螺旋忍法帖防衛戦~城と宝と褌と

作者:質種剰


「皆さん、螺旋忍軍の拠点に攻め込むというケルベロス忍軍作戦、誠にお疲れ様でした!」
 小檻・かけら(藍宝石ヘリオライダー・en0031)が、集まったケルベロス達を前に敬礼する。
 今回の作戦では多くの情報を得る事ができた上に、シヴィル・カジャス(太陽の騎士・e00374)と嶋田・麻代(レッサーデーモン・e28437)が、螺旋忍軍にとって重要な意味を持つ『螺旋忍法帖』の所持者となった。
 螺旋忍法帖には『螺旋帝の血族を捕縛せよ』という御下命が記されていたようだ。
「この『螺旋忍法帖』があれば、螺旋忍軍の核心に迫れるでありましょうね♪」
 しかし、良い事ばかりでは無い。
 ケルベロスが奪った螺旋忍法帖を手に入れようと、日本中の螺旋忍軍の刺客が動き出してもいるのだ。
「螺旋忍軍は、螺旋忍法帖の場所を探し当てる事ができるらしく、永遠に守り続けるのは困難を極めるであります」
 とはいえ、これは絶好のチャンスでもある。
 敵が螺旋忍法帖を狙うならば、螺旋忍法帖を囮にして誘き寄せて撃破する事も可能なのだから。
「守り続ける事が困難ならば、逆に攻撃すれば良い……というわけであります♪」
 螺旋忍法帖を囮として、多くの螺旋忍軍を撃破すれば、二度とケルベロスから螺旋忍法帖を奪おうという気を起こさなくなるに違いない。
「防衛戦は、石川県の金沢城と北海道の五稜郭を拠点として行います。皆さんには、この防衛拠点へ向かって頂き、襲い来る螺旋忍軍の迎撃をお願いするであります」
 かけらはぺこりと頭を下げた。
「皆さんに担当して頂きたいのは、金沢城の防衛であります。そこで『上河内二千条五右衛門之助』の迎撃を行ってくださいませ」
 上河内二千条五右衛門之助は、双肌脱ぎに褌の前垂れが見えるぐらいの東絡げが印象的な着物の螺旋忍軍で、同じ半裸スタイルの配下3体を引き連れている。
「上河内二千条五右衛門之助は、携えた直槍を用いて、如意直突き、グレイブテンペストに似た攻撃を仕掛けてくるであります」
 更には、ちょんまげの先端から、螺旋氷縛波の威力が増したようなビームを放ってくるという。
「配下達は、上河内二千条五右衛門之助のような猿お面を被っていなくて、手足の長さも平均的、槍の代わりに十手を持ってます」
 そんな配下達の使用グラビティは、バリケードクラッシュ、地襖切り、毒手裏剣によく似ている。
「ポジションは、上河内二千条五右衛門之助がクラッシャー、配下達はディフェンダーであります」
 ちなみに、万一敗北してしまうと、残った敵が本陣へ向かい、螺旋忍法帖を守るチームに負担がかかってしまう。
「敗北が1チームだけならば、なんとか支えきれるでありましょうが、複数チームが敗北すれば螺旋忍法帖を守り切れないやも……考えたくはありませんが」
 また、たとえ勝利したとしても、配下の一部に防衛線を突破された場合、突破した配下は本陣へ攻撃を仕掛けてしまうので、できるだけ突破させず全て撃破できるよう頑張って欲しい。
「城で忍者と防衛戦……この時代錯誤な感じが、なんだか燃えてくるでありますね♪ 螺旋忍法帖、必ず守りきってくださいませ!」
 と、かけらなりに皆を激励して、説明は締め括られた。


参加者
ラーナ・ユイロトス(蓮上の雨蛙・e02112)
シラネ・トトノガミ(不萌物・e02485)
氷霄・かぐら(地球人の鎧装騎兵・e05716)
竜峨・一刀(龍顔禅者・e07436)
ヒメ・シェナンドアー(白刃・e12330)
冷泉院・卯月(ウェアライダーのブレイズキャリバー・e21323)
フレック・ヴィクター(武器を鳴らす者・e24378)
チェシャ・シュレディンガー(凸凹不偏な能芯套・e27314)

■リプレイ


 石川県は金沢城。
「忍者連中には今までさんざんひっかきまわされたからのう。尻尾をつかむチャンス無駄にはできんわい」
 と、落ち着いた佇まいの中にも闘志を燃やすのは、竜峨・一刀(龍顔禅者・e07436)。
 全身が蒼い鱗で覆われた竜派のドラゴニアンで、白い髪と金の瞳が厳めしさと品の良さを高めている。
 剣術で生き抜いた半生から、自他問わず優れた剣技を後世に残すべきとの信念を持ち、日々精進に励む刀剣士である。
 たまに人の姿へなるも、近所の子どもには泣かれてしまうのが悩みの種だそうな。
「守りながらの戦いか、常に突撃してたあたしには中々難しい注文だけど、役目は果たさないとね」
 フレック・ヴィクター(武器を鳴らす者・e24378)も意気込んで、金沢城周辺の地図を手に、戦いやすい地形や螺旋忍軍の侵入経路の予測に励んでいる。
 高く結った銀髪と円らな銀の瞳、そして豊かな胸の存在感が抜群のヴァルキュリアの少女。
 定命化した今は魔剣「空亡」を携えてデウスエクス相手に戦うフレックだが、どうやら以前も武闘派で通っていたらしい。
 ちなみに大変さばさばした性格で社交的、趣味の料理の腕はプロ級である。
「何時までも護り切れるわけじゃない……だからそれまでに戦果が欲しい所だけど」
 ヒメ・シェナンドアー(白刃・e12330)はそこまで言い差すと、螺旋忍軍の襲撃に備えて警戒に目を光らせる。
 白いおかっぱ頭と優しい光を湛えた赤い瞳が特徴的な、シャドウエルフの少女。
 他者との距離感を計り馴れずに時折愛想のない態度を取る事もあるらしいが、その性格は温厚。
 可愛らしいものや少女らしい振舞いを好む、わりかし乙女な刀剣士である。
「迎撃は必要として搦め手で来る相手は居るかな……」
 そう呟いて、緋雨の柄に手を掛けるヒメ。敵を迎え撃つ準備は万端だ。
「さて、今度は防衛戦ね。かなりの数が来てるところをみるに、よっぽど重要みたいね……螺旋忍法帖って」
 氷霄・かぐら(地球人の鎧装騎兵・e05716)の声からはいつにない張りが感じられて、彼女の作戦に対するやる気を窺わせる。
 絹を撚りかけたように美しい黒髪と、吸い込まれそうに大きな灰色の瞳を持つ現役女子高生。
 明るく真面目な性格に加えて、日頃の言動からは簡潔な中にも他人への思いやりや優しさが感じられる。
 最近は自分の戦闘スタイルを見直して、特に一般人の前に出る時は鎧装騎兵らしい装備を整えているのだとか。
「金沢城って天守閣とかが残ってなくて、石垣と門を越えたら広場なのよね……できれば城門の外、広場の入り口辺りで戦いたいところだけど」
 実は金沢城やその近辺について詳しいというかぐら。アームドフォートごとエクスカリバールも装着して気合充分な風情だ。
「こういう時は、曲者じゃ、出会え出会え! と言いたいところですけど」
 ラーナ・ユイロトス(蓮上の雨蛙・e02112)は、金沢域内で敵が突破しづらい位置取りから迎撃できないかと地図を見て適切な場所を探している。
「出会ってお相手が私達の役目ですからね、曲者を討ち取りましょうか」
 いつも笑っているように見える顔立ちと、宝石みたいに透明で美しいツノや翼が神秘的な雰囲気のドラゴニアン女性。
 性格はなかなかマイペースで時に辛辣な言動をする事もあるが、基本は傍観者精神を貫くラーナ。
 また、誰かのためより自分のために動き、戦うという揺るぎない信念を持ち、どんな時にも自分の調子を崩さぬ胆力を有している。
「ま、猫は屋根の上が相場って決まってるのよねー」
 チェシャ・シュレディンガー(凸凹不偏な能芯套・e27314)は、器用に門の屋根の上へよじ登って、いつでも侵入者を狙撃できるようにVorpal swordを構えていた。
 灰色の髪と緑の瞳が印象的な猫のウェアライダーで、動物や獣人の姿は長毛種の如くふさふさしているのが特徴。
 普段は妖しい笑みを振りまく快楽主義者に見えるが、親のない生まれのせいか狡猾な現実主義者という一面も。
 性格は自由人で気分屋、女子力が高くおしゃべり好きなバイセクシャルである。
「螺旋忍軍もこんなに潜んでいたんですねぇ~、びっくりですぅ~」
 冷泉院・卯月(ウェアライダーのブレイズキャリバー・e21323)も、櫓ならば螺旋忍軍の進軍してくる方向を察知できないかと考えて、周囲を見渡している。
 ワンサイドアップに結い上げた赤茶の髪と金の瞳が可愛い、ロップイヤーラビットのウェアライダー少女。
「けどぉ、ずぅーっと潜伏してると地球に引っ張られちゃいますからぁ、定期的に里帰りするなり何らかの対策をしてるはずですよねぇ~。一体どうしてるんでしょうかぁ~?」
 ふと、純粋な疑問に首を傾げた卯月。おっとりした雰囲気のお嬢様だが、その実、無意識のうちに相手を煽り立てる事もしばしばだ。
 愛らしい見た目に反して趣味はバイクであり、週末はよくライドキャリバーのシロウサギを乗り回しているそうな。


「来ましたぁ〜、螺旋忍軍ですぅ〜」
 櫓から目を皿にして前方を警戒していた卯月が、シロウサギに跨って足止めに走る。
「あの猿面、ちゃんと仕事があったんじゃなぁ……」
 シラネ・トトノガミ(不萌物・e02485)が、突撃してくる螺旋忍軍の軍勢の中から見知った顔を捉えて、感慨深そうに洩らした。
 黒髪からちょこんと飛び出た獣耳と愛用の九尺褌がトレードマークの、熊のウェアライダー少女。
 日頃から古体な言い回しを多用し、実年齢より大人びた精神性を見せる反面、その口から飛び出すのは小学生男子が喜ぶレベルの下ネタなシラネ。
 そんな掴みどころのない彼女だが、竹を割ったような性格は清々しくもあった。
 シラネの発見した螺旋忍軍——上河内二千条五右衛門之助は、猿面と半裸が目立つ褌忍軍で、十手持ちの半裸配下を率いていた。
「相すまぬ! 拙者らは火急の用件にて本丸へと向かわねばならんでござる。邪魔立てするならば斬って捨てるでござる!」
 五右衛門之助は大仰な口上を並べ立て、直槍を構え突進してくる。
 得物が槍なのに斬って捨てるとはこれ如何に。
「斬り捨て御免!」
「斬り捨て御免!!」
 五右衛門之助に付き随う半裸忍軍達も、十手を振り下ろし攻撃してきた。
「させませ〜ん!」
 すかさず、シロウサギに乗った卯月が大きな弧を描くスピンをかけて、五右衛門之助達の前へ疾駆する。
 卯月は槍による直突きからラーナを庇い、シロウサギは血襖斬りをチェシャの代わりに喰らって、主従共に仲間がする筈だった負傷を肩代わりした。
「お城に忍者、雰囲気は良いのですが、ここまで大量に忍者が来られますと、燃えますね」
 表情こそ変わらずにこやかだが大いに発奮しているらしいラーナは、ルドラの子供達を振りかざす。
 杖の先端より生み出した雷で防護壁を構築、卯月達の怪我を治癒すると同時に、前衛陣の異常耐性を高めた。
「主らの命、この場で吹き散らしてくれる!」
 まるで嘶くが如き猛々しさで天に吼えるのは一刀。
 呼び寄せた暗雲と嵐が、五右衛門之助達の頭上目掛けて氷雨を浴びせ、一気に凍てつかせて体力を奪った。
「これしきの天気なぞ、何のそのでござる……!」
 寒さに震える半裸忍軍の1人は、かじかむ手に難儀しながらも毒手裏剣を投げつけてくる。
「フン、その程度でわしらが倒せるものか」
 手裏剣が腕に刺さって『DNA侵食毒』を身の内へ流し込まれても尚、眉一つ動かさない一刀は涼しい声を出した。歴戦のケルベロスたる余裕であろうか。
「初めまして忍び殿。そして……貴方達を通すわけにはいかない」
 状態異常をばら撒く中衛に徹すると決めたフレックは、鷹に似た大きさの炎の鳥——不死鳥『震天』を召喚。
「嘗てのヴァルキュリアとしての力は失われど……それを上回る仲間との闘いに挑ませて貰いましょう」
 荘厳な趣で羽ばたく不死鳥が癒しの炎を照射、一刀の傷を治すと共に彼の闘志を高めた。
「さて、結果的に配下から仕留める事になる可能性はあるけど……」
 月長石のブローチを操作してセリノリソスを脱ぎ、AD-001【蒼穹】によるプリンセス変身を遂げるのはヒメ。青と銀で彩られた機械鎧が勇ましい。
「優先して狙うは上河内二千条五右衛門之助、ボク達が突破されない為にも挫けず攻撃を続けたいわね」
 その言葉通り、天空より召喚した刀剣の束を標的の五右衛門之助中心に振らせて、奴らの直槍や十手へ確かな損傷を与えた。
「拙者の十手が!」
「おのれ、小癪な真似を!」
 半裸忍軍達はいきり立ち、なりふり構わぬ様子で十手を振り回してきた。
「行くのじゃ、おタマさん!」
 シラネの号令に合わせてビハインドのおタマさんが半裸の眼前へ躍り出る。
 ズブッ!
 フレックを庇ってその身に十手を突き刺されても、おタマさんは静かなものであった。
 かぐらは、ゲシュタルトグレイブを構えて突撃。
「今日はわたしも槍使いよ。どっちがうまいかしら?」
 高速の回転斬撃を見舞って半裸忍軍達を薙ぎ払った。五右衛門之助にも命中させたかったが、この時は半裸忍軍の1人に遮られてしまった。
「ゲフッ!」
 力強く斬りつけられて、半裸達がよろめく。その頼りない足取りだと攻撃を避けるのは難しそうだ。
「はーい残念だけど、ここで行き止まりー」
 門の屋根の上。五右衛門之助へ照準を定めてゼログラビトンを撃ち出すのはチェシャだ。
「どうしても通りたいなら通行料はアンタ達の命でいいわよ?」
 薄い胸板に命中したエネルギー光弾は、五右衛門之助の体力を削るだけでなく、グラビティを中和して弱体化もさせた。
「シロウサギ、行きますよぉ〜!!」
 と、裂帛の気合いを入れるのは卯月。
 咆哮に籠もった魔力が五右衛門之助達へダメージを与えて、さらに動きも封じた。
 シロウサギも主の意思へ忠実に激しいスピンをかけて爆走、五右衛門之助達の足を次々と轢き潰した。
「よくよく拙者の邪魔をしたいと見える! 者ども、出会え! 螺旋忍法帖の確保の障害たり得る邪魔者は、全て叩っきってくれるでござる!!」
 五右衛門之助は怒り心頭に発した風情で、ちょんまげから氷結の螺旋を連続射撃してきた。叩っきると言いながらビーム——どうも言葉と行動の剥離が激しい。
「猿のせいでヒトサマに怪我ぁさせられんのう」
 咄嗟にヒメの前へ滑り込んだシラネが、螺旋氷縛波をモロに受けて地面へ沈む。
 むくり。
 それでもシラネはしぶとく起き上がるも、解けた漆黒の髪が顔にかかったせいもあって、ずるずると五右衛門之助へ近寄る姿はゾンビに似ていた。
「最近おみゃーの姿を見んかったから、我輩も忘れ……案じておったぞ」
 世間話をするかのような軽い口調で五右衛門之助へ語りかけるシラネ。
「お陰で体も鈍れば褌も緩むしみゃー。流石にナカまでは緩まんが」
 頭から流れ出た血を止めようと小型治療無人機を展開する姿は、ぼやきの内容も相まって妙に余裕が感じられた。
 おタマさんは、五右衛門之助の背後から忍び寄り、全力のパンチを見舞った。


「好きにはさせない――」
 ヒメは、五右衛門之助の動きを先読みして、牽制すべく接近。
 ドブシュッ!
 奴の目的——戦線の突破を制止する為に緋雨を振るい、後より出て先に立つ、後の先を撃つ斬撃を繰り出した。
「やっぱり、何が何でも奥へ行こうとしてくるわね……」
 五右衛門之助達を包囲できる位置取りを心がけつつ、空から無数の刀剣を喚び寄せるのはかぐら。
「だったらこっちも手加減はしないわよ!」
 それらを戦場全体へ解き放つや、五右衛門之助や半裸忍軍の頭上に勢い良く刃の雨を降らせて、激痛を齎した。
「正義のケルベロス忍軍再びというところでしょうか」
 翼と羽衣を纏った腕を広げて、半裸忍軍の前へ立ちはだかるのはラーナ。
「雨、アメ、降れ、降れ、ケロケロケロ♪」
 透き通る歌声で怪雨を降らせ、五右衛門之助達へダメージを齎すと共に、その全身へ毒を染み渡らせた。
「立身出世をするなら別に好きにすればいい……だけど……人様に迷惑をかけるのは良くないわよ?」
 フレックは、彼女らしく言いたい事を言い放ってから、五右衛門之助へ肉薄。
「まぁあたしが言う事ではないけどね……でも……あんたらそんな立身出世に拘るようには見えないわね……まぁいいわ」
 冥府深層の冷気を帯びた手刀を次々と奴らの首筋へ叩き込んで、半裸忍軍ども全員の動きを鈍らせ凍てつかせた。
「獣道と云ふは生存する事と見つけたり……おぬしの首も贄として認めよう……その首、よこせ」
 いよいよ本気を出したシラネは、獣化した熊腕を渾身の力で突き出した。
 幾度も五右衛門之助の細い身体を引き裂いて尚、執拗に首を狙う様はまるで猛獣や化生の如し。
 からん、と猿の面が五右衛門之助の頭から外れて、地面を転がった。
 それに遅れて、五右衛門之助本人が自ら作った血の海へ浸かる。
「……拙者はもう駄目でござる。お前達は、拙者の代わりに螺旋忍法帖を……ゴフッ!」
 地に伏した五右衛門之助は、今際の際まで己が任務の遂行を気にしながら、苦悶の表情で息絶えたのだった。
「殿が敗れたでござる!」
「この上は撤退するしかなかろう!」
 だが、半裸忍軍3人は五右衛門之助がやられた事へ恐れをなしたのか、それぞれがバラバラに逃げ出そうとする。
 もっとも、それを易々と許すケルベロス達ではない。
「やったわねシラネちゃん!」
 仲間を明るく労うチェシャが、次に挑むは接近戦。
 半裸忍軍との間合いを詰めて構えた魔道銃ルイスから、神を喰らいし者の名を冠する魔砲を撃ち込む。
「何も狙撃するだけが……能じゃないんだよねっ!」
 かの顎門が神々を噛み砕くかのように魔砲は半裸忍軍の腹を貫くと、その凄まじい威力によって引導を渡した。
「たれちゃん、一緒に頑張りましょぉ〜」
 と、さっきまでうさぎだったファミリアロッドの先端部から、火の玉を生み出すのは卯月。
 バシュッ——!
 赤々と燃え盛る火炎弾を連射しては半裸忍軍達の背中へぶち当て、大きな爆発を起こした。
 そこへ、追い討ちをかけるべくシロウサギが車体に炎を纏って突撃、半裸忍軍1人へ致命傷を与えた。
「違わず浄土へ行くがいい」
 一刀は、逃げ出そうとする半裸忍軍の1人を行かせまいとして眼前へ回り込み、弧を描くように斬りつける。
 流麗な動きで閃く日本刀が半裸忍軍の腹を深く斬り裂き、夥しい出血の果てに奴の命を奪った。
 かくて、半裸忍軍の2人が、ケルベロス相手に逃亡など叶わず、次々と命を落とした。
 最後の1人も、ラーナに杖2本で殴打され、五右衛門之助率いる半裸忍軍は全滅した。
「ふぅ……一仕事終えた後の一服はいいわねぇ♪」
 と、おもむろに煙草を吸ってひと息つくのはチェシャ。
「遊び相手が減ってしまったのぅ……」
 五右衛門之助へ外れた仮面を被せてやって、シラネはしんみりと呟いた。

作者:質種剰 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年6月21日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。