●最高の武術
そこは、山梨県の山中。
滝の流れるそばに立てられた小屋で、1人の武人がひっそりと暮らし、日々修行に励んでいた。
「ぬ……ハアアアアッ!!」
引き締まった体、無駄のないしなやかな筋肉。
その壮年の男性は、筋野・伸欣。50歳を越えてなお己の拳術を磨いている。
この拳の一突き、鮮烈なる一蹴、そして、全身から放たれる覇気。
……だが、筋野はそれに満足がいっていない。どれも自身の求める技には程遠い。
「このまま老いていく前に。せめて、納得のいく技を……」
そう呟く筋野の前へ、ポニーテールの少女が現れる。
「お前の、最高の『武術』を見せてみな!」
「…………」
すると筋野は返事すらせず、操られるようにしてその少女に対して攻撃を仕掛け始める。
筋野の技が冴える。その拳は少女の腹を捕らえ、猛襲による蹴りは相手の体を薙ぎ倒した……ようにも見えたが。少女……幻武極(げんぶきわめ)は上手くそれらの攻撃を捌いていた。
しばし、攻撃を受け続けていた彼女は口元を吊り上げて。
「僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術はなかなか素晴らしかったよ」
そして、いずこともなく取り出した鍵で、筋野の体を貫いてしまう。幻武極の正体は、ドリームイーターだったのだ。
「うっ……」
崩れ落ちる筋野。怪我を負った様子はないが、彼は完全に意識を失ってしまう。
すぐにその横に筋野と似た姿の男が現れる。ただ、筋野よりも若く、そこから受ける印象は筋野とは比べ物にならない。
「さて……」
幻武極は新たに生み出された武術家ドリームイーターに対し、自らの武術を確かめるようにして技を突き出す。互いの技が放たれる瞬間、モザイクが乱れ飛んだ。
そして、再び、幻武極は口元を吊り上げて微笑む。
「お前の武術を見せ付けてきなよ」
こくりと頷く武術家ドリームイーターは、滝から離れるように歩き出したのだった。
新たなドリームイーターの出現を受け、ヘリポートへと説明を求めに訪れたケルベロス達。
リーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)は、目を細めてメンバー達を出迎える。
「来てくれてありがとう。新手のドリームイーターの話だね?」
ケルベロス達が頷くのを確認し、リーゼリットは依頼の説明を始めた。
なんでも、武術を極めようとして修行を行っている武術家が襲われる事件が起こるらしい。
「武術家を襲うドリームイーターの名前は、幻武極。自らに欠損している『武術』を奪い、モザイクを晴らそうとしているようだよ」
今回襲撃した武術家の武術ではモザイクは晴れないようだが、代わりに、武術家のドリームイーターを生み出して暴れさせようとするらしい。
出現するドリームイーターは、襲われた武術家が目指す究極の武術家のような技を使いこなすようで、なかなかの強敵となるだろう。
「幸い、夢喰いが人里に到着する前に迎撃できそうだから、周囲の被害を気にせず戦うことができそうだよ」
今回現れるドリームイーターは武術家の男性の姿をした1体のみ。
この敵は、拳、蹴り、覇気と3パターンの攻撃を使いこなす。いずれも強力な一撃なので、注意したい。
「現場は、山梨県の山中、滝の流れる場所の近くだね」
滝は森に囲まれている為、森を出るようにしてドリームイーターは移動し、人里を目指している。
ただ、人里からはかなり離れた場所だ。戦後にヒールを考えるなら周りの被害は気にせずに済むので、敵の対処に専念できるだろう。
「あと、戦闘場所から奥にある滝に、意識を失った武術家の男性が倒れているはずだよ」
ドリームイーターの討伐後、よければ介抱してフォローの言葉を掛けてあげてほしい。
また、敵は自ら武道の真髄を見せ付けたいという願望を抱いているらしく、戦いの場を用意すれば無効から戦いを挑んでくると思われる。
「強さを求める人なら、負けてはいられない相手だね」
皆はドリームイーターなどには負けないと信じているよと微笑み、リーゼリットはケルベロス達を現場へと送り出すのだった。
参加者 | |
---|---|
ミライ・トリカラード(獄彩色鉄鎖・e00193) |
御神・白陽(死ヲ語ル無垢ノ月・e00327) |
皇・絶華(影月・e04491) |
月城・黎(黎明の空・e24029) |
クオン・ライアート(緋の巨獣・e24469) |
鉄砲小路・万里矢(てっぽうはつかえません・e32099) |
ミミ・フリージア(ヴァルキュリアの鎧装騎兵・e34679) |
伽藍堂・いなせ(不機嫌な騎士・e35000) |
●究極の武術を求めて
山梨県の山中を行くケルベロス達。
予め、この近辺の地図の見取り図を確認していた皇・絶華(影月・e04491)の分析に基づき、御神・白陽(死ヲ語ル無垢ノ月・e00327)がチェックしていた会敵想定場所を目指し、一行は山を登っていく。
「敵を見つけて殴る。シンプルで良いな」
眼光鋭く、柄の悪い印象を受ける伽藍堂・いなせ(不機嫌な騎士・e35000)は今回の依頼について端的に捉えていた。今回の目的はドリームイーターの撃破である。
「最近、ドリームイーターの動きが活発だよね」
ボーイッシュなミライ・トリカラード(獄彩色鉄鎖・e00193)が大きな声で話を振ると、メンバー達は各々自分達の主観を語り始める。
「武術家が被害にあったんじゃなぁ」
まだまだあどけなさの残る、金髪ツインテールのミミ・フリージア(ヴァルキュリアの鎧装騎兵・e34679)が唸りながら呟く。
「強いとはいえ、人間ではドリームイーターには勝てないようじゃのぅ」
若干ふんぞり返ったミミの態度は、お姫様として育てられたからだろう。服装などもどことなく気品を感じさせる。
「最強の武術かー。力を追い求める熱意が凄いよね」
「山に籠って修行たァ、元気なじーさんだなァ」
中性的な見た目の月城・黎(黎明の空・e24029)が被害に遭った武術家について語る。それに、いなせは悪態づき、強くなりたいという感覚が理解できないと頭を左右に振っていた。
「武術家の理想の姿か」
黒で統一された衣装の絶華もまた、求道者。だからこそ、現れるドリームイーターの姿に興味を抱いていた。
「折角の技とか奥義に、モザイクが掛かるのってなんか残念だなー」
それに、角を生やした人派ドラゴニアン、鉄砲小路・万里矢(てっぽうはつかえません・e32099)は残念がる。
これから戦う敵は武術家の理想の姿だが、夢喰いらしく技はモザイクに包まれるという話だ。もっとも、ドリームイーター自身が気にしているかもしれないと万里矢は慮っていたが。
「これからどうなるかも気になるけど……、まずはこの事件を解決しないとね!」
「ま、ボク達はボク達の仕事を果たそっかー」
大声で意気込むミライに、黎は治すのがお医者さんの役目とマイペースに言葉を返していた。
程なく、滝の音が聞こえ始める。
メンバー達は近場に流れる川の上流を目指して歩いていると、そいつは姿を現す。
堂々と歩み寄ってくる若い筋肉質の男。一見すれば、ごく普通の武術家にも見えるが……。
「定番だけど、ここを通りたければボク達を倒していけ、ってなー」
「ボク達ケルベロスがキミの相手だよ! いざ尋常に勝負!」
相手から向かってきてはいるが、万里矢が一応挑発してそいつの注意を引こうと呼びかける。ミライもまた足場を確認しつつ、名乗りを上げて真っ向勝負を申し込む。
「…………」
すると、相手も自らの武術を見せ付ける為、無言のままで構えを取って見せた。
「武の極みを求める者、か……。うむ、いいぞ。久々に好ましいタイプの相手だ」
クオン・ライアート(緋の巨獣・e24469)は仲間の前に出て、相手の前に立ちはだかる。
「では、その『武』を以って……。我が『暴力』を止めて見せよ!」
相手に、巨獣の如き存在感を見せ付けるクオン。他のメンバー達も戦闘態勢をとって。
「実力者であるが故のその理想とは極そのもの……、ならば其れに武を以て挑むのもまた、己を超える為の試練か」
絶華は普段使うカタールを装着せず、肉弾戦で臨むべく、相手にその手のひらを向ける。
武術家から発せられるオーラに、ミミは身体をぴりぴりとさせて。
「本人より強いようじゃし、注意してかからないといけないのじゃ」
「死を撒くモノは冥府にて閻魔が待つ。潔く逝って裁かれろ」
構えすら取らずに自身ありげに笑う白陽は、相手に先んじてその場から姿を消す。
腰の後ろに交差させた武装に手をかけ、彼は仲間と共に仕掛け始めたのだった。
●理想の武術を使う夢喰い
被害者、壮年の武術家の理想とする姿を取るドリームイーター。
そいつはこちらの出方を窺い、牽制の為か拳を振るう。その技はモザイクに包まれ、確認することができない。
「武術は武器術も体術も含まれるとされる」
その中で、己が手足を使う武術もまたあらゆる状況に対応できる手段だろうと絶華は考える。
「だからこそ……その極、……理想に挑める事を喜ぼう」
彼は一気に駆け出し、流星の蹴りを夢喰いに見舞う。
間髪入れず、木々の間を飛ぶ白陽がダブルジャンプして突撃する。
腰の後ろに交差させていた短めの刀「七ツ影」を抜いた白陽は、その刀身に雷を纏わせて夢喰いの身体を貫く。
にやりと笑う彼は、瞬く間にその場から消え失せた。
その直後、夢喰いは猛然と動き出す。
「さあ、貴様の描いた武の力、この私に見せてみろ!」
叫ぶクオン目掛け、そいつは唸りを上げて豪腕を振るう。
敵の情報を元に、クオンはその一撃に耐えうる防具を装着していたことで被害を軽微にし、反撃とばかりに振り上げた雷光のラブリュスの光を輝かせて振り下ろす。
切り裂く傷口から零れるモザイク。ただ、敵もできるかぎり傷を浅くしようと身をよじらせていた。
そこへ、今度は万里矢が縛霊手で殴りかかっていく。
普段は面倒くさがり屋な万里矢だが、いざ戦闘となれば、彼女もしっかりと戦う素振りを見せる。殴打の瞬間、発せられた網状の霊力で万里矢は夢喰いの動きを鈍らせようとしていた。
同じく、敵の強さを目の当たりにするミミ。しっかりと相手の技を見てみたいところだが、仲間の被害を考えれば悠長にしているわけにもいかない。
「菜の花姫はよく武術家を狙って欲しいのじゃ」
自身のテレビウムに指示を飛ばし、ミミも相手の動きを押さえつけようと、砲撃形態としたドラゴニックハンマーより砲弾を夢喰いへと叩きつける。
菜の花姫も主の要望に応え、手にした凶器で相手を殴りつけていく。直後に、ミライが敵の胸元に爆発を起こしていた。
「ビリっと1発! 頑張ってー。……ヨミ君、ピンチの味方を中心に庇ってねー」
そのミミへと電気ショックを飛ばす黎もまた自身のボクスドラゴンに呼びかけると、ヨミは夢喰いへとブレスを吐きかける。
夢喰いが態勢を整えて再び攻撃を仕掛ける前に、盾となるいなせはウイングキャットのビタを回復に回し、いなせ自身は前方にドローンを展開させる。
それを目掛け、夢喰いは繰り出す峻烈なる蹴り。モザイクに包まれはしていたが、その一蹴は前列メンバーを薙ぎ倒す。
モザイクがなくなったそこには、夢喰いが全く表情を崩さぬまま、凛然と構えを見せていたのだった。
夢喰いの攻撃は非常に重い。
その一撃一撃が身体を振るわせ、身体を縛り付けられるような衝撃を受けてしまう。
敵の攻撃を、クオンはいなせと交替し、互いの体力を気にかけながら受け止めることとなる。ボクスドラゴンのヨミもその手助けをと身を張ってくれていた。
いなせは敵の拳でドローンが破壊されても、すぐに新たなドローンを展開していく。
「ふふー、お医者さんの出番かな?」
前線を支える為に、黎も仲間へと個別に緊急手術を施し続ける。
また、敵の放つモザイクのような覇気が多くの仲間を巻き込めば、彼女は癒しの雨を仲間達に降らせて援護していた。
「徒手空拳じゃないけど、悪く思わないでね! これがボクの流儀だからさ!」
敵の攻撃の合間を見て、ミライは精神操作で操る黒い鎖で敵の体を縛り付けていく。
だが、夢喰いは再度、全身から覇気を発してくる。
プレッシャーを感じて身を竦ませる仲間へ、回復に専念するウイングキャットのビタは翼を羽ばたかせ、癒しをもたらす。
「応急処置だ」
いなせはそっけなく言い放つ。「temporary measure」の技名が示す通りに一時的な処置だが、それでも、その身が動けば十分。
「剛による技か。成程……鍛え上げたその技は、まさに暴力の化身」
絶華は予め被害者、筋野・伸欣について、人となりなどを調べていた。それも踏まえて彼は相手に呼びかけた。
「……だが、忘れたか? 武とは、弱者が強者を打ち破る為に生み出されたという事を」
そうして、絶華は合理的に動く武術家としての動きを想定し、相手を目で追いながら構えを取る。
「之も我が家に伝わる技の一つだ。貴様の剛のような破壊力はない。だが……」
渾身の一打を浴びせるべく、手のひらにグラビティを収束させていく。相手の理想たる姿に、自身の目指す理想をぶつける為に。
「それでも、お前を打ち破る事は出来る。とくと……その身で味わえ……!」
それを一気に衝撃波として、絶華は夢喰いへと打ち据えた。叩きつけたその場所から自壊させる魔技だ。
だが、敵は多少顔を引きつらせただけ。間合いを一足で詰めた白陽も短めの刀「七ツ月」で緩やかに弧を描き、敵の体を大きく切り裂いたものの、トドメにはまだ遠い。
「…………」
敵はなおも、素早く蹴りを浴びせかけてくる。それは重たすぎる一撃で、そう幾度も耐えられるものではない。
氷の槍騎兵を特攻させる万里矢は、想定していたグラビティがないことに気づいていたが、今できる事をする為にと攻撃を続けて。
「――ボクの眼を『視』ろ」
古の神を自身に降臨させた彼女は、自身の瞳から漏れ出る瘴気によって敵に恐怖心を植え付けようとする。
「この戦いを勝利で終えるのじゃ」
モザイクさえ入っていなければ、敵の動きはさながら映画のようなアクションが観られたはず。ミミは惜しみながらも手にした猫のぬいぐるみを強化する。
「わらわのぬいぐるみを特別に貸してやるのじゃ。楽しむといいのじゃ」
投げつけたそのぬいぐるみは夢喰いを追いかけ、特攻していく。
可愛らしくも、その一撃侮れない。ぬいぐるみの殴打を受けた敵はようやく動きを鈍らせ始める。激しい猛攻を行っていた夢喰いの足が僅かにもつれたのだ。
「ヘルズゲート、アンロック! コール・トリカラード!」
地獄の炎で魔法陣を描いたミライは、どこからか赤、黄、青の大きな三本の鎖を召喚する。
それらは非常に執念深く夢喰いへと襲い掛かり、追い詰めていく。
夢喰いはそれでも抵抗を続けてはいたが、回復の手を止めた黎が追い討ちをかけた。
「黄泉の底に眠る母神の御名に於いて命ずる――餓えし獣よ、我が声に応えよ!」
闇の力を狼の形となして、彼女は解き放つ。憤怒に支配されたその呻き声は刃となり、夢喰いの身体を襲う。理想となる肉体のはずが、その全身には負った傷からモザイクが零れ出ている。
「…………!」
それでも、力を込めて殴りかかってくる夢喰い。それをクオンが正面から受け止めて。
「……見事。だが!」
彼女は凶暴な獣性を引き出すべく、巨獣の如き咆哮を上げる。
「我は巨獣! 敵を、戦場を、全てを蹂躙せし『緋の巨獣』なり!!」
相手が理想となる最強の『武』なら、それを超える『暴力』をもって。クオンは武器を全て投げ捨て、緋のオーラを纏った拳で敵の体を打ち抜いていく。
「…………」
最後まで言葉を発することのなかった夢喰い。その体はモザイクに包まれ、すぐに霧散していったのだった。
●修行は己のみで行うものであらず
森の中での戦いではあったが、さすがにその影響があった為にケルベロス達は修復を始める。
いなせはヒールドローンを展開し、黎も医者らしく薬液の雨で森を癒す。
ボクスドラゴンのヨミもまた属性注入で手伝ってくれる。若干ホラー風味になっているように見えたのは、きっと気のせいだろう。
「筋野サンへの言葉は腕っぷしの強い人に任せるよー」
そうして、掴み所の無い笑みを浮かべる黎が森を元の形へと修復している間に、メンバー達は奥にある滝のそばで倒れていた壮年の武術家、筋野・伸欣の姿を確認する。
絶華が彼の安否を確認してミライが介抱すると、筋野はゆっくりと目を覚ます。
「倒れる前に何があったのじゃ?」
ミミが筋野に尋ねるが、彼も記憶が微妙にあやふやなようで、ここで修行していた後のことを覚えていないと言う。
その様子に、ミミはどんな影響があるかわかないからと、念の為に病院に行って検査を受けるよう勧めていた。
「今回の件で引退なぞせぬようにな。そなたはまだ鍛えるところがあるという事じゃ」
ミミはもっと強くなって、ケルベロスが守れぬ者を守って欲しいと彼に促す。
「鍛錬に熱を入れるのも程々にな」
「……いや、まだ俺の求める技には遠いからな」
声をかける白陽に、筋野は頭を振る。
「武術は心技体だって聞くよ。今回の事をどう糧にするか、それが大事なんじゃないかな!」
「まー、技ってのは掛ける相手がいるからこそだし、独りで修行するだけでは完成しないものもあるさー、うん」
事情を説明したミライが大声で筋野に呼びかけると、続いて万里矢がかけた言葉に、筋野はふむと唸る。
無駄なく鍛え上げられた筋野の肉体。50代になるまで打ち込んでいてなお、まだ理想に届かないと筋野は言う。
(「なら、俺の十数年かそこらでは、何か見えてこないのも当然か」)
彼の体を見つめ、白陽は冷静にそう考えていた。
「自分だけで技に満足がいかねェなら、弟子でも取っちゃどうだ?」
そんな提案を行ういなせ。筋野の代で大成せずとも、弟子が完成させるんじゃねぇのと、軽い言葉をかける。
「ふむ……」
その考えはなかったらしく、筋野はまたも唸りこむ。色々言葉を掛けられ、己の求道について考えを改めるきっかけとなっていたようだ。
「そなたの武術も見てみたいのぅ」
「修行に付き合うのは、まぁ、ここにいる皆がしてくれると思うぞー」
ミミが出す要望に、万里矢が手を広げて仲間達を指し示す。
「体調が戻れば、何時の日か私と手合わせを」
すると、腕を鳴らすクオンが、武の極みを目指す筋野に敬意を払って相手を申し出る。
絶華などは予め野営の準備を行っており、今宵は山篭りの構えだ。
「ならば、休んでばかりもいられぬだろう」
筋野も消耗した身体を押し、この場に留まることにしていたようだ。
大半のメンバーが去った後。
滝の音に紛れて人の発する声が響く。それは、夕闇が当たりを包み込むまで続いたのだった。
作者:なちゅい |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年9月9日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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