邪眼

作者:紫村雪乃


 夕闇迫る放課後の学校。
 校門の前で中学生らしき数人の女が喋っていた。おそらくその学校の生徒であろう。
「ねぇ、あなた達、怪談話は好きかしら?」
 声がした。声の主は黒いフードをかぶった女である。美人であるが、どこか不気味な雰囲気があった。
「は、はい」
 女の雰囲気にのまれた学生たちがうなずいた。すると女は話し始めた。
「この学校に旧校舎があることを知っているでしょう。その旧校舎には音楽室があるのだけれど、そこに肖像画が飾られているの。ああ、有名な音楽家の肖像画じゃないわ。で、ね。深夜、そこを訪れた学生がいたらしいの。すると学生は何者かの視線を感じた。慌てて振り向いた学生は、自分をじっと見つめている肖像画の目に気づいたの。怖くなって学生は逃げ出した。その時よ、突然肖像画の目が絵から抜け出し、学生を追った。その数日後のことよ。学生の死体が音楽室から見つかったのは。後でわかったことだけれど、その肖像画にモデルである音楽家は病に倒れ、恨みを抱いて死んだらしいの。それで生きている者を呪いの視線で呪縛し、殺したんじやないかしら」
 女は話し終えた。思わず学生たちが顔を見合わせる。そして再び視線を戻したのだが、女の姿は既に消えていた。
「怖かったね」
「でも、ちょっと確かめてみたいかも」
「えー」
 女子中学生たちの騒ぐ声が黄昏に滲んだ。

「ドラグナー『ホラーメイカー』が、屍隷兵を利用して事件を起こそうとしているようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)がケルベロスたちにむかって口を開いた。
 ホラーメイカーは、作成した屍隷兵を学校に潜伏させた後、怪談に興味のある中高生に、その屍隷兵を元にした学校の怪談を話して聞かせ、その怪談に興味をもった中高生が屍隷兵の居場所に自分からやってくるように仕向けているらしい。既に、学校の怪談を探索して行方不明になった者達もおり、早急に解決する必要があった。
「事件の舞台となる学校でホラーメイカーが広めた怪談話は――」
 セリカは肖像画の怪談を説明した。そして怪談話を聞いた一般人が事件現場に現れないように対策する必要があるとも付け加えた。
「敵は巨大な眼球の姿をとって現れます。攻撃は衝撃と呪縛。視線をむけた相手にその攻撃をたたきつけます」
 屍隷兵はそれほど強力な敵ではない。が、油断していい相手ではなかった。
「一般人が学校の怪談を模した屍隷兵の被害に遭う前に、早急に撃破する必要があります。みなさん。よろしくお願いします」
 セリカは微笑んだ。


参加者
ジド・ケルン(レプリカントの鎧装騎兵・e03409)
ティーシャ・マグノリア(殲滅の末妹・e05827)
志場・空(シュリケンオオカミ・e13991)
エストレイア・ティアクライス(さすらいのメイド騎士・e24843)
イズナ・シュペルリング(黄金の林檎の管理人・e25083)
ハートレス・ゼロ(復讐の炎・e29646)
リティ・ニクソン(沈黙の魔女・e29710)
白波・竜哉(病竜・e36866)

■リプレイ


 ぽつりと取り残されたような古い建物が闇のそこに沈んでいる。旧校舎であった。
 そこに蠢く影。五つあった。
 彼らは何をしているのか。どうやらテープで旧校舎を封鎖しているらしい。
「屍隷兵、と言うことは、これも元は地球の生物であったのだろう」
 一人が口を開いた。精悍な風貌に鋭い目つきの若者だ。名をジド・ケルン(レプリカントの鎧装騎兵・e03409)といい、心を得たダモクレス――レプリカントであった。
「屍隷兵」
 手をとめ、娘がいった。一瞬、その瞳をよぎったのは光る記号列のようである。
 名をリティ・ニクソン(沈黙の魔女・e29710)という名の整いすぎた顔立ちの娘は抑揚を欠いた声音で続けた。
「データによると、地球の生物の肉体をベースに創られた、不完全な神造デクスエクス。人や動物の肉体を使ったものが多いみたい。元は人だとしても、彼らを元に戻すことはできない。私達にできるのは、これ以上、人々や生き物が屍隷兵の素材にされないように守ることと、屍隷兵にされたものたちを倒し、犠牲者を出さないこと。命を弄ぶ連中は赦せない」
「そうだな」
 ジドはうなずいた。
「哀れには思うが、もはや容赦はできん」
「ところでだけど」
 今度は夜目にも鮮やかな白の髪の娘が手をとめた。ロングコートで隠されているが、どうやら豊満な肉体の持ち主のようである。可愛らしい顔立ちであるのに野性味のようなものを感させるのは、娘――志場・空(シュリケンオオカミ・e13991)がホッキョクオオカミのウェアライダーであるからだろう。
「敵は巨大な目玉なのよね」
 空はあるアニメの題名を口にした。妖怪を主役としたアニメである。
「いいよねー。目で見たものを攻撃できるって、魔眼というか目からビーム! とか、一回やってみたいわ―」
 はしゃいだように空はいった。すると快活そうな美しい娘がぶるると身を震わせた。
「め、目からビームなんてやりたくありません」
 名をエストレイア・ティアクライス(さすらいのメイド騎士・e24843)というヴァルキュリアの娘は、輝く金髪をゆらして抗議した。
 音楽室の怪談。想像するだけでゾッとする。
「恐いの?」
 空が悪戯っぽく尋ねる。するとエストレイアは慌てて首を横に振った。
「エ、エストレイアは……メイド騎士は怪談など恐れません! ……お、恐れません!」
 半ば叫ぶようにエストレイアはこたえた。


 立入禁止テープを貼り終えたケルベロスがむかうと、旧校舎の入口に三つの人影が見えた。残る三人のケルベロスたちである。名はティーシャ・マグノリア(殲滅の末妹・e05827)、イズナ・シュペルリング(黄金の林檎の管理人・e25083)、白波・竜哉(病竜・e36866)といった。
「守備は?」
 紫瞳をもつ冷然たる美少女が問うた。ダモクレス部隊である『殲虐の九人姉妹』の末妹、ティーシャである。
「大丈夫だ」
 こたえたのは、同じ元ダモクレスであった若者だ。精悍な顔は無表情で、仮面めいていた。
 かつてダモクレスの指揮官機であった若者。その名はハートレス・ゼロ(復讐の炎・e29646)といった。
「ではミッションスタート。旧校舎音楽室エリアの屍隷兵殲滅」
 静かにいうと、リティは旧校舎に足を踏み入れた。

 旧校舎には電気は通じておらず、闇が支配していた。
 と、その闇を光が切り裂いた。リティのもつライトである。
「怪談話を利用して攫っちゃうなんて酷いよね。うー、でもそんな話聞いちゃったら気になっちゃうから……えへへっ! しかたないよね☆」
 廊下を進みつつ、可憐な美少女が微笑んだ。その真紅の瞳はあまりに澄んでいて、何の邪気も見受けられなかった。イズナである。
「何がおかしいのですか?」
 恐る恐る辺りを見回しつつ、エストレイアが問うた。すると、うーん、とイズナは首をひねった。わからないらしい。
 そう、無邪気な赤ん坊は幽霊を恐れない。そういうことなのだろう。
「屍隷兵もいろんなのがいるよね。でも怪談話で釣るのはちょっとズルいよね。ホラーメイカー、ちょっと頭いいかも」
 再びくすりとイズナは微笑った。そうだな、とこたえたのはティーシャである。平然として。この少女の場合、怪談の意味が良くわからないのだった。
 そして幾許か。
 やがてケルベロスたちは奥の部屋にたどり着いた。音楽室である。
 ライトをもつリティがドアに手をかけた。開く。
 内部は無論真闇だ。埃っぽい空気が吹き付けてきた。
 リティがライトの光をむけた。浮かび上がったのは広い空間であった。片付けられたのか、ピアノなどはない。ただ壁に肖像画が飾られたままになっていた。
 その時だ。夏というのに冷たい風がケルベロスたちに吹きつけてきた。はじかれたようにケルベロスたちが部屋の片隅に目をむける。ひかりに浮かび上がったのは異様なモノであった。
 直径二メートルを超す球体。中心には巨大な虹彩があり、じっとケルベロスたちを睨みつけている。眼球だ。
「うーむ、マグロの目とかは美味しいって知ってるが、流石にこれはただただ恐ろしいとしか言いようがないな」
 空が感嘆の声をもらした。
「さて、んじゃいっちょお仕事開始しますかね。ギシャシャ」
 闇に棲む生物を思わせる白い肌の男が哄笑を発した。二十代半ばの若者。竜哉だ。
 次の瞬間、竜哉の目が闇の深淵と化した。白目の部分が黒色化したのである。地獄化の副作用であった。
 それが開戦のゴングとなった。まず動いたのはジドとリティである。
 二人は同時にドローンを放った。ジドのドローンは前に立つケルベロスたちの潜在能力を賦活化する。リティのそれは敵の情報収集だ。
「敵戦力確認……データベース照合……火器管制システム、アップデート完了。最新パッチ、配信します」
 自身を戦闘に最適化するとともに、リティは得た情報を仲間に伝えた。刹那だ。空間がゆがんだ。
 あっ、と声を発したのは誰であったか。前衛に立つケルベロスたちが吹き飛ばされた。衝撃波の仕業である。
 ケルベロスたちが壁に叩きつけられた。壁に亀裂がはしる。ずるずると床に座り込んだケルベロスたちが血反吐を吐いた。内蔵が傷ついたに違いない。もしドローンの加護を受けていなかったら、どうなっていたかわからない。
「やっぱり視線か」
 イズナが呟いた。すると空間が真紅に染まった。何が起こったのか――。
 蝶だ。無数の光る蝶が舞っている。蝶はイズナの手から飛び立っていた。
「視線っいうなら、見えなかったら大丈夫だよね? えへへっ! わたしの緋蝶は緋色の光の蝶々のことだから、手のひらから解き放たれたいっぱいの蝶が世界を埋め尽くしてあげるよ♪」
 イズナがあどけなく微笑んだ。


「ティアクライスのエストレイア、参上です! メイド騎士は大きな目玉オバケなんかに負けません!」
 蝶の群れを切り裂くようにしてエストレイアが迫った。すでに屍隷兵の構造的弱点は高速演算により算出済みだ。
 エストレイアは第二星厄剣アスティリオなる星剣を眼球に叩きつけた。ざっくりと切り裂く。
 次に屍隷兵の眼前に現れたのは竜哉であった。哄笑をあげつつ、刃をふるう。闇よりもなお黒々とした炎が軌跡をえがき、屍隷兵から瘴気まじりの血しぶきがとんだ。
 と、衝撃が竜哉を襲った。はねとばされ、壁に叩きつけられる。今度は竜哉の口から鮮血がしぶき、満面を朱に染めた。加護を受けていない分、竜哉の受けたダメージは深刻である。
 その竜哉をちらりと見やってから、流れるような動きでティーシャはカアス・シャアガ――ドラゴニックハンマーを砲撃形態に変形させた。
 撃つ。空を裂いて砲弾が疾った。
 爆発。竜すら殺すほどの威力を秘めた爆発が屍隷兵を飲み込んだ。
「まだだ」
 ハートレスがいった。その身を覆うのは漆黒の動力炉内蔵の甲冑。エネルギー源は地獄の炎だ。
 次の瞬間、ハートレスの胸部が変形、砲口が現出した。
「怪談を囮に人を集め贄とするか。ではその物語、地獄の炎へと沈めてやる」
 ハートレスの胸部から光が噴出した。規格外の破壊力を秘めた光線が空間ごと屍隷兵を焼く。が、屍隷兵が怯むことはなかった。
 ぎらり。巨大な眼球が光ったようだった。
 次の瞬間、ライドキャリバーが吹き飛んだ。盾となったイレブンだ。
「やっぱりこっちはお留守なのね」
 声は屍隷兵の背後からした。いつの間にか背後に回り込んでいた空の声だ。
 空の手から白光が噴いた。手裏剣だ。それは流星と夜空を翔ぶ流星のように屍隷兵に突き刺さった。
「よしッ、大的ど真ん中――からの、爆ぜろッ!」
 手裏剣が爆発した。


 爆発の衝撃で屍隷兵が床に叩きつけられた。そしてボールのようにはねあがった。そのまま天井まで飛び、ケルベロスたちを睥睨する。
 眼球には血筋がからみついいた。憤怒しているのかもしれない。
 はじかれたようにケルベロスたちは跳んだ。屍隷兵の視線から逃れるため。が、間にあわない。三人のケルベロスたちが視線に打ちのめされた。
「やってくたわね」
 リティはすばやく視線を巡らせ、仲間をスキャンした。状況は深刻だ。
 自らの肉体そのものを魔術回路と化し、リティはグラビティを発動させた。魔術的手法により細胞レベルで切開、再生を行う。そのオペの速さを見た外科医がいたら瞠目しただろう。すぐに竜哉が目を覚ました。
「ギシャシャ。こっちだ。目玉野郎」
 白い蝙蝠のように竜哉が跳んだ。無論、屍隷兵の視線が迎え撃つ。
 衝撃が彼の細胞そのものを粉砕した。竜哉の身体中の毛細血管が破れ、血煙が彼の肉体を包む。激痛に蝕まれつつ、しかし竜哉の手は動いていた。日本刀の刃が正確に屍隷兵の傷を切り広げた。が――。
 そこまでが竜哉の限界であった。力尽き、人形のように床に転がる。
 無謀とも思える戦法。が、それでもやるのが竜哉であった。
「奴の視線は一方だけだ」
 竜哉が叫んだ。
「わかった」
 代わって空に舞ったのはイズナであった。
「えへへっ! 今度は突いちゃうよ」
 イズナは巨槍を繰り出した。紫電をからみつかせたその刺突はまさに雷閃。屍隷兵ごときには躱しようもなかった。
 巨槍を引き抜くと、何事もなくイズナは舞い降りた。屍隷兵は動かない。動けないのだった。
「哀れだな。お前たちの地獄はオレが終わらせる」
 ぎら、とハートレスが屍隷兵を見上げた。
 心を地獄化し、記憶をも地獄化した。が、それでも哀しみが消えることはない。
 ハートレスは跳んだ。一瞬後には眼球の前に。
 ハートレスは右の拳を眼球の瞳孔部分にぶち込んだ。屍隷兵の核が崩れる感触。次いで、ハートレスは蹴りを放った。いや――。
 一瞬早く屍隷兵の視線がハートレスをとらえた。衝撃にハートレスが吹き飛ぶ。破損した装甲から噴き出す地獄の炎に包まれつつ。
「なるほど。しぶとい」
 ティーシャはバスターライフルをかまえた。そうと気づいた屍隷兵が視線をむける。が、ティーシャに焦る様子は微塵も見えなかった。機械じみた落ち着きぶりで屍隷兵をポイントする。
 次の瞬間、バスターライフルが吼えた。光流が眼球を撃つ。
 屍隷兵がゆらめいた。さらに、おおん、と絶叫が響き、音楽室が震えた。何故か――。
 漆黒の槍のようなものが屍隷兵を貫いていた。それは黒いスライムを変形させたものであった。
「忍者の毒は消えにくいぞぉ」
 空がニッと笑った。すると驚く程に素早い動きで屍隷兵が動いた。空を睨めつける。
 最高度出力の衝撃波が放たれた。まともに受けたなら、いかなケルベロスといえどもただでは済まないだろう。
 空間を砕きながら衝撃波が疾った。それを、あえて空は受けた。腕を交差させてのみで。
 直後、烈風のごとき衝撃波が空に身に叩きつけられた。床を削りながら空が後退する。ロングコートの裾が翻った。
「こんなものなの?」
 嘲弄するように空が笑った。すると屍隷兵が身動ぎした。
 確かに彼奴の身を粉砕したはず。屍隷兵の動きはそう示していた。
 この時、屍隷兵は知らぬ。ティーシャの放った一撃により衝撃波の威力が弱められていたことを。
 心をもたぬはずの屍隷兵にも動揺することなどあるのだろうか。
 一瞬の空白。そこを突き抜けるようにエイトレイアが跳んだ。
「普段はサポートばかりですが、私だって十分戦えるってところをお見せします!」
 エストレイアの飛翔速度が速くなった。摩擦熱で彼女のつま先が赤熱化する。炎の尾をひきながら、エストレイアは屍隷兵に肉薄した。
 瞬間、はっとしたように屍隷兵の視線がエストレイアにむけられた。無論、衝撃波が放たれる。
 が、エストレイアはとまらない。衝撃波すら削りながら彼女は蹴りを放った。
 爆発。
 そうとしか思えぬ衝撃の席巻。渦巻く破壊流がおさまった時、すでに屍隷兵の姿はなかった。
「まぁ、こんなもんか。ギシャシャ」
 闇に竜哉の哄笑が響き渡った。


 旧校舎に静寂がもどった。戦いは終わったのである。
 が、ケルベロスたちの働きがすべて終わったわけではなかった。ヒールによる修復という仕事が残っていた。
「無事終わりましたね! さぁ皆様、敵を片付けた次は部屋の片付けですよ! 片付けまでが依頼です! 後片付けは大事ですからね!」
 エストレイアがいった。
「そうね」
 リティがうなずいた。仕方ないとはいえ、確かにこのまま旧校舎は放っておけない。すぐに崩壊してしまうだろう。それほどケルベロスたちと屍隷兵との戦いは激烈であったのだ。まさに人外の戦いといえた。
「行方不明者とかいるのかな?」
 空は辺りを見回した。何の痕跡もない。被害は出ていなかったのだろう。
「なら屍隷兵の痕跡はどうなのかな」
 イズナが音楽室を見回した。が、屍隷兵らしき痕跡もない。すべて消滅してしまったのだろう。
「ホラーメーカーの痕跡もないようだな」
 ジドがため息をもらした。ティーシャがうなずく。彼女もホラーメーカーの痕跡を探していたのであった。
 新たに現れた敵、ホラーメーカー。怪談を利用し、人の好奇心を煽り、死の罠に誘き寄せる奸智に長けた敵だ。何らかの手がかりを得ることができれば今後の戦いに生かせると二人は考えたのであるが――。
「そう簡単に痕跡は残さない、か。そうであれば、なおさらに恐ろしい奴」
 ハートレスの口から暗鬱な声がもれた。すると竜哉が楽しそうに哄笑を発した。
 竜哉の一族は病と引き換えに強大な力を得てきた。彼も覚醒で病気部位が地獄化するまでは碌に動けず籠りがちだったのである。
 が、竜哉は覚醒した。そうであるなら、他にやることがない以上、戦うしかなかった。ならば面白い敵の方がよかった。
「面白くなってきたねえ」
 竜哉はニヤリとした。と――。
 はじかれたようにケルベロスたちは振り向いた。視線を感じたからだ。
 が、そこには何もなかった。ただ傾いた肖像画があるだけだった。

作者:紫村雪乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年8月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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