●
「螺旋忍軍盗伐の大任を無事に果たしてくれてありがとう。みんなのおかげですっごい戦果があったよ」
ゼノ・モルス(サキュバスのヘリオライダー・en0206)は上機嫌だ。なぜなら今回、一連の作戦で多くの情報を得る事ができた上に、シヴィル・カジャス(太陽の騎士・e00374)と、嶋田・麻代(レッサーデーモン・e28437)のふたりが、螺旋忍者にとって重要な意味を持つ『螺旋忍法帖』の所持者となったのだ。
螺旋忍法帖には『螺旋帝の血族を捕縛せよ』という御下命が記されていた。この『螺旋忍法帖』があれば、螺旋忍軍の行動核心に迫る事ができるだろう。
しかし、良い事だけでは無い。
ゼノは俄かに顔を曇らせた。
「うん。ボクたちが奪った螺旋忍法帖を手に入れようと、日本中に潜伏していた忍軍の刺客が一斉に動き出したんだ」
螺旋忍軍は、螺旋忍法帖の場所を探し当てる事ができるらしく、所持者であるシヴィルと麻代に手を伸ばしつつある。ふたりを永遠に守り続けるのは、ケルベロスといえども困難を極めるだろう。
「でもさ、考えてみれば絶好のチャンスでもあるんだよね」
逆転の発想――。敵が螺旋忍法帖を狙うならば、逆に螺旋忍法帖を囮にして誘き寄せることもできる。防衛戦で、やって来た敵をまとめて撃破する事が可能なのだ。
「そこで急遽、またみんなに集まってもらったってわけ。みんなにはこれから北海道の五稜郭に飛んでもらうよ。五稜郭を本陣――『正義のケルベロス忍軍・レッサーデーモン麻代』を旗にしての防衛戦だ。襲い来る螺旋忍軍を迎撃し、螺旋忍法帖を守り抜いて欲しい」
続いてゼノは予知で得た敵の情報を説明し始める。
「みんなが戦うことになる螺旋忍軍は、先の作戦でほぼ壊滅した『真理華道』の幹部、那須・グンドリナだよ。スコアアタックの感覚で人を撃ち殺す、アル中のトリガーハッピーだ。同じくアル中のガンマンを三体連れている。彼女たちが所持している武器やグラビティは今から配る資料を見て欲しい」
左上の角が止められた資料が全員に配られた。
さっそく紙をめくって情報を脳に取り込みだしたケルベロスたちに向かって、ゼノは激を飛ばした。
「負けは許されない。一体でも通してしまうと、螺旋忍法帖を守る本陣チームに負担がかかってしまう。できるだけ、ううん、突破させずに敵はすべて倒してほしい。みんなならやれる。やるんだ!」
さあ、行こう。ゼノはヘリオンのドアを開いた。
参加者 | |
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烏夜小路・華檻(一夜の夢・e00420) |
珠弥・久繁(病葉・e00614) |
ピアディーナ・ポスポリア(ポスポリアキッド・e01919) |
伏見・万(万獣の檻・e02075) |
ドロッセリア・スノウドロップ(レゾナンスウォリアー・e04730) |
ヒナタ・イクスェス(世界一シリアスが似合わない漢・e08816) |
天宮・陽斗(天陽の葬爪・e09873) |
佐々・木佐木(刀剣士・e37861) |
●
「くぁ、新緑が~、目に染みるのオ……オオッ!?」
乾いた発砲音が五稜郭外苑の緑に小気味よく響いて、即開戦となった。
銃弾に踊る赤ペン、もとい、ヒナタ・イクスェス(世界一シリアスが似合わない漢・e08816)が、木陰から姿を現したアル中ガンマンズに向って抗議の声を上げる。
「くぁ、初夏のさわやかな空気に~胸を開くかわいいペンギンのおシリを~、くぁ、挨拶なしにいきなり撃つとはひどいオチね!」
「なんだ。スコア三倍のボーナスステージじゃないのかい」
つまらん、と吐き捨てて、女ガンマンが銃を腰のホルダーに戻した。代わりに隣に吊るしていた瓶を手に取り、キャップを外して一口。
後ろでうねうねしている男三人も、女ガンマンにならって、ぐびり、とやった。
強いアルコール臭が風に運ばれてケルベロスたちのところまで届く。
「くぁ! 酒臭っ! こ~れはヒドイ酔っ払いの群れのオチね~」
珠弥・久繁(病葉・e00614)は鼻と口を左手で覆った。成人しているが、他人の体から発散されたアルコール臭には耐えられない。
ちらり、と顔の前で手羽先を振るヒナタへ目をやってから、手の下で口を薄く開く。
「勘違いしたのもムリはないけど、ここはボーナスステージじゃない……突破不可能の超難関ステージさ。そう――」
ゆるり、女ガンマンに人差し指を突きつける。
「自分から窮地に飛び込んでくる者を指して、日本人はこういうんだ。『飛んで火にいる夏の虫』ってね」
キョーン、キョーンとクマゲラが甲高い鳴き声をあげた。
雲が青い空を右から左へ流れていく。
突然、左端にいたアル中ガンマンが見事な滝ゲロを吐いた。薄汚れたスラックスの前に、小汚い虹がかかる。
「やれやれ、忍法帖を奪いに来る、とは如何にも忍者らしいシチュエーション……と思ったが、ちっ、会ってみればただの酔っ払い集団か」
言葉の調子こそフラットだが、天宮・陽斗(天陽の葬爪・e09873)の白い尾は怒りに膨張していた。
「なら、なおのこと同胞の元に行かせるわけにはいかん。此処で貴様らを叩き潰す」
「ふは~。おもしろいことを言うお人形ちゃんに子猫ちゃんだね。アタシを螺旋忍軍『真理華道』の幹部、那須・グンドリナと知ったうえ、うええ……の暴、ぼうぉえ言?」
空えずきするグンドリナを半眼で冷ややかに刺して、烏夜小路・華檻(一夜の夢・e00420)は仲間の前へ進み出た。
「元、の間違いですよ。先の作戦で『真理華道』は壊滅しました。貴女様はもう幹部でもなんでもありません。……ああ、アルコールで破壊された脳細胞では理解できないのですね。ごめんなさい」
「な、なに!?」
華檻はケルベロスコートを一気に脱ぎ捨て、和のイメージで作らせたフィルムスーツ姿になった。ぴっちりと体に張りつく防護フィルムが、豊満な胸をこれでもか、と強調する。
対抗意識を燃やしたグンドリナが上着の前を開いて、さらしを撒いた胸をぐいっと突きだした。
両者、ずずっいと前へ進み出て、角ならぬ胸を突きあわす。
おおっ、とどよめきをあげる一部の男たち。
「酒精の香りを纏う美女は色っぽい……といえど、流石にこれは、過ぎたるは及ばざるが如し、ですわね。わたくしは未成年ですけれど、酒は飲んでも飲まれるな、としたい所」
「ぬかせ、小娘。酒はいいぞぉ~。ぷは~」
青い顔にとろんとした目つきで、グンドリナは酒臭い息を吹きかけてきた。
目に染みるほど強烈な臭気にたまらず飛び下がる。
圧迫から解放された二組の双乳が、ぶるるん、と揺れた。
再び、とどよめきをあげる一部の男たち。
胸の大きさなら負けちゃいない、とピアディーナ・ポスポリア(ポスポリアキッド・e01919)がこれ見よがしに探偵事務所から失敬してきたアグリコール・ラムの瓶を一本、谷間にぐいっと押し込む。
アル中ガンマンズから唾を飲み下す音が聞こえてきた。焦点の定まらない目を懸命に凝らし、鼻の下を長く伸ばしてピアディーナの胸を注視する。
「飲みたきゃあたしら倒していきな。……餓鬼の玩具のようにピストル振り回してる奴に、遅れは取らないケド」
まんまと挑発に乗って、螺旋忍軍たちは一斉に銃を抜いた。が、うかつに撃つとお宝のはいった瓶を割ってしまうことに気づいて一瞬、固まる。
ドロッセリア・スノウドロップ(レゾナンスウォリアー・e04730)は後方で顔をしかめていた――戦闘が始まったことを本陣に知らせようとしたところ、なぜか通信不能になっていた――が、撃鉄が越された音を捕えるとすぐに気持ちを切り替えた。
「とりあえず前回も言っておきましたノデ、今回もバシッと言っておきマショウ」
額のゴーグルを左手で降ろして戦闘準備完了。
「ケルベロス流正統! ドロシーちゃん!」
ドロッセリアは縛霊手を装備した右手を、アル中たちに向けてビシッと突き出した。
「――ソレデ、あの中の誰がディフェンダー?」
ボスのグンドリナはともかく、他三体の螺旋忍軍は見分けがつかないほど特徴がない。みるからに……ただの酔っ払いの集団だ。うねうね、くねくねしている。時々、ゲロを吐いては瓶を煽って喉ぼとけを上下させてはいるが、酒瓶を割りたくない一心で行動らしい行動を起こしていない。
ケルベロスたちはまだ、彼らのうち誰がどのポジションについているか割り出せていなかった。
●
「ふっ、気持ちはわかるぜ。同じ酔っ払い同士だ、美味そうなものを盾にとられちゃ、うかつに撃てねえよな」
ぐびり、と一杯やってから、伏見・万(万獣の檻・e02075)は顎の下を手の甲でぬぐった。スキットルの蓋を捻りつつ、ニヤリと歯を見せる。
「ポスポリアだけじゃねえ、他にもちょっとイイ酒を持ってきたンだ。てめェらをツマミに飲んでやろうと思ってな。珠弥、見せてやれ」
久繁は特別に蔵元から取り寄せた逸品、銘酒漢山を高々と掲げた。
「さて、君達が好きというこれだけど」
頬を走るラインが仄明るく光る。柔和な顔を一転、険しくした次の瞬間、ダモクレスのウィッチドクターは持ち上げた瓶を地面に叩きつけた。
ガラスが砕けて、玉色の液とともに激しく飛び散り、ついで酸味がほどよくきいた芳醇な香りがあたりに漂う。
「アル中にあげるわけないだろ? こう見えても医者なもんでね」
地にしみ込んでいく銘酒漢山。
万が、もったいねぇ、とついつい酔いどれの本音を吐露する。
声にならない声を喉の奥から絞り上げて、グンドリナが腰で溜めた二丁銃を乱射した。
すかさず佐々・木佐木(刀剣士・e37861)が応戦。飛んでくる弾をかいくぐり、髪の先を撃たせながらグンドリナに迫る。
「むっ!」
綺羅星のごとく光りながら振り回された木佐木の脚を、いつの間にかグンドリナの前に回り込んでいたアル中ガンマンの一人が腕ではじく。
「……く、届きませんでしたか。私もまだまだ修行が足りていませんね」
「いや、上出来だ」
陽斗は朱雀の力を宿した拳を固く握りしめた。清浄なる蒼い炎が指の間から吹き上がる。
少なくともいまの攻防で、第一撃破目標のディフェンダーが割れたのだ。
『浄化の炎、此処に集え……!』
大地を揺るがす踏み込みと同時に拳を敵ディフェンダーの薄い胸に叩き入れて、一気に気を解放する。
驚きに目を見張るアル中ガンマンの顎の下で、光条と火球が入り乱れつつ飛び散った。朱雀が翼を広げるがごとく、螺旋忍軍一体を包み込む炎が燃え立つ。
『くぁ、さ~本日も張り切って行くのオチね~~』
号令と共に、チビ赤ペンギンの群れがヒナタの背の後ろから飛び出して来た。左右2チームに分かれ、重火器を手に元気よく駆けて行く。
「くぁ、お酒の当てに~ニボシをどうぞのオチね」
チビ赤ペンAチームは、分身させることでディフェンダーが受けるダメージを軽減させようとしていたアル中を囲むと、無慈悲に発砲した。
決して食べることができないニボシ弾を全身に受けて、敵メディクの青白い顔がたちまち赤くなる。
一方。
チビ赤ペンBチームはアル中と一緒にうねうねグネグネしていた。照準を合わせているうちに、その奇妙な動きに魅入られてしまったのか。そのうちぐるぐると目を回してパタ、パタッと倒れていく。
その様子を見て、後方に下がったグンドリナが馬鹿笑いした。手にした瓶の口から琥珀色の液が飛び散る。
「くぁ! ジャマーだけにジャマーをするのか上手いオチか?」
敵ジャマーはダジャレを飛ばした赤ペンボスをスルーした。機械の腕を展開していた久繁に向け、立てた二本指をユラ~ン、ユラン、と振る。
「何が言いたいのかまるで分らないな……君達の病気は死なないと治らない。だから、俺が殺すよ」
受けたダメージが抜け切れず、ふらふらしている敵ディフェンダーの首筋をめがけて機械の巨鎌を振り下ろす。
刹那――飛んできた氷結の螺旋が巨鎌の使い手を捕えた。
「ロ、ロックで一杯~ウィ♪」
一瞬、氷像化したケルベロスを虚ろな目で捕えながら、アル中ガンマンは喉にスコッチを流し込む。
「あは、これを撃ち割ったらハイスコア間違いなし!」
「むざむざやらせませんわ!」
華檻の長砲身が火を噴いて、大量の焼夷弾が敵の前にばら撒かれた。
グンドリナが敵陣の奥からヘッドショットを放つ。
炎の壁の立ち上がりが、グンドリナの銃さばきの速度をわずかに上回った。
僅かに狙いをそれて飛ぶ弾。
機械仕掛けの医者は耳の端を吹き飛ばされながらも、死を宿す巨鎌を敵ディフェンダーの首へ振り降ろした。
「で、君達を倒したらどれくらいのスコアになるんだい?」
「まとめて倒したところで高が知れ、でしょうね」
ピアディーナは炎を目くらましに抜け駆けしようとしていた敵メディクを見つけると、素早くガトリング砲を向けた。
何本も束ねられた砲身が、高速回転しながら大量の弾丸を撃ち出す。
「通さないと言っているさ……お前たちに祝杯を挙げさせる気は……毛頭ない!」
企みをくじかれたアル中が、腹いせから出鱈目に銃をぶっぱなした。
「どこを狙って――!?」
岩が砕かれる音がした直後、跳ね返った弾丸がピアディーナの死角から飛来。太ももを貫いた。
被弾の衝撃で胸の谷間に押し込んでいたアグリコール・ラムの瓶がすっぽ抜け、地面に落ちた。
「野郎!」
万は砲撃形態のドラゴニックハンマーを腕に抱え持つと、転がったお宝には目もくれず、なおも千鳥足で戦場からの離脱を図るメディクを撃った。
「美酒を前にして逃げ出すとは、テメェは酔っ払いの風上にも置けねぇ!」
風を巻き、唸りを上げて竜頭が飛ぶ。
凶暴なる歯牙が逃亡アル中の脇腹を捕えて食い破る。
「前方、敵接近! 来マス」
振り向くと、すぐ目の前で敵ジャマーがうねうねくねくねしていた。
「おっ?!」
仲間のピンチに、ヒナタが横から三倍速で割り込んできた。
アル中ガンマンは腕を広げてたちはだかった赤ペンに据わった目を向けると、ぷは~と息を吹きかけた。
「くぁ~ホント酒くせぇ~」
怯んだ赤ペンの腹へ吸いつくように腕を伸ばし、螺旋を籠めた掌を当てる。
「ぐぁ~!!」
赤ペンはバレリーナのように頭の上で指先を突き合わせ、クルクル回りながらその場に倒れた。
世界一シリアスが似合わない漢は、いかなる時もギャグを忘れないのだ。
『我操闘者・悪鬼撲滅! 舞い散レ、ワタシの紙兵達ヨ!』
ドロッセリアは胸の前で指を組み合わせて『陽草の印』を結んだ。腕にはめた縛霊手の祭壇が開き、霊力を帯びた大量の紙兵が仲間たちの傷を癒し、守るために飛び出していく。
「はっ! なんだいなんだい、まるでなっちゃいないね!」
グンドリナは嘲りながら、二丁拳銃を構えて吹雪く紙兵の中に飛び込んだ。酔っ払い特有の定まらぬ足運びで全方位射撃を繰り出す。
陽草の印は本来、戦闘中に仲間と迅速かつ正確に連絡を取り合うため、滑舌を滑らかにするものである。が、忍者っぽいかなーと思ってやったなんちゃって、なのでグラビティの効果と1ミリも型があっていなかった。
「大きなお世話ニンニン!」
無表情で返しながら、飛び交う銃弾を避けて後退する。
『佐々・木佐木――。寄せて、切ります』
木佐木は斬霊刀を抜刀すると、凶弾をまき散らしているグンドリナへ神速の突きを繰り出した。
切っ先より迸り出た稲妻がグンドリナを蹂躙する。
全方位射撃がぴたりと止まった。
「初陣にしてはやるじゃないか」
「ありがとうございます」
はにかむ女剣士に向けて久繁親指を立てた。
「――と、あれ? アル中ジャマーはどこへ行った」
●
敵も味方も全員で、あわてて戦場を見渡す。
「くぁ~、やられたのオチ!」
被せるようにしてピアディーナが悲鳴をあげた。
「ない! アグリコール・ラムの瓶がなくなってる!!」
所属する探偵事務所の棚から無断拝借してきたものである。持ち主の探偵には後で謝るつもりではあったが、それは持ちだした三本をきっちりと返すことが前提の話で……。
「幹部のアタシを差し置いて――下っ端が!」
裏切り者が盗んだ『螺旋忍法帖』もアグリコール・ラムもアタシのものだ、とわめき散らしながら五稜郭本陣に向けて走りだすグンドリナ。
「螺旋帝の勅旨を得て、アタシが『真理華道』の次期ボスになる!」
「元です。元。それに貴女は壊滅した『真理華道』を引き継ぐことができません」
なぜなら、ここで果てるから。
華檻はグンドリナの前に躍り出た。巨乳と巨乳が正面衝突する。
『さあ……わたくしと楽しい事、致しましょう……♪』
押し返してくる弾力を利用して、タン、と小さく飛び上がると、サキュバスはグンドリナの顔を自分の胸の間に挟み込んだ。そのままグンドリナの体を軸にして一回転、首の骨を捻り折る。
陽斗は静かに殺意を燃え立たせると、全身に青白き闘魂の炎を纏った。
「至急、本陣に連絡を」
ドロッセリアが照明弾を打ちあげにかかったのを確認して、ふらふらしているグンドリナの脇腹に回し蹴りを食らわす。
「抜けられねぇように、気つけていたつもりだったんだがな……ちと、飲み過ぎちまったか」
万は空になったスキットルを投げ捨てた。
「これで終わりだ。『さァ、刻んでやるぜェ!』」
本陣に届かんばかりの咆哮を天に向けてあげながら、心の檻を解放し、千の獣爪を解き放つ。
黒き野獣の群れは、その爪でグンドリナと虫の息であったアル中ガンマンを容赦なく切り裂き、貪り喰らった。
「ああ、本陣の仲間たちは打ちあがった光を目にしたでしょうか?」
不安げに五稜郭の方角を見つめる木佐木の肩に、陽斗の手が置かれた。
「大丈夫だ」
グンドリナは撃破した。手下の一体を突破させてしまったが、あとはもう、本陣を守る仲間たちに任せるしかなかない。
「信じよう、仲間たちを」
ふたりの後ろでテンガロンハットが地面に叩きつけられた。
「酒瓶を返せ、ドロボウー!」
作者:そうすけ |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年6月21日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 0
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