プールのヴィーナス候補生と薄汚れた豚野郎

作者:飛翔優

●暑い夏、プールの夏
 身を焦がすほどの陽射しが世界を満たし、人々を建物の中へと追いやっていく七月の日。緑鮮やかな並木道を抜けた先にある女子高ではプールの授業が行われていた。
 ある者は涼を取るために、ある者は体を鍛えるために、ある者は心を癒やすために、ある者は友人とのかけがえのない時間を過ごすために、あるいはプールサイドにいながらも友人との談笑に勤しみ……キラキラとした想いを胸に、ヴィーナス候補生たる女性高校生たちは授業の終わりに設けられているフリータイムを堪能していた。
 影が差し始めたのは、はたしていつのことだっただろう。
 プールサイドにいた少女が、二十五メートルプールの中心を指差し声を上げていく。
 少女たちの視線が集中する先、水を押しのけ無数のオークが出現した。
 各所で悲鳴が上がる中、オークたちは無秩序に触手を伸ばしていく。
 己の欲望を満たすため、未来のヴィーナスたちを壊すため……。

●オーク討伐作戦
「そうなのですか……」
「……ええ、なのでこうして……っと」
 朝霧・紗奈江(カフェテラスオーナー・e00950)と会話していた黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は、足を運んできたケルベロスたちと挨拶を交わしていく。
 メンバーが揃ったことを確認した上で、説明を開始した。
「紗奈江さんの予想をもとに、オークたちが女性たちを略奪していく事件の発生を予知したっす」
 彼らは魔空回廊から多くの女性がいる場所に現れ、略奪しようとしているのだ。
「今回の発生場所は街中の女子高、道路沿いの一角にあるプールになるっすね」
 時間帯は十一時頃。ちょうどプールの授業が行われており、二十名ほどの生徒たちが二十五メートルプールで泳いでる。そんな中、プールの中心にオークたちは出現するのだ。
「本当なら避難させたいところっすけど……質の悪いことに、襲われる女性を避難させてしまうとオークたちが別の場所に出現してしまい、被害を防げなくなってしまうっす。だから、女性たちの避難はオークたちが出現してから行う必要があるっすよ」
 そして、女性たちの避難が完了していない場合、戦闘中にオークにいたずらをされてしまう場合がある。そのため、可能な限り避難させておく必要があるだろう。
「次に、戦場となるプールの詳細について説明するっすね」
 構造は五コースの二十五メートルプールを中心とし、それを囲うようにして広めのプールサイドが設けられている。校舎側にはシャワーや消毒槽、更衣室があり、道路側は金網フェンスと目隠し代わりの木々に囲まれている。
「そして、出現場所は二十五メートルの中心辺り。瞬く間にオークたちでひしめき合うことになり、何もなければプールサイドへと進軍してくると思うっすよ」
 一方、出現してすぐはプールサイドへは手が届かない可能性が高い。そのためプール内に残る女性たちを救助しつつ、プールサイドに避難を促す流れになるだろうか。
「また、逃げ場所はシャワーと消毒槽を通った先にある更衣室と、同じ方向にある校庭へとつながる小さな扉しかないっす。そのことも含めて作戦を立てて欲しいっすよ」
 続いて、オークの戦闘能力。
 個体数は二十体。総員同程度の力量であり、やや低め。数で押してくるタイプの敵だ。
 戦いにおいては攻撃特化型。
 相手を捕縛する触手締め、毒をもたらす触手溶解液、防具ごと切り裂く触手刺し、といった攻撃を仕掛けてくる。
「以上で説明を終了するっす」
 ダンテは資料をまとめ、締めくくった。
「オークたちの蛮行、決して許すことはできないっす。だからどうか、全力での行動をお願いするっすよ!」


参加者
グレイ・エイリアス(双子座のステラ・e00358)
朝霧・紗奈江(カフェテラスオーナー・e00950)
小山内・真奈(おばちゃんドワーフ・e02080)
古海・公子(化学の高校教師・e03253)
志穂崎・藍(蒼穹の巫女・e11953)
黒岩・りんご(禁断の果実・e28871)
巫・結弦(射貫きの弓手・e31686)
草薙・美珠(純白の退魔巫女・e33570)

■リプレイ

●女神候補生たちの休息と
 輝く水面に煌めく笑顔、負けることなく躍動し続ける水着姿の女子高校生。
 蝉の鳴き声さえも遠くに聞こえるプールサイドでは、古海・公子(化学の高校教師・e03253)が眩そうに少女たちを眺めている。
「改めて思うけど、今の生徒ってずいぶんスタイルが良いですねーっと、そこ、危ないからプールサイドからは飛び込まないようにしてくださいね」
 他校からの合同授業生徒たちを率いてきた教員……という体で、危ない行動には注意を飛ばしていく。
 時に本物の教員との会話にも興じる公子を横目に、小山内・真奈(おばちゃんドワーフ・e02080)は二十五メートルプールのスタート地点に設けられている飛び込み台に佇んでいた。
 腰に手を当て、どうだ! と言わんばかりに胸を張るその姿。
 四十代になってもこのプロポーション、女子高生といっても通じるやろ……とくもりのない笑顔を浮かべていたけれど……。
「わー、かわいー」
「こっちにおいでー」
 母性をくすぐられた少女たちが、第三レーンよりも向こう側に設けられているフリースペースで手招きしている。真奈はムッとした表情を浮かべたものの、後ろに回り込んでいた少女に両脇の下を捕まれ持ち上げられてしまっていた。
 楽しげなやり取りが喧騒に混じる中、日に焼けた褐色ボディを持つグレイ・エイリアス(双子座のステラ・e00358)はプールサイドに座りバスタオルを頭に被り、泳ぎ疲れて休んでいる生徒に扮している。
 女子高校生に扮するために水着を着てきたけれど、実年齢は二十一。
 きちんと装うことができているだろうか、バレてはいないだろうか。
 もっとも、幼いと思われても思うところはあるのだけれど……。
「……」
 心臓をはねさせバスタオルの隙間から仲間たちの様子をうかがっていく。
 皆、各々が定めた役目を遂行できている様子。
 草薙・美珠(純白の退魔巫女・e33570)などは明るく元気なグループに混じり、自分の水着を確認していた。
「それにしても、慌てて調達したこの水着、変じゃないでしょうか」
 細身な体を包んでいるのはスクール水着。ただし、腰回りなどの形状が異なり、色も純白という代物だ。
「おーけーおーけー! だいじょぶじょぶ、美珠ちんならイケてるって!」
「そうそう、美珠っちの学校ではそうだったんでしょ? だったらおかしくないない」
 一点の曇もない表情で受け入れていく少女たちに、笑顔で頷いていく美珠。
 この調子ならば大丈夫だろう、とグレイが視線を戻した時、空気がざわついた。
 バスタオルを取り払うと共に立ち上がり、表情をきりりと引き締める。
「オーク滅すべし、慈悲はないの精神でガンバルゾー!」
 赤い瞳で見つめる先、二十五メートルプールの中心に一体、二体と出現していくオークの群れ。
 その薄汚れた触手の魔の手から女子高校生たちを護るため、グレイは水着を脱ぐと同時にブラックスライムを服に擬態させながらプールの中へと飛び込んだ。
「オークなんかに絶対負けない!」
「こっちや! 捕まえられるもんなら捕まえてみ」
 真奈もまた驚き固まった女子高校生の手を振り払い、二十体にまで増えたオークたちのもとへ向かって泳いでいく。
 オークたちがグレイと真奈に向けて触手を伸ばしてきた。
 グレイがブラックスライムで弾く中、真奈は華麗に泳ぐ進路を変えて引きつける。
「……」
 息継ぎのついでにプールサイドへと視線を向ければ、志穂崎・藍(蒼穹の巫女・e11953)と巫・結弦(射貫きの弓手・e31686)らが避難誘導を行っていた。
「大丈夫、安心してください。ボクたちケルベロスがいますから、皆さん、慌てずに避難してください」
「押さない、かけない、喋らない、です。俺達がみなさんをお守りします。どうか落ち着いて」
 早めにケルベロスたちが動いたからだろう。女子高校生も教師たちも、驚いた様子を見せながらも滞りなく避難を行っていた。
 もっとも、全員が逃げ終わるまでには多少の時間がかかる。
 彼女たちに魔の手が向かわぬよう、全力でオークたちの気を惹き続けていこうか。

●護られた女神と立ち向かう戦士たち
「こういうときは、おかしも、ですよ! おさない、かけない、しゃべらない、もどらない!!」
 プール中に響く公子の声に導かれ、少女たちは逃げていく。
 その背中へと一体のオークが視線を向けたから、グレイはブラックスライムを解放した。
「見るなよ? こっち絶対に見るなよ!!」
 衣服代わりのブラックスライムがオークたちへと向かうのなら当然、日に焼けていない白き肌は白日のもとにさらされる。
 オークは瞳を輝かせ、数多の触手を向けてきた。
 短剣のようなゾディアックソードで打ち払いながら、グレイは声に焦りをにじませていく。
「こっちだけ触手多くない?」
「今のうちに……」
 一方、朝霧・紗奈江(カフェテラスオーナー・e00950)はプールに浮かんでいるビート板やコースロープフロートを足場に縦横無尽に飛び回った。
 水着に支えられてなお零れ落ちそうな豊かな果実が躍動し、パレオの隙間から覗かせている太ももはとても眩いもの。
「はいはーい、こっちも無視しないでくださいねー」
 視線を向けてきた瞬間に螺旋手裏剣を投げつけて、眉間の間を切り裂いた。
 かと思えば螺旋を放ち、水に浸かっているオークの首周りを凍てつかせた。
 少しずつ動きを鈍らせていくさまとは裏腹に自身の動きを加速させる中、コースロープフロートを踏んだ際にぐにゃりとした感触を覚えバランスを崩す。
「にゃっ!?」
 それはコースロープフロートに擬態したオークの触手。
 紗奈江は姿勢を整え直す間もなく触手に巻き込まれ、水の中へと引き込まれた。
「姉様!」
 プールサイドにおける紗奈江の着地点に近い場所で触手をさばいていた黒岩・りんご(禁断の果実・e28871)が、慌てて壁を足場に跳躍。
 紗奈江が引き込まれた場所へと飛び込み……。
「……!」
 にじり寄り、手刀で触手を切り落とす。
 そのまま体を抱え上げて水面顔を出す。
「ぷはっ……姉様、大丈夫ですか?!」
「う、うん。でも……」
 紗奈江が見回す先、下品な笑みを浮かべながら彼女たちを見つめているオークの群れ。
 何かを想像しているのだろう。待ちきれないとばかりに、触手の先端から白く濁った液体を滴らせる様も見せていた。
「……」
「……」
 二人は背を合わせ、死角を消した上でオークたちと相対する。
 直後、十本はゆうに超える触手の群れが襲いかかってきた。
 りんごが手刀で切り落とし、紗奈江が手裏剣で切り飛ばすも……。
「くっ、この……!」
「りんごちゃんっ!?」
 りんごが両腕を縛り上げられた。
 紗奈江も、りんごへと意識を向けた隙を突かれ両腕ごと拘束されてしまった。
 逃れんと身を捩る中、二人の体を白く濁った液体が汚していく。
 肌を滑り水着へと染み渡れば……。
「させません」
 一番手はもらったとばかりに二人の足元に二本の触手を伸ばしていたオークが、一本の矢に貫かれて昏倒した。
 何事かとオークたちが視線を向ける中、弓を構えてプールサイドに佇む結弦の姿。
 不敵に微笑めば、オークたちの注意も彼女に向く。
 力も少々弱まったか、素早くりんごと紗奈江が触手から抜け出した。
「!?」
「っ、でも、色々とされちゃうよりは……」
 白濁液によって溶かされていたのか、それとも触手に引っかかってしまったのか。
 自由を取り戻した二人の豊かな果実が、重力と水面の間に浮かんでいく。
 群れの中に戻る訳にはいかないから、二人は腕で隠したまま一旦プールサイド近くへと退避した。
 後は追わせぬと、結弦は牽制の矢を乱射する。
 先に結弦を落とすべきと考えたか、オークたちが本格的に体を向けてきた。
 望むところと新たな矢を番え、中心に立つオークに狙いを定め――。
「あんっ」
 ――背中を何かに撫でら矢を取り落とした。
 慌てて右側へと飛び退けば、左側を大回りする形で背後へと回り込んでいた触手が一本、今まで自分がいた場所に白濁液を吹きかけていて……。
「……」
 不機嫌そうに目を細めながら、結弦は新たな矢を番えていく。
 触手を辿り、主を見つけ、避けることを許さぬ矢を解き放つ。
 額を貫かれたオークが、プールに浮かんだ。
 そんな中、公子が避難完了の報告を伝えてきた。
 待っていましたとばかりに、真奈がプールサイドへと退避する。
「避難もすんだみたいやし、ここからが本番やで」
 手のひらに拳を打ち合わせ、オークたちを見据えていく。
 追いかけてくるオークに手をかざし、竜の幻影をぶっ放した。
 消えることのない炎がプールを照らし始めた時、本格的な戦いが開幕する……!

「根元から切り落としてあげますわ!」
 プールサイドから飛び出してきたオークの触手を、りんごの手刀が全て刈り取った。
 わかりやすい弱点さえも切り落とされ、そのオークは泡を吹きながら絶命する。
 守るべき者たちを守りきったケルベロスたちは、順調にオークたちを撃破していた。
 藍もまた明るく元気に御業の炎弾をぶっ放す!
 灼熱の炎に抱かれ、オークが濁った悲鳴を上げた。
「オークが鳴く悲鳴って、快感ニャ」
 明るい笑顔を浮かべながら瞳を蒼穹に輝かせ、そのオークを視線の槍で射抜いていく。
「鳴け、わめけ、命乞いするニャ」
 優位はケルベロスの側にあるからこそ、迷いなく攻撃を重ねていた。
 今もまた、一体のオークが炎に巻かれ――。
「ニャ!?」
 ――水面に揺らめき始めた陽炎に隠れ潜航してきた触手が、藍の体を捕まえた。
「ぷはっ、こ、この、なにを……っ!?」
 水中を経由し引き上げられる中、新たな触手になで上げられて身をすくませる。
 隙ありとばかりに一本、二本と触手が殺到し……。
「ちょ、ちょっと、どこを触ってるにゃ! ってそこは触らないで……」
 平均以上のサイズを持つ豊かな胸が服の上からでもわかるほどに様々な形に変わっていく。
「や、やめてそこは……ん、ああぁ、いいにゃぁ」
 少しずつ藍の体から力が抜け、吐息が湿ったものに変わっていく。
 さなかに滴る粘液が、少しずつ張りのある肌を暴いていく。
「ちょ、いや、だめ、脱げちゃう」
 気づいた頃には、もう遅い。
 すとんと水の中へと埋没し、頼りない布地だけが支えるしなやかな肉体が暴かれた。
 触手は残る砦に手を伸ばす。
 藍は自分を保つので精一杯という様子で身をよじった。
「だめ、何かきちゃうぅぅぅ」
「そこから先は許しません!」
 蹂躙されていく彼女を救うため、美珠は半透明の御業を解放し布地を取り去ろうとしていたオークを捕まえた。
 即座に触手を向けてくる。
 先端が膨らんでいくさまを見て、美珠はその場から飛び退った。
「溶解液は効きませんっ……と」
 別のオークが触手の先端を向けてきた。
 右へ、左へと飛び回り、美珠は華麗に回避する。
 さなかにも御業を解き放ち、お楽しみを邪魔し続け……。
「きゃっ」
 足元に迫っていた触手に気づかず、着地とともに巻き取られた。
 勢いのまま宙吊りにされ、両手足も拘束されてしまう。
 抵抗むなしく両腕も、両足も大きく開かされ、白きスクール水着が浮かび上がらせている発展途上のラインを露わにされてしまった。
「くっ……」
 頬を染めながら力を込めるも、触手を振りほどけず……。
「きゃっ」
 白濁液を浴び、水着は色を失っていく。
「やっ、見ないでっ」
 少しずつ全てが暴かれていく中、新たな触手が一本、二本と彼女ににじり寄り……。
「だめっ、ふぁああっ」
 力のままに蹂躙された美珠は瞳をうるませて……。

●数多の穢れを拭うには
 藍と美珠を襲っているオークたちの背中を、無数のブラックスライムが貫いた。
「ま、まだ、こっちにもいっぱいいるよ!」
 担い手たるグレイは褐色と白にわけられた肢体を輝かせながらオークたちの気を引いていく。
 また、二体ほど撃破したことも影響したのだろう。二人は触手から抜け出し、呼吸を乱しながらもプールサイドへの離脱を開始した。
 逃さぬとばかりに伸びる触手は、結弦の矢が水底へと縫いとめる。
「大丈夫、安心してください。もう、大丈夫です」
 彼女の言葉に導かれ、二人は安全圏内へと離脱した。
 公子は二人の体力を雷を用いて癒やす中、オークたちを睨みつけていく。
 色々と暴れてきたオークたちも、残る個体数は五体。二人が離脱した今、誰かが犠牲になるといったことはないだろう。
「さあ、皆さん。ラストスパートよ」
「わかりましたー!」
 雷に力を込める中、紗奈江が胸を庇いながら高く飛び上がる。
「桜の花のひとひら達は、風に舞う火の粉の様に舞い、やがて一つに集まり、そして、全てを焼き尽くさんとす……朝霧流螺旋忍術、桜花炎舞!」
 十本の指先から炎の弾を放ち、中心にいたオークを舞うかのような軌道で焼き尽くした。
 慌てて飛び退いた右側の個体の首は、真奈の炎の拳が切り飛ばす。
「刃の錆は刃より出でて刃を腐らす」
「……」
 さなかには顔を覆う白濁液を拭い去った藍が殺意の籠もった視線を向け、前方のオークを射殺した。
 戦慄したオークたちが慌てる様子を見せる中、その醜き体を灼熱の光が焼き照らす。
「……鏡よ、悪しき妖魔を灼き尽くし給え!」
 乱れる呼吸を整えながら操る美珠の輝きは、右側のオークを溶かし尽くした。
 一人残されることになったオークは唇を結び、四方八方に触手を――。
「出直ししなさい!!」
 ――広げられた触手すらも数多の印刷物が取り囲む。
 瞬く間も与えず赤い点が、赤い電信柱と赤いアヒルが噴出し、オークへと襲いかかっていく。
 担い手たる公子が力を収め、赤が消える頃……もう、その場所に動くオークはいない。
 安堵の息を吐き出すとともに、公子は仲間たちへと向き直った。
「無事……とはいいがたくとも、終わったね。怪我人は治療するからこっちに来なさい。無事な人は、後片付けを……」

 公子の指示の下、事後処理へと移行したケルベロスたち。
 プールサイドの亀裂を修復しながら、紗奈江は肩をすくめていく。
「この様子だと、直した後に、水を抜いて掃除しないといけなさそうですねー」
「せっかくなら遊んで行きたかったんですけどね」
 彼女と隣り合わせで修復を行っていたりんごが視線を向ける先、様々な液体で穢れたプールがある。影響を拭い去るには二日はかかるだろう。
 もっとも……と、結弦は更衣室の方角へと視線を向けた。
「ですが、シャワーは無事なはず……このぬるぬるは流していきたいです……」
 戦う際、避けても避けきれなかったオークの体液。拭い去り無事な姿を見せることも、少女たちを安心させることにつながることだろう。
 幸い、彼女たちへの被害はない。全ての影響が消えた頃には再び、未来のヴィーナス候補生として、自分を磨き続けてくれることだろう。

作者:飛翔優 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年7月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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