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青ざめた顔で紗季は歩き出した。
「キモチワルイ」
つぶやく紗季の顔には、はっきりとした嫌悪が浮かんでいた。
周囲の人間の目。そこから放たれる無遠慮な視線。それが気持ち悪くて仕方なかったのだ。すべての視線に悪意が込められているような気がする。
「こっちを見ないで。わたしを見ないで」
視線から逃れるように紗季は裏路地に飛び込んだ。その時だ。
「あはは」
可笑しそうに嗤う声が響いた。声の主は緑の髪の女である。手には大きな鍵を持っていた。そして、女は紗季の心臓を鍵で貫いた。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『嫌悪』する気持ち、分らなくもないね」
気を失った紗季を見下ろし、女――第六の魔女・ステュムパロスは笑った。その傍らには、全身に目がある異形が佇んでいた。
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「皆さんには苦手なものとかありますか? きっと多くの人にはそういうものがあると思うのですが、その苦手なものへの『嫌悪』を奪って、事件を起こすドリームイーターがいるみたいなんです」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)がケルベロスたちにむかって口を開いた。『嫌悪』を奪ったドリームイーターは姿を消してしまっているが、『嫌悪』を元に新たなドリームイーターが具現化されてしまったのだ。
「具現化したばかりのドリームイーターは、若い女性のような体つきをしています。けれど、全身にあるのは無数の目」
セリカは身震いした。
「出現するのは、被害者である紗季さんの家からほど裏路地です。路地といってもかなり広いので戦闘に支障はありません。落ち込んだフリをしていれば敵の方から現れるでしょう」
言葉をきるとセリカはケルベロスたちを見回した。
「このドリームイーターを倒す事ができれば、『嫌悪』を奪われてしまった被害者も、きっと目を覚ましてくれるでしょう。気持ち悪い敵だと思いますが、撃破をお願いします」
参加者 | |
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シィカ・セィカ(デッドオアライブ・e00612) |
和泉・紫睡(紫水晶の棘・e01413) |
緋薙・敬香(ガーネットダーク・e02710) |
ユグゴト・ツァン(凹凸不変な地獄震盪・e23397) |
ユーシス・ボールドウィン(夜霧の竜語魔導士・e32288) |
雅楽方・しずく(夢見のウンディーネ・e37840) |
天岩屋・織人(オラトリオの鎧装騎兵・e38671) |
ブレイズ・オブジェクト(レプリカントのブレイズキャリバー・e39915) |
●
漆黒の夜空を翔ぶ輸送ヘリがあった。
「イヤーなものなんてボクのロックなソウルで吹っ飛ばしてあげるデース!」
キャビン内に声が響き渡った。よく通る声である。
声の主は十七歳の少女であった。金髪のポニーテールが似合天真爛漫な少女だ。肩からは愛用のギターを吊るしている。
名はシィカ・セィカ(デッドオアライブ・e00612)。ドラゴニアンの少女であった。
「わんっ」
真っ白な毛がふさふさの犬が鳴いた。ただの犬ではない。円な目には理智の光があった。
「他人の視線、気になることあるよねっ。もの珍しい視線とか責め立てる視線とかすごく嫌っ。わかる……!」
犬――緋薙・敬香(ガーネットダーク・e02710)はいった。首に赤の首輪をつけている。それは飼い犬の印であった。と書けば語弊があるが、要は主がいるメイドなのであった。
すると同じようにシートに座していた女が鼻面をゆがませた。鼻面というのは女が人間ではないからである。優美な物腰の狐のウェアライダーなのであった。名をユーシス・ボールドウィン(夜霧の竜語魔導士・e32288)という。
「全身目のドリームイーターねえ。捜し物には便利そうだけど、風の日は目にゴミが入りそうで大変そうじゃない? やっぱりふたつあれば十分だわ」
「……確かに」
和泉・紫睡(紫水晶の棘・e01413)という名の娘が呟いた。秀麗な娘で、毅然とした美しさがある。が、その紫の瞳にはどこか気弱げな光があった。
「視線と言えば、興味、関心、好奇に奇異。それに……期待。目は口程に物を言うと言いますが、無意識の悪意と言いますか、郷ではそんな風に視線に晒されてたので気が滅入ってしまいました……それなのに無数の目なんて――」
「問題無し」
ユグゴト・ツァン(凹凸不変な地獄震盪・e23397)という名のサキュバスが独語した。頭部を、内臓を、皮膚を、そして家族をも地獄化した彼女にとって恐ろしいものなどあろうはずもない。
「久方振りの依頼参加だ。百の視線に無貌を晒すべき。我が心身は暴走経験を得、強烈な輪郭を孕んだ。即ち、全身地獄化で在る。夢を現に導く」
「まもなく到着です」
ヘリの操縦士がいった。するとシイカはうなずいた。開かれたドアから吹き込む風に彼女の金髪が翻る。
「そいでは、今日もロックにケルベロスライブ行っくデスよー! イェイ!」
雷鳴のごとくにギターをかき鳴らすと、シィカは中空に身を躍らせた。
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そこは薄暗い路地であった。
ぼう、と。闇に滲んだのは四人の男女である。紫睡、ユグゴト、ユーシス、そして天岩屋・織人(オラトリオの鎧装騎兵・e38671)であった。
織人というのは十歳の少年である。が、ぱっちりとした大きな眸といい、小さな鼻といい、花びらのような唇といい、少女のようにしか見えないほど可愛らしい。
「落ち込むネタなら、丁度最近のがあるわ」
ユーシスが苦く笑った。
それは最近の事件。同作戦メンバーが予想もつかぬ行動をとったのである。ユーシスはその場に居たのだが、阻止することはできなかった。大事なモノの扱いについては事前に相談して欲しいところだが、今となっては後の祭りだ。
「落ち込んだ演技。現在の私ならば容易い筈だ」
そういってユグゴトは俯いた。その脳裏をかけぬけたのは以前に暴走した時の光景である。
「暴走……救出……迷惑……謝るべき……」
ぶつぶつ。ユグゴトの口から低いつぶやきがもれた。ひええ、と織人が背を震わせる。
「こ、このままじゃと落ち込むというより怖くなってしまうのじゃ」
後退ると、慌てて織人は項垂れた。そして哀れっぽく声をもらした。新学期が始まって夏休みが終わってしまったのじゃ、と。
「な、なぁに本心は落ち込んでおらん……おらんぞ?」
誰にともなく織人は笑ってみせた。提出猶予を与えられた宿題があることは秘密だ。
紫の場合もユグゴトと同じであった。昔のことを思い出すと落ち込むのは簡単である。が――。
「……現れませんね」
物陰に潜む女が囁いた。碧の切れ長の目をもつ、青く透き通るような美少女である。十七歳とは思えぬほど大人びてはいるが、その瞳の宿る光は童女のように輝いている。――雅楽方・しずく(夢見のウンディーネ・e37840)であった。
ううむ、とうなずいたのは冷たい相貌の少年であった。名をブレイズ・オブジェクト(レプリカントのブレイズキャリバー・e39915)というのであるが、愛用のケルベロスコートから覗く肉体は異様であった。鈍い鋼の色と闇に染まっている。身体のほとんどを機械と地獄に置き換えているのであった。
暗黒の荒野の住人である少年は少し複雑な表情をした。落ち込むなどという行動とは無縁であったからだ。
ブレイズは心をも地獄化していた。故に感情的な行動を取る事はめったにない。
と、ブレイズはアイズフォンを取り出した。そして目玉の怪物に関する情報を検索した。どうやら百々目鬼なる妖怪が伝承として存在しているようなのだが――。
「……検索完了。このような異形が果たして存在するものだろうか?」
ブレイズがつぶやいた。
その時だ。突然、それは現れた。
●
ユグゴトの眼前。
女が立っていた。胸に盛り上がった双球がそれを証明している。が、乳房の頂にあるのは乳首ではなかった。裸のそこにあるのは目である。いや、目は全身を覆っていた。
「……ほんとに百個あるんでしょうか?」
物陰から覗くしずくが好奇心に満ちた声音でつぶやいた。と――。
ユグゴトが身構えるのと女――ドリームイーターの全身の目がぎろりと動くのとが同時であった。
「ぐはっ」
ユグゴトの腹から鮮血がしぶいた。刃が彼女の腹を貫いている。
次の瞬間、月光が閃いた。黄金の光をひいて飛んだ鏃が無数の目のひとつを貫く。
「……普通に気持ち悪い。でも私の黄玉小夜は何者をも逃しません」
顔をしかめつつ、紫睡が告げた。するとドリームイーターの全身にある無数の目が一斉に戦慄いた。
「これだけ目が沢山あると、ちょっと、ぞわぞわしますね……うぅ、鳥肌が!」
嫌悪にしずくが身震いした。その手から漆黒の鎖が噴出する。それは地を削りながら滑り、仲間を守る陣を描いた。
「さあ、番犬の牙で噛み砕いてあげる!」
犬が人の姿をとった。瞳の大きな可愛らしい顔立ちの娘だ。
眼鏡に黒髪をツインテールにしたその娘――敬香の目が鋭く光った。犬の目ではない。狼の目であった。
「私も無粋な視線は好きじゃないの。だからしっかり潰してあげるわ!」
ヒールドローンを放つと同時に敬香は地を蹴った。瞬く間に接近。一瞬で見抜いたドリームイーターの弱点めがけ斬霊刀の一撃を叩き込んだ。
「ロックになおしてげるデース!」
シィカはギターをかきならした。その音色そのものが魔術回路だ。
座標を倒れたユグゴトに固定するとシィカは魔術的手術を開始しした。すばやく傷口の切開、同時に損傷箇所の修復を細胞レベルで行う。見事なオペだ。と――。
再びぎろりとドリームイーターの目が動いた。その視線の先を見てとり織人が動く。
「あうっ」
織人の小さな身体が子猫のように吹き飛んだ。鮮血の尾をひきつつ。その腹を貫いているのは敬香を狙った刃である。
「こ、これしきのこと……」
気丈にも織人は自ら刃を引き抜いた。次の瞬間、織人をシャーマンズゴーストが癒す。が、血がとまっただけだ。
「ぬう」
ブレイズの身体中の地獄の炎が渦巻いた。それを闘気に変換、指先に凝縮させる。
「ふんっ」
高圧の闘気の塊をブレイズは指先から撃ちだした。それはエネルギーの弾丸と化し夢喰いの喉元を貫いた。
●
ぎろり。
獲物を求めてドリームイーターの目が様々に動いた。その視線から逃れることは不可能であるようだ。
そして目はとまった。しずくの前で。
「暫しお前をヒトの姿にしてやろう。陸の上でお前が誰かから深く愛されればお前の勝ち。そっちで好きに暮らすがいいさ。但しそれが叶わなければ――」
魔女がいった。しずくがうなずく。
夢と引換の取引。この時のしずくはきっと愛に出会えると思っていた。が、現実はあまりに残酷であった。しずくはついに愛してくれる者と出会えなかったのだ。
魔女の冷笑が響いた。
「思い知ったか。それが現実。お前を愛してくれる者などいないのさ」
「違う」
いやいやするようにしずくは首を横に激しく振った。
「違わない」
魔女の声が雷鳴のように響いた。そしてしずくは水と化して消えていった。
「ああ」
悲鳴をあげてしずくが倒れた。強力な催眠暗示だ。
「思い出せ」
ユグゴトが叫んだ。しずくにむかって。
「しずくの周囲にはすでに愛が溢れている。しずくはすでに愛されているんだ。さあ、目を覚ませ。もっと大きな運命の愛がしずくを待っている」
かっ、としずくの目が開いた。その身を縛る氷の鎖が砕け散った瞬間である。
「嫌悪対象が百ならば」
ユグゴトがドリームイーターに顔をむけた。歪にゆらめき渦巻く炎のような貌を。
「我が貌は無と解く」
ユグゴトは手をさしのべた。
豪。
ユグゴトの掌から炎が噴出した。それは弾丸となり、ドリームイーターを撃ち抜いた。
ぎろ。
身悶えしつつ、ドリームイーターの目が動いた。
刹那だ。ユグゴトの動きがとまった。呪縛されたのだ。
無数の目が笑ったようだった。その名のひとつが赤光を放つ。唸り飛ぶ刃はユグゴトの顔面に。
しぶく鮮血が闇をさらに黒々と染めた。刃が深々と貫いている。ユグゴトを――いや、ユーシスの腹を。
この場合、ユーシスは血笑をうかべた。
「……面倒だけれど、これもディフェンダーの役目なのよね」
ユーシスの口が不可思議な言語を紡ぎ始めた。竜語だ。が、声は途切れた。口の中に血が溢れたからだ。これでは魔法を発動することはできない。
「ならボクは癒し手の役目を果たすデース。ボクのロックなステージ、みんな、ノリノリで聞いてくださいデース! イェーイ!」
シィカがギターをかきならした。そして天に届けとばかりに高らかに歌う。
その歌声はただ音波ではなかった。『白金の竜騎』の末裔たる力が込められていた。
それは勇気の歌だ。なんで倒れていられようか。身を屈していたユーシスが立ち上がった。
「わたしも起きないとですね」
しずくが立ち上がった。そして魔杖をふりかぶった。
「さあマコトさん、お仕事の時間ですよ! いっけー!」
しずくが魔杖をうちふると、先端からカワウソが飛び出した。そしてドリームイーターに激突、炸裂した。カワウソには魔力が込められていたのである。
ドリームイーターが態勢を崩した。その隙を紫睡は見逃さない。
渾身の力で紫睡は跳んだ。その姿を無数の視線が追う。ねばりつくような、あるいは刺すような視線。
「視線に晒されるのが嫌で引き籠ってた私はもういません! 無遠慮な視線など、そんな失礼なものは一蹴してしまいますからね!」
からみつく視線のすべてをはねかえし、紫睡はドラゴニックハンマーを打ち下ろした。瞬間、ドラゴニックハンマーがさらに加速。数倍化された破壊力を紫睡はドリームイーターに叩きつけた。
爆発にも似た衝撃。ドリームイーターが吹き飛んだ。
●
ぎろ、ぎろ、ぎろ。
空を舞いつつ、ドリームイーターの無数の目が動いた。
その視線の先、ブレイズは己の死を見た。無数の攻撃にさらされ、打ち砕かれていく己の肉体を。
掴みかかる虚無の深淵。その中で一人ブレイズは戦っていた。
あまりにも無残。果てしない孤独。その中で正気でいられる者などあるのだろうか。
誰もがブレイズは気死したと思った。が、違う。ブレイズはゆっくりと如意棒を持ち上げた。
「死がどうした。虚無がどうした。何を恐れることがある。俺の心はすでに地獄と化している」
ブレイズは冷えた眼差しをドリームイーターへ向けた。
「ロックオンした」
ブレイズの手から如意棒がのびた。それは弾丸の速さで疾ると、ドリームイーターの目を貫いた。
さらなる攻撃。それはいつの間にか接近していたシャーマンズゴーストだ。非物質化した爪を撃ち込む。いや――。
一瞬早くドリームイーターの刃が噴出した。シャーマンズゴーストを断ち切る。
消失するシャーマンズゴースト。その背後に浮かぶのは巨大な砲身だ。
「よくもわらわのシャーマンズゴーストをやってくれたな。他者を傷つける視線など、わらわがたたきつぶしてくれるのじゃ」
織人はいった。
幼き身なれば彼は知っている。視線は他者を傷つけもするが、癒しもすることを。
これからの生き方を悩む彼ではあるが、真っ直ぐな眼差しだけはなくさないようにしようと思う織人である。
織人は身体に固定させた砲身をドリームイーターにむけた。撃つ。
光の塊が空を裂いて疾った。さしものドリームイーターも躱しようがない。
光弾がドリームイーターに着弾した。するとドリームイーターの動きがとまった。ソレのすべての時間が凍結してしまったのだ。
「想いの炎の激しさで……燃え尽きなさい!」
踏み出す一歩。その跳躍のみで敬香はドリームイーターとの間合いを詰めた。
空を染めるのは赤光。敬香の手の二振りの刃がひく炎の尾だ。
ドリームイーターの目のみぎろりと動いた。噴出する白光。
無造作に飛び来る刃を躱し、敬香は狼のように襲った。
右刀は縦一文字。左刀は横一文字。
空に炎の十字が刻まれた。
「Temps pour le lit」
炎が一際大きく燃え上がり、ドリームイーターを包み込んだ。
●
紗季が発見されたのは、ケルベロスたちが破壊された建物などを修復した十分後のことであった。
「わう、やっぱり美人さん? だよね? ね?」
はしゃいだ様子で敬香が仲間を見回した。確かに目を閉じた紗季の顔は整っている。なまじそうであることが他者の視線をひいてのだろう。
すると紗季が目を見開いた。呪縛が解けたのだ。
「大丈夫デスカ?」
シィカが紗季を抱き起こした。驚いた顔で紗季は辺りを見回すと、
「ここは……貴方たちは?」
「ケルベロスじゃ」
織人がこたえた。そして起こったことを説明した。
「ありがとうございました」
礼をいって紗季は立ち上がった。少し顔を伏せているのは視線を避けているためだろう。
「あの」
敬香が優しく声をかけた。
「視線が嫌いなんだよね。嫌いなものを好きになれとは思わないけどっ、でもその中に混じっているかもしれない、貴女に向けての好意だけはちゃんと気付いてあげてねっ」
「好……意?」
「そうです」
しずくが確りとうなずいた。
「誰かが貴方を想っています。その眼差しに早く気づいてくださいね」
「は……はい」
紗季が少しだけ顔を上げた。その口元に浮かんでいるのは微笑みではなかったか。
「百の目玉。回して魅せた。嫌悪は滑稽に成り果てた」
ユグゴトが背を返した。
作者:紫村雪乃 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年9月13日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 5
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