狂って行く君の興味とバナナ

作者:ほむらもやし

●生み出されるドリームイーター
 日暮れ時になると、バナナをねだる魔法少女の格好のお化けが出る。
 少年はふと耳にしたうわさ話を確かめようと、部活の帰りに、この神社に立ち寄った。
「こないなこともあろうかと、給食のバナナを残しておいたんや」
 噂によると、泣いている少女にバナナをあげないと、しがみついて来て、すっぽんのように離さないそうだ。
 しがみついて来た少女の体重は重くなり、異変に気がついて突き放そうとしても決して離れることはなく、やがてしがみついた人間の生気を吸い尽くして、押しつぶして命を奪うらしい。
 さて、少年が辺りを見渡すと神社の境内はきれいに掃除されていて、バナナの皮はおろか、ゴミひとつ落ちていない。
「なんで神社でバナナをねだるんや……」
 やっぱりうわさ話はいい加減なやなあ。さあ帰ろ。と、少年が振り向いた瞬間、そこに立っていた女性の突き出した何かに胸を貫かれる。
「ひっ、ひいぃっ!!」
 血こそ出ていないが、胸を貫通した鍵を目の当たりにして少年はバナナのことなど忘れ果てて恐慌状態に陥る。しかし急速に意識が遠のき始める。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 声の主は、第五の魔女・アウゲイアスであった。
 胸を貫いた鍵が引き抜かれると、軽い音を立てて倒れ伏した少年の脇に、頭部に巨大なバナナをあしらったようなツインテールを持つ、魔法少女っぽいドリームイーターが出現する。
「いっくよ〜!!」
 アウゲイアスが消え去ると同時、黄色い魔法少女のドリームイーターは両手でピースサインを作ると、満面の笑顔で走り出した。
●依頼
「中学生くらいの時って、何にでも興味を持って実際に見てやろうとして、無茶なことをしがちだよね」
 夢の『興味』を奪った、第五の魔女・アウゲイアスによってドリームイーターが、大阪府豊中市で作り出される。
 ケンジ・サルヴァトーレ(シャドウエルフのヘリオライダー・en0076)はそう告げると、被害者となった中学生を救い、生み出されたドリームイーターが引き起こそうとしている被害を防いで欲しいと依頼する。
「ドリームイーターは頭部にバナナをあしらったような黄色い魔法少女の見た目だ。奪われた興味を元に怪物化した魔法少女は近くの住宅地に向かって人を襲おうとしている。今から向かえば、このドリームイータが神社の境内にいる間に到着できるから、速やかに捕捉して撃破して頂きたい」
 ドリームイーターは人間を見つけると、『自分が何者か?』と問いかける。
 このドリームイーターの場合『魔法少女』と応えれば危害を加えられることは無い。
 黄瀬某という名前を答えると不正解になるので、見識が広すぎるケルベロスの方は注意が必要である。
 なお正しく答えられないと、ドリームイーターの魔法少女はピースサインからほとばしる雷で攻撃してくるほか、モザイクに覆われた胸部を押しつけるようにしてしがみついて来るか、バナナをあしらった巨大な鍵で殴りかかって来るような感じで、即戦闘状態になる。
「現地到着は午後7時頃、暗くなり始める時間だから、神社を参拝する人は居ない。倒れた少年以外には誰もいない境内だから、適切におびき寄せる行動が取れれば、取り逃がす可能性は低いと思う」
 ドリームイータは自分の存在を信じていたり、噂話をしている者の方へ引き寄せられる性質がある。よほどのことが無い限りこの条件を満たさないことは無いだろうと思われる。
 なお興味を奪われてしまった中学生は、生み出されたドリームイーターを倒さないと眠ったまま目覚めない。
 早く目を覚まさせて、帰宅させないと、家族が帰りが遅いと心配して、思いがけない行動を取るかも知れない。
「帰りを待っている両親や家族がいるんだから、無事に返してあげたいよね」
 そう言うと、耳を傾けてくれたケルベロスたちの顔を確りと見つめる。
「僕は一緒に戦えないけれど、戦いに赴くに当たって、動機はとても大事だと思う。どんな戦いでも相手の存在をこの世から消し去ってしまうのだからね」
 それでも良ければよろしくお願いします。と締めくくって、ケンジは信頼をこめて頭を下げた。


参加者
蒼龍院・静葉(蒼月光纏いし巫狐・e00229)
シィカ・セィカ(デッドオアライブ・e00612)
皇・絶華(影月・e04491)
円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)
一之瀬・瑛華(ガンスリンガーレディ・e12053)
響命・司(霞蒼火・e23363)
唯織・雅(告死天使・e25132)
榊原・一騎(銀腕の闘拳士・e34607)

■リプレイ

●人気のない神社
 夕方の空は鮮やかなグラデーションを描き、太陽は山の陰に隠れかけていて影の色が濃くなり始める頃合いだった。
 神社の鳥居の手前には、前カゴにスポーツバッグが載せられたままの、自転車が駐まっている。
 それが被害に遭った中学生のものだろうと一行は直感した。
 鳥居の横にある案内図を、皇・絶華(影月・e04491)は眺め始め、円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)がキープアウトテープを伸ばし始める。一方、白狐の姿となった、蒼龍院・静葉(蒼月光纏いし巫狐・e00229)は、軽やかな身のこなしで、鳥居を潜って境内へと駆けて行く。
 鳥居から社殿までは真っ直ぐな道が延びており、その間に高さ4メートルほどの鳥居が幾つかある。間も無く静葉は倒れ伏した少年を発見し、僅かに遅れて追いついて来た、一之瀬・瑛華(ガンスリンガーレディ・e12053)と共に安全と思われる神社の入口付近へと運ぶ。
「これで目が覚めても大丈夫でしょう」
 社殿のあたりに到着した一行は、早速ドリームイーターをおびき寄せるべく、うわさ話を始める。
 既に、瑛華の放った殺界形成の効果により、万一にも無関係の一般人が迷い込んでくることは無いはず。
 そして少年が倒れていたことからも、ドリームイーターが近くに居ることは疑いない。
「バナーナな魔法少女が居るって聞いたデスよ! 黄色くて長いデス?」
 トップバッターはボクだということで、シィカ・セィカ(デッドオアライブ・e00612)が左手で握ったバナナをメリメリと剥きながら、器用な手さばきでギターをかき鳴らす。
 近く歩いていた野良猫が恐れをなして逃げ出すと同時、昼間の暑さの余韻が残る境内にバナナ臭が急速に広がって行く。
「すごく、大きいのだな、それに良い匂いだ」
 皇・絶華(影月・e04491)は自分のもって来たバナナと、シィカのそれを見比べながら、ドキドキしたり目をキラキラさせたりしている。
「神社と、魔法少女と……バナナ。どうにも、脈絡。無さそうですが……原典などが、あるのでしょうか……?」
 唯織・雅(告死天使・e25132)は首を傾げる。
 ただ先月、ここ豊中市でビルシャナの信者になってしまった者が、かなり強烈なインパクトのある体験をしたらしく――またバナナを彷彿される攻性植物の事件も大阪では頻繁に起こっているらしいから、そうしたことが中学生の間で尾ひれ羽ひれの付いた噂となって広がるのは不自然なことではないだろう。
 そんなに広くはない境内だから、すぐにドリームイーターと接触できるだろうと楽観的考えて、響命・司(霞蒼火・e23363)は何かの慰霊塔の近くにある石灯籠の影で様子を窺う。
「バナナの魔法少女か。胸元にモザイクがかかってるみたいだけど、欠損してるのは心か……それともバスト?」
 榊原・一騎(銀腕の闘拳士・e34607)の脳裏に不吉なイメージが過ぎる。もし大人の女性、ロリババアの魔女が無垢な少年たちに、自身を魔法少女だと言わせたり、バナナをねだっていたりしているのだとしたら、なんと恐ろしいことなのだろう。
 そんなわけで、胸のことを口にしてしまったのが、運の尽きだったのかも知れない。誰にも阻止できそうも無いスピードで黄色い魔法少女のドリームイータが一騎を目がけて駆けてきた。
「やっほー♪ 呼んだ? じゃあ私が誰だか分かっているよね」
「え?」
「ブッブブー♪」
 不意を突かれた一騎が急いで誤答をしようとするが、時間切れとばかりにドリームイーターは攻撃を開始する。

●不思議な戦い
「んっ……んぐっ……!?」
 頭の中が混乱してくる。重量感もボリュームもないモザイクが顔の正面に押しつけられている。一応は柔らかいような感触はするが、はっきり言って期待外れだ。全然気持ちよくない。それにこれは攻撃だ。だから、なんとかして防御あるいは回避しようとするも、ガツンと脳天を打ち割られるような衝撃が上から下へと突き抜けるのを感じた。
 壮絶なダメージに意識が遠のきかける。もし彼以外の者が受けていれば、戦闘不能になるか重傷であった。
「僕と皆が頑張れるようにまずはこれから!」
 ボロボロの身体にむち打つように、見え透いた強がり叫ぶと同時、カラフルな爆発が起こる。強烈な爆風がわき起こり、前列の者は背中押され、自身のダメージも少しだけ回復する。続けて、キアリの送った点滅するようにちらつく分身が一騎の背後に付いて加護と癒しをもたらす。
 口に刃を咥えたオルトロスのアロンが、ドリームイーターの脇を飛び抜けて、着地、向き直って唸り声を上げる。
「魔法少女なのに、マスコットの妖精さんもいないなんて、残念ね」
「判っているぞ……マスコットはいなくとも、バナナは大いなる健康フルーツ、故に貴様はバナナのパワーを糧にその力を振るっているのだな!」
 キアリの言葉をつなぐように、絶華はドリームイーターを真っ直ぐに見つめる。
 それと機を同じくして、一騎を遮るように前に出た、雅の破鎧衝が空を切り、その後方で、ウイングキャットのセクメトもまた清らかな羽ばたきを送る。
 攻撃を避けたドリームイーターは、絶華の方に、笑みを返して、ピースサインをしようとする。しかし、絶華は地を蹴って跳び上がっていた。
「――だが負けぬ」
 気合いと共に落下に転じた絶華の身体が流星の煌めきを帯びて、繰り出される蹴りは強かにドリームイーターを打ち据える。豪快に吹き飛んだ身体が地面に叩き付けられて、盛大に土煙を上げる。
「……捉えました」
 間髪を入れずに、気配を消していた瑛華の放つ弾丸が、立ち上がろうとしていたドリームイーターを直撃する。
(「方々の妖怪や都市伝説といったものが、一緒くたになったような存在ですね。最早何なのか見当もつきません」)
 黄色と赤のモザイクを散らしながら、絶望なんてしないと、ヒロインのような台詞を吐く姿を遠目に見ながら、瑛華は少々複雑な気分になる。
「……元気、ですね」
「あの問い掛けは、俺には無理だな……」
 自分が最初に攻撃をされていたら。と、背筋の寒くなる思いを抱きながら、司は苛烈な敵の攻撃を和らげる為、また深傷を負った一騎を癒す効果も期待して、ヒールドローンの群れを呼び出す。前列の仲間たちを守るようにそれらは飛び回り始め、ウイングキャットのゆずにゃんの羽ばたきが送る清らかな風がその効果をより確かなものとする。
 だがその僅かな時間でドリームイーターは態勢を立て直す。
 次の瞬間、流星の煌めきと共に突っ込んで来た静葉の蹴りが、ドリームイーターが跳び避けた地面を打ち据えた。
「バナナをほしがるなんて、ゴリラの魔法少女かと思いました」
 言い放つ、静葉の声色は強張る。今のところ敵の包囲は出来ているが、その苛烈な攻撃を鑑みれば、いつ穴が開けられてもおかしくは無い。重ねられた加護により接触時よりは良くはなっているとは言え、楽観できる状況でもなかったが、誰もが高い戦意を保っている。
「ロックな魔法少女、ロック☆シィカデース! 今日はガンガン、ロックにキメてくデスよー! イエイエイ、イェイ!!」
 持て余す感情を叫びに込めて、鋼の鬼と化したシィカは、夕暮れの光に艶めく銀の拳を突き出した。
 衝撃音が響き渡る。受け止めようとドリームイータが前に出した巨大なバナナのような形の鍵の、皮の部分が盛大に剥がれて、つるりと滑る。
 絶対に被害は拡大させない。少年を助けたい。何故こんな無茶な魔法少女が? 女の子のバストが拝めないのは残念だ……などなど。ここにやって来たケルベロスたちの抱く思いは同じでは無いが、ほぼ全員の感情が相互に結びあっており、その繋がりは確かな力を発揮し始めていた。
「ねえ、あなたたち何で戦うの? そんなことよりバナナを食べましょうよ。苦しいときに食べればたちまち心が癒される……とってもいいものなのよ」
 そう言いながら、ドリームイーターは壊れかけた巨大なバナナ——、正確に言えばまるで手作りしたようなバナナがあしらわれた可愛らしい鍵だ。
「そんな……こと、言いながら、そのバナナで……、殴ろうと……しているのですか……?」
 たどたどしい言い回しながらも、雅は的確な指摘をする。体力は心もとないが、重ねてもらった加護の力があるから、1回なら耐えられるだろう読みもある。
「そこのあなた、ちょっとくらい胸が大きいからって、調子に乗ってんじゃないわよ」
 まんまと乗せられたドリームイーターのバナナ鍵が盛大に外れて、狛犬を微塵に砕く。
 ドリームイーターのオウンゴールに助けられた、雅は機を逃さずに手の中の爆破スイッチをポチッと押した。
 次の瞬間、ドリームイーターの身体が連続する爆発に見舞われる。
 攻守は逆転し、戦いの主導権を、ケルベロス側が握った瞬間であった。
 爪撃を繰り出した、セクメトが軽い身のこなしで飛び去る。だいぶ回復した一騎が一歩を踏み出す。
「今度は僕の番だね」
 実はあまり当たる気がしないが、拳を当てるのは数値じゃ無い。気合いであると、思うことにした。
 外れたら気合いが足りないのだ、だからもっと気合いを入れれば当たるはず。そう自分に言い聞かせるようにして、ドリームイーターを目がけて駆け出す。
「魔力を込めたこの拳で、その体を内外から破壊する!」
 フラッシュバックのように、先ほどの柔らかいモザイクの感触がよみがえってくる中、バトルガントレットに搭載したエンジンを起動、瞬間急加速する拳に引っ張られる身体。
 ドリームイーターと一騎の距離が、再び重なり合う……ように見えたその時、衝撃音と共に拳が命中した。
 と、かなりの迫力だった割には、ドリームイーターは倒れておらず、ちょっと拍子抜けする。
「あらあら、まだ倒していないのに油断してはいけないわよ」
 キアリが美しく舞い踊りながら、癒力を帯びたオーラの花びらを降らせると、薄暗くなって来ていた境内が刹那明るく彩られた。
「まだだ。私には言いたいことがある」
 絶華は決意して、声を上げると、オルトロスのアロンに睨まれて炎に包まれるドリームイーターを見つめる。
「心が篭もったバレインタインチョコレートは素晴らしい。貴様はバナナを糧とするといったな……だが……其れではパワーが足りない。ちなみにこれは……私が全力で作ったのだが……よかったら食べてくれるか? 圧倒的なパワーを孕んだチョコレイトとバナナのマリアージュ、試してみないか?」
「うん♪ お兄ちゃんが、そう言ってくれるなら、いいよ……」
 黄色らしくあざとく返すドリームイーター。だが、絶華が放ったのは、本人が標榜する回復とは異なる、攻撃力の塊のようなグラビティであった。
「なんでだああああ!!!!?」
 わざとらしく驚く絶華、チョコレートでお腹を膨らませ、身体中からの禍々しいチョコレートの香りを漂わせるドリームイーターの姿は、かなり頽廃的であり、情けない。
「ともかくもう。すみません、時間がありませんので」
 大きく咳払いをしてから、瑛華は両手で構えたドラゴニックハンマーから、ドラゴニック・パワーを噴射させる。
 直後、猛烈な加速と共に巨大なハンマーヘッドが、チョコレートまみれのドリームイーターを捉えて、叩きつぶして、もとの形が想像出来ないような、赤と黒、黄色がぐちゃぐちゃに混じったモザイクの塊に変えてしまった。
 そしてこのモザイクの塊はたき火の炎が消えて行くようにして段々と小さくなり、数分を待たずして完全に消滅した。

●戦い終わって
「さぁ、ここからはボクのロックなステージデスヨー! みんな、ノリノリで聞いてくださいデース! イェーイ!!」
「さて、僕もヒールも頑張らせてもらうよ!」
 シィカが異論は認めないとばかりにヒールにかこつけたリサイタルを開始すると、さっきまで大ダメージを負っていたとは思えない様子で一騎もヒールを掛け始める。
「でも、……まさか、バナナっぽくならないわよね? ……なりませんように……」
「おっと、そこまで考えていなかった」
 心配そうなキアリの声に、なってしまうものは仕方が無いと一騎は笑う、もちろんシィカもそんな細かいことは気にしていない。ただ、幸い壊れた石畳も灯籠も狛犬も恐らく記憶にあったイメージとあまり変わらない感じに元通りに直って行くように見える。
 ヒールで戦いの後片付けをするのと同時並行で、少年へのフォローも進む。
「だいじょうぶですか? 起きて下さい」
 そう語りかけながら、静葉が寝ている少年の肩に手を当てると、少年はびっくりしたようにして目を覚ます。
「あれ? えーと、何してたんだっけ?」
「身体に痛いところはありませんか?」
「はい、多分……」
 静葉に応じつつ、少年は立ち上がると、軽く跳び上がって、7、8回ジャンプを繰り返す。
「うん、どこもおかしいところはありません」
「よかった……無事でな」
 少年は丁寧に言うと、心配そうに見つめている、静葉と絶華に礼儀正しく頭を下げた。
「やれやれ、だ」
 少年の無事を確認した司は、タバコでも吸いたいと思いながら、グラデーションの藍色の部分が大部分となった空を見上げ、思い出したかのように言った。
「好奇心は猫をも殺す、かねぇ。そもそもなんだったんだ、その噂話は——」
「貴方が、お探しのモノは……デウスエクス、でした。こんなことは……多々、ありますので。あまり、胡散臭い話に……触れぬ様、お願いします」
「じつは僕も良く分からないから、あまり考えずに、来ちゃったのです。……ごめんなさい」
「まあまあ、時間も遅いですし、家族もご心配なさっているでしょう」
 静葉が早く帰るように促すと、少年は司と雅の方に身体を再度向けて、丁寧に頭を下げてから、自転車に跨がって家路についた。
 そんなタイミングで、シィカの歌声が途切れる。
「ヒールが、終わった。みたい……ですね」
「……次は、どんな都市伝説が生まれるのでしょうね」
 ドリームイーターが発生するのは、遠慮して欲しいが、不思議な話が発生する現象は、とても興味深い。瑛華はそんなことを思いながら、急速に闇の色を濃くしてゆく風景を見つめるのだった。

作者:ほむらもやし 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年7月13日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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