉落とし至上主義者である。
 そんな屈強(?)なラーメン通に挑むのは、場違いなメイド服を着たミルディア・ディスティン(猪突猛進暴走娘・e04328)だ。
「あの……今日はラーメン食べたんですか?」
 ミルディアの質問に「当然なり!」と答えるビルシャナ一同。
「ラーメン好きとして三食ラーメンは至極当然! 本日も朝から粉落としである!!」
 得意げに語るビルシャナと信者達。ビルシャナに朝からラーメンを提供する場所が有るのかは甚だ疑問だが、食べたというのだから仕方が無い。
 その答えを聞いたミルディアが心配そうに信者達へ話しかける。
「あの……大丈夫ですか、おなか……?」
 それはラーメンを食す者であれば誰もが気にする問題だった。
 ミルディアは信者達の丸くふくれたお腹を見ながら続ける。
「確か、未加熱の小麦は『人間には』消化できないはずなんだけど…? ビルシャナさんなら『気合いだ!』とか言って何とかしそうだけど……」
「その通り! 腹痛など気合いがあれば起こらないのである!!」
「え? ホントに気合いで? 信者の方は人間だから、ホントおなか壊しますよ? これは美味しいとか不味いとか以前の問題だと思うんだけどなぁ?」
 ミルディアの心配は的を射ていた。信者の二人が腹を押さえ呻く。
「そ、そういえば最近トイレが近くて……」
「お、おれも腹痛いんだよな……」
 いそいそとトイレと向かう信者二人。
「こ、この軟弱者ー!!」
 さらに離れていく信者に怒声を浴びせるビルシャナ。
「さて、最後は君たちの好きな粉落としをご馳走しよう」
 そういって実演販売よろしく調理をはじめるのは姶玖亜とエレコだ。
 だがその麺は――インスタント麺。
「そんなに硬い麺がいいなら、特別に硬い麺を用意してあげるよ。ほら、袋入りインスタントラーメンの粉落としだよ! バリバリ硬くて、きっと君たちも大満足さ。おかわりも沢山あるから、遠慮しないでいいよ」
「硬麺が好きならインスタント麺も好きなはずパオね! 硬いから美味しいパオよ? はい、我輩が食べさせてあげるから美味しく召し上がってなのパオ!」
 そういってお湯をくぐらせただけの麺を食べさせようとする姶玖亜とエレコ。当然、信者達は「これは粉落としじゃない!」と拒否しようとする。
「よくかんで食べるのパオ。おのこしはゆるさないのパオ」
「おっと、お残しはダメだよ。粉落とし、大好きなんだろう?」
 有無を言わさず、二人は強引にお湯に浸した乾麺を信者の口へと流し込む。
「ぐあぁぁ! 硬いっていうかスナックだこれ-!」
「あ、もうやめ、口にいれないでっ!」
「わがまま言うんじゃないパオ。ほらお口あけるパオ」
 あまりにも強引といえば強引、だがしかしショック療法とも言うべきか、奇跡的に我に返った信者二人は走り去るようにその場を後にする。
「ええい! 軟弱者共がー! そもそもなんで我はお前達に付き合ってこんなバカげたことをしておるのだー! こうなれば力尽くでお前達に粉落としの良さをわからせてくれるわっ!!」
 次々と離れていく信者に業を煮やしたビルシャナが、大きく羽毛を広げ飛び出してきた。

●鶏ガラは嫌だ!
「っと、説得はここまでみたいだね」
「それでは、本命の退治といきましょうか」
「残った信者さん二人は伸びててもらうパオ。……麺が伸びるとはかかってないパオ」
 戦闘となれば、それはケルベロス達の本分だ。殺気を膨らませるビルシャナを見てすぐさま戦闘態勢へと移行する。
 まず対処すべきは残った信者二名。
 タキオン、エージュ、姶玖亜、エレコが信者に狙いを定めて攻撃をする。当然それは手加減攻撃だ。
「エージュちょっぷ!」
 軽快な音を立てて、信者二名が瞬く間に無力化される。
 そうしている間にもビルシャナは孔雀の形をした炎を飛ばしたり、強烈な閃光を浴びせケルベロス達を痛めつけていく。
「がはは! 見たか! これこそ粉落としを信ずる者の力なのだー!」
「めちゃくちゃ言うね、あの鳥さんは……!」
 涼子が愚痴りながらも果敢に飛びかかり流星のごときキックでビルシャナを床にたたき付けると、ミルディアを除く仲間達が一斉に飛びかかる。
 負けじと氷の礫を飛ばし応戦するビルシャナだが、そこは多勢に無勢。ケルベロス達の容赦の無い攻撃が縦横無尽に襲いかかり、奮戦むなしくその身を横たえるのだった。
「む、無念……最後に、一杯のラーメンを……!」
「まだいうかパオ。そんなにラーメンが好きなら鶏ガラにしてやるパオ」
「鶏ガラはいやだー!」
 悲痛な叫びを残し、哀れな粉落とし教の明王は、その命を絶たれるのだった。

 ビルシャナを撃破したケルベロス一行は廃寺とはいえ壊れた仏間を修復し、後片付けに励む。
「あ、かたい麺が欲しいなら、ちゃんと茹でた上でのかたい麺ってのもありますよ? タンパク質含有量の多い小麦を使った麺なんですが」
 などと新品種の話を信者とするミルディア。着こなす服と相まって信者達に人気のようだ。
 片付けを終えた面々は廃寺からでるとホッと一息。
「お疲れ様ー! ……なんかお腹すいちゃった、ラーメンでも食べようか?」
「折角ですので、ここにあるラーメンでも食べていきましょうか」
 と涼子とタキオンが提案する傍らで、
「はぅー。ラーメンの話ばっかしてたらラーメン食べたくなっちった。みんなでラーメン屋さん行かない~?」
「賛成! ニンニクマシマシとかチョモランマとかコールするお店いく?」
「なあに、その呪文は?」
 エージュとまりる、ズミネがラーメン屋へと向かう算段を立てる。
「それじゃみんなでラーメンパーティーかな」
「どんなラーメンでも、おのこしはゆるさないのパオ」
 まとまらない仲間達を尻目に、持ち寄ったインスタント麺の袋を見ながら姶玖亜とエレコが今日の昼食に想いを馳せるのだった。
 ――ラーメン。麺とスープと薬味の調和が、出会った人の心を震わせる。
 これから出会う一杯は、果たしてどんな世界が広がっているのだろう。
 まだ見ぬ出会いに心を馳せて、今日も美味しく頂きます――。

作者:澤見夜行 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年9月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 5
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