飛べよ拳!

作者:baron

「やはり、普通に放つと高さが足りないな」
 荒野で男が回し蹴りを放って居た。
 その打点は高く、ブウンと唸るほどの凄さだが満足して居ない様であった。
「障害物のある場所で戦うならともかく、正々堂々の勝負では使えん。まだまだ精進が必要だな」
 男は傷害物のある場所を避け飛び蹴りやドロップキックまで色々な技を試し、その良さを取り入れていこうとするが上手く行かない。
 そんな中、避けていた障害物……大きな岩の向こうから声がする。
「お前の、最高の『武術』を見せてみな!」
「……」
 小さな少女の様なナニカが声を掛けると、何故か男は素直に頷いた。
 先ほどまでのこだわりはどこへやら、障害物を利用して己が持つ最大の技を使用したのである。
「……」
 男は操られたように障害物を蹴って高さを取ると、ワザと態勢を崩しながら上段旋風脚を放つ!
 だがそれは上部を蹴る為の技に非ず、上から下へ、斜めに打ち降ろす重力を味方にした一撃である。
「僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術はそれはそれで素晴らしかったよ」
 だが悲しいかな、攻撃を加えたナニカは人に見えて人ではない。
 その正体はドリームイーター、幻武極である!!
「お前の武術を見せ付けてきなよ」
 そして極は手に持つ鍵で男の胸を突き大地に転がし、彼に良く似たナニカを作りだしてしまった。
 それは修行用の鎧を付けてなお、高くジャンプすることの出来る、男が目指した理想の姿。
 極に言われるままに、荒野を去って己の技を見せつけに行くのであった。


「武術を極めようとして修行を行っている武術家が襲われる事件が起こりますえ」
 ユエ・シャンティエが巻物を開きながら説明を始める。
「武術家を襲うのはドリームイーターで、名前は、幻武極。自らに欠損している『武術』を奪ってモザイクを晴らそうとしているらしいんですわ。そして武術型とでもいうべきドリームイーターを生み出して、暴れようとさすみたいですなあ」
 巻物にはドリームイーターと書かれており、ドリームイーターを生み出すドリームイーターと綴られていた。
「武術かで、しかも理想の姿とあってお強いようです。ただ、おひとつ良いことがありまして、修行者だけに町中ではありません。町中に到着するまでに迎撃が可能です」
 つまり周辺を気にする必要はないということらしい。戦い易いのは良いことだろう。
「敵はドリームイーターが一体で、配下などはおりません。基本的には純戦闘ゆうこおtになりますでしょうか」
 男は荒野の障害物が少ない場所を駆けまわっていたらしい。
 それが町中に進むにつれ建物などの障害物なども増える様であるが、基本的に誰もおらず早い段階なら建物の被害も無いようである。
「ああ、そうそう。このドリームイーターは、自らの武道の真髄を見せ付けたいと考えているよですんで、こちらで戦いの場を用意すれば、向こうから戦いを挑んでくるでしょう。みなさまなら問題無い思いますが、よろしうお願いしますえ」
 ユエはそういうと軽く頭を下げ、周囲の地図を手渡すのであった。


参加者
幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)
赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)
蒼龍院・静葉(蒼月光纏いし巫狐・e00229)
ルビーク・アライブ(暁の影炎・e00512)
羽丘・結衣菜(マジックマニピュレイター・e04954)
ガロンド・エクシャメル(愚者の黄金・e09925)
柚野・霞(瑠璃燕・e21406)
ジェミ・ニア(星喰・e23256)

■リプレイ


「戦う相手を、探しているんでしょう?」
「何奴」
 道を行く男にジェミ・ニア(星喰・e23256)が声を掛けた。
 荒野の先、小さな林がある所で姿を現したのだ。
『構わんが、お前一人か?』
「そこまで思いあがってはいません。仲間と共にお手合わせ願います!」
 男はジロリと視線を巡らせ、ジェミの背後に殺気を送った。
 すると七人、合計で八名の姿が現れる。
「お前がこの辺で最強なんだってな。ちょっとその力見せてみろよ」
『そうだな。このくらいで無ければ闘う価値もあるまい』
 ガロンド・エクシャメル(愚者の黄金・e09925)の挑発に男は真面目腐った顔で頷いた。
 その言葉にガロンドは満足そうに尻尾をビターン、ビターンと打ちつける。
「ここじゃお互い動きにくいだろう。こっちにこいよ」
 ガロンドが指差したのは、テープで封鎖された結界の向こうだ。
 罠など気にもして居ない様な調子で、男はすたすたとテープを潜って行ってしまった。

 そして男がやって来ると、先ほど彼が放ったものよりも強大な殺気が放たれた!
「私こそ魔法少女まじかる☆かすみんの一番弟子!」
 羽丘・結衣菜(マジックマニピュレイター・e04954)はノリノリで魔力を込めたオウガメタルを布の様に使って変身バンク。
 髪・手・足・最後に腰へ蝶の様なリボンとして再装着した!
「そこのバサラよ!師匠より賜った魔法の冴えを知ると良いわ!」
「し、師匠は恥ずかしいですね……でもありがとう」
 豪語する結衣菜のドヤ顔に、柚野・霞(瑠璃燕・e21406)はちょっとだけ恥ずかしそうに頷いた。
 皆の面前で周知プレイのようなものだが、強がりな彼女は頑張って微笑むことにする。
「武術を使う手合いは望むところ。ケルベロスの力……お見せしましょう!」
「どうやら私達ケルベロスに興味がある様子とお見受けしました。テコンドー、流派未所属の蒼龍院と申します」
 幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)は掌に拳を合わせながら、蒼龍院・静葉(蒼月光纏いし巫狐・e00229)は軽く頭を下げて相対する。
 そして静葉の名乗りに合わせて、鳳琴は独特のスタンスで宣戦を布告した。
「八極拳系幸家が宗主・幸鳳琴――参ります!」
 手刀を前に付き出し、相手が構える手刀に添わせる様に。
 手の甲同士が軽く触れ合うと、まるで剣道で竹刀を合わせ合うように戦いが始まったのである。
『竜拳士がバサラ。お相手願おう!』
 ケルベロスの挑戦に怯むことなく、男は不敵に笑う。


「気を付けてくださいね」
「はい、御嬢様。油断せぬように参ります」
 赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)の気遣いに静葉はニッコリと御礼を言った。
『私の力を貴方に。聞いてください、この歌を』
 ソレは、いちごが自らを守り育ててくれる大切な人達のために唄う歌。
 慈しむ優しさを力に換え、歌声にのせて守護者たちに癒しを与える。
 そして強大なる敵に抗い災いを打ち破るために力を与える為の加護だ。
「流派には属していませんが一つお手合わせを。貴方の目指す武術の極みを私達に見せて戴けませんか?」
『言葉は要らん。来い!』
 静葉の繰り出すカカト落としを、敵は片手でいなしながら反撃に出た。
 腕を回して転がそうとするが、次の仲間が割って入って邪魔をする。
「仲間との連携に繋げる拳技、これがケルベロスの戦いですッ!」
「まだまだです」
 鳳琴が放つのは同じ飛び蹴りでも静葉と違い、一度目に出した足を戻しながら放つ連還の蹴り。
 そこへジェミも飛び蹴りを……、いいや更に別の仲間が飛び蹴りを放つ、なんともゴージャスな連撃である。
「練習相手になるつもりはない。これが貴方にとっての最初で最後の戦いだ」
『一期一会。当然のことだな』
 ルビーク・アライブ(暁の影炎・e00512)の回し蹴りが顔面に決まり、バサラは頬を流れる血を拭ってペロリと舐めた。
 そして使おうと思っていた牽制の技ではなく、最初から本気で行くことにしたのである。
『飛竜、旋・風・脚!』
「来たか! 確かに喰らえばただでは済むまい。だが!」
 ルビークはカっと目を見開き、一瞬たりとも見逃すまいと身構える。
 避けるのではなく、腰を落として次の手の為に備えたのだ。
 何故ならば……。
「少しくらいの受けなら、護身術の一環で教わってますからっ」
 いちごが横入りして、代わりに攻撃を食らった。
 正確にはアームブロックしようとして押し切られたのだ。
 だがそれでも自ら後ろに飛ぶ事で、反動を殺して顔面の致命傷は避ける。
「あ、いまのモロ顔面。あいつマジだよ」
 ガロンドは自分が喰らった様な気がして、鼻を押さえながら流体金属を回収する。
 やばいと思った時に即座の回復を断行する事で、フォローしていたのであった。
「まあ、切羽詰まれば『なんでもあり』が世の常だ。これも仕方無いし、あいつが僕らに倒されるのも仕方無いね」
 フルコンタクトかあ。
 ガロンドは冷静に観察しながら前に出て、同じ状況なら自分も出ようと品定めを続行する。
 敵の狙いは主に顔面・腹・膝の三か所に絞っており、来る場所さえ判れば何とかできそうだ。
 そして次はどうしようかと、仲間達の様子を見守ることにしたのである。
『音も、光も、そして拍手も無いマジックショーの開幕よ』
 結衣菜は二段階に周囲を歪めることで姿を消した。
 一度光景の色彩を強調し物音を拡大することで印象付け、反対に自分の色合いと足音を下げて行く。
 こうして森の中の木の葉・図書館の本と化し、極限まで気配を消して攻めかかったのである。
 だが背中を切られたにも関わらず、奴は止まらない!
『大成せし降魔の布陣。オン・バラサ・マジック!』
 マサラは最初の放とうとしていたように、腕を回転させながら闘気を込める。
 そして太極印の如き渦を描いて光があふれ始めた。
「さすがにそんな大きいモーションだとやらせないって。でもなんでバサラじゃなくて、バラサなんだろう」
「なんでも参考文献に誤植があったそうですよ? 当時は素人の人がゲーム雑誌の写植をしていたそうで」
 ガロンドはミミックのアドウィクスと共に仲間を守る壁と成り、いちごもその列に加わった。
 閃光の直撃と共に何故か稲妻が落ちるのだが、まあ昔見たゲームか何かを参考にしているなら仕方ないか。
 そして二人と一体はニッコリ微笑んで、光と雷に呑まれたのである。


「すみません御嬢様……」
 静葉は庇ってくれたいちごが傷付いた姿を見て、膝枕で解放したくなったが躊躇した。
 これだけの敵である、そんなことを見逃してくれるはずもない。
 それに治療師の仲間が何とかしてくれると信じて、奔る!
『蒼月の輝きと共に現世の塵へと消えよ。』
 静葉は獣化した手足に蒼き月の加護を降ろし、力強く踏み込みながら一閃する。
 最初に放ったのがカカト落としなら、今度は浴びせ蹴りのような角度で繰り出した。
 だがその速度と威力は比べ物にならず、切れ味の強い延髄斬りとでも言うべき速度で直撃させる。
「強くて当たり前だが、無策で食らったらヤバイな。気前よく技を見せてくれたんだ。返礼はその武に似合うだけの戦いをしよう」
 ルビークはゴクリと喉を鳴らしながら、拳を握り締めることで今ある生命を喜び、守ってくれた仲間のありがたさを実感した。
 握り締めたその思いを力に替えて、今必殺の拳を解き放つ。
 彼の闘気は重力を伴って、先ほどの御礼とばかりに襲い掛ったのである。
 そしてその頃……。
「あー良く死んだ。一般人なら三回まわって四回目の転生中だね」
 ガロンドは平然とした顔で起き上がり、ボフっと息を吐きながら深呼吸。
 ジっと一人、指を見溜息を付きながら曰く。
「ヒビ割れだらけになるまで働けど働けど……まあ鱗だけど。でもコレは後に取っておいて、もうちょっとみんなに付き合うかな」
 そして籠手に付けた鉄杭を露出させると、殴りつけて火薬が割りのグラビティで撃発させる。
 その木爆に使う熱量は相手のモノであり、相対的に極低温が発生した。
「しかしゲームや漫画に出ていた技を現実にやるとあんな感じに……。感心したような、呆れたような。でも、油断はしません!」
 ジェミはあ両手に構えた剣を翼の様に広げて押し切りながら、自分も何かやった方が良いのかなーとか思い始めた。
 例えば同じ翼の様に見えるなら、羽ばたいて恰好良いポーズをつけてから……。
 と思う訳だが、まだ自分には合わない様な気がしたので夜中にでも特訓してからやろうと止めておくことにした。
「まんごうちゃん、お願いっ! 師匠のフォローに入るよっ」
 結衣菜は遣い魔(マスコット)のまんごうちゃんにお願いして、一緒に治療を行う。
 まんごうちゃんがガロンドくんに御祈りを捧げ、結衣菜はいとごちゃんに花びらを撒いて態勢を整える。
「わぁーっ。可愛いですね」
「せっかく治療する習っておもって」
 いちごは結衣菜が降らせてる花びらを掌に載せると、雪がそうするようにグラビティに戻って消えて行く。
 だけれどその力はいちごを癒し、温かい気持ちにさせてくれるのだ。
 その力を癒しの霧に替えて、いちごが残る自分の傷を塞いで行ったのである。
「私達が感じているこの想いも、温かさも――幻じゃないから。負けるわけにはいかないんですっ!」
 鳳琴はワザと右拳を敵に防がせると、そのまま左拳で連撃これもあえて防がせる。
 本命は此処から、唸るような膝蹴りを叩き込む!
 敵が強いのは当たり前、だがそれならばこちらとて仲間と協力してさっきよりも強くなるまでだ!


『やるな、お前達。俺も本気で行こう』
「鎧を……。なるほど、先ほどの全力は制限下の全力。今度は本気の全力という訳ですね」
 付き合いの良いジェミは、相手が鎧を外して軽量化すると言うベタな展開に感心して居た。
 あるいは本当に知らなかったのかもしれない。
「ですが、その力を十全に発揮させる訳にはいきません」
「そう言うことだ。その力、ここに置いていってもらおう!」
 ジェミは星剣の輝きを鮮烈なまでに及ぼし、ルビークは四肢に掛る力を一点に集め斬撃の瞬間に最大限に高めて叩きつけた。
 それは結界破りの力。確実に発動するとは限らないが、決まればいかなる守りも加護も打ち砕く。
 ゆえに二人は不確実な成果を確実にするため、両側から挟み込むようにして斬りかかったのだ。
 卑怯というなかれ、これは死合であり戦いとは非常な物である。
「せい!」
「はっ!」
 静葉が回し蹴りで敵の視界を塞ぎながら攻撃を掛け、鳳琴はその背後ろからワザと遅めの闘気を放つ。
 蹴り足を大地に充ててタイミングをずらし、つま先から放つ闘気を静葉が横っ跳びで交わしてから当たる様にしたのだ。
「いきますよ。ごめんなさい」
『フン! まだまだ!』
 いちごは忘れてしまった三つの技の代わりに、代用したスライムに襲わせるが気合い一閃儚く散らされてしまう。
「やはり命中力になんがあるよね。もっかい使ってから……かな」
 ガロンドは再び流体金属を出動させて、ガイドとしてサポートさせることにした。
 広域散布しておいて敵の動きを捉えたら、仲間に伝える為なのだ。
 そうした上で、もう一度指先を眺めて溜息をついた。

 拳士たちが夢見る、まさに夢のような打撃戦。
 しかし夢にはいつか終わりが来るのである。
「ごーっつい、魔法少女ぱーんち!」
 結衣菜が何も無い所で拳を振ると、流体金属が結集して巨大鉄拳を作り上げる。
 それに合わせてまんごうちゃんが光を放ち、かっ! ちゅどどーんっとけたたましい音がしてモクモクと煙を立てるが……。
 やったか!? という時ほどやっていない。
『ぬおおお!!』
「――さぁ、勝負だっ!!」
 鳳琴は敵が打ち降ろす特殊な旋風脚が来るのに合わせて、打ち上げながら竜形の闘気をまとう旋風脚で対抗。
 先ほどとは違い、闘気は直前まで放たない。
 インパクトの瞬間に放って相手が避けようと必ず追いすがる!
『俺の勝……』
「おっと、先に僕の方がね。野暮だけどそろそろ、こいつでいこうか……」
 バサラの蹴りが決まる直前に、ガロンドが割って入って顔面受け。
 爪を突き立て反撃したようだが、その実体は黄金に輝くルーンの力。
 これは呪いであり格闘ではない。だからこそ、仲間達が激戦を繰り広げている間は使わなかったのだ。
「いーぃぃやああ!」
 そして違和感に気が付くよりも先に、鳳琴の上段回し蹴りが炸裂したのである!
『ぐふっ。だが、まだまだだ!』
「そんな……。アリカさん、ガロンドさんの治療をお願いしますね」
 敵は激しく傷付いているがそれでもまだ立とうとしている。
 いちごはその雄姿に驚きながらも、箱竜のアリカと共にガロンドの治療に入った。
「火力が高過ぎる……。ここで押し切らないとマズイわね。勝負の掛け時よ」
「そうですね。挟み討ちにして確実に行きましょう」
 結衣菜が月の加護を祈って魔力を刃に替えて走り始めると、静葉も月に祈りを捧げた。
 そして刃ではなく手足に宿すと、乱打戦に入って動きを固定する。
 そこに結衣菜が身を縮めて滑り込み、脇腹を刃で抉って負荷を加速させた。
「足技がメインなら、基点は足のはず!」
 ジェミは右手の剣でバサラのガードを誘発し、左の剣で足を切りつけた。
 無理な姿勢のせいで態勢が崩れるが、そんな事を気にはして居られない。
 流石に強敵、これ以上は時間を掛けて居られないのだ。
「終わりにしよう」
 俺は俺の理想を掴み取る。
 ルビークは謳うように剣を叩きつけた。
 これが最後の一撃。だがトドメを刺せたのは仲間のお陰。特に今日は一度もカバーに失敗していない。
 彼らが居なければ、自分も無事ではなかったろうと……。守ってくれた味方に、そして恐ろしいほどの敵に感謝を込めて叩きつけた。

「強敵でしたね。皆さん、大丈夫ですか?」
「私は庇ってもらった立場ですので」
「私なら平気です。それよりそちらが怪我なくてなによりです」
 ジェミが冷や汗を拭って確認すると、静葉といちごが無事を喜び合っているところだった。
「幻武極……いずれ直接拳を交えるのでしょうね。しかし理想の武術を描けるとは。どんな技、どんな流派でも可能なのでしょうか」
「格ゲーのドラゴンってどうなんだって話はさておいて。超人枠なら珍しくはない……のか……?」
 鳳琴の呟きを拾ってガロンドが首を傾げる。
「どんな相手でも俺たちならば乗り越えて見せるさ。それよりもさっさと直して帰るとしよう」
 ルビークは心臓を掴むかのように胸を掻き毟り、拳の中に小さな火を灯した。
 燃え拡がって炎を熾すと次第に荒野が修復されて行く。
「私達も加わって直しちゃうとして、帰りに何か食べて行きません? まんごうちゃんに奢ってあげるって」
「なら皆にお土産なんてどうです?」
 結衣菜の言葉に霞は頷いてヒールに参加、一同は無事を祝った後に帰還して行った。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年9月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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