螺旋忍軍大戦強襲~屍の徒

作者:志羽

●螺旋忍軍大戦強襲
「ケルベロスさんたち、智龍との戦い、お疲れ様ー、のところでまた戦いに行ってもらわないといけないんだけど」
 螺旋帝の血族・緋紗雨を智龍ゲドムガサラから守り切った事により、螺旋忍軍の『彷徨えるゲート』が出現する場所が判明したのだと夜浪・イチ(蘇芳のヘリオライダー・en0047)は紡ぐ。
 これで螺旋忍軍との決戦が行えるだろう、と。
 けれど、正義のケルベロス忍軍から螺旋忍法帖を奪取し、螺旋帝の血族『亜紗斬』を捕縛した『最上忍軍』が、大きな障害になろうとしていると言葉続く。
「最上忍軍は、螺旋帝の血族・イグニスから新たな命令を受け、各勢力に潜入していた螺旋忍軍達を利用して『螺旋忍軍のゲートが現れる地点に戦力を集結』させようとしてるんだよね」
 ダモクレスからは『載霊機ドレッドノートの戦い』の残党勢力。
 エインヘリアルからは、ザイフリートやイグニスの後釜を狙う王子とその私兵団。
 更に、各勢力が研究していた屍隷兵の中で、戦闘力の高い者達を集めた軍勢。
「どうやらこれらは、螺旋忍軍から偽情報を掴まされているみたいなんだよね」
 たとえば、とイチが言うのは『魔竜王の遺産である、強大なグラビティ・チェインの塊が発見された』『このグラビティ・チェインを得る事ができれば、巨大な功績になる』『この事実を知ったケルベロスの襲撃が予測されている』といった所と。
 また『魔竜王の遺産は独占が望ましいが、複数の勢力が参戦してくる事が予測されている為、敵に漁夫の利を与えない為の立ち回りが重要である』と説明されており、デウスエクス同士では戦端を開かずに牽制しあうように仕向けられている様子。
「それで、イグニスとドラゴン勢力は、集めた戦力を『ゲートから戦力を送り込むまでの防衛戦力』として利用しようとしてるみたいで」
 さすがにこれはケルベロスウォーを発動しない限り、集結する軍勢を全て撃破する事は不可能。
 しかし、行軍中の軍勢を襲撃して、主だった指揮官を撃破する事ができれば、敵勢力を弱体化させることができる筈だとイチは言って、危険な任務だけどお願いするよと続けた。
●強襲
 皆にお願いしたいのは屍隷兵相手の戦いとイチは言う。
 屍隷兵は、紀伊山地の三重県側の大台ケ原山を通って進軍してくるので、山地でのゲリラ戦になる。
 螺旋忍軍を通じて屍隷兵の情報を得たデウスエクス達は、それぞれ強力な力を持つ屍隷兵の研究を行っていた様子。
 この屍隷兵の運用については、螺旋忍軍を利用していたらしく、最上忍軍は、各勢力の螺旋忍軍を通じて、戦闘力の高い屍隷兵を集めて軍団を結成したようなのだとイチは言う。
「この屍隷兵の軍団を率いるのは、最上忍軍の指揮官の一人である『詠み謳う煌然たる朱き社』で、量産型である『量産強化型屍隷兵』と『嘆きのマリア達』を主力にしつつ戦闘力の高いものが集ってる」
 それは合成獣兵01『キマイラ』、合成獣兵02『マンティコア』、合成獣兵03『グリフィン』、合成獣04『ピッポグリフ』、コカトリス、ラヴァプラーミアゴーレム、アゲートファング、キュクロプス、汚染戦乙女『ケガレたヴァルキュリア』、人竜ヒルクライデス、トラックダウンといった高スペックの屍隷兵のようだ。
「量産型の屍隷兵はともかく、戦闘力の高い屍隷兵は通常のデウスエクスに勝るとも劣らない戦力なんだよね。もしイグニスが手に入れたら、屍隷兵の研究が飛躍的に進んでより強力な屍隷兵が次々と生み出される可能性もでてくる」
 それを阻止す蔦目にも可能な限り撃破をお願いしたいとイチは続けた。
「ここで戦力を削る事が出来なければ状況は悪化してしまうかもしれない。ケルベロスさん達は続けていろんな戦いに赴いてもらってるんだけど、今回もよろしくね」
 無事に帰ってくるのを待っているよと、イチはケルベロス達を送り出した。


参加者
ヒルダガルデ・ヴィッダー(弑逆のブリュンヒルデ・e00020)
シル・ウィンディア(蒼風の精霊術士・e00695)
揚・藍月(青龍・e04638)
月霜・いづな(まっしぐら・e10015)
四方・千里(妖刀憑きの少女・e11129)
時雨・乱舞(純情でサイボーグな忍者・e21095)
テト・アルカマル(死者の翼・e32515)
土門・キッス(爆乳天女・e36524)

■リプレイ

●戦端
 戦いが行われるのは山地。
 それぞれ木々に紛れる色合いを纏い、敵の進路上に目立たぬ様工夫して潜み、現れるのを待つ。
 周囲を警戒しつつテト・アルカマル(死者の翼・e32515)はふと思う。
(「……迷彩とか用意しましたが、もしや動物変身の方が目立たないのでは」)
 けれどここはいつどこで敵と遭遇し戦いが起こるかわからない場所。
 敵の姿はまだ捕らえられておらず、ヒルダガルデ・ヴィッダー(弑逆のブリュンヒルデ・e00020)は口の端を上げて敵もうまく動いてるのかねぇと零し、ヒルダガルデは瞳を細めた。
 視界の端に何か、動くものがいる。
 そう、皆へ視線で示した先にいたのは――汚染戦乙女『ケガレたヴァルキュリア』だ。
 その姿に覚えがある。揚・藍月(青龍・e04638)は傍らで身を震えさせたボクスドラゴン、紅龍を撫で落ち着かせる。
「怖いか紅龍……あれが……『ケガレ』の存在を感じるのが」
 だが、引くわけにはいかないよと紡ぎ、藍月は戦乙女を改めて見詰めた。そして虚ろな瞳だなと零す。
 あちらはゆっくりと進んでおり、まだこちらには気づいていない。
 その様を土門・キッス(爆乳天女・e36524)は悲し気に見ていた。
 しかし、そこに居るのは戦乙女だけではなかった。
 戦乙女の背後に動くものを月霜・いづな(まっしぐら・e10015)は見止め、それを数える。
「量産強化型屍隷兵が五体おります」
 戦乙女は命令など出している様子は見えない。しかし、その後ろに付かず離れずの距離で続いている姿は不気味でもある。
「屍隷兵の製造技術……ハクロウキを潰しても拡散を止められなかったんだね……」
 四方・千里(妖刀憑きの少女・e11129)は後方からその姿を目に瞳眇める。
 今は隠密気流で敵に気付かれず、敵の姿を確認できた。それは潜む工夫も相まって思惑通り。
 しかし、気取られずに接敵する事は難しい。
 周囲の木々は動けば音が立ち、相手に気付かれず仕掛けるというのは無理な場所だったのだ。
 戦闘を仕掛けた瞬間、敵もすぐさま応戦してくると思われ奇襲は叶いそうにない。
 だが周囲に他の、戦闘力が高いと事前に知らされた敵の姿は無い。強敵が一体だけであれば勝機はある。
「今しかないね」
 シル・ウィンディア(蒼風の精霊術士・e00695)はそっと、プロミスリングを撫でる。その左手にある指輪は恋人とかわしたものだ。
「……大丈夫、ちゃんと帰るから。だから、行ってくるねっ!」
 口元にそのリングを寄せシルは囁くように零し、シルは顔をあげる。
「負けられませんね……」
 この先にあるのはケルベロス・ウォー。その時の為にもと時雨・乱舞(純情でサイボーグな忍者・e21095)は思う。
 それぞれ戦いの準備は出来ている。
 戦乙女がこちらに近づき、そしてふと足を止めた瞬間、戦端は切られた。

●ケガレたヴァルキュリア
 戦いを仕掛ける。その瞬間、戦乙女と五体の屍隷兵はすぐにケルベロス達へと向かってきた。
「あれは……いてはいけない……そして……ケガレを宿した彼女もね」
 あれというのは、宿敵の事。その姿がふと思い描かれるが、今は目の前の戦乙女に対するのが先だと藍月は意識を切り替える。
 藍月はまず仲間の援護と、爆風を起し戦いを鼓舞。
「屍兵の研究なんかつぶしてやるんだからっ!」
 前へ出てくる屍隷兵の姿を目にしたシルは怒りをあらわにしつつ気合いをいれ、精霊魔法を紡ぐ。
 招来するのは吹雪の形をした精霊。精霊のその身が向かい来る敵の身に氷結を纏わせ動きを貶める。
「そう上手くはいかないねぇ」
 奇襲をかけられていれれば、と思いつつヒルダガルデも先ずは取り巻きである屍隷兵を狙う。
 地獄の炎を纏う右脚で地を踏みしめる。二足で詰めた距離、そのまま脚を振り上げ屍隷兵へと蹴りを放つ。
「邪魔だなぁ、失せ給えよ」
 屍隷兵の細い身体がその衝撃に揺らめいた。
 その、攻撃の合間にできた空間から千里は身を滑らせるように走り、戦乙女へと肉薄する。
 電光石火、敵を貫くような蹴りを放てばその重さに戦乙女の動きは鈍った。
「もう――あの方たちときたらどろぼうばっかり、ばちがひつようですわ!」
 このまま、この戦乙女が集えば敵方の屍隷兵の研究もまた進んでしまう。
「つづら、つづら! みせておあげなさい!」
 背中から飛び降りたミミックのつづらはすばしっこく動き回り敵をほんろうするように動く。
 その調子ですといづな頷きつつ、改めて戦乙女へ意識を向け、ここでとめるのですとその力を振るう。
 巫術士としての力、御業を呼び出せばその腕は伸び敵を鷲掴みに。
「ばんけんに、かぎつけられぬあくなど、ございませんわ」
 いづなからの攻撃、その御業の腕から抜け出した戦乙女は手にした槍をくるりと回し、その勢いを載せて突きを放つ。
 しかしその一撃は藍月がその身を以って受けた。
 藍月の身に走るしびれ。それは動きの精度を貶める一端になる。
 テトは素早く今必要なことを判断し、Dorothyの踵鳴らして踊りながら、回復することを皆へ伝える。
 仲間を癒やす花びらのオーラをテトが生み出し、仲間の上へと降り注ぐ。その身に受けた阻害は取り払われ、体力もまた少し回復してゆく。
 まだ、戦い始めたばかり。万全の状態を保てるならそれが良い。
 その回復の合間にも戦いは動いている。
「量産型対応に移行しますが、倒しちゃってもいいんですよね?」
 そう言って乱舞は構えた右腕から大量のミサイルを放った。
 屍隷兵と、戦乙女の上に振り注ぐかのように落ちるミサイル。
 あわせてライドキャリバーのシラヌイが前列に向けて攻撃を仕掛ける。
「ひっく……ぐすっ……ヴァルキュリアさん……死んじゃ嫌……女の子なのに……可愛いのに……」
 その間にキッスもまた仲間達へと癒しの力を向けていた。
 屍隷兵達は目の前の、前列へと向けて攻撃を仕掛けて来る。戦乙女からの攻撃もほとんどが前列に向けてのものだ。
 しかしその攻撃も守りに徹するサーヴァント達が代わりに引き受け、そして与えた阻害で敵方の思うままの状況にはなっていない。
 戦いはケルベロスに優位になろうとしていた。

●戦乙女への手向け
 戦いの展開は早い。
 取り巻きの屍隷兵は倒してもしばらくすれば増援がくる。倒し切って戦乙女唯一という状況が続けば優位は確実なものになるが、また現れるのであれば何がどう転ぶかわからない。この状況で継続して現れるような相手をする事に利もないのだ。
 屍隷兵からの攻撃は前列へと集中する。仲間の削られた体力をキッスは複数纏めて癒すべく、時折グラビティを変えつつ行っていた。
「すこし動かないでいてくれると助かるんだけど」
 今は回復の必要はないとテトは牽制もかねて己のみが扱える技を屍隷兵達へと見舞う。
 盗掘者たちの間で囁かれる原因不明の病――それは化石樹の根を媒体として使用する石化毒のグラビティ。
 テトが与えた石化毒により目に見えて、敵動きが衰えた。
 そういった阻害を与えつつ、狙いの中心は戦乙女。
「火よ、水よ、風よ、大地よ……」
 シルは呼びかけるように紡ぎつつ狙いを定める。属性エネルギーを一点に収束させ高威力の砲撃エネルギーをその手に集わせていた。
「混じりて力となり、目の前の障害を撃ち砕けっ!!」
 紡ぎ終わると共に放たれる一矢。さらに描かれる追加術式。それと共に、シルの背に二対の光の翼が閃きもう一撃二撃とその力の奔流が戦乙女を穿つ。
 その一撃に、初めて戦乙女がぐらついた。
 戦乙女の表情は変わらない。余裕がまだあるかのように見えていたが、確実にダメージは募っていたのだ。
「逃げようなんて無駄……絶対に殺す」
 千里は妖刀”千鬼”を振るう。敵の魂を欲しがっているが、駄目と言う。
 戦っている相手、この戦乙女は自らと因縁のある敵ではない。絡まった因縁があるのならそれを解くのは当事者であるべき。
 今ここにいるのはその手助けをする時でもあるのだ。
 だから駄目と、千里にのみ聞こえる千鬼の声に返答し、言い聞かせるようにしながら刃状の反発し合う重力エネルギー塊を放出した。
 その刃状の波が途切れた瞬間に踏み込む影ひとつ。
「すまんが、手加減は一切無しだ」
 悪く思わんでくれよ、と紡ぐ後にもうその心もなかったかとヒルダガルデは思いながら聖なる左手で引き寄せ、漆黒纏う右手を握り込み戦乙女へと打ち込む。
 その感覚は重い。深い一撃が入ったその感覚を拳に感じたままヒルダガルデが一歩下がれば、乱舞が接する。
「あなたを救うには……これしかないんです」
 乱舞の表情に色はない。その心には戦乙女に対する同情があり、紡いだ言葉はその表れでもあった。
「さあ、我が幻影達よ……踊りなさい!!」
 接敵し印を結べば乱舞と同じ姿の、無数の影分身が生まれる。
 咄嗟の事にどれが本体かと戦乙女はすべて払うように薙いだ。しかしそれは幻影。
 戦乙女を翻弄しつつ、乱舞は攻撃を繰り出す。
 攻撃の先を、戦乙女に絞ったことにより敵の消耗の速度もあがる。
 ただ戦い、そして相手を殺しエインヘリアル――ではなく屍隷兵とする。その意思は汚染によって植え付けられたものなのだろう。
 それを達成する為、崩れかけた羽根を、そして自らの傷など顧みる事なく戦乙女は攻撃にその身を捧げる。
 それは見るからに痛々しい姿だ。
 屍隷兵が襲い来るのを紅龍が攻撃引き受け、その間に藍月は攻撃の一動を完成させる。
「八卦炉招来! 急急如律令! 行くぞ紅龍! 今こそ俺達の力を見せる時だ!」
 終わりを迎えるべき戦乙女へ藍月は符を展開し結界で閉じ込めた。そして炎弾が数十発撃ち込まれる。
 超高温の炎、そして爆砕が結界内で起こり戦乙女は響かぬ悲鳴を上げた。
 痛みに対しての叫びではなく、己が使命を全うするための叫び。
 戦乙女は手にしていた槍を頭上へと投擲すればそれは分裂し、雷のように、雨のように後列へと振り落ちた。
 可能な限り、守りに徹していたサーヴァントも藍月も動いた。けれど完全に防ぎきることはできず、いづなと千里は致命傷ではないが深い傷を負う。
 援護するとすぐさま動けそうないづなにテトは伝え、満月に似たエネルギー光球をぶつけた。
 それは傷を癒すとともに、凶暴性を高めるもの。
 テトはそろそろ終わりにしてよとその力を託す。
 そして託されたいづなはすべきことをちゃんと知っている。
「おおかみさま――これなるものに、さばきを!」
 高らかな柏手ふたつ響く。それに喚ばれるはいづなが奉る神の護り手たる雌雄二頭の子狼。
「いざや共に参らむ、昼ひなかの天座す霜と呼ばれしや、清き宮の護り部よ。月の姫、月の彦、しろがねの爪牙打ち鳴らせ!」
 いづなが示すと地を蹴り一陣の銀風となり戦乙女を切り裂き走る。
 その攻撃に戦乙女の身は大きく揺らぎ、戦乙女との間に入り攻撃向ける屍隷兵。しかしつづらが攻撃に攻撃を返し相殺する。
 さらに屍隷兵を邪魔とばかりにヒルダガルデが急所穿つ蹴りを喰らわせ打ち倒す。
 そしてまた、戦乙女も限界に達しその場へ崩れ落ちた。

●撤退
 戦乙女は崩れ落ち、その身は粒子になって消えていく。
「どうにかなったか……であれば、此処はさっさと撤退しよう」
 こいつらは倒してもキリがないと攻撃仕掛けてくる屍隷兵をその獣腕でいなしヒルダガルデは直撃を避ける。
 彼女が浮かべる笑みはお前達では踊り続ける相手に値しないと、そう言っているようでもあった。
「残った屍隷兵、一気に倒しちゃおう!」
 シルはその拳をぐっと握り、降魔の一撃を放つ。その一撃で屍隷兵から体力を吸い上げシルは自分の力ともする。
 屍隷兵だけ、一気に攻撃をかけ倒し終われば、あとは撤退するのみ。
 ここに居ては新たな敵がまたやってくるはずだからだ。
「つづら!」
 その声につづらはぴゃっとすばやくいづなの背中へ。
 そして撤退すべく動く。その刹那、ふといづなは思う。
「……みなさま、どうぞ、ごぶじで」
 しんじております、どうかといづなは零す。
「こっちです」
 事前に可能な限り地理を頭に入れてきたテトは複数ある退路から一つ選び、その方向を千里に示した。
 やるべきことは終わったことは間違いない。皆が進みやすいように千里は先を行く。
 戦乙女の身があれば弔ったのであろうが、それもできはしない。
 千里自身には、戦乙女に向ける言葉はあったとしても今は紡ぐべきものではなかったのだから。
 乱舞もまた思うところはあるがシラヌイを引き連れ離脱する。
 ごめんなさいとキッスは泣きつつ、その場を離れる。しかしまだ敵との遭遇の可能性もゼロではない場所にいる。
 大声で泣くことは憚られた。
「もう、ゆっくり休んでね」
 戦乙女が果てて消えた場所にふと視線送り、シルも一歩二歩と、進む速度を上げていく。
 倒した戦乙女へと向け、藍月はすまないと零した。
「貴殿を止めるにはこの方法しかなかった……その魂もケガレから解放しよう」
 藍月の宿敵により汚染された戦乙女は、今やっと眠りに落ちたのだ。
「紅龍……行くぞ」
 冥福を祈るように一度瞳を伏せ、その身を翻した。
 新たな屍隷兵に追われる前に戦線から離脱する。
 ここでやるべきことを為したケルベロス達は次の戦いへと向けこの場を離れたのだった。

作者:志羽 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年7月21日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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