報復の竜鱗

作者:寅杜柳

●暗闇の中で
「――喜びなさい、我が息子」
 薄暗い廃ビルの一室に、男の声が響く。
 実験台から体を起こした壮年の男は最近悩みであった体の重みが薄れている事に驚いた。
 そして己の腕にびっしりと生えたドラゴニアンのような鱗を見て短い悲鳴をあげる。
「お前は植え付けられたドラゴン因子によりドラグナーの力を得た」
 それに構わず仮面の男、竜技師アウルは告げる。
 力を得たがドラグナーとしてはまだ不完全、そのままでは死亡するだろう、と。
「しかし完全なドラグナーになればそれを回避できる。その為には力を振るい、多くの人間を殺してグラビティ・チェインを奪い取る事が必要だ」
 アウルの言葉に壮年の男は苦笑する。
 ――つまらない事故で仕事はクビ、やり直しもできず荒れて野垂れ死ぬだけだった、空っぽの人生。
「最後に盛大に暴れてやれるならそれもアリだろう」
 傍にあった杖を手にし、どうせならあの職場にお礼参りと行くかと男は部屋を後にした。

「ドラグナー『竜技師アウル』にドラゴン因子を移植され、ドラグナーにされた男が事件を起こそうとしているっす!」
 集まったケルベロス達に黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は予知された事件の内容を語り始める。
 このドラグナーはまだ未完成、完全なドラグナーとなるために必要な大量のグラビティ・チェインを得るために無差別殺戮をしようとしている。
「狙っているのは人間だった頃に嫌な思いをさせられた場所……この人の場合は首にされた職場みたいっすね」
 元々男は運送業者だったが、半年ほど前に操作を誤って事故を起こしてクビになり、再就職も上手くいかず腐り、自堕落な日々を送っていたようだ。
「男が元職場に現れる時間と道筋は分かってるっす。だから事件を起こす前に、撃破お願いしたいっす」
 男が現れる場所はとある早朝の港の倉庫。そこに集まった荷物をトラックで各地に運ぶため、元職場の人が集まっている。
「港にはコンテナが多くて物陰も多いみたいで、それを利用して人目避けて来るみたいっす。何もしなければ出てくるトラックに攻撃して出口を炎上させて、そのまま中に入って社員を虐殺しようとしてるみたいっす」
 これを防ぐには、とダンテが広げた現場周辺の地図の一点を示す。
「出口付近で隠れられる場所はここ、そこに隠れておいて待ち伏せしておいて、ドラグナーが来たら暴れ始める前に戦いに持ち込むのがいいと思うっす」
 ドラグナーの到着とトラックの出発には時間差がある。時間帯も早く、港にいる社員は倉庫で積み込み作業をしていて出口の方には人気もないとダンテは語る。
 ドラグナーはファミリアロッドを武器として使う。完全ではないとはいえ、そのドラグナーとしての力は強力。
「本人にとっては理不尽でも、その八つ当たりを受ける人にはもっと酷い理不尽っす」
 彼が悪事を働く前に、撃破を。
 口調は軽くても表情は真剣、ダンテはそう締めくくり、ケルベロス達を送り出した。


参加者
ドルフィン・ドットハック(蒼き狂竜・e00638)
ドローテア・ゴールドスミス(黄金郷の魔女・e01306)
白雪・まゆ(月のように太陽のように・e01987)
童子切・いずな(最強にかっこいい最強な拙者・e12222)
クロード・リガルディ(行雲流水・e13438)
チェリー・ブロッサム(桜花爛漫・e17323)
日月・降夜(アキレス俊足・e18747)
キーア・フラム(黒炎竜・e27514)

■リプレイ

●彼誰時
 日はまだ姿を見せず、空が明らんできた港。
 未完成のドラグナーの出現に対応するため八人のケルベロスが集まっていた。
「かの者の殺戮をなんとしてでも止めねばならぬ!」
 そして、人々の復讐心を利用し、命を弄ぶ竜技師アウルとやらも決して許してはおけぬ!と義憤を抱くのは童子切・いずな(最強にかっこいい最強な拙者・e12222)だ。
 彼女が予め港の地形を把握していたため、潜伏はスムーズに行われた。
「自分が運転失敗してクビになったのに大暴れって、それじゃ逆ギレじゃん!」
 そんなの大人のすることじゃないと桜色の兎耳を揺らし、怒っているのはチェリー・ブロッサム(桜花爛漫・e17323)。
 コンテナの陰に隠れ、ドラグナーが姿をあらわす時を待っている。
「なるべくしてなった結果かのう」
 ドルフィン・ドットハック(蒼き狂竜・e00638)は、これから巡り合う戦いの相手の境遇に思いを馳せる。
「境遇は残念だと思うのですけど八つ当たりをするのはダメなのです」
 そういう風に仕向ける竜技師アウルが、いちばんイラっとするのですけどね、とドラグナーを生み出した元凶にも怒りを抱きながら、白雪・まゆ(月のように太陽のように・e01987)もその隣に隠れている。
「相変わらず…気に入らないやり方するわね、ドラグナー…」
 物陰に隠れつつ、その過去からドラゴンとその配下たちに強烈な憎悪を抱いているキーア・フラム(黒炎竜・e27514)が憎々しげに呟く。
(「これ以上被害が増えぬ様しっかり撃破していかなければならないな……」)
 その横ではクロード・リガルディ(行雲流水・e13438)は無表情に周辺の様子を観察している。
(「憐れね。愚かね」)
 誰しも挫折することも、折れることもある。
「そんなことをしたって、手に入るものはなにひとつないのに」
 それを乗り越えられず、破滅的な行動を取ろうとするドラグナーを、ドローテア・ゴールドスミス(黄金郷の魔女・e01306)は憐れむ。
(「けド、だからといって人を傷つけることは許さない」)
(「ドラゴン因子の被験者ってのは自らなるんだろうか、それとも強制的に受けるんだろうか……」)
 被験者がどのような経緯でドラグナーになったのか、日月・降夜(アキレス俊足・e18747)は螺旋隠れで隠れながらそんな事を考えている。
(「経緯がどうあれ、放って置くわけにはいかんね」)
 ドラグナーの姿を認めるとチーターの青年は灰色の瞳を眇め、ハンドサインで仲間に合図を送る。

「拙者の名は童子切いずなでござる! ……日笠龍太殿、でござるか?」
 いずながまず名乗りを上げ、続けて事前に調べた彼の本名で呼びかける。
「……俺のかつての名を知っていてここにいるという事は、ケルベロスか」
「人々に手をかければ本当に人間でなくなって――」
「だから止めろと? このままただ、何も果たさぬまま死ねと?」
 どっちもゴメンだとドラグナーの男は吐き捨てる。元々どうしようもない八つ当たりを行おうとしていた人間だ。正論で矛を収めるような性格ではなかった。
 ドラグナーが気を取られていた隙に接近していたキーアが、攻性植物のキキョウを蔓触手形態へと変形させ、ドラグナーを締め上げ地面へと叩きつける。
「八つ当たりの復讐に付き合ってられないわ……問答無用で潰しても問題無いでしょう?」
「言いやがったな……お前ら全員始末して、それからアイツ等をぶち殺してやる!」
 それに合わせる形で一般人を遠ざける為にクロードが殺界を展開していた。
「この先へ行くというのであれば、力づくでも止めてみせよう!」
 いずなが吼え、朝焼けの港で戦闘が始まった。

●日の出は遠く
「世の不満、自分の不幸は他人のせいか」
 堕ちるべくして堕ちたものじゃのう、とドルフィンがドラグナーの腐りきった性根を指摘しつつ挑発。
 元々八つ当たりにも似た心境で力をぶつける相手を探していたドラグナーだ。すぐに怒りは挑発した者に向けられる。
「事故の原因がなんだったかはわからないけどね……結果的に荒れて自分の人生を潰したのは貴方の自業自得よ」
「煩い黙れ! 焼けてしまえ!」
 さらに続いたキーアの言葉に激昂したドラグナーの放った火球が前衛のケルベロス達を焼く。
 即座にクロードが手に持ったスイッチを押すと、カラフルな爆発が炎に巻かれたドルフィン達の傷を癒すと共に、力を増幅させる。
「カカッ、来るがいい! 勘違いの負け犬よ!」
 ドラグナーの力の全てを受け止め、それすらも乗り越えてやろうといった笑みを浮かべ、ドルフィンが黒炎の鎖を放出。ドラグナーを捕らえようするが反応され、回避される。
 しかしその回避した直後の隙を突き、ドローテアが横合いから流星の如き飛び蹴りで、さらにチェリーも兎の瞬発力を活かしたかのような疾風のような蹴りを叩き込む。
「一撃必砕! 全・力・全・開っ!」
 クラッシャーとしての役割を果たすため、最初から全力全開。
 まゆが全力ダッシュでドラグナーとの距離を詰め、身長よりも大きなバトルハンマーを一回転させスピードに遠心力を乗せて叩きつける。その衝撃にドラグナーは呻くが、その体は全く揺るがない。
「止まってろ」
 降夜の放った針状のグラビティがドラグナーの足を地面に縫い止め、その動きを阻害。
 さらに非物質化したいずなの刀がドラグナーを通り抜け、その霊体に斬撃を加える。
(「己が死から逃れるためであろうと、それは無辜の人々に手をかけてよい理由にはならぬ」)
 迷いは刀を鈍らせる。斬らずに済めばよいというのもまっすぐな願いではあれども、戦場に立った時点でいずなには迷いはない。
「……つまらない復讐心で他人を傷つけるな……!」
 鋼の鬼と化した全身を覆うオウガメタルの拳でドラグナーを殴りつける。脆くなった防御を顧みることなくドラグナーは攻撃を継続、リスのような小動物をキーアへと向け射出する。
 避ける事は出来なかったが、ダメージはドレスによって抑えられ、重篤なものではない。
 ドラグナーの死角から摩擦で炎を纏ったドローテアの蹴りが襲い掛かる。
「吐き出したいだけ吐き出しなさい。ぶつけたいだけぶつけなさい。そうね、思う存分力を振るうがいいワ」
 八つ当たり上等。結構結構。元気でよろしいと女は謡うように言葉を紡ぐ。
「……暴れたいだけ暴れて。そうしたらせめて、最期くらいはすっきりした気持ちでお逝きなさい」
 ドラグナーの憤りも絶望も理解した上で、その無念を受け止めようと、言った。
「……知るか! それにまだ最期じゃねえ、ここからだ」
 だがドラグナーは拒絶する。人を殺してグラビティ・チェインを得て完全になればまだ未来はあるのだと。
 ドルフィンが風を巻き上げるような鋭い蹴りを叩き込む。クリーンヒットとはいかないが、その衝撃でドラグナーが僅かに怯む。
 そこにまゆが精神を研ぎ澄ませ、ドラグナーを爆破しようとするが敢え無く回避される。当たれば威力こそ保証されるものの、序盤戦で戒めが不十分かつ、まゆ自身がやや不得手とする能力のグラビティでは当てる事が困難だ。

 ドラグナーが前衛を攻撃したのは挑発に反応した最初のみ、それからは落ち着いたのか攻撃を後衛に向けている。
「ちょっと熱いか。……貰うぞ」
 削られた体力を補うように降夜が降魔の一撃を食らわせ、与えたダメージを己の癒しへと変換する。
 遠くから一気に距離を詰め、また離れる長身に似合わない軽やかな動きはウェアライダーならではといったところか。
 ドレインによる回復だけではない。クロードが癒し手としてステップを踏んで花のオーラを撒いて癒していることに加え、ケルベロス達それぞれの防具の耐性が炎による被害を抑えているため、一人当たりのダメージは比較的抑えられている。
 火球によるダメージの幾許かは護り手が庇う事で分散されている。護り手が負ったダメージは全身に禍々しい呪紋を浮かべる事で、加護を得ると共に傷を癒している。
 また、誰かが大きく消耗した場合も仲間の体力をよく観察しているクロードが祝福の矢を飛ばし、最悪の状況にならないようにしている。
(「しかしこれは……長期戦になるとまずいか?」)
 だが、人数が多くなると列を纏めて攻撃された分の被害の総量は、癒し切れない傷も合わせて増える。いくらメディックとは言えどそれらを一人だけで補いきるのは少々厳しい。
 ドラグナーは人数の多い後列を集中的に攻撃してきている。ディフェンダーがいても、後衛全てを庇うには手が足りない。
「そら、行け!」
 ドラグナーのファミリアシュートがいずなを捉える。火球とそれに付随する炎によるダメージは少ないが、これは躱し切る事もダメージを抑えることも厳しい。
「まだまだやれるでござる!」
 銀の狐耳を揺らし、金の瞳を爛々と輝かせながらいずなが叫び、傷を癒す。攻撃に徹することができればそれがいいのだろうが倒れない事の方が大事だ。
「まだまだ! 頑張って!」
 傷ついた者を励ますような笑顔で、チェリーも満月に似た光球を放って後衛の傷を癒すが、それに手一杯で攻撃までは手が回らない。
 後衛の消耗にまゆがドローンを飛ばし、キーアもキキョウを収穫形態へと変形させ、黄金の果実の聖なる光で仲間を癒すが、それを合わせてようやく五分五分。癒し切れないダメージは着実に積み重なっていく。
 ドラグナーの放った何度目かの炎に対抗するように、ドルフィンが拳から螺旋の真空波を放つ。ドラグナーの肉体を凍らせはするものの、まだまだ体力には余裕がありそうだ。
「カッカッカッ! やるのう!」
 その姿に思わず戦闘狂としての笑みを浮かべる。
 針や蹴撃、絡み付く攻性植物により、攻撃は当たりやすくなってきている。しかし回復に手を取られ攻め手に欠ける状況ではダメージも思うように重ねられない。
 一進一退の攻防が続く。

●曙光
 何度目かの小動物がいずなへと射出される。
 そのリスのような小動物を、今回はチェリーが受け止めた。魔力が籠められた一撃は重く、血が流れて多少ふらつきはするが倒れることはなく、いずなへの被害もない。
 それを見たクロードがスイッチを押し、カラフルな爆発が後衛を鼓舞する。連携を取る形でドルフィンがドラグナーに接近、指で秘孔を突きその動きの自由を奪う。ここまでに幾重も重ねられ、増幅された足止めが効果を発揮、前衛の破壊力のある攻撃も外れなくなってくる。
 このタイミングで、空の霊力を帯びたいずなの刀がドラグナーの傷を広げ、戒めを一気に増幅させる。
「最後にその道を選んだのはお主自身の意思によるもの。ゆえに、その咎は受けねばならぬ!」
 いずなの不殺の霊剣術がドラグナーの肉体と霊体の結び付きを切り裂く。
 そこに生じた隙に、降夜が螺旋を込めた掌でドラグナーに触れる。体内に響くダメージ、それが攻撃の狙いを狂わせる。
「おのれ、俺の……無念を晴らす、邪魔をするなぁ!」
 それでもドラグナーは憎悪を瞳に宿したまま立ち、杖を振るい続ける。
「いやいや、邪魔しなかったらその足で虐殺に行くんだろ?」
 それを見過ごすのはねえ、と降夜が飄々と返す。
「私はどんな目に合っても絶望はしなかった……絶望したのは貴方の弱さよ!」
 キーアの放った黒炎弾が命中、その生命力を奪い取りキーア自身を癒す。
 ここまで来たら真正面から叩き潰す方が早く被害が抑えられる、と判断したまゆが飛び上がり、竜の力でハンマーを加速させて真上から叩き潰す。回避し辛いその一撃は見事にドラグナーの芯を捉え、その体をよろめかせる。
 さらにドローテアがコンテナを踏み台に跳躍、ドラグナーの頭上から飛び蹴りを食らわせる。
「一撃当千! 避けないと……危ないよ!」
 警告はするが避けさせる気などない。チェリーが流れた血を固めて巨大な拳を作り出し、ドラグナーへと振り下ろす。避けきれぬままにその一撃をまともに受け、ドラグナーが膝をつく。
「我が喚ぶ、『骸大蛇』……標的を喰らえ」
 敵の動きを観察していたクロードもここが押し切る時だと判断、骸骨の大蛇を召喚してドラグナーを締め上げる。
 締め上げられたドラグナーが体勢を整える前に電光石火の蹴りが一撃。
「ほらほら、早く倒れておくれ」
 煽るような降夜の言葉にも反応はない。反応するだけの余裕もなくなっている、というのが正しいか。
「せめて人の道を踏み外さないうちに、なのです!」
 ちゃんと人として逝けるようにと、まゆが親友より受け継いだ『鋼の軍曹』を全力で遠心力を乗せ、振り抜く。
「神をも滅ぼす尽きる事のない黒炎……魂の一片すら残さず燃え尽きろっ……!」
 キーアがグレイブをドラグナーに突き立てると黒炎が爆発的に発生、キーア自身ごと焼き尽くすような勢いのその炎は、敵を内と外の両方から灼き、その体力を大きく削り取る。
「カッカッカッ! これぞドラゴンアーツの真骨頂じゃ!」
 そこにドルフィンの放った鎖がドラグナーを捕獲、空中へ持ち上げ重力の加速を合わせ地面へと叩き付ける。その衝撃に黒炎が爆発、ドラグナーの肉体を灼く。
「チェイン接続開始。……いくワよ!」
 ドローテアの蠍座の星座剣が閃き、強く鋭く研ぎ澄まされた赤の刺突がドラグナーの心臓を打ち抜いた。
「……畜生、ここで終わり、か」
「オトナでしょう。自分で選んだ結末を受け入れなさい」
 杖を取り落とし、疲れ果て、全てを出し切ったようなドラグナーの最期は、憑き物が落ちたような穏やかな表情をしていた。

●暁
(「事故一回くらいじゃクビにしないようにって出来ないのかなー」)
 そんな事を考えつつチェリーはヒールグラビティで戦闘痕を修復している。クロードも一般人に被害がなかったことに内心安堵しつつ、まゆと倉庫の壁を修復している。
 黄金の果実を生成し、無言でドラグナーの冥福を祈るキーアの姿があった。自業自得ではあっても、それを利用したのはドラグナーであり、その点では彼も被害者だったのだから。
(「……そうね、きっと清算したかったのね」)
 ドラグナーは手に入る物など何もない行為をなぜ選択したのか、ドローテアはそう結論付けていた。
 その胸に溜まった無力感を、絶望を清算するための行為。
(「願わくば、清浄たる斬霊刀の輝きが、彼の者の魂に安らぎを与えんことを」)
 傷を癒したいずながドラグナーの冥福を祈る。
「ごめんなさいでしたのです。できるなら、安らかに、なのですよ」
 まゆもドラグナーの冥福を祈る。
「ドラグナーになる前に、その気概で挑めばよかったのう」
 惜しいことじゃ、とドルフィンが手向けの言葉を紡ぐ。
(「……最後は闘いの味を知れたかのう?」)
 戦いの中に快楽を見出す彼にとってはその味こそが何よりの悦楽。それを今際でも味わえたのならば、彼の命にも価値はあったと、そうあれかしとドルフィンは願った。

作者:寅杜柳 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年7月21日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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