ジューンブライドを夢見て

作者:ハル


「……結婚、したいなぁ。6月だもんなぁ、ジューンブライドだもんなぁ……」
 明日で三十路を迎えるという女性は、流れる結婚関連のテレビCMを眺めながら、そんな事を呟いていた。
「この歳になっても、結婚って憧れるものなのね。忙殺される日常の中でも、私の乙女心はすり減らずに残ってたって訳か」
 女性の瞳は、どこか嬉しそうに、だが同時に寂しげな色も宿している。だが、女性はフッと頬笑むと、気合いを入れるように頰を軽く叩いた。
「まだまだ私も捨てたもんじゃないわよねっ! まだチャンスだってあるはず!」
 そうやって、どうにかして気分を盛り上げようとする。だが、彼女の心は半ば諦めで満たされていたのだ。自分が美人でもなく、特段優秀でもなく、これといった特徴もない事は、学生時代、社会人生活の中で嫌という程思い知らされているのだから。
 無論、彼女に罪などあろうはずもない。誰かの幸せを見て、自分も幸せになりたいと夢想するのは、人であれば当然の事。
 ゆえ――。
「貴女の夢は分かったわ。だったら、私が貴女に変わって、素敵な伴侶を見つけてあげる」
 その酷薄な言葉は、女性にとって特大の理不尽であったろう。
 それは、一瞬の事。女性に成り代わろうとするドリームイーターの手で、女性の全身は血に染まり、体温を喪失する。
 部屋に残ったのは、ロングコートを身に纏ったドリームイーター。ドリームイーターは女性の遺体を一瞥すると、嘲るような笑みを浮かべた後、部屋を足早に出て行くのだった。

「メルーナ・ワードレン(小さな爆炎竜・e09280)さんの懸念通り、ジューンブライドに憧れていた女性が殺され、成り代わられるという事件が起きてしまいました」
 起こってしまった悲劇に、セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は唇を強く噛んでいる。
「ドリームイーターは、女性が持っていたジューンブライドに対する憧れや、結婚願望という夢を実際に叶えている人を近場で見つけて襲い、その人からドリームエナジーや夢に該当する部位を奪い去ってしまいます」
 セリカは資料をケルベロス達に資料を配ると、地図のある一点を指し示す。
「調査の結果、女性の自宅近くのある結婚式場にて、本日若い男女の結婚式が執り行われるようです」
 どうやら二人は幼馴染み同士であり、子供の頃にした結婚の約束を成就させたようだ。互いの思いの強さは相当なものだろうし、ドリームイーターからすれば新郎は格好の獲物となるだろう。
「問題は、そんな二人の晴れの舞台ゆえに、式への来場者も多数いるという点です」
 関係者のみならず、式のスタッフなども含めれば、相当な数だ。現れてから避難させる場合は、ある程度の時間がかかると見られ、少しばかり苦戦を覚悟しなければならないだろう。
「もう一つの誘き寄せる方法としては、ケルベロスは一般人に比べて夢の力が大きいようですので、皆さんが結婚式場で、新郎新婦、その友人などとして振る舞うことです。それにより、ドリームイーターはケルベロスを狙って現れる可能性が高くなります」
 セリカは、恥ずかしがるような仕草を見せるケルベロス達に、クスリと含み笑った。だが、すぐにその表情を引き締め、言う。
「何の罪もない女性のささやかな夢を、あったかもしれない可能性をゼロにしてしまったドリームイーターの行いは、決して許されるものではありません! 第二の犠牲者を出さないためにも、どうか皆さんのお力をお貸し下さい! もう一度言います、乙女の敵を許してはなりません!」


参加者
ラプチャー・デナイザ(真実の愛を求道する者・e04713)
上野・零(シルクハットの死焔魔術師・e05125)
シャルロッテ・リースフェルト(お姉さん系の男の娘・e09272)
メルーナ・ワードレン(小さな爆炎竜・e09280)
フォトナ・オリヴィエ(マイスター・e14368)
植田・碧(エンジェルハイロゥ・e27093)
レーヴ・ミラー(ウラエウス・e32349)
六壬・千那(六壬エンチャンター・e35994)

■リプレイ


「結婚式ですか……私もいつか……恋人と……」
 式の準備を間近で眺めながら、シャルロッテ・リースフェルト(お姉さん系の男の娘・e09272)は『彼女』のウエディングドレス姿を思い浮かべ、頰を緩ませている。
 だが、現実は無情。
「どうでござるか、シャルロッテ殿。今日のお兄ちゃんは格好いいでござるか?」
「は、はい! お兄さん、とっても素敵です!」
 シャルロッテは、ラプチャー・デナイザ(真実の愛を求道する者・e04713)に、『妹』として微笑みかけている。
「そうでござるか? 照れるでござるなー!」
(これでも私は一応男ですのに……!)
 真面目なシャルロッテは、本気で妹役をこなしている。その姿のどこにも違和感がないからこそ、余計複雑な気持ちなのだろう。
 一方、着々と進んでいる準備に関しては、フォトナ・オリヴィエ(マイスター・e14368)なりのこだわりが。
「テーブルの上の花は、もっと明るい方がいいかもしれないですね。できれば、メルーナさんの髪と同じ、紅い花が」
 料理こそ、本来の式で使われるものを流用させてもらったが、花や照明などは、フォトナが即興で用意したものだ。
「あと少しだけ付き合ってくださいね?」
「いえ、遠慮しないでください!」
 フォトナは、スタッフに笑いかけながら、少し息を吐いた。きっと、被害にあって帰らぬ人となった女性の事を思い浮かべているのだろう。
「……よく知る仲間同士が結婚するって……偽とはいえ、感慨深さがあるな……」
 式が近づくにつれ、上野・零(シルクハットの死焔魔術師・e05125)は緊張を隠せなくなってきていた。仲間達に『黒神父』などと揶揄された己の格好を見下ろし、苦笑を漏らす。とにかく、自分がポカをする訳にはいかないと、零はタイムテーブルに改めて目を通した。

「メルーナさん、遊びに来たわよ!」
「失礼致します。準備の方は順調ですか?」
 植田・碧(エンジェルハイロゥ・e27093)とレーヴ・ミラー(ウラエウス・e32349)が、メルーナ・ワードレン(小さな爆炎竜・e09280)のいる控え室にやってきた。
 そこには――。
「キミ……本当にメルーナなの? すごく似合ってるじゃないか」
 思わず、六壬・千那(六壬エンチャンター・e35994)が感嘆の声を漏らしてしまう程、美しい花嫁が。
「べ、別に私はこんなのに興味なんてなかないんだからね! 見繕ってくれたフォトナが、これがいいって言うから……仕方なく」
 ツインテールを解き、純白のウエディングドレスで着飾ったメルーナ。その似合いっぷりに、碧は胸中でフォトナにグッジョブ! と、親指を立てる。
「ア、アンタ達こそ、綺麗なドレス着てるじゃないの。レーヴなんて、ナイスバディーだし」
 集中する視線から逃れるように、メルーナが苦し紛れの言葉を発する。だが、エイティーンで170近い長身のモデル体型となったレーヴに、若干気圧されていたのは本音だろうが。
「ふふ、ありがとうございます。しかし、身体だけ成長しても、今日のメルーナ様には到底叶いません。私はドレスの色も、少し千那様と被ってしまいましたしね」
「ああ、ドレスのタイプこそ違うけど、ボクのはライトブルーで、キミのは薄青色だから、少し被っているかもね」
 レーヴが謙遜しながら千那のチューブトップのロングドレスに視線をやると、千那が苦笑を浮かべる。
「まったく、仕方ないわね。女の子なんだから、そういう所にも気を配らないと」
 それに対し、碧が冗談めかしたしたり顔で、ふんわりとした薄紫のドレスの裾を摘まんで見せた。
「それ以前にさ、まさかボクがドレスを着る日が来ようとはね。新鮮だけど少し恥ずかしいな」
 すると、千那が頰を赤らめる。結婚など想像もできない彼女ではあるが、場の雰囲気や、メルーナ、そして自身の格好に、何も感じない訳ではないのだろう。
「恥ずかしがる必要なんてないわよ? 千那さんも十分似合っているわ」
 と、ふいに控え室のドアが開く。やって来たのは、フォトナ。彼女はメルーナの姿を一瞥し、微笑みを浮かべた後、言った。
「準備の方は終わったわ。いよいよ本番よ」


(ぐ、ぬぅっ……し、死ぬほど恥ずぃ……)
 式の始め……入場前こそメルーナは緊張と羞恥でガチガチになっていたが、
「いやー、今日から拙者達は夫婦でござるな~! 夫婦ともなれば、夜の生活の方も充実――ぐふっ!」
 演技か素か、ラプチャーが普段通り振る舞ってくれたおかげで、暖かな……どころでは収まらぬ灯火(業火)を振りまき、いつのまにか緊張は和らいでいた。
「お兄さん、お姉さん! お二人とも格好いいですし、すごくお綺麗ですよ!」
 自分の恋人との結婚を妄想しすぎた結果、すっかり妹役に入り込んだシャルロッテが、入場と同時に誰よりも早く、瞳を潤ませながら歓声を上げた時には度肝抜かれたが、その事によって式はより真実味を増した。
 そして、
「……えー、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも―――」
 零は、自身最大の見せ場である、誓いの言葉をしっかりと言い切った。
 その間。
「メルーナと結婚出来て本当に嬉しい。ずっと俺の側に居てくれ」「バッ! な、ななな、なに言って!? こ、こんなのただの仕事なんだから!」「何時もは表情が沢山変わって、見ていて楽しいし可愛らしいけど……今日は綺麗だ。見惚れる程に」「……ぅぁ、ぃ、ぇっ?!」
 零の目の前では、小声でそんなやり取りがなされているのだから、たまらない。零は恋人持ち故に、仲間内ではシルクハットマンだの、天然モテ男だの呼ばれている。だが、実際の所は上手くいかない事の方が多かった。だから、サキュバス補正を発揮した本気のラプチャーを尊敬しつつ、同時に甘ったるい空気から逃れるように、客席の方を見た。
「偽物だと分かってても、ドキドキしちゃうわ」
「本当に素敵ですよね、お兄さんも、お姉さんも」
「……そろそろ、誓いのキスですね」
 碧、シャルロッテ、レーヴは、食い入るようにメルーナとラプチャーの式を見つめている。そして、レーヴの口から出た誓いのキスという単語に、キャーキャー盛り上がっていた。
「確かに二人とも良い感じだね。でも、それと同じくらい料理のクオリティーも高い! やっぱりボクにはまだ結婚は早かったみたいだね。んんー、美味しい!」
 同じテーブル内では、唯一千那だけが、新郎新婦の行く末以上に、料理に気を取られているようだ。
「照明をもう少し抑えてください」
 出入り口付近では、フォトナが細かな指示を与えている。ちょうど指輪を交換する辺りであり、もう幾許もしない内に誓いのキスだ。
(やっぱり、結婚式の雰囲気っていいものね。幸せに溢れているっていうか……。アラサーだからって、何なのよ。今時20代で結婚できる機会だって、そうそうないのよ)
 まして、ケルベロスとなればなおさらだ。フォトナは自分からグイグイいけるタイプでもない。
 時折ドリームイーターに対する感情が入ってしまうように、フォトナは自分の生み出したこの空間、演出に、愛着を持ち始めているのかもしれない。
「……あっ」
 その時、思わずフォトナは声を上げた。式が、佳境に入っていたのだ。

(ラプチャー近い近い近いってばっ!)
 メルーナの腰に回されたラプチャーの腕。それによって、メルーナは自然と上を向かされていた。身長差があるゆえ、ラプチャーが屈むような体勢になる。本来ならば、あとはメルーナが背伸びをすればいいのだが……。
(本当にする気!? 冗談でしょ!? それにしても、くっ! こいつ無駄にスタイルいいし、眼鏡外したら顔もいいし! な、なんかムカツク!)
 メルーナがそんな事を考えている間にも、ラプチャーの唇は近づき、互いの吐息を感じる距離。
「し、しちゃうの?」碧は呼吸すら忘れて。
「やー!」シャルロッテは両手で目を覆い、指の隙間から。
「……」レーヴは頰を赤らめて。
「……ゴクン」千那は食べ物を飲み込みながら。
「本気?」フォトナは、興味津々な様子で。
 それぞれ思い思いの感情を抱き、その瞬間を待った。無論、零も例外ではなかったが、彼にはラプチャーの小さな囁きが聞こえていたため、冷静だった。
 それは――。
「これより先は、メルーナ殿が本当に好きな人、その方とするべきでござるな」
 そこだけ普段通りの彼の口調で呟かれた、ラプチャーらしい言葉。
 だが、
(シ、シチュエーションには憧れるわよ、憧れないわけないじゃない! あたしだって女なんだから!)
 テンパるメルーナには、その囁きが聞こえていなかったらしく。
「やっぱりソレはだめよッ!」
 ラプチャーの格好いい台詞も虚しく、彼は感情で猛り狂うメルーナの炎に包まれるのであった。
 そして、ほぼ同時に!
「彼は私のものよ!」
 ドアが勢いよく開かれ、照明が落とされ薄暗い教会に、外の日差しが差し込む。それこそ、優しい……はずの炎に包まれたラプチャーを狙うドリームイータであった。


「こっちよ、急いで!」
 碧の割り込みヴォイスが、式場に響き渡る。
「大丈夫です、落ち着いてくださいませ」
 碧の言葉で、一斉に駆け出す少数のスタッフを補佐するのは、レーヴの仕事。
「……どうやら、あまりこちらに注意は向いていないようね」
 だが、ドリームイーターの追撃は、一向に誘導組に襲い掛かる事はなかった。
「ラプチャー様に夢中……といった感じですね」
 レーヴの言う通り、現れたドリームイーターはラプチャーにしか関心がないようだ。ラプチャーの首筋に凶器を突きつけ、メルーナと別れて自分と結婚しなければ殺す……そんな奇妙な修羅場を演じていた。

「新郎新婦に手をだそうだなんて野暮なことは見逃せないな」
 矢星から日本刀を受け取った千那は、閃光を放つ矢星と同じくドリームイーターの意識を引きつけるため、美しい虹を纏いながら蹴りを浴びせかける。
「……っ! 彼がどうなってもいいというの!?」
 人質を取っているにも関わらず、構わず攻撃してくるケルベロス達に、ドリームイーターは困惑気味。
「問題ないわっ!」
「お兄さんは、貴女程度がどうこうできる方じゃありませんから!」
 遠慮無くドレスの裾を動きやすいように破ったメルーナは、シャルロッテの魔法光線を目眩ましにドリームイーターに接近すると、音速の攻撃を繰り出す。
「そう、やはり彼には相応しくない女のようね!」
 応対するドリームイーターはそう言うと、ふいに瞳を怪しげに輝かせた。それは、人の愛情を喰らう魔の瞳。だが――。
「……フォトナさんだね」
 敵の纏わり付く毒素のような悪意が前衛に行き渡るよりも先に、達人の一撃を放つ零をフォトナの構築した雷の壁が取り囲み、魔眼の効力を阻む。
「さぁ、無粋な夢喰を成敗いたしましょう、プラレチ」
「女の子の憧れを壊す輩には、罰を受けてもらわないとね!」
 ドリームイーターがラプチャーにしか興味を示さなかったため、避難は一分足らずで終了。ドリームイーターの正面からバールの先端で殴りかかるレーヴに、背後に回り「死」の力を纏わせた翠玉の大鎌で、ドリームイーターの首筋を狙う碧という、前後両面からの同時攻撃に、
「私と彼を引き離そうというのね!」
 ドリームイーターは全身から血を迸らせながら、なんとか堪えきる。だが、体勢の崩れた所に襲い掛かったプラレチの尻尾から放たれた輪までは受けきれず、ラプチャーを拘束する手を離してしまう。
 ――私の手を取って! 私を選んで! 私と結婚して!
 ドリームイーターは、そんな荒れ狂う妄執と共に、解放されたラプチャーに手を伸ばすが!
「悪いけど、俺の花嫁はメルーナだけだ。それ以外はお断りだな」
 ドリームイーターに伸ばされたのは手ではなく、重力を宿した跳び蹴り。
「それでメルーナの炎で焦がされてなければ、キミももう少し様になるんだろうけどね」
 シチュエーションは文句ないが、焦げたスーツで台無しだと千那が肩を竦めると、ラプチャーは「それは言わない約束だ」と、キリッとした表情で返すのだった。

「千那さん、一旦下がって! レーヴさんは下がる千那さんの援護を! 其は魂の力、それぞれの『在る』の形。今より共々に鳴り響き、いざ、生を奏でよ……」
「仕方ないね」
「了解致しました、フォトナ様!」
 レーブの電光石火の蹴りを受け、ドリームイーターを牽制している間に、仲間を庇って肩口を噛みつかれた千那へとフォトナが共鳴現象を利用して生命力を活発化させる。基本的にフォトナが回復、その補助をプラレチが行う感じで、戦闘は優性に推移していた。
(そろそろですか!)
 パラライズは、シャルロッテを筆頭に碧とレーヴも付与している。発現するタイミングが近いと読んだシャルロッテは、
「今です、碧さん!」
 叫ぶと同時に、主砲から一斉発射。
「……また邪魔を!」
 モザイクを飛ばそうとしていたドリームイーターの行動を失敗させる。
「ナイスよ、シャルロッテくん!」
 碧は、シャルロッテの読みの的中を口笛を吹いて讃えながら、今度は翠玉の大鎌に「虚」の力を纏わせ斬りつけた。同様に、隙を伺っていた千那の居合いも一閃!
「メルーナ、決めてこい!」
「私を裏切るの!?」
 裏切るどころか、始まってすらいない。ラプチャーのフランベルジュが、ドリームイーターから命を簒奪する。
「零さん!!」
「メルーナのタイミングで! ―――さぁ、貪欲に喰らおう!」
 メルーナの全身が、零の抉り出した右目が、同時に地獄の炎を纏う。銃声と共に放たれた銃弾は、メルーナのブレスと合わさり灼熱の弾丸と化す。後は、熟練の技術で放たれた銃弾に逝く末を任せるだけ。
「―――あッ」
 地獄の炎は、女の敵の断末魔の叫びすら燃やし尽くすのであった。

 教会では、本物の結婚式が執り行われている。それを眺める零の表情は、言葉では言い表せないもの。
「ご協力ありがとうございました」
 フォトナは、手伝ってくれたスタッフに感謝を。
「結ばれた縁が末永く幸福に続きますよう」
 レーヴは、新たな門出に祝福を。
「えっ、さっきの食事の残りが!?」
 千那は、涎を垂らしながら式場のキッチンへ向かっていた。
「折角だから最後まで結婚式やってみる?」
 そんな中、ふいに碧がそんな提案をする。
「どっちとですか?」
 シャルロッテの疑問。それは、零とラプチャーのどっちか、という意味だろう。実際、最後の美味しい場面は零に奪われ、「NTRでござる!」と、ラプチャーが騒いでいた。
「もういいわよ、ラプチャーだってお世辞を言うのは疲れるだろうし」
 メルーナは、横目でチラチラとラプチャーを見ながら言う。
 すると、
「褒め言葉は演技では無いでござるよ?」
「~~~~っ!!!!??」
 ラプチャーはキョトンとした表情でそう返し、メルーナを今日一番赤面させるのであった。

作者:ハル 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年6月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 7
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