日の丸弁当こそ至高!

作者:氷室凛


 とある教会でビルシャナが十名ほどの信者を前に演説していた。
「日の丸弁当こそ至高! そしてそれ以外の食べ物を食うべきではない!」
 ビルシャナは大きな弁当箱の蓋をあけた。ぎっしり詰まった白ご飯の真ん中に、大粒の梅干しがちょこんとのっている。
 その質素すぎる弁当を、ビルシャナは物凄い勢いで食べ始める。
「うむ……うまい! やはり梅干しは最強のご飯の友である! 梅干し一つでご飯三杯はいけるぞ! ……とはいえ、まあ確かに日の丸弁当は少しばかり質素かもしれない……弁当箱を開けた時にご飯と梅干ししか入ってなかったらガッカリする奴も多いかもしれんな。だが俺たちは誰が何と言おうと日の丸弁当が大好きなのだ! 他の食べ物など絶対に食わんぞーーッ!」
 鳥人間のような奇怪ないでたちのビルシャナは声を張り上げる。
 信者たちは、そのよくわからない演説に心酔して歓声を上げるのだった。彼らはビルシャナの異形の姿を全く気にしていないようだ。


「鎌倉奪還戦の際にビルシャナ大菩薩が放った光の影響で、悟りを開いてビルシャナ化してしまう人間が出ています!」
 ヘリポートに集まったケルベロスたちの前で笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)が説明を始める。
「まいにち日の丸弁当とは、ずいぶん安上がりですね……」
 平坂・サヤ(こととい・e01301)は長い前髪の下からのぞく片目を細め、ふっと笑った。
 一方、ねむは説明を続ける。
「悟りを開いたビルシャナとその配下と戦って、ビルシャナを撃破するのが今回の目的です。みんなはこのビルシャナが周囲の人間に自分の考えを布教しているところに乗り込んでください。ビルシャナの言葉に惑わされた一般人は放っておくと配下になってしまいます。しかしビルシャナの主張を覆すようなインパクトのある主張をすれば、周囲の人間が配下になるのを防げるかもしれません」
 配下となった人間はビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いで戦闘に参加する。
 説得に失敗してもビルシャナを倒してしまえば元に戻るので救出することはできるが、配下が多ければそれだけ戦闘で不利になる。
「教会にいる十名程度の信者はビルシャナの教義を深く信仰しているため、言葉だけで説得するのは難しいです。信者はずっと日の丸弁当ばかり食べているので、みんなは実演を交えたインパクトのある主張をしてビルシャナの教義を覆してください!」
 ビルシャナは遠距離攻撃のグラビティを中心に使用するほか、ブチギレると梅干しが大量に詰まった大きな壺を投げつけて攻撃してくることがある。
 教会には信者以外の人間は出入りしていないので人払いの必要はないだろう。なお、配下となった一般人の生死は依頼の成否判定には影響を及ぼさない。
「ビルシャナと化した人間を救う方法はありませんが、信者はまだ救える可能性があります。これ以上信者を増やさないためにも早急にビルシャナを倒してください。それでは、よろしくお願いします」


参加者
リシティア・ローランド(異界図書館・e00054)
平坂・サヤ(こととい・e01301)
八千代・夜散(濫觴・e01441)
西村・正夫(週刊中年凡夫・e05577)
大成・朝希(朝露の一滴・e06698)
野々宮・イチカ(ギミカルハート・e13344)
アニー・ヘイズフォッグ(動物擬き・e14507)
ヴォルフラム・アルトマイア(ラストスタンド・e20318)

■リプレイ


「今の時代に日の丸弁当だけ、ってのはなァ……これ以上布教される前に食い止めるぜ」
 教会へと向かう道中。八千代・夜散(濫觴・e01441)は切れ長の目をギラリと光らせ、足早に歩を進めていく。
「ええ……もし日本中に布教されてしまっては大変ですからねぇ……」
 しがないサラリーマン風の西村・正夫(週刊中年凡夫・e05577)は、気の抜けた表情のままつぶやく。
 数分ほど歩くと、やがて古びた木造の教会が見えてきた。ケルベロスたちは示し合わせていたようにドアを開け放ち、一気に中へと駆け込んでいく。
「なっ、なんだ貴様ら!?」
 ビルシャナと信者たちは突然の刺客に驚き、日の丸弁当を抱えたまま身構える。
 そんな彼らをよそに、ケルベロスたちはシートを広げてピクニック(?)の準備に取りかかるのであった。
「……ところでビタミン不足の日の丸弁当。太る原因になるわよ、栄養不足」
 リシティア・ローランド(異界図書館・e00054)はシートの上に淡々と弁当を並べつつ、冷ややかに言った。
「うるさいっ! 大体、何でわざわざこんな所でピクニック? 外でやれ、馬鹿野郎!」
 叫ぶビルシャナであったが、ケルベロスたちは完全に無視。そのまま和気藹々とした雰囲気で教会内でのピクニックを敢行。信者を救うためにはこうするしかないのだ。
「今日はサヤもちゃんと作って参りましたよ! がんばりました!」
 平坂・サヤ(こととい・e01301)はお重の蓋をぱかっと開けた。
「甘いおかずも、しょっぱいおかずもすきなのですよ。炊き込みご飯もいいですし、パンもよいですよねえ…… デザートだって外せません。あっあっ、飲み物もたいせつです!」
 サヤのお重には小さなおにぎりが沢山詰まっている。具は梅干しや生姜焼き、唐揚げやドライカレーなど様々。サヤはおにぎり片手に、おかずのだし巻き卵を笑顔でほおばる。
「いただきまあす」
 一方、その隣で大成・朝希(朝露の一滴・e06698)も仲間と共に弁当を囲み、勢いよく手を合わせた。
「やっぱり開ける時のわくわく感ってありますよねえ。毎日同じじゃ味わえませんよね」
 朝希は自慢の弁当を傾け、どや顔で信者たちに見せつける。
「僕のは母に作って貰ったお弁当……メインは冷めてもおいしい鶏のから揚げ。育ちざかりなのでおにくは大事、大事です。……あっ、皆さんのもいただきますね」
 朝希はサヤから分けて貰ったおにぎりを一口食べた。そしてまたから揚げを一口。
 冷めていても鶏肉のジューシーさとサクッとした衣は健在。朝希はさらにもうひとつから揚げを口に放り込み、笑顔のまま幸せそうにほっぺたを膨らませるのであった。
「食べたいのは梅干しとごはん、だけなんだよね……イチカ、昨日の夜から仕込みはじめて、がんばってつくったんだけどな……」
 野々宮・イチカ(ギミカルハート・e13344)は悲しげな表情でつぶやく。
「タケノコご飯、わざわざ保温のやつにいれてきたからほかほかだし、卵焼きもふっくらふわふわだし……はぁ……残念だなぁ……」
 イチカは嘆息し、温かいタケノコご飯をかきこむ。
「梅干しとご飯だけじゃ身体こわしちゃうよ? バランスのとれた食事って大事だと思うんだけどなあ……でもそんなに日の丸弁当がいいんだったら、今日のおべんとはわたしたちだけで食べちゃうね。朝希くん、から揚げちょうだい!」
「どうぞ! 多めに作って貰いましたから、まだまだありますよ。皆さんもどうですか?」
 イチカの申し出に朝希は快く応じ、他の仲間たちにもから揚げを配っていく。
「ん~! おいしいね、サクサクしてる!」
 イチカはタケノコごはんの上にから揚げをたくさんのせて、物凄い勢いで食べていく。味の沁みた炊き込みご飯はそれ単体でも十分味わい深いが、から揚げと食べると箸が止まらなくなり、イチカはうっとりと表情を緩ませる。
 その様子を見て信者たちは『むぐぐ……』唇を噛みしめるのであった。
「自分の用意した弁当は天丼弁当だ! 自分は油が大好きなんだ!」
 アニー・ヘイズフォッグ(動物擬き・e14507)が大声でそう宣言する。
「油!? 『油もの』じゃなくて油が好きなのか!?」
 さすがのビルシャナもドン引きする。
「好きなんだからしょうがないだろう! ……揚げ物は太るから嫌いとかぎとぎとするから嫌いだとか言うが、自分は大好きだ! 油も良い物を使えばぎとぎとしない!」
 アニーが持ってきたのは天丼弁当。海老、サツマイモ、かぼちゃ、ナス、大葉などの大ぶりの天ぷら並ぶ。
「梅よりも天丼弁当! 野菜も魚介類もご飯も衣も食べれてとても贅沢な一品だ! それにここに来る前に揚げたから衣もサクサクしているぞ!」
 そう熱弁するアニーは甘辛いタレを天丼全体に回しかけ、天ぷらやご飯に染み込ませていく。
 それからアニーはなぜか天ぷらの衣だけを先に食べ、その後、裸になった野菜をほおばった。
「なんつー食べ方してるんだ? それ天ぷらにする意味あるのか?」
 ビルシャナは思わず尋ねる。
「これはウェアライダーっぽい食べ方だ!」
「いやウェアライダーそんな食べ方しねーよ!」
 がうがう……と吠えんばかりに天ぷらにがっつくアニーに、ビルシャナは拳を握る。
「白米に梅干し……うん、美味しいよな」
 相変わらず質素な弁当を食する信者たちに、ヴォルフラム・アルトマイア(ラストスタンド・e20318)はうなずきながら語りかける。
「良かったら……キミ達も食べるかい?」
 ヴォルフラムの抱える弁当箱に並ぶのは、唐揚げ、すき焼き、焼き魚、明太子。白いご飯に合いそうな品々がこれでもかと詰まっており、信者たちは息をのむ。
「ああ、ささみの梅肉大葉巻きは外せないな。あと紅茶とコーヒーもあるぞ……皆もどうだ?」
 ヴォルフラムが仲間のほうを振り返って尋ねると、イチカが真っ先に手を挙げた。
「ねぇ紅茶ちょうだい! タケノコご飯分けるからさ!」
「ほう、それは楽しみだな」
 ヴォルフラムはビハインドに紅茶を運ばせつつ、タケノコご飯を味わう。ほんわりと染み渡るような味わいに、ヴォルフラムは思わず微笑むのだった。


 その後もケルベロスたちは全力でピクニックを楽しみ、信者たちに精神的苦痛を与え続けた。
「あらあら、微笑ましい光景ね。学生さんならではかしら」
 リシティアは、仲間たちがにこやかに弁当のおかずを交換する様子を見て、静かにつぶやく。
「それに比べて……そんな彩もなく栄養バランスのない寂しい昼ごはんばかりで気にならないのかしら?」
 リシティアは棘のある言葉を吐き、包みをほどく。
「ああ、気にならん! 気にならんとも!」
 ビルシャナは信者を威圧し、無理矢理うなずかせる。
「私のは自作のオムライス弁当よ」
 リシティアは、ふんわりと柔らかい卵をスプーンで崩してみせた。花形の人参に彩られたチキンライスが顔を出す。
「弁当は皆で食べるものなのだからやはり見た目も味も、そして何より健康も重視しないとね。貴方も食べてみる? 魔女の作ったお弁当」
 リシティアは無表情のまま信者を見つめ、スプーンを自らの口へ運ぶ。基本的には書物にしか興味がない彼女であったが、依頼の成否にも関わる弁当作りには真剣に取り組む性質だ。
 とろけるようなオムライスの味わいにリシティアは満足したのか、軽く嘆息するのだった。
「男親で足りぬことも多いが弁当ごときで恥をかかない様、卑屈にならない様にって毎回調べたり工夫したりそりゃ気を使いましたよ」
 一方、正夫はそこはかとない哀愁を漂わせながら切り出す。娘に弁当を作っていた時のことを思い出しているようだ。
「年頃の娘が日の丸なんて恥ずかしいでしょ。そんなの毎日同じボロ服着てる様なもの……女の子だったら絶対歪む……それでも日の丸とか喧嘩売ってんのかコラァァァ!」
 と、そこで正夫はいきなりキレて床を叩く。
「突然どうした!? とりあえず落ち着けおっさん」
 ビルシャナはひとまずなだめる。
「……あと日の丸じゃお酒飲めないでしょ? 白飯に冷酒が通? 毎度それじゃ芸もないし品もないでしょ。おじさん的に病気とか気になるし……炭水化物全振りとか酒無くても糖尿直行ですよ」
 正夫は鷹揚に首を振り、ポリポリ頭をかく。中年男性としてはそこは重大な問題である。
 彼の弁当のおかずはと言うと、オムライスやミニハンバーグ、ナポリタンにブロッコリー、プチトマトといった、微妙に女の子向けに作った感があるラインナップ。
「糖尿……アレは怖い、立たなくなるし、私、使う宛ても無いですが普通に男として無い。その辺どう思います?」
 正夫は先ほどとは打って変わって菩薩のごとき笑みで尋ねる。
「知るか! 俺に振るな! もう少し周りをよく見ろ! 空気を読めおっさん!」
 ビルシャナは、正夫の周囲の若い女性のケルベロスたちを指さし、紳士的に自重を促す。
「卵焼きに筑前煮、筍ご飯も炊いてきたよ。派手なおべんとではないけど……」
 不毛な応酬が続く中、イチカは新たな弁当箱をやうやうしく開けた。
「では……どれ、今度は卵焼きを貰おうか」
「うん、いいよー。はい、あーん♪」
 イチカは卵焼きを箸に取り、ヴォルフラムの口へと押しやる。
 一瞬戸惑いつつも、ヴォルフラムはイチカの好意に甘えて卵焼きを口にした。
「……うん、美味しく出来てる」
 ヴォルフラムは口をもぐもぐ動かしながら、しきりにうなずく。
「ほんと? よかったぁ~」
 安心したのか、イチカは微笑み、ほっと胸をなでおろす。
「お前ら、なんか楽しそうだな!」
 ビルシャナはぶすっとした様子で言った。
「食べたいものや食べて頂きたいものを、すきなだけギュッと詰められるのがお弁当箱なのですよ。サヤだって白米も梅干しもすきですけれど、それだけしかダメなんて、狭量なことじゃあいけないのです」
 言いながら、サヤも卵焼きを食べている。
「甘いのおいしいですねえ……信者さんもおひとついかがでしょーか? おいしいものを皆で食べるのは、もっとおいしいのですよ」
 サヤは黒髪の下からのぞく目をぱちぱちさせながら、信者たちを見つめる。
「皆で弁当を交換しよう! さあ、好きな具をとってくれ! 何なら信者の人たちも混じっていいぞ!」
 アニーは自慢の天ぷらがたっぷり入ったお重を抱えて走り回り、仲間たちに配って回っている。
 と、アニーは突然足を止めた。
「おおぉ……! その弁当は何弁当だろうか!」
 アニーは目を輝かせながら夜散の手元を覗き込む。
「これか? これは特に名前はないが……運動会や花見をより楽しむための弁当だ。今日、5時起きで作ったんだぜ。手作り弁当は時間がかかるよなァ……」
 夜散は三段の大きなランチボックスを順番に開けていった。
 彩り鮮やかなちらし寿司、鶏のから揚げ、煮込みハンバーグ、エビフライ、フライドポテト、食べやすい枝豆の塩ゆで等が並ぶ。そしてデザートは苺とさくらんぼ。
 夜散はそれらの品々を紙皿に取り分けていく。
「紙皿も沢山ある。遠慮しねえで食べてくれ。ビルシャナ信じたりしねえで、お前らもこっちで一緒に弁当食べようぜ」
 夜散の誘いに信者たちが動揺する一方、サヤがすっ飛んできた。
「では遠慮なくいただきます! あっあっ、サヤだってだいじょうぶですゆえ、おひとつどうぞ!」
 サヤは自作のおにぎりを差し出す。
 夜散はその小さなおにぎりを味わいつつ、
「ほう……これサヤが作ったのか? 料理の腕少しずつ上ってるンじゃねえか?」
 と、瑠璃色の相貌を細める。
「ね、ずっと同じで実は飽きていませんか? その日の丸弁当に、このから揚げや他のおかずが入ったら――すごく強いと思いません?」
 朝希はどさくさに紛れて未開封の日の丸弁当を強奪すると、仲間たちのおかずをご飯の上に添えて、これ見よがしに見せびらかす。
 ケルベロスたちの説得によってすでに虫の息だった信者たちは、ガタガタ震え出す。
「くっ……だめだ、もう限界だッ……!」
「明王、すいません!」
 そう言うと信者たちは一目散に教会から脱走していった。


「待てェェお前ら!」
 ビルシャナは走って追いかけるが、何もない所で突然すっ転んだ。
「こ、これは攻撃していいのか……?」
 アニーは若干負い目を感じつつもライトニングボルトを放ち、容赦なく雷を叩き込む。
 さらにサヤもブレイジングバーストを放ち、炎の弾丸を炸裂させる。
「くそっ……」
 炎をまとったビルシャナは、半分焦げながらも氷弾を発射してきた。
 だが正夫が両手の拳を叩きつけ、氷弾を打ち砕く。
「ああ、日の丸の代わりに。とっても痛い黒い球。くれてやるわ」
 直後、リシティアは『時喰弾』を放った。紅い竜巻のような重力が渦巻く魔弾が閃き、ビルシャナの身を切り裂いていく。
「ぎゃああああ!」
『気を付けて。彼が、来ていますよ』
 朝希は『小人神の詼れ』を発動し、前衛の集中力を高めていく。彼の足元で水玉が弾け、笑い声と共に飛沫が立つ。
「――ッ」
 ビルシャナは息を吸い込むと、口から炎を吐いてきた。
 広範囲に炎の息吹が広がる中、イチカは光輝く飛び刺さり蹴りを放ち、閃光を炸裂させて炎を打ち消した。
「っしゃァ、今だ!」
 好機だと見た夜散は、遠距離から竜の幻影を飛ばした。
「で、どうして日の丸弁当にこだわるのか聞いていいか?」」
 夜散が尋ねる。
「梅干しとご飯が大好きだからだ! それ以外の理由などない!」
「…………」
 ビルシャナの返答に、ヴォルフラムはさして興味を示さず破鎧衝を叩き込む。
 眉間を穿たれたビルシャナは苦悶の声を上げながらこう言った。
「いや、誰か何か言ってくれよ……」
「…………」
 ビルシャナはその場に崩れ落ち、ほどなくして爆散し、その体は塵となって消え去っていった。


「折角だから食べ切ってしまいましょうか。最後はごちそうさまでした、で締めなくちゃ」
 戦闘後。朝希は屋内をヒールで修復しつつ、仲間に声をかける。
「ああ……片付いたことだし、再開しようか」
 ヴォルフラムはうなずき、ウインクする。
「どうせならデザートも持ってくればよかった……かな?」
 イチカはコーヒーをすすり、首をかしげる。
「私は酒があれば十分ですよ。さて……では飲むとしますか」
 正夫は持参した一升瓶をドンッと床に置いた。
 倒すべき敵を撃破し、信者もいなくなった静かな教会で、ケルベロスたちはその後もしばらく屋内ピクニックを楽しんだのであった。

作者:氷室凛 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年6月25日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 0
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