●湯煙に紛れる血の雨
兵庫県神戸市、有馬温泉。
日本最古ともうたわれるこの地の温泉は場所によって泉質が異なるようだが、非常に多くの成分が含まれていることで知られる。
大阪からでも1時間というアクセスのしやすさもあり、日帰りで訪れる湯治客も珍しくない。また、時期的にも夏休みということもあり、家族連れで訪れる旅行客も多い。
それだけに、狙われてしまったというべきか。有馬町の温泉街に竜の牙が降り注ぐ。それらは、5体の竜牙兵へと姿を変えた。
「デウスエクスだ!!」
人々はすぐさま逃げようとするが、竜牙兵は逃がさじと手にする大鎌を振り上げる。
「オマエたちの……、グラビティ・チェインをヨコセェェッ!」
そいつらは直接斬りかかり、あるいは鎌を投げ飛ばし、周囲にいた人々の命を断ち切ってしまう。
竜牙兵にとっては、老若男女関係ない。ただ、生きる地球人がいれば、それは彼らにとってグラビティ・チェインを得る為の糧でしかないのだ。
「イイゾ、コレならドラゴンサマもサゾおヨロコビにナル……!」
笑い声を上げる竜牙兵達。そいつらの周囲には、血肉と成り果てた人々の残骸が街を赤く染めていたのだった……。
ヘリポートで、ケルベロスの来訪を待っていたリーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)。彼女は真剣な表情でメンバー達を出迎える。
「ようこそ。早速依頼の話に移りたいんだけど、大丈夫かな」
彼女はケルベロス達に問いかけ、問題ないことを確認してから説明を始める。
現れる敵は、竜牙兵……『竜牙竜星雨(ドラゴンファング・ファランクス)』の精鋭部隊だ。
「この後、すぐに現場へ急行する予定だよ」
また、敵が出現する前に周囲へと避難勧告をすると、竜牙兵は他の場所に出現してしまう。こうなると、事件を阻止する事ができずに被害が大きくなってしまう。
「でも、皆が戦場に駆けつければ、避難誘導は警察などに任せられるはずだよ」
ケルベロスとしては率先して、竜牙兵撃破に全力を尽くしたいところだ。
現れる竜牙兵は5体。その全てが簒奪者の鎌を持つ。うち、2体が2本、3体が1本を所持している。使用するグラビティもケルベロスが使うものと同じようだ。
「敵は状況によって、初期配置を使い分けるようだね」
相手の布陣が如何なる状態であっても対応できるように備えられれば、効率よく戦うことができるだろう。
現場は、兵庫県神戸市有馬町。
夏休みを利用して温泉宿に集まる人を狙い、竜牙兵が襲撃してくる。敵の出現と同時に対処を開始できれば、避難誘導は警察などに任せることができる。
「あと、ケルベロスとの戦闘が始まれば、竜牙兵が撤退することはないようだよ」
この為、積極的に竜牙兵を迎撃し、討伐に当たりたい。
説明を終え、リーゼリットは初めて表情を和らげる。
「竜牙兵を倒したなら、ご褒美ついでに温泉に入ってくるのもいいかもしれないね」
街中のヒール作業の後になるだろうが、戦いの疲れを癒すべく、温泉で汗を流すのも悪くない。暑い中で入る温泉というのもまだ格別で、極上の気分を味わうことができるはずだ。
「それでは行こうか。竜牙兵の討伐、よろしく頼んだよ」
彼女はにっこりと微笑み、ヘリオンの操縦席へと乗り込んでいくのだった。
参加者 | |
---|---|
カルディア・スタウロス(炎鎖の天蠍・e01084) |
日色・耶花(くちなし・e02245) |
ミレイ・シュバルツ(風姫・e09359) |
ウルストラ・ルールルゥ(闇這う翼・e10755) |
天照・葵依(蒼天の剣・e15383) |
黄瀬・星太(火風・e28582) |
篠村・鈴音(焔剣・e28705) |
シャンツェリッゼ・イニクロニク(速さの無駄遣い・e30061) |
●牙の気を引いて
兵庫県へと向かうヘリオン内。
「温泉宿にまで手を出すとは、呆れたものだ」
一見、少女にも見える、リゼことシャンツェリッゼ・イニクロニク(速さの無駄遣い・e30061)は、またも現れる竜牙兵に嘆息する。
「竜牙兵か……好きにさせるわけには行かないね。必ず食い止めないと」
理不尽に一般人が巻き込まれるこの状況。チーム唯一の男性である金髪碧眼の黄瀬・星太(火風・e28582)は、見過ごすことができずにこの依頼に参加している。
「次から次へとキリがありませんね……。ま、何度でも追い返してやりましょう」
黒い長髪に眼鏡を掛けた篠村・鈴音(焔剣・e28705)はノリ良く意気込んで見せる。
「敵は竜牙兵ながら、統率がとれているようですね」
長い金髪をポニーテールにした清廉な女騎士、カルディア・スタウロス(炎鎖の天蠍・e01084)は、相手をどう切り崩すかとメンバー達に戦略についての話し合いを促す。
集まってくるメンバーに対し、カルディアは現地が観光地ということもあって混乱が予想されると主観を語る。
「安心して避難できるよう、いち早く私達が敵を食い止めましょう」
それを聞いていた黒い翼のオラトリオ、ウルストラ・ルールルゥ(闇這う翼・e10755)が一つ溜息をついて。
「やれやれね。とっとと倒して、温泉で一息入れましょ」
ウルストラの意見に異論を出さぬメンバー達は、さらに作戦の細部を詰めていくのである。
現地、有馬温泉。
夏の休みを利用してたくさんの人が訪れる温泉街に、5本の巨大な牙が突き刺さる。
すぐにそれらは人の形を取り、鎧兜を纏った竜牙兵の姿に変わる。『竜牙竜星雨』と呼ばれる精鋭部隊だ。
「で、デウスエクスだ!!」
「ククク、ゾウオを……キョゼツを……!」
鈍く煌かせた大きな鎌を持つそいつらは、叫び、逃げ始めた人々を誰から狙おうかと見定める。
そこへ、降下してきた何者かが飛び蹴りを食らわしてきた。狙われた竜牙兵が大鎌でそれを防ぐと、鈴音が身を翻して着地し、逃げ遅れた一般人の盾となるように体を張る。
さらに、別砲口から飛んできたオーラの弾丸が竜牙兵へと食らいつく。
「そこまでだ、竜牙兵! 僕たちケルベロスが相手だ!」
いつの間にか周囲の一般人に紛れていた星太が注意を自身に向けるべく、気咬弾を放ったのだ。
「わたし達はケルベロス。あなた達の好きにさせない」
ミステリアスな印象を抱かせるミレイ・シュバルツ(風姫・e09359)もすぐに仕掛ける。
「裂け、彼岸花」
敵の正面からミレイは1体を狙い、無数の鋼糸を張り巡らし、雁字搦めに拘束していく。
螺旋忍者の里で継承された暗殺術『彼岸花』。その糸は敵を切り刻み、血で濡らすことから名づけられた名だ。
ただ、血の通わない竜牙兵は赤く染まることはない。
「あなた達の相手はわたし達。付き合ってもらう」
「こんな所までご苦労様ね。だけどアンタ達の相手は、私達よ!」
気丈に叫ぶウルスラは、ナノナノのイーヴと共に敵の進路を塞ぎ、対峙する。
竜牙兵は、邪魔をしてくるケルベロスに注意を向ける。グラビティ・チェインを豊富に持つ相手ならば問題ないと考えていたのだろう。
その間に、周辺の人々は離れるように逃げていく。
一般人の避難を現地の警察に頼んでいた天照・葵依(蒼天の剣・e15383)。合わせて、彼女は巻き込まれないようにと警察に注意を促していた。
「ドラゴンの奴隷風情が、己の意思とは関係ない操り人形め!! 今この場で朽ち果てるがいい!」
合流してきた葵依は凜とした表情で敵を見据え、敵を挑発する。
その前方に駆け込んできたのは、日色・耶花(くちなし・e02245)だ。仕事ができるキャリアウーマン風の彼女は、日本の温泉文化を破壊しようとする竜牙兵に顔をしかめて。
「日本文化を壊す子は悪い子よ。ちょっと強めのお仕置きね」
デウスエクスはその存在だけでギルティと告げながらも、耶花はウイングキャットのカジテツと共に防御態勢を取る。
「キサマラにゾウオを、キョゼツをアタえてヤロウ……!」
「大人しく還ってもらおうか。……もっとも、私の力の循環にだが」
スタイリッシュに変身したシャンツェリッゼは大自然の風を解き放ち、白い残像を残しながら加速する。
大鎌を持って襲い来る竜牙兵に、ケルベロスは毅然と立ち向かっていくのである。
●振るわれる鎌を受けながら……
ケルベロスに狙いを定める竜牙兵達は直接斬りかかり、あるいは鎌を飛ばして襲い来る。
前線で敵の攻撃に耐えるメンバーの後ろから、ミレイは漆黒の刃を持つ黒死天翔を携えて。
「鎌には鎌を、いざ勝負」
彼女は敵の背後から忍び寄る。狙うは、身構えた態勢を取り続ける盾役だ。
「旋風、鎌鼬」
大鎌を操りつつ、ミレイは鋼糸を使って敵の体を切り裂いていく。
前線で盾となっていたのは、カルディア、耶花、そして翼猫のカジテツだ。
とにかく、敵の攻撃に耐えられるようにと、カルディアは地面に守護星座を描いて自身と仲間を包み込んでいく。
敵の刃で味方の服が大きく破れているのを見て、ジャマーがいると確信した彼女は、前列メンバー全員が耐えられるようにと、防護を厚くすべく守護を重ねようと考えていた。
「意思統一と、あと連携も大事にしないとね」
カジテツに翼を羽ばたかせて回復に当たらせ、自らは纏ったバトルオーラの上に雷の霊力を乗せ、敵へと拳を叩きこみ、そいつの鎧に亀裂を入れた。
「……仕掛けます!」
鈴音も敵の視界の外から続いて。
「煤の剣……煤火!」
斬霊刀「緋焔」の剣身に炎を封じた煤を纏わせ、黒い刃と成して鈴音は薙ぎ払っていく。それによって付いた傷からは爆発が断続的に置き、その敵を焼き尽くさんとした。
その間も、竜牙兵は宙を裂き、大鎌による猛攻を行ってくる。
刃を浴びる仲間を支えようと、葵依は仲間の手前へと紙兵を散布していき、ボクスドラゴンの月詠は自らの属性注入でメンバーを援護していく。
そうして、仲間の援護を受ける前線メンバー。
「誰にも、何も奪わせない」
呟く星太が最小限の動きで、竜牙兵へと肉薄して。
「キミみたいに、力を持たない人を甚振るしか能が無い奴を見ると反吐が出るよ」
冷徹な態度を取る星太は、手のひらから発した氷結の螺旋を敵へと浴びせかける。とにかく素早く敵を減らそうと、彼は正確に盾役を攻め立てていく。
「温泉で火照ったのなら、冷やしてあげるわよ? 体の芯まで……ね!」
さらに、氷の螺旋をウルストラが重ね、敵の体を凍りつかしていく。
とにかく、前面で盾となる1体は非常に邪魔な存在だ。
コイツを倒さねば、後方から大鎌を投げ飛ばしてくるジャミング役を倒すことができない。どうやら2本持ちと1本持ちの2体いる為に被害が大きくなってしまう。
ナノナノのイーヴはその被害からケルベロスを護るべく、ハート型のバリアで包み込む。
一方で、シャンツェリッゼは猛スピードで飛び込む。
『素早いさん』という別名も持つシャンツェリッゼはバトルガントレットで素早く指を突き出し、盾となる竜牙兵の体の一部を石と化していく。
そうして戦いが繰り広げられる間に、周囲から一般人の姿がなくなっている。警官の誘導がうまく進んでいたのだろう。
それを確認し、ミレイは殺界を展開していく。彼女は任務を遂行すべく、さらに黒い刃で竜牙兵へと攻め込むのだった。
●着実に牙を1本ずつ
竜牙兵達は簒奪者の鎌を獲物としていることもあり、前のめりで攻撃重視の布陣となって襲い来る。
それを、耶花、カジテツが受け止めるが、2本の鎌を操る敵が解放した怨念が彼女達の身を苛み、体が徐々に石となる感覚を与えた。
「蔦を司る申の神よ! 今こそ白雪に咲き添いて、枯れたる苦界を潤わさん!」
葵依はそんな仲間の回復の為にと、神器:『黒牙』の力を解放する。
「いざや聞こし召せ蔦ノ花神!!」
天照大御神の加護を受けた葵依。周囲に癒しの花が咲いて蔦を伸ばし、仲間の為にと癒しを届けていく。
依然として、敵の盾役は大鎌で防御態勢を取り続ける。
しかし、この竜牙兵の小隊には回復役がいない。鈴音が緋焔に空の霊力を纏わせて大きく斬りかかれば、盾役の敵の体に走る亀裂が大きくなって。
星太は小さく腕を突き出し、オーラを発する。その一撃がトドメとなり、ついに盾役は乾いた音を立てて崩れ落ちていった。
盾役が倒れれば、徐々に竜牙兵の布陣が崩れ始める。
次のケルベロスのターゲットは、2本の鎌を操る敵。なおも双鎌から発せられる亡霊を、両手に蠍座の力を宿す双剣を手にしていたカルディアが抑えた。
「やられた分は、ブチ返してやるよ!!」
石のような重さを感じる身体を動かし、カルディアは気を昂ぶらせて荒々しい口調で叫び、反撃にと胸部の地獄と武器を共鳴させていく。
「切り裂いてやるぞ、ズタズタにぃぃ!!」
彼女は怨嗟に満ちた蠍座の力を引き出し、怒涛の連撃を目の前の相手に浴びせかけ始める。
「ル・クール・デュ・スコルピヨン!!」
カルディアは相手に対する憎悪を存分にぶつけていく。竜牙兵の鎧を破壊し、その骨のような身体を裂き、刻む。
さらに、ポニーテール状の髪に仕込んだ蠍針と合わせ、猛毒のようなグラビティを打ち込んだ。
目から光を失った竜牙兵。駆け巡る蠍の毒と斬撃の前に、意識を失い、二度と目覚めぬ眠りに付いていった。
ケルベロスの攻勢は続く。
もう1人、ジャマーとして大鎌を投げ飛ばす竜牙兵。
2本持ちに比べれば、その攻撃は比較的控え目だが、それでもケルベロスの盾役メンバーの間をすり抜け、後方メンバーの体を、服を切り裂いてくる。
ミレイも服を破かれ、むっとした顔を竜牙兵へと向けて。
「こう見えて負けず嫌い、だから」
ここぞと、彼女は大鎌での攻撃から、降魔の力を集めた拳を突きつけていく。
「斬り裂いても無駄なら、打撃を叩き込む」
連打を浴びせたミレイ。ついには、身体を破壊された竜牙兵は、完全に動きを止めてしまう。
「大鎌に注意を向きすぎ、だから不意を突かれる」
その屍に一言告げたミレイは、残る竜牙兵へと再び黒い刃を差し向けた。
残る竜牙兵は2体。確実に1本ずつ、その刃を砕いていくケルベロス。
効果的な一撃を与えるべく、ウルストラは後方から敵を観察しながら戦う。
2本の刃を活かし、前線で暴れる竜牙兵。
だが、数が減って敵の猛攻が収まってきてはいる。それを受け、ナノナノのイーヴがハート光線を放つ。
合わせて、ウルストラは魔力を込めた2本の鎖を操って。
「その頭、冷やしてあげるわ……、凍てつけ!」
彼女は鎖に凍てつく波動を纏わせ、一直線に飛ばした。
体の一部を凍りつかしたところへと、回復メインで動いていた耶花も仕掛ける。
理力を込めたフェアリーブーツでの一蹴。すかさず敵の凍った部分目掛けて星型のオーラを叩き込むと、そいつは叫び声を上げて倒れ行った。
カジテツは残る1体へと、伸ばした爪で引っかいていく。
葵依は最悪の事態を想定し、暴走も考えながら傷つく仲間に気力を撃ち出して行く。
ただ、敵の数も減り、月詠も回復の手が空いてブレスを吐き出している。葵依の想定は杞憂で済んだと言えるだろう。
「試して、みるか!?」
仲間に続けて、シャンツェリッゼは敵の至近距離へと飛び込む。その間に、彼女は重力魔法を詠唱し、右脚につけた蒼結晶へとグラビティ・チェインと共にチャージしていく。
「物理法則も通じない、拒絶の波を喰らえ!」
シャンツェリッゼはそれを一気に発動させ、3回転宙返りキックで竜牙兵の体を打ち上げる。
さらに、シャンツェリッゼは蒼結晶へとグラビティ・チェインなどと合わせて加速魔法をチャージして。ノイズを走らせながら白い残像を残し、かかと落としをそいつの脳天へと叩き込む。
頭上から亀裂を全身へと走らせた竜牙兵。そいつはカラカラと崩れ落ち、塵と化して行ったのだった。
●のんびりまったりと
竜牙兵を撃破したケルベロス達。
戦場となった温泉街へ、星太が桃色の快楽の霧を発する。
カルディアはボロボロになった地面に守護星座を描き、耶花は周辺を舞い踊って花びらのオーラを振り撒く。
ウルストラがさらにオーロラのような光を発していくと、街は幻想交じりにではあるが、元の姿を取り戻していく。
人の波が戻る温泉街で、ケルベロス達は戦いの疲れを癒すべく湯に浸かっていくことにする。
(「はぁ……癒される……」)
星太は1人、男湯でのんびりと湯船でゆったりとし、憩いの一時を過ごす。
垣根を隔てた女湯でもメンバー達はそれぞれのときを過ごす。
鈴音のみ、足湯だけで手軽に済ましていたようだが、他のメンバーは湯船へと入っていくようで。
「汚れをしっかり落として、……ってこら! ちゃんと身体を洗ってから湯船に入らないか!」
自身も温泉を楽しみにしていた葵依は、真っ先に湯船に向かおうとする仲間を嗜める。
身体を一通り洗ったメンバーはようやく、湯船へと腰を下ろして。
「はぁ、生き返るー……」
「ん、身体を動かした後の入浴は格別。わるくない」
カルディアは温泉で心の良い汗を流し始め、ミレイも静かにゆったりと湯を楽しむ。戦いの疲れが身にしみていくようだ。
ウルストラも文字通り黒い羽根を大きく伸ばし、くつろいでいた。
「ケルベロスとして飛び回るのは大変だけど、たまにはこういうご褒美があってもいいわよね……」
それに同意するシャンツェリッゼ。大自然の関わりを大切にする彼女も、湯船の中で身体を休めていた。
耶花は、仲間の選んだ温泉宿に感心していたようだ。
「なかなかいい景色ね。お酒の美味しいし」
先程、玉のお肌をゴリゴリと磨いていた耶花は美肌に湯をすり込みつつ、地酒を口にしていた。楽しむ為ならと散財を惜しまぬ彼女である。
「湯上りの一杯と、温泉卵なんかも楽しみだな」
肩の力を抜いて楽しんでいた葵依もその相伴に預かっていたが、本格的にはこの後に飲むつもりらしい。
温泉街を護りきったケルベロス達はしばらく、まったりとした一時を過ごすのだった。
作者:なちゅい |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年8月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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