その手で風を

作者:雨音瑛

●密命
「この街に、扇子づくりの職人がいます。その職人と接触し、仕事内容を確認して習得するのです」
 技術を習得した後は、可能ならば殺害しても構わない。呼び出した配下2人に、ミス・バタフライが告げた。
 配下のひとり、女の螺旋忍軍は静かにうなずく。
「……了解しました、ミス・バタフライ。一見すると意味の無いように見えるこの事件も、巡り巡って地球の支配権を揺るがす事になるのでしょう」
「グラビティ・チェインはどのように?」
 男の螺旋忍軍に問われ、ミス・バタフライは微笑む。
「略奪してもしなくても構わないわ。さあ、お行きなさい」
 ミス・バタフライが背を向けると、配下2人は頭を垂れて煙のように姿を消した。

●ヘリポートにて
 気温の高い日が増えてきたと、呉羽・楔(無貌の歌い手・e34709)が言う。
「今日も暑いですね……こういう日は扇子が手元に欲しいですよね」
「携帯でき、涼める扇子は優秀な道具だ。……さて、その扇子をつくる技術を狙ってデウスエクスが動き出したようだ」
 動き出したのは、ミス・バタフライという螺旋忍軍。彼女が起こそうとしている事件そのものは大した事が無いのだが、巡り巡れば大きな影響が出るかもしれないという厄介な事件だ。
「今回、ミス・バタフライの配下は扇子をつくることを生業にしている一般人の元に現れ、仕事の情報を得たり、仕事の技術を習得した後に殺そうとするようだ」
 この事件を阻止しなければ、いわゆるバタフライ・エフェクト――少しの変化で結果が大きく異なってしまう事態になりかねない。結果、ケルベロスに不利な状況が発生してしまう可能性も高いという。
「もちろん、デウスエクスに殺されようとする一般人を見過ごすことはできない。扇子職人の保護と、ミス・バタフライ配下である螺旋忍軍の撃破を頼む。では、仕事の流れを説明しよう」
 今回狙われる扇子職人、見取・弥子(みどり・やこ)の営む扇子工房『かぜ』。そこに到着した後は、基本的に弥子を警護し、現れた螺旋忍軍と戦うことになる。
 しかし、扇子職人に事前に説明して避難させてしまった場合、螺旋忍軍は別の対象を狙うなどの行動をとるため、被害を防げなくなってしまう。
「今回、3日ほど前から扇子職人に接触できる。事情を説明して仕事を教えてもらえれば、螺旋忍軍の狙いを君たちに変えられるかもしれない」
 とはいえ、囮になるには「見習い程度」の技術を身につける必要がある。その場合は、かなり頑張って修行する必要があるかもしれない。
「さて、次は扇子職人を狙う螺旋忍軍についてだ」
 戦闘となるのは螺旋忍軍男女の二人組。女は螺旋手裏剣を、男はエアシューズを装備しているという。
「両名とも、回避・命中が高い。しかし、囮になることに成功した場合、技術を教える修行と称して二人を分断したり、一方的に先制攻撃を仕掛けたりできる。つまり、有利に戦えるということだ」
 また、扇子工房の近くにはちょうど空き地がある。工房内での戦闘も可能だが、この空き地を戦場にすることを視野に入れてもいいかもしれない、と、ウィズは説明を終えた。
「……扇子職人さんの技術と命、螺旋忍軍に奪わせるわけにはいきません。皆さん、どうかご助力を」
 楔はケルベロスたちを見渡し、頭を下げた。


参加者
アレクセイ・ディルクルム(狂愛エトワール・e01772)
天矢・和(幸福蒐集家・e01780)
天那・摘木(ビハインドとお姉さん・e05696)
月霜・いづな(まっしぐら・e10015)
東雲・菜々乃(のんびり猫さん・e18447)
キアラ・カルツァ(狭藍の逆月・e21143)
十六夜・刃鉄(一匹竜・e33149)
呉羽・楔(無貌の歌い手・e34709)

■リプレイ

●絵を描いて
 軒先に吊された風鈴が、ちりんと鳴る。
 ケルベロスが扇子工房『かぜ』を訪れると、店主の見取・弥子が笑顔で出迎えた。
「あら、いらっしゃい。まあ、団体さんなのねぇ。ゆっくり見ていってくださいねぇ」
「こんにちは。ゆっくり見て行きたいのはやまやまなのですが……」
「こんにちは、弥子さん。私たちはケルベロスなのです。実は、螺旋忍軍が――」
 東雲・菜々乃(のんびり猫さん・e18447)と呉羽・楔(無貌の歌い手・e34709)が、丁寧な挨拶の後に今回の事件について説明する。
「まあ、そうなの。扇子づくりについて教えるのは、もちろん構わないですよ。3日間、よろしくお願いしますねぇ」
 弥子はおもむろに頭を下げ、ケルベロスたちを工房へと案内した。

 はじめにつくるのは、扇子を広げた際に見える絵。ひとまずお手本をと、弥子は和紙を広げて筆を執る。慣れた動作で描かれるのは、朝露のついた青い朝顔の絵だ。
「本棚に図鑑などの資料もありますから、参考にしてくださいねぇ」
 言われ、ケルベロスたちも絵を描き始める。
「絵を描くのはなかなかに楽しいですね。……ふふ、思ったより上手く描けました」
 弥子の描いたものをお手本に、菜々乃が赤紫色の紫陽花を描く。慣れてきたらオリジナルの扇子を作ろうと、別の絵柄の練習も始めた。
 緊張した面持ちで絵筆を手にするのは、月霜・いづな(まっしぐら・e10015)。和紙に筆を置き、ゆっくりと丁寧に描いてゆく。次第にできてゆく絵柄は、風に舞う青い花びらだ。
 天矢・和(幸福蒐集家・e01780)もまた、花――薔薇と胡蝶蘭を描く。加えて、天矢家自慢の猫たちも。
 そんなに器用な方ではない和が重視するのは、対象の観察だ。自身の髪飾りと猫の写真とにらめっこしながら、小さくうなずいては和紙に絵を描き込んでゆく。
 途中、気になって仲間の絵ものぞき込んでみれば。
「わぁぁ……! ディルクルムくんの、凄い…!」
 和が目を見張るのは、アレクセイ・ディルクルム(狂愛エトワール・e01772)の描いた図案。月下美人に薔薇と、実に手の込んだ絵柄だ。
「ありがとうございます。愛する姫に相応しい扇子を、と思いまして」
「ふうん。で、なんで月下美人と薔薇なんだよ?」
 十六夜・刃鉄(一匹竜・e33149)が問いかけると、アレクセイは手を止めて説明をする。
 月下美人は彼自身、薔薇は彼の妻をイメージ。加えられた文字は妻が歌手として歌うときの名前で、応援、励ましの意味も込めているという。
「ずいぶんと凝ったことしてるんだな。俺には無理そうだから……そうだな、墨で龍でも描こうか」
 と、刃鉄は自身の図案作成に取りかかった。
 アレクセイもスケッチを終えて筆に絵の具を取れば、和紙の繊維に合わせて絵の具がじわりとにじんだ。
「……和紙特有の滲みや風合いが美しいですね」
「けど、予想外の方向に滲むな」
 描き進める刃鉄が思い浮かべるのは、厳格な父が使っていた扇子の絵だ。とはいえ何年も前のことだから、どうしてもうろ覚えになってしまう。
「味があっていいですねぇ」
 と、弥子に微笑まれれば、刃鉄はなんだか気恥ずかしくなって。
「こういうの、あ、あんまり柄じゃねえんだよ!」
 と、勢いのある絵を描き進めていく。

●骨を通して
 工房には、作成途中の扇子も多数あった。
「見れば麗し、煽げば涼し……ですね。こんなにステキな技術を奪おうだなんて……必ず、守ってみせます」
 うなずきひとつ、キアラ・カルツァ(狭藍の逆月・e21143)が慎重に菫の花を描く。キアラの大好きな姉をイメージしたものだ。
「難しいけど、形になって行くのが嬉しいですね」
 絵を描くのは苦手なキアラではあるが、筆の扱いはなかなかのもの。多少にじんでも慌てず、それを活かしてキアラは絵柄を発展させる。
 ふと手を止めて回りを見れば、天那・摘木(ビハインドとお姉さん・e05696)の描くほのぼのとした海の絵が目に入った。
「かわいらしい絵柄ですね。……私も負けてられません」
 手元に視線を落とし、キアラは菫の花弁を描き足した。
 摘木のビハインド『彼』も絵筆を握りしめ、ダイナミックな絵を書き付けている。3歳児が描いたような絵を見ては、摘木は首をかしげつつコメントする。
「お花さんねえ。可愛いわねえ。こっちはねこさんかしら? ねこさん好きだものねえ。楽しいわねえ。……背景は、お空かしら? 今日はお空が綺麗だったわねえ」
「元気あふれる、パワフルな絵ですね」
 と、楔が彼に声をかける。友人とサーヴァントのやりとりを微笑ましく眺めながら、和紙に桃色の絵の具を置く。既に描かれた青と紫の花は、雨雫に映える紫陽花だ。
 仲間が修行に撃ち込む間、刃鉄は戦場となる空き地の偵察を行った。試しに大きな音を立て、工房に聞こえるかどうかを仲間に確認。結果、多少は聞こえるものの、ごまかしがきくレベルだと判明。そうとわかれば、再び修行に加わる。しかし修行はメインでなく、仲間の手伝いを主に。扇子の骨が入った箱を運び、仲間が修行に集中できるように立ち回った。
「まあ、これも仕事だしな」
 刃鉄はしっかりした骨――男性用扇子のものを選び、龍を描いた和紙に通してゆく。
 また、嬉しそうに扇子に骨を通すのは、アレクセイだ。
「これからの季節、扇子があるとありがたいです。ましてや私の愛しい方が私の作った扇子が生み出す風で涼んでくれる……なんと素敵なことでしょう」
「扇子、素敵ですよねー。この季節にも合ってますし」
 菜々乃も骨を通し、何度もうなずく。丁寧に教えてくれる弥子を、デウスエクスの被害に遭わせるわけにはいかない。そうでなくてもある程度しっかりしたものを作ろうと、菜々乃は奮闘していた。
「扇子ってさ、すごく風流でいいよねぇ……季節を目一杯楽しむ為の物だ」
 寝る間を惜しんで修行していた和も仲間の言葉にうなずき、慎重に骨を入れてゆく。最後の骨を入れれば。世界でひとつ、花と猫が描かれた扇子の完成だ。
「出来た……!」
「まあ、すごいですねぇ!」
 人の倍以上の努力をした和のつくった扇子。それは、弥子が見ても驚きの出来であった。
 いづなも完成した扇子を手に、そっと風を起こす。少し顔から離してあおげば、青い花びらがちらちらと揺れているようにも見える。
「うふふ、すずしきはなが、まってくださるようなきがします!」
 いづなは窓から入る光に扇子をかざし、透き通る青に目を細めたのだった。

●修行の成果を
 修行をした3日は、本当にあっという間だった。修行の成果を弥子に見てもらい、囮役を決定する。結果、囮役となったのは和とアレクセイ、摘木、いづなの4人。
 弥子には店の奥に隠れてもらい、和は楔とともに工房に「竹」を引き留める。アレクセイは「流」を味方が潜んでいる付近の空き地へと誘導。「流」を撃破後、「竹」含む工房のメンバーを呼び寄せて撃破という作戦をあらためて確認すると、それぞれが持ち場に着く。
 やがて店のドアが開かれ、軽業師の格好をした男女二人組が訪れた。
「扇子づくりの技術を学びたいのですが……」
 告げたのは、女の螺旋忍軍「流」。アレクセイは穏やかに微笑んでうなずいた。
「では、お教えしましょう。……と言いたいのですが、ただいま和紙の在庫がほとんどないのです」
「そんなわけで、ねえさま、おてつだいをおねがいしたいのですが……」
 いづなが、困り顔で流に話しかける。流はうなずき、ケルベロスたちに従う。
「そうね、お茶とおやつも買いましょう。息抜きも大事なのよ」
 と、摘木はドアを開けて流を外へと促した。
 外出した仲間と流を見送り、和と楔は男の螺旋忍軍「竹」を工房へと案内した。
「私も生徒なんです」
 竹に問われる前に、楔が説明する。
 徹夜続きの和であるが、インソムニアで眠気をシャットアウトしている。外の音が聞こえないように窓を閉め切り、和はにこにこと竹に話しかけた。
「温度や湿度で出来が変わるからね。そうそう、君はどんなの作りたい?」
 竹は少し悩んで、「かたつむり」と答えた。
「うんうん、じゃあまずはよく見て沢山絵を描こう」
 和は本棚にある図鑑を開き、かたつむりのページを開く。紙と鉛筆を差し出し、スケッチの練習を勧めた。
 竹は図鑑を見ながら、かたつむりを模写してゆく。ふと竹の口からため息がもれると、楔がやさしく微笑みかけた。
「集中すると疲れますよね。実は私、劇団員なんです。扇子を使って舞うこともあるんですよ」
 そう言って、ちょっとした舞いを披露する。仲間の戦闘が長引いても不自然に思わせないためだ。

 一方、流を連れ出した3人は、空き地を訪れていた。刃鉄が念入りに人払いをしたおかげで、一般人は誰もいない。
 買い物、と言いながらも空き地を訪れたことに、流は首を傾げる。「素敵なお花が咲いてるの。ちょっとスケッチしていきたくて」
 摘木がスケッチブックを取り出したところで、アレクセイが如意棒「zodiacal constellations」で打撃を与える。隠れていた菜々乃も姿を現し、エアシューズに星屑をまとわせて流を蹴りつけた。ウイングキャットの「プリン」は菜々乃の隣に浮遊し、流へと尻尾のリングを放つ。
「進むなら前だぜっ!」
 畳みかけるのは、刃鉄。流の至近距離から踏み込み、鋭い突きを見舞う。
「さあおきなさい、つづら! ごはんぬきにしてしまいますよ!」
 いづながミミックの「つづら」を背中から下ろし、流を指し示す。どこかのんびりした様子で、和箪笥のような外見をしたつづらはエクトプラズムの武器を流へと叩きつける。
「ふとどきなにんじゃさん! てんばつです! やさしきかぜのにないて――けして、うばわせはいたしませんの!」
 つづらの仕事ぶりを確認し、いづなは縛霊手「わんわんハンド」から光弾を降り注がせる。続いて、キアラのケルベロスチェインが流を締め上げる。
「かくれんぼは楽しかった?」
 姿を現した彼に話しかけ、摘木はライトニングロッドからまばゆい光を放った。満足そうににゃいにゃい鳴く彼に、摘木が微笑む。
「お絵かきで鍛えた腕を見せてあげて」
 主に言われ、彼は周囲の石ころを浮かび上がらせた。

●風を起こして
 不意打ちを受けた流は、為す術もなく追い詰められてゆく。流の仕掛ける攻撃は、菜々乃をはじめとした盾役がうまく庇ったことで、味方の受けた傷は微々たるものだ。
 流に対する最後の一撃は、アレクセイの星魔法だった。満天の星を映す空のような翼に、カウス・アウストラリスが輝く。
「師を穿つ死の矢にて、安らかなる眠りを」
 煌めく星に貫かれ、流は無言で倒れ伏す。
「まずは一体、ね。それじゃ、楔ちゃんに連絡するわね」
 摘木は携帯電話を取りだして、電話をかけた。
 同時に、工房で携帯電話の着信音が響く。楔は竹と和に断りを入れ、応対する。
「……わかりました、では、二人にもそう伝えますね。……買い物に行った方からの連絡でした。荷物持ちが足りないらしいから、手伝って欲しいそうです」
「沢山買いすぎちゃったんだね? それじゃあ、手伝いに行こうか」
 和が竹を促し、3人そろって外へと出た。向かうは、仲間が待ち受ける空き地だ。

 仲間と竹の姿が見えるや否や、菜々乃はオウガメタルを拳に纏う。
「流さんの方は片付いたのですよ」
 叩きつけられた拳で、竹が軽く吹き飛ぶ。その先で待ち受けているのは、ドラゴニックハンマーを振りかぶる刃鉄。状況は理解したものの、到底体勢を立て直せる状況ではない竹へと刃鉄は一撃を叩きつける。重なるは、アレクセイのドラゴニックハンマー「Ignaz」。
 いづなも九尾扇の羽を鞭へと変え、ひらりと舞いながら竹を打ち据えた。
 その合間に、和は自身の感覚を増幅させる。和のビハインド「愛し君」が竹を金縛りに遭わせれば、プリンとつづらも畳みかける。
 キアラの翼から放たれる光が竹を照らした直後、彼が竹の背後へと出現して体当たりを決める。摘木による「幽霊の悪戯」は、果たして彼の仕業かどうか。
 続く楔は、隣に立つ友人へと笑顔を向けて。
「一緒に戦えて、心強いです」
 返答もまた、笑顔。楔はフェアリーブーツに星形のオーラを籠め、鮮やかに蹴りつける。
 竹もまた、ケルベロスに終始翻弄されていた。
「残念だね、君たちにこの技術はあげない。これは、夏を楽しんで貰おうと思って作ってる人の技術なんだ」
 とどめは、和の放った「恋の弾丸」。果てしなく追尾する弾丸に貫かれ、竹はくずおれたのだった。
 アレクセイが空き地の破損箇所にヒールを施したところで、ケルベロス達は工房へと戻る。
「螺旋忍軍は無事に倒したぜ。もう出てきても大丈夫だ」
 刃鉄が呼びかけると、店の奥から弥子が姿を現す。
「ケルベロスのみなさんも無事だったんですねぇ、今回は本当にありがとうございました」
 弥子が頭を下げると、キアラも同じように頭を下げて礼を述べる。
「こちらこそ、修行させていただいてありがとうございました。色々学べて勉強になりましたし、とても楽しかったです」
「戦闘が終わってちょっと暑いですけど……こういうときに扇子があると便利ですよね!」
 自身がつくった扇子を開き、楔が風を起こした。しっかりとフードを被った状態でも、なかなかに涼しい。仲間のつくった扇子を元気に見て回る彼と、楽しげな彼を眺める摘木を見て、楔は思わず笑顔になる。
(「頭の傷が完治するまで仕事はしないって思ってたけど……摘木ちゃんと彼がいてくれたから……本当に楽しかったな」)
「こうして並べて見ると、一段と涼やかな気分になりますね」
 とは、アレクセイの言葉。うなずく和は、自分のつくった扇子を手に取って嬉しそうに笑う。この扇子は、息子へのお土産にするつもりだ。
「上手に出来たなぁ……喜んでくれるかな?」
 息子の顔を思い浮かべ、和はまた笑った。
「もうちょっと扇子作りを見るのも悪かねえかな」
 つぶやくのは、刃鉄。菜々乃は身を乗り出し、目を輝かせる。
「せっかくですし、ちゃんと扇子の作り方、習っていきたいのですよ」
「もちろん、構いませんよ。さ、刃鉄さんも一緒にどうぞ」
 弥子は菜々乃の頼みに二つ返事で承諾し、作業場へと促す。
「ときにかぜをつくり、ときにかぜにまう……せんすのしょくにんは、かぜのしょくにんでございますね」
 いづなが扇子でふわりと風を起こし、作業場へと向かう弥子に微笑みかけた。

作者:雨音瑛 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年7月4日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 3
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