螺旋忍法帖を巡る戦いの末にケルベロス達は、螺旋帝の血族『緋紗雨』を保護した。
だがこれで一段落とは行かない。螺旋帝の血族『イグニス』と同盟を結んだドラゴン勢力が、緋紗雨を奪う為動き出したのだという。
「竜十字島の智龍『ゲドムガサラ』が、定命化を無理矢理止めたドラゴン達……『宝玉封魂竜』を連れて襲撃して来るようよ」
篠前・仁那(白霞紅玉ヘリオライダー・en0053)が眉をひそめる。ゲドムガサラが『宝玉封魂法』により、死に至るその寸前で生き存えさせたドラゴン達は、その代償にか、肉も知能も失っているのだとか。だが戦闘力そのものは、ほぼ健在と言えた──特に、ゲドムガサラの指揮下にあっては。
如何なる力に依るものか、緋紗雨の居所へ迷わず進軍するその軍勢に、ただ漫然と対処して行くだけでは被害の規模が大きくなり過ぎる。その為ケルベロス達には、エインヘリアルの手で要塞化されていた『飫肥城』へ緋紗雨と共に向かい、そこで迎撃にあたって貰いたいのだと、ヘリオライダーは言った。
「敵の数はとても多いわ。でも、指揮官であるゲドムガサラを失えば、他のドラゴン達は十分には力を発揮出来なくなるみたい。だから……、前線を固めるドラゴンを倒して道を開けて、そのままゲドムガサラを倒して貰えれば、後はその勢いのまま押し返したり、蹴散らしたり、出来ると思う」
無論、指揮官を倒せなければ、無数の強敵から城と緋紗雨を護り抜く戦いを強いられる事となる。そうならぬ為にも十分に備えて行って欲しいと仁那は言う。
「取り敢えずまず一体、先陣のドラゴンを倒してちょうだい。手早く倒す事が出来れば、ゲドムガサラのところへも攻め込めるのではないかしら」
その狙うべき宝玉封魂竜は、元は火竜だったらしい。身の内に宝玉を抱きながらも骨のみとなったその姿は無惨なものだが、同胞の中でも小柄な体格を活かした素早さと強い術力には注意が必要だろう。体格に見合わぬ膂力ゆえに、接近戦に持ち込んだとて容易く降されてはくれぬだろうが、彼の爪や四肢は敵を砕く為というよりは、己を害す刃を打ち払う為にあるようだ。
「ゲドムガサラの方については……わたしにはちょっと、詳しくは」
歯切れ悪く仁那は謝罪を口にした。その後ケルベロス達へ向き直ると、躊躇いがちに口を開く。
「飫肥城はそう簡単に落ちないでしょうけれど、限界はあるわ。あなた達ならば大丈夫、とは思うけれど……どうか、気をつけて」
戦況に依っては最悪、緋紗雨を裏切らねばならなくなる事もあり得る。利害が一致したがゆえの一時的なものとはいえ、単純な損得だけを考えたとて、避けるべき結末だ。
皆まで語るより先に唇を結んだヘリオライダーは、ただケルベロス達を案じた。
参加者 | |
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シヴィル・カジャス(太陽の騎士・e00374) |
キソラ・ライゼ(空の破片・e02771) |
罪咎・憂女(捧げる者・e03355) |
メロウ・グランデル(眼鏡店主ケルベロス美大生・e03824) |
神宮時・あお(惑いの月・e04014) |
ヒメ・シェナンドアー(白刃・e12330) |
グレッグ・ロックハート(泡沫夢幻・e23784) |
一比古・アヤメ(信じる者の幸福・e36948) |
●疾く駆ける
最初に出遭ったのは広がる炎、透けるその向こうに骨の竜。肌を舐めるだけの熱すら痛みに変わるその中で、ケルベロス達は倒すべき敵を見据えた。
銃を構え凍結弾を撃つシヴィル・カジャス(太陽の騎士・e00374)は、交わした約束の為に。たとえそれが無かったとしても、人々の平穏を脅かせど顧みぬドラゴン達の好きにはさせられぬと皆、心は同じ。神宮時・あお(惑いの月・e04014)は淡緑に艶めく花鎚を竜砲へ変じ、一瞬躊躇うに似て機をはかってのち、撃ち放つ──視えてはいたし、今は捉えられたけれど、確実に敵を害すにはやはりどこか不安がつきまとう。
ならば態勢を崩すべきとヒメ・シェナンドアー(白刃・e12330)が駆けた。風と砂塵を連れて突撃し、追って罪咎・憂女(捧げる者・e03355)が菫の刀を振るう。骨を打つ硬い音を伴ったそれらの手応えは十分なれど、敵に動じた様子は見えず。
「骨と石だけですもんね」
「じゃ、サッサと終わしてあげよか」
感情すら摩耗した歪な『生』にメロウ・グランデル(眼鏡店主ケルベロス美大生・e03824)が眉をひそめた。軽い調子で言ったキソラ・ライゼ(空の破片・e02771)はしかし獰猛なまでに不敵に笑んで、風と彩を纏った手を振るい、射手達を促す力と成した。
「お借りします」
綺麗に磨かれた眼鏡越しに見たその風の流れを棒術に織り込みメロウは敵を害す力と撃ち出す。立て続けにリムをけしかけて、敵を苛む呪詛を急ぎ形作って行く。時間を掛けるわけにはいかない。一手毎確実にとグレッグ・ロックハート(泡沫夢幻・e23784)は気弾を撃ち敵を穿った。此方を苛む火傷は、一比古・アヤメ(信じる者の幸福・e36948)が着実に癒す。とはいえ、身の内に至る痛みは遠からず、とも危惧を抱く。
「危なそうなら早めに言ってね」
癒し手の言葉に皆応じ、しかし未だ、と強く。今を立ち止まらぬ為に彼らは攻める。
だが彼らの気概を折る如く、炎が再度飛来する。それは最後まで散る事の無いまま、白い靴で地を蹴ったばかりのあおを包んだ。肉を炙られながらも顔色一つ変えず耐えた少女を支えるべく、アヤメが急ぎ幻影を紡いだ。
「見えそうか?」
「厳しいな」
害された体組織が少女の足を縺れさせる。問われ応じた盾役の声は苦味を孕んだ。炎が来る事自体は読めても、違わぬ動きはその意図を直前まで伏せる──護り抜く事すら困難と、憂う。
「大丈夫です、全部防げば」
だがメロウはリムへ朗らかに無茶振りを。極論だが真理ではある。一手毎を積み重ねて戦いが成るのなら、彼らが噛み合えさえすれば。案じる仲間の視線を受け、あおが小さく頷いた。
(「まだ、動け、ます」)
再度直撃を受ければ判らないが。まだ誰も、欠けてはいないから。グレッグの棍が敵を打ち、キソラが振り抜いた凶器は敵の身に走る亀裂を広げて行く。眼前の竜が智龍の操り人形ならば、命令に従い得る体を壊せば良い。ケルベロス達が重ねる手は着実に、骨の体を削いで行く。未だ速い敵の動きに彼らはそれでも食らいついて、熱を奪い、痛みを与え、知覚を狂わせる。備えに憂女が撃ち出したドローンもまた、骨の尾撃を凌ぐ助けとなる。
「この程度──なに!?」
炎に比べれば痛く無い、そう即座に反撃に動いたシヴィルがしかしおののく。代わりに速く振るわれた尾が、ケルベロス達が立て直しきるより先に連撃に繋げた。立て続けにまともに喰らった者も居り、救護を求める声があがる。
「オレがするよ、ダメージ稼ぎたい」
「有難い、では頼む」
今この瞬間何が出来る、と盾役達が視線を交わした。二人は初めと同様に分担して動き、一体は治癒を手伝いに。次を許してはならないと憂女が後衛を護り、アヤメは前衛達を支えるべくギターをかき鳴らす。
(「皆、ありがとう」)
一人で癒しきれぬ事が歯痒くはあるが、敵はそれだけの相手。全員で共に往く為に、少女は注意深く戦況を観察する。
「苦しいかもだけど頑張って! 敵も大分参ってる!」
全体に目を配る立場だからこそ見える。敵は悲鳴の一つもあげないけれど、例えば、鈍る体運びは傷に依るもののみならず、攻め手達を警戒するがゆえに歩を緩めた結果であるとか。
「ヒメちゃん、跳んで!」
向けられる刃を厭い振るわれる腕はしかし、白い剣士の速さの前には動いていないも同然である事だとか。熱持つ空を駆けたヒメの刀は、敵が状況を認識するより先に鋭く振るわれ、心無き彼の体に恐れという名の鎖を掛ける。
彼が動く毎、打たれ怯む毎。温度差が軋む音を奏で乾燥した骨が爆ぜ割れる。決着は遠からず。走れ攻めろとケルベロス達は更なる加速を。
遠く飛ぶ炎を盾役達が追い掛ける。再び広がる熱が幾名もの体を焦がすが、倒れるには未だ早い。既に敵の攻撃も鈍い。
自身に残る傷ゆえか無闇に暴れる敵に対応し彼らは動く。あおの砲撃が大気を震わせ、ヒメの刀が風を斬り骨の体に傷を重ね刻む。攻撃を加える都度に竜の体がわななく様は、ひどく堪えている証だろう。
「今ならきっと──」
促す声。射手の目には最早木偶。攻撃の準備に掛かっていた者達が一斉に技を放つ。
「しぶとい……っ!」
此方の手まで痺れるくらいに鋭く質量を打ち込んで、それでも削りきれずにメロウが呻く。ならばとグレッグの炎が燃え上がり、蒼い色を広げた。
虹の加護に彩を散らす幾度もの蹴りが骨を砕く。かの身を支える石すら砂と変えて。
「このまま駆け抜けよう」
彼はそのまま前へ。骸を顧みる暇すら惜しい。手当は、走りながらでも出来る。
敵を倒し、細く道が開いた。これを新手に塞がれるわけにはいかない。未だ遠いが、夥しい数の骨の竜が見える。もたつけば雪崩れ込まれよう。
(「この数を、託して行くのか」)
背筋が冷えたが、振り切った。承知の上で此処に残ると決めてくれた者達を信じる。
「急ごう!」
眼前の道は、倒すべき敵へ繋がる糸。彼らは痛む体を叱咤し駆け抜ける。
●耐え忍ぶ
市街地へ飛び出した。近くに他のケルベロス達の姿は無く、また、遠くに見える標的の様に、自分達が先駆けと知った。
「敵は万全ということね。ならボクは前に」
比較的軽傷のヒメが友人と共に前へ出、傷の深い青年達を退がらせる。癒し手を務めるべく退がっていたシヴィルがアヤメと手分けし皆の傷を癒して行くが、各々疲労の色は濃い。
だが、ほどなく別のチームが追いついて来てくれた。
「あなた方と共に往けるか。心強い」
憂女がその中に顔馴染みを見つけた。キソラも同じく口の端を上げる。労せず呼吸を読み合える相手は多いに越したことはない。過ぎる緊張が程良く緩む。
「信号弾は?」
「市街地で打ち上げるのもな……公園に誘き寄せてからでどうだ」
ヒメがうかがえば相馬・泰地が未だと応えた。駅を越えてすぐの公園を挙げられれば異論は無い──損なわれるものは少ない方が良い。少女は懐の荷に手を遣り、任せてと頷いた。
そうして公園に辿り着く。城を目指し進軍する龍の姿は見上げんばかり。
(「あれが、ガr……いえ」)
あおが小さく首を振る。彼女の耳に茶化した誤名を教え込んだのは誰だったか。ささやかで穏やかな日常の痕を少女は、己には過ぎるものと思うけれど。
(「……損なわせません、です」)
眼前のこれを降せば護れるというのなら。自分達の手で無くとも構わないから。
「行くぞ!」
まずは進軍を止めさせる。自分達を、無視出来ないものと認識させる。大きな的を目掛け各人攻撃を撃ち出した。
「──死に急ぐか」
龍が嗤う。浴びたものはケルベロス達からの攻撃であるというのに、痛みには至らぬとばかり。
だがそれでも、応じる気にはさせられたらしい。公園へと進路を変えた巨体にケルベロス達は安堵する。
龍が纏う巻物が、否、それに記された文字が蠢く。墨は闇色の獣と化し放たれた。戦場を覆わんばかりの数。応じて盾役達が急ぎ退がり、主の言い付けに従い癒し手を護ったウイングキャットが力尽きる。
「ごめん皆、手を貸して! 団長とボクだけじゃ追いつかない」
アヤメの声は重いが、凛と。ヒールを扱える者達が応じ、防戦にシフトして行く。龍は畳み掛ける如く闇を操る。伴い聴覚を侵す耳障りな音は、悪意孕むヒトの声に似た。
声は、憎めと。激情に駆られ無謀に走れとそそのかす。けれど、
「負けるものか……!」
シヴィルが吼える。抗う為に。
「苦しいかもしれないが……耐えるよ!」
「無論です。詠春眼鏡拳のウリはしぶとさですゆえ!」
自分達、とは八名のみの事では無い。だから、応える声を張り上げる。
必ず、増援が来てくれると信じている。二十にも満たない数では届かなくとも、かの龍を狙うべく動くのは、この場の者らの十倍以上。自分達の務めは、それまでを保たせる事。此処で待つ、と緑の標が空に揚がる。
「──わざわざ御苦労なコトで」
身を苛む傷に、胸を焦がす呪いに、龍を睨め付けキソラが笑う。こんな風に仕向けられずとも、元より青年は彼らを。獄炎が蒼く燃え盛る。高揚と呼ぶには激し過ぎた。ただ『楽しい』と、煮える臓腑が捩れるようで。──それでも彼の手は、仲間の声に応え護る為に動く。
依頼するにあたりアヤメは、癒す対象さえ指定した。その意図に気付いたグレッグが彼女を案じるが、平気だと笑顔を返される。
闇の獣が襲い来る。先の戦いでの負傷者を退げた事が裏目に出たのだと──敵は承知でそれを突いて来たのだろうと、嫌でも悟る。盾役が駆け抜けて、届いたところは護れたけれど。
「団長。あと、お願いね」
傷を塞ごうとも保たぬと解っていた為に、治癒の力を他者の為にのみ振るい続けたアヤメが膝をつく。全体を活かす為に、計算ずくで無理を通した。
だから、応えなくてはならない。辺りを覆った獣に依ってグレッグもまた酷い傷を負ったが、気力で以て倒れる事を拒み。
(「賭し得るのはこの身だけ。ならば──」)
強く風を捉える白い翼に依り加速して、彼は反撃にと駆けた。
肩で息するメロウは、周囲を窺い歯噛みする。誰もが皆傷ついていて、己の身もまた倒れ伏す寸前。
(「──まだ」)
自由が利かないのは嫌だ。せめて自分に出来る事をと望む。盾にはなれない。前を往く彼女達の方が余程。
ただ皆を、仲間達を信じて、かの龍に食らいつく他は無い。そう強気に笑んでみせた。心が澱めば目が濁る。『見る』事を尊ぶ使い手としての矜恃だ。
あおは癒しの気を撃ちそれを支える。中衛に留まった彼女には未だ余力があり、だからこそ精一杯に。皆が傷つく事を憂えど、それより前に、出来る事があるから。
(「お支え、します。お護り、したい、です。……ボク達がたとえ、駒だとしても」)
巻き込まれた結果でも。利用されているのだとしても。彼女達は無力ではない。力及ばず死ぬ事があるのなら、全部を護れた後が良い。皆無事でと祈る少女の心は、ひたむきなまでに真実だった。
闇を纏う龍の角から黒雷が放たれる。宙を焦がすそれが、されど彼らを逸れた。訝るより早く、撃たれたティアン・バが頽れた。駆けれど届かぬ先でのその光景に、キソラが目を瞠る。だが彼に限らず、おののくには十分。闇を凝縮した如きあれを受ければ、誰もが無事には済まなかろう。背を恐れが這い上る。
だが、怯むわけにはいかない。言葉は悪いが、好機だ。
「太陽の恵みよ──!」
シヴィルの髪に咲く向日葵が輝かんばかりに熱を放つ。受けてヒメが大きく踏み込み斬撃を。刀が抱く石の弾いた光すらかき消す高速は龍へ確かに届いた。
しかし敵はそれにも怯まず、なおも闇獣を放つ。癒しを重ねれど体は連戦に摩耗して、深手を抱えたまま耐え抜いていたシヴィルとキソラが倒れる。傍に居た者達の耳に届いた鈍く軋んだ音は、抗いたがった心の発露。体の限界を承知でそれでも、未だ、と猛る意志。
それを、引き受けると。同じようにボロボロの身で、それでも未だ立てている者達が奮い立つ。憂女が攻撃の要たる射手達を護り抜くべく幾度目かドローンを撃った。向こうのチームも、深く傷つきながらも果敢に攻め続けてくれているのだから。
悪夢もたらす雷が、再び走る。攻め込まんとする射手を捉えるそれの前に、彼女は身を晒し。
「すま、ない」
詫びる声はひび割れた。あの時は彼らを、この時は彼女らを、残して倒れる己を呪う。
(「最後まで共に駆けられぬなど、もう沢山と思っていたのに」)
緋の髪が揺らぎ尾を引いて。いつかと同じ鈴が、震えた。
「──謝る必要は無いのよ。憂女達は繋いでくれたんだから」
友を顧みる余裕は無いものの。彼女達の耳には援軍の到着を報せる音が届いていた。
二十名を超えようか、辿り着いた者達が智龍へと挑み行く。その中で、歩を緩めた峰岸・雅也が此方へと。
「ここまで持ちこたえてくれて、サンキューな!」
彼は明るくも強い笑みを見せ、動かぬ体に鞭打つ者達を庇うように立つ。
「全員で帰るためにも、後は俺たちに任せてくれ!」
だから退けと。自分達をこそ優先しろと案じてくれる。
「ボクも連れて行って。盾くらいにはなれるわ」
だが、未だ動けるとヒメは食い下がった。
「……頼む。他は、足手纏いになりかねん」
彼女とて疲弊に喘いでいたけれど、未だ戦えるというのは嘘では無い。眉を寄せるグレッグや他の者達は、未だ立てている事自体が奇跡じみていた。
少女を一人、託す。心強いと、アイシア・クロフォードが微笑みを残して行った。
「あとは退くので手一杯ですもんね……」
ヒビの入った眼鏡越しにその背を見送るメロウの声には共に往けぬ悔しさと、仲間達への信頼に基づく安堵が交ざった。あとは傍で倒れる者達を助けねばと動くも足元がふらつく。咄嗟にそれを支えたあおの手は、火傷の跡が痛々しい。
(「信じると、仰って、いました」)
信じて、だから護り抜いて。そうして継いだ。
「確かに託した。──今は、それで良い」
倒れた仲間を大柄な方から一人背負い一人抱え、グレッグは二人を促す。三人目は厳しく、女性陣に頑張って貰う事となった。
理屈とは別に揺れる感情は各々あるが、抑えた。今は、要らないから。
『独り』では無い。『自分達』だけでも無い。頼り得る『仲間』達が駆けつけて、後を確かに引き受けてくれたから。
作者:ヒサ |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年7月6日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 4/感動した 4/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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