●安心した所に危険は定番
走る。走る。
桟橋の上を少年がひたすら走る。
その後ろから橋を砕きながら数メートルもありそうな巨大な魚が追ってくる。
けれどもう少しで橋を渡りきれる、と残りの体力を振り絞り少年は全力で走り抜いた。
「ここまで走ればもう安心……えっ」
陸に上がり安心した少年が振り向くと、そこには巨大魚の姿。なぜか、手足が生えていた。
「あんまりだー! ってはっ、夢?」
叫ぶと同時に開いた目に映るのは、明かりの消えた蛍光灯と天井。どうやら夢を見ていたようだ。
「お昼に海に釣りに行ってたからかなあ。怖かった……」
ただの夢だったことに安堵しつつ、日焼けで少し痛む肌をさすり再び眠ろうとした少年の胸に鍵が突き立てられる。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『驚き』はとても新鮮で楽しかったわ」
いつのまにか背後にいた魔女が鍵を引き抜くと、崩れ落ちた少年の傍らに手足を生やした巨大な魚のようなものが出現した。
そしてそのナマモノは窓から外へ出ると、獲物を求めて夜の住宅街を徘徊し始めた。
「そんな子供の夢が狙われるみたいだ」
集まったケルベロス達に雨河・知香(白熊ヘリオライダー・en0259)は語る。
よくわからない、驚くような夢を見た子供がドリームイーターに狙われ、その『驚き』を奪われる事件が起こっている。犯人はすでに姿を消しているが、驚きより生まれた怪物はそのまま残り、事件を起こそうとしているのだ。
「新たな被害が生まれる前にこの怪物を退治してくれないか。怪物が倒れれば倒れた子供も目を覚ますだろうし」
生み出されたドリームイーターはそのまま深夜の住宅街を徘徊している。深夜で人通りはないため、人払いの必要はないと思われる。
「で、このドリームイーターは人を驚かせたくてしょうがないという性質がある。だからその辺を歩いていれば向こうからあらわれるだろうな」
戦闘中でも驚かなかったケルベロスを優先的に狙ってくるようで、それを利用すれば戦闘を有利に運べるかもしれないと知香が説明する。
「それから敵の特徴になるが……巨大な魚に筋骨隆々な手足が生えたような姿で、獲物を見つけると走ってくる。攻撃手段は、自慢なのかもしれない足で突撃してトラウマ与えてきたり、蹴りを入れて守りを崩してきたり。あとモザイクで傷を修復することもあるみたいだな」
気圧されず落ち着いて戦えば問題なく倒せるはず、と知香が補足する。
「見た目は冗談みたいだが、中身は紛れもなくデウスエクスで人類の敵だ」
きっちり倒して子供の目を覚まさせてやってほしいと締め括り、知香はケルベロス達を送り出した。
参加者 | |
---|---|
アニエス・ジケル(銀青仙花・e01341) |
燦射院・亞狼(日輪の魔戒機士・e02184) |
木戸・ケイ(流浪のキッド・e02634) |
リーア・マルデル(純白のダリア・e03247) |
ノーザンライト・ゴーストセイン(ヤンデレ魔女・e05320) |
峰岸・雅也(ご近所ヒーロー・e13147) |
エルム・ユークリッド(夜に融ける炎・e14095) |
ノイアール・クロックス(菫青石の枯草色・e15199) |
●奴は向こうからやってくる
深夜の住宅街を八人のケルベロスが歩く。
「歩いて敵を釣る……待てよ、それだと俺達が餌って事に?」
黙って食われてやる気はないぜ! と木戸・ケイ(流浪のキッド・e02634)が気合を入れる。彼のボクスドラゴンであるポヨンも手を上げて同意している。
「近くに出歩いてる人はいないのは幸いだね」
念のため一般人が周辺にいないか確認していたエルム・ユークリッド(夜に融ける炎・e14095)だが、その点は安心なようだ。小脇に抱えたロウジーも面倒そうににゃあ、と鳴く。その動きに隙は無い。
「……昔、こんな感じのナマモノ、アニメで見た気がする……」
峰岸・雅也(ご近所ヒーロー・e13147)の頭を南国的な思い出のアニメがよぎる。
(「他の魔女も討伐されてきている。このドリームイーターを倒したらケリュネイアの足取りを追ってみるかな」)
「巨大な魚に手足のついた姿って、どんなふうなんでしょうね?」
とってもわくわくしますね! と、傍らの相棒に同意を求める寒色の洋服の少女はアニエス・ジケル(銀青仙花・e01341)。
「ブッブー!」
その相棒のポチもどうやら乗り気らしく、主とお揃いの白の洋傘を掲げている。
「今回のは聞く限り素でビックリできそうなんでチョイ楽しみっす」
経験のあるこういうやつって多少可愛げあるのだったんすよね、とノイアール・クロックス(菫青石の枯草色・e15199)も怪物に期待している。
「これで驚くなぁサブカルに興味無ぇ奴くれぇだろ」
すげーふつーのデザインだしな、と燦射院・亞狼(日輪の魔戒機士・e02184)は二人と対照的に無関心な様子。
実際このような姿のサムシングは、古くはシュールレアリズムな絵画でも見かけるくらいにはよくある……かもしれない、ネタである。
「……よく分からないセンス、節操のない魔女。もうちょっと、見た目の良いものを、作って欲しい」
魔女と呼ばれるドリームイーターの仕事に不満を漏らすのはノーザンライト・ゴーストセイン(ヤンデレ魔女・e05320)。どうやら彼女と魔女のセンスは合わないようだ。
それから数分。
曲がり角を何度か曲がった先、『ぎょぎょぎょ!』としたシルエットが路地の先に見えた。
「きゃ~っ!」
丸く肥えた翼猫を傍らに侍らせたリーア・マルデル(純白のダリア・e03247)が、悲鳴をあげる。翼猫のダールは切れ長の目をほんの僅かに眇めるが、主のようには反応せず、丸い体に相応しくどんと構えている。
「うわっ、なんて変な姿なんすかコレ!?」
ノイアールが驚き後ずさり。相棒のミミ蔵も流石にこれはないとばかりにパッと主と共に後退する。
「おおっとこいつは驚きだ! この俺を驚かすなんて大したもんだ」
ケイが敵を見て相手に聞こえるように驚きの言葉を述べ、相方のポヨンも驚いたように彼の足にしがみついている。
「うわぁ!? 気持ち悪ィ、なんだアレ……!」
雅也も後ずさりしながら大袈裟に驚いている。守り手以外に攻撃を向けさせないように驚いて見せる作戦だが、
「やべぇ、やべぇよ……」
普段より語彙力が落ちてしまう位、驚きは素でもあった。
それらの声でケルベロス達の存在を認識したのか、ドリームイーターが駆けだす。そのフォームはなぜか妙に美しい。
「……うおっ?」
最初から出てくると分かっていても、それが存外に大きくかつ妙に綺麗なフォームで迫ってくる姿には、普段ダウナーなノーザンライトも流石にぎょっとして犬の尾も膨らんでしまうというもの。反射的に手鏡を突きつけそのシュールな姿を映し出そうとするが、魚男はスルー。
「……!?」
エルムと相棒の白手袋の黒翼猫も思わずギョッと驚き後ずさり。
「こんなんで驚くわけねぐはっ!?」
そのスタイリッシュなフォームのままに減速せず突撃する魚男、驚かなかった亞狼が直撃を食らい吹っ飛ばされる。
そしてその流れのまま、ナマモノとの戦闘は開始される。
●サカナのナマモノ
「魚は足が早いからなあ……」
勿論腐りやすいって意味だぞ? とケイが双海の銘を持つ愛刀を構え、雷の霊力を帯びた刃で突きを見舞う。手足が付いてそれも早いとかどうすんだと内心思うが、自身がやるべき事は他のデウスエクスを相手にやる事と変わらない。
さらに追撃、雷を帯びたエルムの突きが魚男を正確に穿つ。ロウジーはその隙に羽ばたき、清らかな風を前衛へと送る。
「大きくて威圧感があって怖い~」
顔を覆い、金の髪に咲いた小さな水色の花弁を揺らして小走りで距離をとるリーア。ふわふわとした口調で驚いているように見えるが実際は冷静、気を惹かないための演技だ。
「わ、わ。いそぎ、回復します……!」
奇襲にも驚かず落ち着きいて、アニエスが初撃を受けた亞狼へとオーラを飛ばし、ポチは応援動画を軽快な電子音とともに流す。
(「この時のために雑コラやパニック映画をみて勉強しましたですよ!」)
その甲斐あってか、驚かなかったと認識した魚男がアニエスへと標的を変更。突撃してくる敵を真っ向から見つめ返し、その飛び蹴りを受ける。衝撃で後方へと弾き飛ばされるが、脚だけでなく銀の尻尾も合わせてクッションのように勢いを殺し、即座に前衛へと復帰。
「ギャグみたいな見た目してても、やっぱデウスエクスだな!」
苦笑する雅也の縛霊手の祭壇から紙兵が前衛に散布され、呪いに対する抵抗力を高めると同時に傷を癒す。
(「しっかし確かにコレを見たらトラウマになるな……」)
敵のフォルムを改めてまじまじと見つめ、これを悪夢に見てしまった少年に同情する。
「ここからが、アンタの斜陽の時っす!」
ノイアールが静かに距離を詰めて手に持ったナイフを深々と突き刺し、気を内部に送り込んで相手の回復機構をかき乱す。さらに連携してミミ蔵が具現化させた武器で切りかかるが其方は運悪く魚男の側面についた腕で受け止められる。
「ぎょぎょっ!」
「ええい、喋るな。シュールすぎる」
再び突撃を開始した魚男を迎え討つように、戦闘態勢を整えたノーザンライトがふくよかな翼猫の後方から飛び出し跳躍、魚男の足元へと流星の如き飛び蹴りを放つ。しかしそれで勢いを止める事は出来ず、魚男がダールへと突撃。吹っ飛ばされかけるがその翼を広げ抵抗、その場に止まる。それでも削られた体力は大きいが、
「鷹よ、この音をダルちゃんへ届けて」
大鷹の翼を広げたリーアの優しく晴れやかな歌声が響き、ダールの傷を癒す。その声に励まされたか、猫の背に生えた翼から清浄な風が流れ癒しを重ねる。
「ぁ? 文句あんのかよ」
不意に、亞狼の背に敵にしか視認できない黒い日輪が浮かび、熱波が魚男に不気味な敵愾心を抱かせる。
逆に亞狼は冷静。戦闘中に感情は欠片もいらない、敵は単なる『物』でそれには礼すら不要と考える彼の心にあるのは、無駄なく勝利する為に必要な最小の事柄のみなのだから。
「おおっと、こちらを忘れてもらっちゃ困るぜ」
その瞬間、魚男の側面腹側に不知火刀が突き立てられる。亞狼に気をとられていた隙に死角に潜り込んだケイの一撃だ。
「人生にも戦いにも驚きは必要、少しはあんたも驚いたかい?」
一瞬痙攣したように体を跳ねさせ、魚男が跳躍、距離をとる。
「おおっと! こっちに来た!?」
その跳躍した先にいたノイアールがわざとらしく声を上げるが、これも作戦のうち。元々驚かずに気を惹いている護り手達がいる事もあり、彼女の方に一瞬向きかけた魚男が亞狼の方へと向きなおす。
「にゃあ」
ロウジーの鳴き声に魚男が一瞬ピクリと反応しそちらへと視線をやるが、
「僕じゃない」
続く声は魚男の真下、振り向いた一瞬で姿を晦ましそこに潜り込んだエルムが槍で切り上げる。
「そんな姿で顕現しても悲しいだけだろうし、引導を渡してあげる」
魔女の掌から竜の幻影を放たれ、魚男を炎で包み込む。どことなく無駄に香ばしい匂いが周辺に漂い始める。
「……まあ、生臭くないのは幸いだね」
とても食べられそうにはないけども、とロウジーの方を見やる。黒い翼猫は主の視線に困るとばかりにぶんぶんと首を振り拒否。
(「それにしても頑丈ですね!」)
アニエスが治癒を願う祈りを捧げ、光の粒子を降らせながらそう思う。これだけ一息に攻撃を受けても魚男の動きは鈍らない。今もゆるりと接近した雅也から強烈な一撃を受けるも、すぐに再突撃する構えを取っている位だ。
(「それなら相手が倒れるまでみんなを守りつづけるだけです!」)
●しぜんのきょうい
数分後。
「……流石に旅していた頃も、こんな驚きはなかったぜ」
見かけは冗談みたいな姿、動きは妙にスタイリッシュ。惑わされずに的確に攻撃を重ねるケイだが、その動きと姿には驚きを隠さない。というか、ちょっと引いている。
最初こそ主にしがみついていたポヨンだが、戦いが始まってからはぽよぽよと敵から距離をとりつつ、前衛が倒れぬよう癒し続けている。
ノイアールは的確に攻撃を続け、外すことなく着実に魚男に傷を重ねている。それを厭わしく思ったか、魚男はモザイクを広げ全身の傷を修復する。しかし陣状逸陽や亞狼やケイのジグザグで重ね増幅された呪縛、回復量は本来よりかなり少ない。加えて、
「蝕まれな……!」
雅也の幼馴染直伝の剣技が動きの鈍った魚男を捉え、再び呪縛を刻み込む。キュアで解除されてもまたかけ直してしまえばいい。
光の剣を手にしたノーザンライトが魚男を斬りつける。その剣筋は料理の基本、三枚おろし。頭を落とすことはできなかったが、深々と突き刺さった光の剣はそれなりのダメージを負わせたようで、魚男の動きのキレが僅かに鈍る。そこにミミ蔵が偽物の財宝をばらまき攪乱、さらにその主が妖精の加護を宿した矢を、続けてリーアが時空凍結弾を放ち、それぞれが魚男に命中。
「そっち、いきそうですよ!」
魚男の様子を注意深く観察していたアニエスが、再突撃の兆候を見抜いて亞狼へと警告、それを受けて亞狼が気合を入れなおす。怒りで攻撃をいくらか惹きつけている分亞狼の消耗は大きい。
しかしリーアの清涼な空気にも似たオーラが放たれ、亜狼を癒す。消耗は大きいものの、耐性が機能しているのと仲間が集中して効果的に回復している為、まだ倒れるほどではない。むしろ魚男にプレッシャー等が重なってきたことで直撃が減り、徐々に安定してきている。
上乗せしてアニエスがオーラを飛ばすと同時にポチが応援動画を流す。二人の息はピッタリで、タイミングも的確だ。
その音楽をバックに、青白く輝く槍に紫電を纏わせたノーザンライトが、銛のように魚男を突く。ドリームイーターは稲妻の衝撃に一瞬震えるが、大きく魚の体を回転させて遠心力で弾き飛ばす。着地の隙を狙った追撃を防ぐようにダールが庇い、蹴りを受け止める。
「ダルちゃんはどんな時もポーカーフェイスで凄いわ~」
丸々と太ましい姿に似合わず、無表情できりっとしたダールの姿を褒めるリーア。だけどそのダルちゃん、表情は動いてないけど敵に見えないよう隠している尻尾、膨らんでいますよ。
エルムが弓を引き絞り、心を貫く一矢で魚男の中心を射抜く。
「……そもそも催眠にかかってどんな動きをするんだろうか」
恐いもの見たさで見たくはあるが、中々思うようにいかない。
付かず離れず距離をとるリーアがかけた石化の呪いが魚男を蝕み、主に負けじとダールが魚男をバリバリと引っかく。どことなく必死にもみえるが、無表情のままなのできっと気のせい。
反撃しようとする魚男だが、突如動きが止まる。重ねて付与された石化の呪いがここで発動したのだ。
「ここで一気に畳みかけるっす!」
ノイアールが魚男の懐に潜り込んで魂を喰らう降魔の一撃を放ち、主に従ったミミ蔵が実体化したエクトプラズムの武器で追撃。
「オラっどけや!」
亞狼が地獄の炎弾を至近から放ち、さらにノーザンライトの方へと蹴り飛ばす。
「我が意のままに生まれ出でよ、ゴーレム」
ノーザンライトの練成術により、コンクリート製の巨大ゴーレムが生まれ、雄叫びを上げて魚男に掴みかかり、締め上げる。
「……そのままサバ折りにしてしまえ」
ミシミシと絞められた魚男の胴体が半分くらいの細さになるが、魚男の腕がゴーレムの腕を掴み腕力で止める。
だがそこに隙はできる。
ポチが画面を輝かせ、ドリームイーターの視界を一瞬奪う。その視界が戻った瞬間花の髪飾りが一瞬写りこみ、
「えいっ……!」
魚部分の横腹にアニエスの破鎧衝が叩き込まれる。
「そろそろ終わっとけ!」
雅也が極限まで研ぎ澄ませた精神、それが魚男のいる地点に爆発を引き起こすが、それでも魚男は倒れず次の突撃の構えを取る。だけれどもそれは想定内、エルムが地獄の炎を槍に纏わせ、それを叩きつける。焦げ目はついているが、まだ動きのキレは鈍らず、その自慢かもしれない脚力でポチへと突撃している。
「生臭くはないけど焦げ臭くなってきたような……?」
さらにポヨンがタックルを食らわせ、その刹那、主が納刀していた刀を抜刀。遅れて霊力が実体化して生み出された桜花が吹雪のように魚男に吹きつけ、納刀の音と共に燃え上がる。
「念仏を唱えな。それとも、辞世の句でも詠んでみるかい?」
炎の後には、何も残っていなかった。
●さらば怪魚の悪夢
(「被害者の子は大丈夫かな」)
雅也もヒールをかけながら被害者の少年について思案する。今はまだ深夜、夜が明けたら子供の無事を確認しに行って笑顔でアフターフォローするかな、と子供好きの彼は考える。
「なんというか、実物はちがいましたね!」
「いやー、いい感じにびっくりできたっすね!」
アニエスとノイアールは周囲をヒールしつつ、実物を見た驚きを共有している。それぞれの相棒も電子音や仕草で同意しているようだ。
「ダルちゃんもありがとうね~」
リーアが護り手として頑張った相棒を優しくなでる。表情は変わらないものの、どこか安心したようにダールの雰囲気が緩む。
「んじゃ後は任せたぜ」
基本的に横着者の亞狼はそのまま現場を立ち去る。アイズフォンで付近の釣り場を探しているので夜が明けたら釣りに行くのかもしれない。
「釣りかあ。旅に出ていた頃は、ポヨンを連れてよく釣りをしたよな」
釣りたてを焼いて食べるのが一番、いや、刺身も甲乙つけ難い……何にせよ、鮮度が命だ、とケイが釣られて思い出した旅の日々を振り返っている。
「明日、近所のスーパーでお魚が特価だけど……」
魚はしばらく、ノーサンキューかなと周囲をヒールし終えたノーザンライトは疲れた声で呟いた。
「さあ、帰ろう。ロウジー」
来た時と同じように黒猫をぞんざいに小脇に抱え、エルムが歩き始める。
こうして魔女の産んだ怪生物は事件を起こす前に退治され、一人の少年は無事再び朝を迎えたのだった。
作者:寅杜柳 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年9月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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