鎌倉ハロウィンパーティー~今年のハロウィンは土曜日

作者:さわま


「ふう、今日も疲れた……」
 仕事帰りの男が疲れきった顔でとぼとぼと街角を歩いている。
「サービス残業に休日出勤……はぁ」
 男は少々ブラックな企業に勤めていてここ数ヶ月の間休みらしい休みを取っていない。
「――今月末は鎌倉でケルベロスハロウィンが開かれますね」
 ふと男が振り向くと街頭テレビのニュースが目に入る。
「今年のハロウィンは土曜日で学校も会社もお休みですから、家族やお友達と楽しくハロウィンパーティをするのも良いかもしれませんね」
 テレビの中で楽しそうに笑うアナウンサー。
「うわぁあああああああああ!」
 その時、男の中で溜まりに溜まっていた感情が爆発した。
「こちとら土曜日も朝から夜中まで仕事だっつーの! 土曜日に仕事休んでハロウィンパーティ参加してみてぇえええ! というか土曜日休みの奴らが羨ましいぃいいいい!!」
 男が夜空に向かってほえる。
「それが……あなたの夢ですか?」
 突然背中からかかった声に男が振り向く。そこには赤い頭巾を被り、胸のあたりに奇妙なモザイクのかかった少女がいる。
 大きな鍵のようなものを取り出した少女は驚く男の胸をその鍵でひと突きする。
「ハロウィンパーティーに参加したい……ですか。その夢、かなえてあげましょう。世界で一番楽しいパーティーに参加して、その心の欠損を埋めるのです」
 そういって少女が男から鍵を引きぬくと、男は意識を失いその場にバタリと倒れる。
 そして少女……ドリームイーターが男から奪ったドリームエナジーが奇妙なお化けに変化していく。
 子どもがカボチャの頭にスーツ姿の仮装をしたような外見のお化け。しかし肌の露出した部分は全てモザイクで覆われている。
 そのお化けは楽しそうにぴょんぴょんと跳ねるとやがてどこかへと去っていった。
 

「みなさんいつもお仕事お疲れ様っす!」
 ヘリオライダーの黒瀬・ダンテが集まったケルベロスにぺこりと頭を下げる。
「新たなドリームイーターの出現がわかったす!」
 これは藤咲・うるる(サニーガール・e00086)さんの調査により判明したものらしいとダンテは付け加える。
「今回出現したドリームイーターはハロウィンに対する劣等感から生み出されたものらしいっす」
 それも1体だけではなくかなりの数が出現しているようだ。
「このハロウィンドリームイーターはハロウィン当日に一斉に動き出すんすよ。世界で最も盛り上がるハロウィン会場に出現して人びとを襲うっす」
「世界で最も盛り上がるハロウィン会場といえば鎌倉のケルベロスハロウィンの会場で間違いないっす!」
 ハロウィン当日、鎌倉には世界中から沢山の見物客が押し寄せる事になるだろう。
 彼らをドリームイーターの餌食にするわけにはいかない。
「ハロウィンパーティが始まる前にハロウィンドリームイーターをやっつけてくださいっす!」
 
「ハロウィンドリームイーターはハロウィンパーティが始まると同時にあらわれるっす。だから本当のパーティが始まるより先にあたかも『ハロウィンパーティが始まったような雰囲気』が出せればおびき出せるっす」
 ……ハロウィンパーティが始まったような雰囲気。
 例えば本当に仮装をして楽しく街中を練り歩く。もしくはお菓子や料理を用意して本当のパーティを開いてしまってもいいかもしれない。
 そのやり方はケルベロス達に任せるとダンテは言う。
「あと、これは今回みなさんに相手をしてもらうハロウィンドリームイーターにいえる特徴なんすけど『土曜日休み』という話題に強く反応するっす!」
 今年のハロウィンは土曜日だ。休みで良かったという人もいるだろうし、土曜日だからって休みなわけじゃない人だっていることだらう。
 そういった話題になぜか反応するらしい。
「ハロウィン当日を楽しみにしてる人も多いと思うっす。ドリームイーターを退治して楽しいハロウィンにしましょうっす!」


参加者
鉋原・ヒノト(駆炎陣・e00023)
星川・エリー(迷える金羊・e00076)
ヴィンチェンツォ・ドール(ダブルファング・e01128)
花喰・香鹿(標星の宿り木・e01575)
安倍・麻里亞(竟・e03271)
ミレィ・ミィ(可愛いものスキーなコタツムリ・e06463)
花露・梅(はなすい・e11172)
花守・すみれ(蒼の花舞・e15052)

■リプレイ


「トリックオアトリートです!」
 ちっちゃなオバケシーツが弾んだ声で星川・エリー(迷える金羊・e00076)の前にワッとあらわれる。
「あら元気なオバケですこと。そのおいしそうな血を頂けるのかしら」
 黒と赤紫のドレスにハイヒール姿で、妖艶な女吸血鬼になりきったエリーはオバケシーツにフフフと微笑む。
 するとシーツの中からひえっという声があがり、花露・梅(はなすい・e11172)があわてて顔を出す。
「わたくしの血は飲んでも美味しくないです!」
 頭のもこもこ帽子にぎゅっと手をやり、にこにこ微笑んだままのエリーをおろおろと上目づかいに見る。
「ふふ、どうしようかしら――」
「邪悪なる女吸血鬼よ、主の十字架の裁きを受けなさい!」
 シスター服姿の安倍・麻里亞(竟・e03271)がエリーの前に立ち、芝居がかった動きで十字架をビシッと突き出す。
「うわー、やーらーれーたー」
 オーバーにのけぞりおどけるエリー。
 と、そのエリーの後ろから、大きな角に翼をつけたもこもこ羊悪魔の花喰・香鹿(標星の宿り木・e01575)がひょっこりあらわれる。
「お菓子、くれないと、悪戯、するよ」
 手に持った籠いっぱいの花びらをぶわっと空中にばらまく。
 ヒラヒラと舞う花びらがエリーと麻里亞、梅の3人に降り注ぐ。
「きゃっ。綺麗ね、ふふっ」
「あン。色々なお花の花びらがあるのネ」
「うわぁっ。シーツの血のりに花びらがくっついちゃいました」
 みんなを怖がらせようとシーツにつけた血のりにぺったり花びらがついて取れなくなってしまったのを梅が困ったような顔で見る。
 そんな花びらに彩られた愛らしいオバケに、3人は顔を見合わせクスリと笑った。

 とある大通りに面したレストランのオープンテラス。
 オレンジと黒のハロウィンカラーのクロスの掛けられた大きなテーブルに次々と料理や飲み物が並べられていく。
「みんな、料理の準備ができたよー」
 ハロウィンオレンジのメイド服に、普段はしまっているサキュバスの角・羽・尻尾を出した花守・すみれ(蒼の花舞・e15052)が料理をテーブルに置く。
「あっ、いなり寿司もある!」
 自前の狐耳と尻尾に神社の神職の仮装をした鉋原・ヒノト(駆炎陣・e00023)が好物を前に思わず手を伸ばしそうになり、ハッと手を引っ込める。
「今日は作法など気にするな。好きに食べるといい」
 マントに付け八重歯でドラキュラの仮装のヴィンチェンツォ・ドール(ダブルファング・e01128)がヒノトの前にいなり寿司の皿を持っていってやる。
「そうですよぅ。こんなにいっぱいご馳走があるんですからぁ。大丈夫、大丈夫」
 ふたりの隣でカボチャ頭が手に持った取り皿に片っ端から料理を入れていく。
 そして料理をフォークで口に運ぼうとした所で頭のカボチャが邪魔をする事に気づきスポンとそのかぶり物を脱ぐ。
 中から顔を出したのはご馳走を前に幸せそうなミレィ・ミィ(可愛いものスキーなコタツムリ・e06463)。
「いただきますぅ」
 というとさっそくパクムシャもぐもぐ料理を食べていく。
「……そういうことだ。バンビーノが遠慮をする事はない」
 ヴィンチェンツォの言葉にヒノトはおずおずといなり寿司に手を伸ばす。
 そしていなり寿司を口にすると嬉しそうに目を細め頭の狐耳がピコピコと動く。
 その姿に昔の弟達の面影を重ね。ヴィンチェンツォは思わず微笑んだ。


「これって……すみれの花びら?」
 まるい箱に詰まった青い花びらの砂糖漬けを前にすみれが香鹿に問いかける。
「そう。これ、甘くて、すみれの花の味がして、美味しい」
 香鹿が持ち寄った『blue』というすみれの砂糖漬け。その青い一欠片を口にいれる。
 口の中に優しい甘さと花の香りが広がり、幸せな気分にひたるすみれ。
「すみれがすみれを食べるってなんか面白いな」
 砂糖漬けを紅茶に入れて飲んでいたヒノトがすみれをじっと見る。
「あはは、そんなじっと見られるとなんだか恥ずかしいよ。えっと、香鹿さんもね」
 ヒノトと同じくこちらをぼうっと見つめていた香鹿にすみれは苦笑いをする。
「すみれの角、見ていたの。大きな角、憧れる」
「ええっ!? 角!?」
 予想外の香鹿の言葉に驚くすみれ。香鹿の様子から冗談でいっているのでは無いのが分かるがだからこそ余計に混乱してしまう。
「そっか、香鹿は鹿のウェアライダーだもんな。俺も大きな耳には憧れるぜ」
 頭のこじんまりとした狐耳をさわってヒノトがうなずく。
「うん。大きな角、格好良い」
 ふたりのウェアライダーの言葉に新鮮な驚きを受けるすみれだった。

 みんなで歓談しつつ、料理や持ち寄ったお菓子を食べるケルベロスたち。
「この辺のお皿、片付けるわネ」
 麻里亞が空になった料理の皿を手際よく重ねていく。
 するとそれを見たオバケシーツの梅も麻里亞を手伝おうと勢いよく立ち上がる。
「わたくしもお手伝いを――、わあっ!?」
 シーツの裾を踏んでしまい思わずバランスを崩す梅。
 とっさにエリーが梅を支える。その手に軽い身体の重みと、こども特有の高い体温の温かみが伝わる。
「梅ちゃん、大丈夫?」
 エリーが優しく声をかける。
「エリー様、ありがとうございます!」
 にっこり答えて麻里亞のもとにかけていく梅を見て、また転んだりしないかしらと心配になってしまう。
「そうだわ。ビウムくん、梅ちゃんのフォローをしてあげて」
 エリーは自分のサーヴァントのテレビウムを呼ぶと梅の方に送りだす。
 ビウムくんのフォローで元気にお手伝いをする梅になんだか妹ができたみたいとエリーはクスリと笑った。

「今年はハロウィンが土曜日でよかったワ。明日は教会にいけるもの」
 嬉しそうな麻里亞にワインを嗜んでいたヴィンチェンツォがそういえばと話しかける。
「そうかジャポネではOgnissanti(万聖節)は祝日ではないんだったな」
 ヴィンチェンツォの故郷のイタリアなどカトリック教圏では11月1日を万聖節と定め祝日にしてお祝いをする国が多い。
「みんなが集まれる日にハロウィンと万聖節が重なって良かったな。土曜日曜は大抵の人間が休日だろう」
 そういってまた一口ワインを飲む。
「土曜から連続でパーティですか最高ですぅ!」
 顔を赤くしたミレィが突然大きな声をあげる。
「それにしてもこのジュース、とっても美味しくって何杯でも飲めてしまいまふぅ!」
 そういったかと思うとバタンとテーブルに突っ伏すミレィ。
 彼女のテーブルの周りには空のワインの瓶が数本転がっていた。


「お、おい大丈夫か?」
 テーブルに突っ伏したミレィにヒノトが心配そうに声をかける。
 その時――
「トリックオアトリート!」
 ミレィに注目していたケルベロスたちの後ろから子どもの声がする。
 ふりむくとそこにはカボチャ頭にスーツの仮装をしたドリームイーターが。
 武器を構えるケルベロスたち。
「ハッピーハロウィン、カボチャくんっ!」
「歓迎しようじゃないか、熱烈にな」
 素早く符を構えたすみれが「顕現!」と符を弾き、ヴィンチェンツォがドリームイーターに接近する。
 すみれの符が風に舞う花びらのように襲いかかり、ヴィンチェンツォが至近距離で二丁拳銃から鉛玉を叩き込む。
 それらがドリームイーターを捉えた次の瞬間。
 その身体からパンパンパンとクラッカーの音がして紙テープが吹き出す。
 さらにプシューッと色とりどりの煙が噴出してケルベロスたちの視界をおおう。
「トリート!」
 煙の中、背後から突然ドリームイーターの声がして驚く麻里亞。
 麻里亞のシスター服のスカートの裾が背後から全開にまくりあげられる。
「きゃあっ」
 次第に薄れる煙の中、梅が麻里亞の悲鳴に状況を理解する。
「麻里亞様をお守りいたします!」
 オバケシーツ姿の梅。麻里亞の周囲に同じくシーツ姿の自身の分身を3体出現させる。
 分身シーツたちは麻里亞の周りで互いに手をとり大きく広げ、煙が完全に晴れるより早く麻里亞のスカートの中が仲間に見えないようにガードする。
「えっちな悪戯は、めっ、だよ」
「いくぜドリームイーター!」
 モコモコ悪魔の香鹿と狐神官のヒノトがファミリアロッドを構え呪文の詠唱を始める。
 香鹿の杖の先にキラキラとした光が集まり、ヒノトの杖からは炎が舞いあがり、2人は空中に光と炎で大きな魔法陣を描く。
「「トリックオアトリート!」」
 完成した魔法陣から色とりどりの光線と炎のカボチャがドリームイーターに向かいパアッと放たれる。
 光線を受けたドリームイーターはビリビリと痺れ、さらに炎のカボチャに噛みつかれ黒焦げになってその場に倒れる。
 再びドリームイーターから巻き起こるパンという音と紙ふぶきに爆発。
 そしてまた別の場所に現れるドリームイーター。
 ケルベロスたちに向かいゲラゲラと笑い声をまち散らした。


 周囲をぴょんぴょんと跳ねるドリームイーターに、それぞれ黒いマントとコートを身にまとった吸血鬼姿のヴィンチェンツォとエリーが背中合わせに身構える。
「こうやって死角を消せばそうそう不覚をとる事もないな」
「ええ。こちら側は任せてください」
 周囲を警戒しつつ冷静に相手が動きを見せるのを待つふたり。
 しびれをきらしたドリームイーターが真正面からエリーに飛び込んでくると、エリーはその腕を掴み見事な体さばきで地面に叩きつける。
 地面に転がるドリームイーター。その眼前にヴィンチェンツォの拳銃の銃口が突きつけられる。
「Numero.2 Tensione Dinamica 『電界征圧(ステイシス)』」
 雷を放つ白い弾丸が放たれ、磁界の檻がドリームイーターを地面に縫い付ける。
 ジタバタとあがくが地面と背中がぴったりと張りつきドリームイーターは動きがとれなくなる。しかし、ケタケタと笑ったドリームイーターは懐からパンプキンパイを取り出しぱくぱくと口にする。
「そいつは……俺の作ったパイ? コイツ、テーブルの上からいつの間に」
 キュアを行ったドリームイーターは磁界の檻を抜けだし、さらに料理をくすねようとテーブルに近づく。
 ――ジャラジャラジャラ
 その行く手を阻むようにケルベロスチェインがドリームイーターの足に絡みつく。
 その鎖はテーブルに突っ伏したままのミレィの手から伸びている。
「ふふふぅ……お料理はぁ、わたひませんよぉ絶対にぃ」
 赤ら顔で呂律の回らない様子のミレィ。ちなみにこんな状態でも、一般的な物品によるダメージ無効のケルベロスなだけに戦闘に何ら支障はない。
「にーとゔぉるけいにょー」
 ミレィの声でドリームイーターの足元から溶岩が吹き出し身体をのみ込む。
 溶岩が収まり服のところどころが焦げたドリームイーターが周囲を見渡すと、あたり一面に巨大なキャンディー、クッキー、パイにチョコレートなどの様々なお菓子が浮かんでいるのが目にはいる。
「そんなにお菓子が欲しいのなら、これをあげるわネ」
「遠慮せずに沢山食べてくれよな!」
 麻里亞とヒノトが杖から最後のお菓子を出現させていう。
「「ハロウィン・マジックミサイル」」
 ふたりが杖を振ると、お菓子の形をした魔法の矢が次々とドリームイーターに命中。鮮やかな爆発を起こしていく。
「これは、わたしのとっておき。――ぜんぶ、あなたにあげる。『孤独な白雪の毒林檎(ブランシュ・ネージュ)』」
 香鹿が両手を胸の前にかざす。するとその手の平に包まれるようにみずみずしい魔法のリンゴが出現。そのリンゴがふわりとドリームイーター向けて飛び出し、体内に音もなく吸い込まれる。
 そしてリンゴの中に濃厚に煮詰められた香鹿の孤独と痛みがドリームイーターを襲う。
「ギィヤァアアアアア!!」
 その孤独と痛みにドリームイーターがはじめて苦悶の悲鳴をあげた。


 ケルベロスたちの猛攻にもかかわらず、相変わらず元気に見えるドリームイーター。
「コイツしぶとい。いつまで粘るのよ……」
「クソ、本当にダメージを受けているのか?」
「きっとあと少しです! 皆様の攻撃はぜったいのぜったいに効果をあげているに決まっています!」
 攻撃の手が止みそうになる仲間に梅がエールをおくる。純真に自分たちを信じる梅の声援に折れかけた気持ちが立ち直る。
 梅のいう通り、ダメージは着実にドリームイーターに蓄積されていた。
「キィイイイイイ!」
 梅の声援にイラついたドリームイーターが梅に向かってビームを放つ。
「させません!」
 自然と身体の動いたエリーが梅の前に立ちそのビームを受け止める。
「エリー様、ありがとうございます」
 背中からの可愛らしい声にビームを受けた手の痛みもひいていく。
「よくもやってくれたわね」
 キッとドリームイーターを睨み、両手の改造スマートフォンを高速で操作。
 するとなんやかんやでドリームイーターの頭が炎上をはじめる。
 そのドリームイーターの頭の上。跳躍したすみれが空に舞う蝶のように出現。
 腰にさした刀の柄に手をかける。
 身体を上から下に反転させつつ刀を抜くとその刀身から発生した青白い火花が空中に弧を描く。
「この世はあはれと言うならば、ご覧いれましょ夢想花火(ユメハナビ)――」
 落下の勢いそのままに刀身が振り下ろされ、空中を彩った青い火花の煌めきがドリームイーターを縦一文字に斬り下ろす。
「『花守流・夢想花火』」
 地面に着地したすみれがシャキンと刀を鞘におさめる。
 その背後で火花に包まれたドリームイーターが花火のように鮮やかに爆発をおこす。
 爆発が収まり、しんと静まり返るオープンテラス。
 しぶとく生き残っていたドリームイーターが逃げ出そうとテーブルの下をこそこそとはい歩く。
「どこへ行くつもりだ。地獄はそちらじゃないだろ」
 テーブルから飛び出たドリームイーターの頭にヴィンチェンツォの銃口が突きつけられる。
「Addio」
 その一撃でドリームイーターは完全に消滅した。


「すみれ様、格好良かったです!」
「わぁっ、梅ちゃんありがとう。うまくいって良かったあ!」
 そばに駆け寄ってきた梅に喜びをあらわにするすみれ。
「ふう、やったぜ」
「ヒノトさんお疲れ様です」
 へとへととその場に座りこむヒノトにエリーが声をかける。
「お店、少し壊れちゃった、修理、しないと」
「うん。ケルベロスハロウィン開始まであまり時間も無いし早くヒールしないとネ」
 香鹿と麻里亞がテラスを見回しさっそくヒールをはじめる。
「もう撤収ですかぁ。じゃあこの残った料理は貰っていいでしょうかぁ? 旅団のみんなにも持ち帰りたいですぅ」
 ミレィが持参したタッパーに料理を詰めていく。
 楽しそうな仲間たちを眺めふうと息をつくヴィンチェンツォ。

 さあ、ケルベロスたちのハロウィンはまだ始まったばかりだ。

作者:さわま 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2015年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 1
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