●興味と、気恥ずかしさと
友達に誘われた時につい、その日はアルバイトがあるからと断ってしまった。
でも、絶対に休めなかった訳じゃない。
お給料のいくらかは家に入れているけど、生活がそれほど苦しいという訳じゃなかった。
ただ、家族とアルバイトを理由にして逃げただけなのだ。
興味が無い訳じゃない。
バイト先のスーパーでも、ハロウィンを銘打って小物やらお菓子やら、いろいろな物が売られている。
同じお菓子でもハロウィン用の包装がしてあるのを見ると……なんだかワクワクするような、楽しい気持ちになったりもするのだ。
(「……でも、仮装パーティーに参加するっていうのは……」)
ちょっと恥ずかしい。
「……帰りに妹と弟に買っていこうかな」
気持ちを切り替えるように、誰もいない休憩室で呟く。
賞味期限が近付いて値下げしたお菓子が幾つかあった。
おみやげにすれば、きっと喜んでくれるだろう。
そうやって、パーティーの事を頭の片隅に追いやろうとした時……
目の前に突然、赤い頭巾をかぶった少女が現れた。
仮装したアルバイトの人だろうか?
そんな風に考えた時、その子が手に持っていた物を……自分の方へと向けて突き出す。
「ハロウィンパーティーに参加したい……ですか。その夢、かなえてあげましょう」
遠ざかる意識の中で、その人の者らしい声が聞こえた。
「世界で一番楽しいパーティーに参加して、その心の欠損を埋めるのです」
そこで、彼女の意識は途切れて……。
くずれ落ちた少女のかたわらに、お化けのようなシーツを纏い大きなカボチャの被り物をしたドリームイーターが姿を現す。
ハロウィンのカボチャらしい切り込みの入った口と目の奥でモザイクをチラつかせてから……ドリームイーターはその場から、煙のように消え失せた。
●ハロウィンのカボチャお化け
「藤咲・うるる(サニーガール・e00086)さんが調査してくれたのですが、日本各地でドリームイーターが暗躍しているようです」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は、そう話を切り出した。
新たに現れるドリームイーターはハロウィンのお祭りに対して劣等感を持った存在で、ハロウィンパーティーの当日に一斉に動き出すようだ。
「ハロウィンドリームイーターが現れるのは、鎌倉のハロウィンパーティーの会場です」
そのような事を許す訳にはいかない
「皆さんには、実際のハロウィンパーティーが開始する前に、ハロウィンドリームイーターを撃破して欲しいのです」
ヘリオライダーの少女はそう言って、詳しく説明し始めた。
ハロウィンドリームイーターは、ハロウィンパーティーが始まると同時に姿を現す。
「ですから、ハロウィンパーティーが始まる時間よりも早く、あたかもハロウィンパーティーが始まったように楽しそうに振るまえば、ハロウィンドリームイーターを誘き出すことができるでしょう」
そうなれば、後は戦うだけだ。
「ハロウィンドリームイーターはモザイクを飛ばして目標を包み込んだり、モザイクを変形させて目標に喰らいつかせたりといった攻撃を行ってきます」
飛ばしたモザイクで敵を包み込み、敵の知識を吸収することで動きを封じたり、精神を侵食する事で敵味方の認識を誤らせたり。
「変形させたモザイクによる近接攻撃には、攻撃の力を弱める効果もあるようです」
戦闘時の動きも奇抜な感じで、異常効果を最大限に生かせるようなポジショニングを行うようだ。
「対処がなかなか難しそうな相手ですが、皆さんでしたらきっと大丈夫です」
セリカはそう言って微笑んでから、表情を引き締め、ケルベロス達を見回した。
「ハロウィンパーティーを皆で楽しむためにも、ドリームイーターを撃破してしまいましょう!」
参加者 | |
---|---|
生明・穣(鏡匣守人・e00256) |
望月・巌(夢の隠し場所は揺り籠の中・e00281) |
鳳・ミコト(レプリカントのウィッチドクター・e00733) |
火雛・菊子(五十口径の信奉者・e01310) |
シェイ・ルゥ(流水龍睡・e01447) |
ルピナス・ミラ(黒星と闇花・e07184) |
月杜・イサギ(木蓮樹・e13792) |
苦楽・落涙(クラックラック・e14791) |
●パーティーの前に
「巌ちゃん相変わらず派手だね」
本人には聞こえないような小さな声で、生明・穣(鏡匣守人・e00256)は呟いた。
彼の視線の先では望月・巌(夢の隠し場所は揺り籠の中・e00281)が、パーティーの料理や配る為のお菓子を準備している。
彼の仮装はパイレーツ、俗にいう海賊の格好だ。
穣の言葉が、巌の格好を指したものなのか……それとも、用意している料理やお菓子を含むパーティーの準備を指したものなのか……あるいはまったく違う何かを指しているのか?
言葉の意味を知っているのは、呟いた穣本人のみである。
ちなみに巌にとっては、これはあくまでハロウィンドリームイーターを誘き出すための作戦だった。
その為に、実際のハロウィンと同じ位賑やかなパーティーを行う!
……という、完璧な作戦なのである。
ちなみに格好に関しては、穣の方も中々に派手だった。
羊の如き面相の仮面に、漆黒のマント。
衣装を飾る華美な装飾。
角、羽、尻尾もしっかりと出して、さながら悪魔という出で立ちである。
本物のサキュバスであるのも手伝って、らしさは見事の一言に尽きる。
肩に乗せたウイングキャットの藍華は黒マントにとんがり帽子という格好で、翼を隠しているところが逆にらしさを引き立てているといえるだろう。
らしさと言えば、魔法使いに扮した月杜・イサギ(木蓮樹・e13792)も独特の雰囲気を漂わせていた。
三角帽子に黒ローブというところまでは王道だが、背からはオラトリオの翼が隠しげもなく伸ばされている。
その辺りは独自の美学と感性という事なのだろうか?
「トリックオアトリート、悪戯っ子はいつ来るのだろうね?」
お菓子の準備を終えると、青年は大仰で芝居がかった身振りで振舞いつつ……さり気なく周囲へと視線を向けた。
パーティーの準備は整いつつある。
リボンを結ばれた小袋に分けて入っているのは、可愛らしい形をしたハロウィンフェアのクッキー各種だ。
穣は棒付きの飴や細工飴を、巌は注文しておいたというケーキを確認する。
一方で鳳・ミコト(レプリカントのウィッチドクター・e00733)は折角だからと、自分で料理を準備していた。
カボチャ料理といえばグラタン。
「異論は認める」
そんな感じで彼女は、カボチャ尽くしのパーティーの為にとカボチャを用意したのである。
仮装のカボチャ頭を作る用と、食用の普通のカボチャ。
「作り方調べてから知ったんだけど、あの南瓜頭の材料って食用の南瓜じゃないのね」
よし、料理する用のと両方買おう……みたいな行程があって、ホワイトソースとか玉葱も一緒に買って。
そして、なんやかんやとあって……カボチャのグラタンは、たった今、完成したところだ。
仮装用のジャックオーランタンの方も、飾付用カボチャを加工して無事に完成している。
中身をくり抜くのにスパイラルアームを使用しようかとか一瞬考えたものの、粉々になりそうと瞬時に想像できたので、中身の方は地道な作業でくり抜いていた。
仮装としてロッドの先にランプを付けて、あとはいつもの呪術医ルック。
準備は完了、いよいよパーティーっぽいのを演じよう……という感じだ。
ちなみにお菓子は用意していない。
自分は貰う側だというのが彼女の主張である。
年齢を考えればその主張は、権利と呼んでも過言ではない正当なものと言えるだろう。
(「元々行き場の無い魂が地上をさまよってるって伝承から来てるんだよね」)
「ちゃんと送り返してあげないと。帰る場所がある内は、ね」
誰に言うでもなく呟きながら、少女はできたてのグラタンをテーブルに運んだ。
クールな魔女という格好をした苦楽・落涙(クラックラック・e14791)も、手作りのケーキを嬉しそうにテーブルへと運ぶ。
彼女はお菓子もたくさん作っていたが、そちらは配る用だった。
雰囲気を出そうと考えて、ちょっとホラーっぽい(でもデフォルメした)飾り付けで、落涙はお菓子を包装していく。
黒い猫娘という感じで仮装してみたルピナス・ミラ(黒星と闇花・e07184)も、みんなに配るためにと沢山の飴玉を、持ち運びしやすいようにとそれらしい籠に入れていた。
「パーティーそのものも楽しいけど、準備も楽しいよね?」
そう言って嬉しそうにする落涙の言葉に、ルピナスも笑顔で言葉を返す。
(「折角のハロウィンを、ドリームイーターに滅茶苦茶にさせるわけには行かないです」)
会場を見渡して、準備をする仲間たちを見回してから、少女は静かに口にした。
「敵を倒して、ハロウィンを何の憂いもない楽しい祭りにしたいですよね?」
●道化師へのお誘い
「キョンシーの血ってどうなってんの?」
「さぁ? まぁ死体だし、腐っているんじゃないかな?」
火雛・菊子(五十口径の信奉者・e01310)の言葉に、なんとなく~という感じで、シェイ・ルゥ(流水龍睡・e01447)が答えた。
質問の通りというべきか、シェイはキョンシーっぽい感じの衣装を身に着けている。
菊子の方はマントとシルクハットを用意して、吸血鬼という格好だ。
「ホラホラ、ハロウィンよハロウィン! そらァ!」
なんというかもう景気よくという言葉がピッタリな感じで、彼女はお菓子をバラ撒いていた。
仮とはいえ実際に準備してパーティーを始めると、やはり楽しげな雰囲気が周囲に漂い始める。
せっかくだしと実際に楽しんでいる者たちもいる。
「Trick or Treat?」
そう言って落涙はミコトと共に、大人たちの間を回ってお菓子を受け取りながら、自分の用意したお菓子も配っていた。
もらうのも勿論嬉しいけれど、渡してお礼を言われたり喜んでもらえるのも嬉しい。
いつものはどこか冷めた顔に、暖かなものを滲ませて……そして茶目っ気を隠し味に。
落涙はお菓子を手に皆の間を歩いて回る。
穣も色とりどりの棒付き飴を懐に入れ、南瓜や蝙蝠を細やかに象った細工飴を手に、楽しげに声をあげ仲間たちの間を歩きながら、会場内を観察した。
マントの下には携帯から繋いだ小さなスピーカーを仕込み、ハロウィンらしい音楽を流すという徹底ぶりである。
任務というのも勿論あるが、楽しんでいるからこそ一層というのもあるかも知れない。
イサギも演劇のような立ち振る舞いをしながら、彼に付き合うようにして会場を回る。
料理を食べたり、ソフトドリンクを飲みつつ陽気に歌いながら、巌も周囲を警戒していた。
「……本当はお酒を飲みたいところだけど、ここは我慢しないとね」
残念という口ぶりではあるものの態度そのものは相変わらずの様子で、シェイもジュースを飲みながら皆と話しつつ周囲を窺う。
ルピナスは籠に入れた飴玉を皆に配りながら話しかけ、菊子は場を盛り上げるように賑やかすように声をあげた。
(「相手はこっちが迎撃の用意してるの知らないだろうから……」)
「先手を叩き込まれない限りは素知らぬ振りして隙を窺った方がいいかな?」
そんなミコトの言葉に穣が頷いた時である。
会場の離れた場所、物陰から……一行を窺うように、カボチャ頭が姿を現した。
「おっと、お客さんがおいでなすったようだぜ!」
聞こえないように小声で、冗談めかした仕草で巌が呟く。
穣は皆に目配せしつつ、祭りの雰囲気を崩さぬようにと努めて楽しげに振る舞った。
様子を窺っていたカボチャ頭は、やがて狙いを定めたかのように機敏な……しかし、どこかこっけいな動きでケルベロスたちに近付いてくる。
対して8人も、相手を取り囲むように動き出した。
(「逃がさないように、ここで確実にしとめないとね」)
敵の様子を見ながら、包囲の一角を担うようにシェイも動く。
「……さて、パーティーの始まりだね」
表情鋭く小さな声で、落涙が呟く。
「折角の料理も台無しだ、ちゃっちゃと倒してパーティーの続きをしようぜ」
残念そうに言ってから不敵に冗談めかして、巌が皆に呼びかけた。
「よろしく頼む、戦友諸君……なんつって」
その言葉に微かに苦笑を浮かべてから、穣も表情を引きしめた。
一刻も早く、被害者の少女を目覚めさせたい。
「鎌倉とあの娘のハロウィン、どちらも成功させますよ」
その言葉にシェイが、のんびりとした流れるような仕草で頷きを返す。
(「お祭りのタイミングを狙うなんて、中々無粋なドリームイーターだね」)
「ま、さっさと終わらせちゃおうか」
青年の言葉に、菊子も力強く頷いた。
「祭りの邪魔をする無粋な輩には、消えてもらいましょうか?」
●番犬と道化の、輪舞曲
ジャックオーランタンに似たドリームイーターの頭、切れ目の入った目と口の奥には、明かりの代わりにモザイクが揺らめている。
そのモザイクが突如噴き出し、ケルベロス達へと襲い掛かった。
標的にされたのは巌である。
だが……放たれたモザイクが彼を捉える前に、その軌道に割り込むようにシェイが動いた。
「そちらの狙い通りには、させないよ」
ダメージを気にする様子もなく同じ調子で口にしながら、青年は身体の動きを確認するように軽く拳を握りしめる。
反撃とばかりに2つのマインドリングを合わせて光の巨人に変身した穣が、光を纏って突撃した。
援護するように藍華が、尻尾の輪をドリームイーターに発射する。
同時にイサギが機敏な動きで、ドリームイーターの間合いへと踏み込んだ。
「遠慮はいらないよ。楽しまなければ損じゃないか」
変わらぬ表情の内に、言葉に、何かを滲ませながら……青年は斬霊刀を非物質化し、霊体のみを汚染破壊する斬撃を放つ。
「人々の楽しみを奪うドリームイーターさんに、報いを!」
ルピナスの言葉と共に禁縛呪が力を顕にし、半透明の御業が正確な動きでドリームイーターに掴みかかった。
その隙に巌は、自身を真に自由なる者のオーラで包み込む。
シェイと落涙も地面に守護星座を描くことで、前衛たちに守りの力を施した。
(「ここパーティー会場にするんだよね?」)
後のパーティーの事も考えて気を付けないと……と思いながら、ミコトは更に回復をとシェイを自由なる者のオーラで包み込む。
「さあさ、そのカボチャ頭をブチ抜いてランタンにしてやるわ」
一呼吸置いて……次の瞬間、菊子は目にも止まらぬ速さでリボルバーを抜き撃ちし、モザイクを飛ばすカボチャ頭を撃ち抜いた。
カボチャの頭とお化けのシーツを傷だらけにしながらも、ドリームイーターはそれらを気にした様子もなく……頭を左右に振り、踊るような仕草でモザイクを操り、前衛たちに襲い掛かる。
その攻撃を妨害するように、落涙は二振りの刃を手に立ち塞がった。
「そう簡単には……通さない!」
仲間たちへの攻撃を遮るように、敵の攻撃を引き受けるように、あえて懐に飛び込んでゆく。
その動きを見ながらミコトは皆の負傷を確認し、丁寧に回復を行っていった。
シェイは敵に攻撃を見切らせぬためにと、魂を喰らう降魔の一撃と電光石火の蹴りを使い分けながら……味方の負傷にも気を配る。
「無理しないようにしなさいな。この後のお祭りではしゃげなくなったらコトだわ」
軽口を叩きながら、菊子もいつでも味方を癒せるようにと回復を優先して動いていた。
一方でイサギは唯、只管に……二刀を手にドリームイーターと切り結ぶ。
「ああ、気の毒に。こんないい日に独りだなんて」
癒しの力を揮うのは……動きを変えて、相手に攻撃を見切らせぬためだ。
「劣等感? そんなものが何の役に立つのだろうね」
剣を振るえば振るうほど、斬れば斬るほど……なにかが、青年の表に滲む。
目は冷え、唇に笑みが浮かぶ。
それに対してカボチャ頭は、滑稽な、道化のような動きを変えることなく、剣舞の相手を務め続ける。
「祝福を、キミに」
一旦間を取った落涙が、再び踏み込みながら鋭い斬撃を繰り出した。
彼女が身に受けた呪いが魔力に変換され、武器に宿る。
「悪いユメは、これでおしまいにしよう」
心を縛る災禍の祝福が、滑稽に踊るカボチャの道化を襲う。
「これで、どうですかー!?」
回復は大丈夫と見て、ルピナスもサイコフォースでカボチャの頭を爆発させた。
よろめきながらもドリームイーターは、心を喰らおうとケルベロス達に向かってモザイクを飛ばす。
「望月!」「おうよ!!」
穣と藍華に続くように、巌は紡ぎ車の呪いがかかった弾丸を素早く装填した。
(「いたいけな少女の気持ちを利用するたぁいただけねぇな」)
「悪戯が過ぎるようだぜ!」
放たれた銃弾がカボチャ頭を直撃し、ドリームイーターが頭を揺るがせる。
「その身、喰い千切らせてもらおうか」
低く地を這うような姿勢から、シェイは気を纏わせた足刀を蹴り上げるようにして繰り出し、ドリームイーターの体を貫いた。
勢いをそのままに相手の体を持ち上げ、勢いをつけて脳天から地面へと叩きつける。
連続攻撃に耐え切れず、ドリームイーターは……マジックのような、大袈裟な煙に包まれて。
次の瞬間、燈の入った大きなカボチャのランタンが、替わってその場に姿を現わす。
現れたジャックオーランタンは、まるで最初から設えられたかのように……会場の一角に鎮座した。
●本当のはじまり
「皆さん折角仮装したのですから、記念撮影とかいかがでしょう?」
ルピナスが皆に提案する。
たしかに折角だしと記念撮影したあとで……幾人かが、パーティーを楽しむ前にと提案した。
ドリームイーターに狙われた子を、パーティーに参加させてあげたい。
穣がそういえば巌が頷き、落涙は妹や弟たちも誘えないかと提案する。
イサギも言葉は少ないが、会えれば土産に菓子を渡そうかと口にした。
弟妹を大切に想っているという処が……彼の心内の何かに、触れたのかも知れない。
「折角のハロウィンだ。いろんな人が楽しめる日になるといいね」
戦いの前と、最中と……変わらぬ調子で、シェイが呟く。
「悪戯とお菓子を押し付けに行こう?」
落涙のその言葉に、穣は強く頷いた。
意識の戻った少女をパーティーに参加させてあげたい。
可愛い魔女の衣装と仮面を渡し、背を押してあげたい。
(「恥ずかしがらずとも、仮面をつけたら皆同じ」)
気にせず楽しめばいいのだから。
迎えに行こうという者と、本当のパーティーの準備をしようという者に手を分けて……
そんな皆の話に断りを入れ……少女に逢えたらと、穣と巌に菓子を手渡して。
弟妹への土産にと菓子を手に帰路に就こうとして……イサギは束の間、会場を見渡した。
話だけでも土産になる。
そんな想いで、準備でにぎわう華やかな会場を瞳に焼き付ける。
己の居場所へと足を向けながら……青年は、静かに呟いた。
「パーティーは、これからだよ」
作者:メロス |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2015年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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