幼女はくまさんパンツを履くべき!

作者:ゆうきつかさ

●某教会
「俺には常々思うんだ。幼女はくまさんパンツを履くべきだと! それは幼女にとっての特権! 幼女だけが穿く事を許されたモノだ! だからこそ、幼女はくまさんパンツを履くべきなのだ!」
 羽毛の生えた異形の姿のビルシャナが、10名程度の信者を前に、自分の教義を力説した。
 ビルシャナ大菩薩の影響なのか、まわりにいた信者達は、ビルシャナの異形をまったく気にしていない。
 それどころか、信者達はくまさんパンツを握り締め、如何わしい想像を膨らませるのであった。

●都内某所
「藍川・由衣(普通の女子小学生・e34237)さんが危惧していた通り、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです。悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事が今回の目的です。このビルシャナ化した人間が、周囲の人間に自分の考えを布教して、信者を増やそうとしている所に乗り込む事になります。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は信者になってしまいます。ここで、ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が信者になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの信者となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば、元に戻るので、救出は可能ですが、信者が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、教室ほどの大きさがある部屋にケルベロス達を集め、今回の依頼を説明し始めた。
「ビルシャナは破壊の光を放ったり、孔雀の形の炎を放ったりして攻撃してくる以外にも、鐘の音を鳴り響かせ、敵のトラウマを具現化させたりするようです。信者達を説得する事さえ出来れば、ビルシャナの戦力を大幅に削る事が出来るでしょう。どちらにしても、信者達を放っておくと、犯罪紛いの事をする可能性が高いため、早めに手を打っておきましょう。なお、信者達の生死は成否判定には影響しません」
 そう言ってセリカがケルベロス達に資料を配っていく。
「また、信者達はビルシャナの影響を受けているため、理屈だけでは説得することは出来ないでしょう。重要なのは、インパクトになるので、そのための演出を考えてみるのが良いかもしれない。また、ビルシャナとなってしまった人間は救うことは出来ませんが、これ以上被害が大きくならないように、撃破してください。それでは、よろしくお願いします」
 そして、セリカはケルベロス達に対して、深々と頭を下げるのであった。


参加者
アルマニア・シングリッド(世界を跨ぐ爆走天然ロリっ子・e00783)
難駄芭・ナナコ(爛熟バナナマイスター・e02032)
呂・花琳(鉄鍋のファリン・e04546)
水野・葵(奴隷幼女・e15084)
シェリー・シュヴァイツァー(花紬の氷晶姫・e20977)
相川・愛(すきゃたーぶれいん・e23799)
月城・黎(黎明の空・e24029)
土門・キッス(爆乳天女・e36524)

■リプレイ

●教会前
「幼女はくまさんパンツを履くべき……ですか」
 アルマニア・シングリッド(世界を跨ぐ爆走天然ロリっ子・e00783)は仲間達と共に、ビルシャナが拠点にしている教会の前にやって来た。
 ビルシャナは教会に信者達を集め、幼女はくまさんパンツを履くべきだと訴えているようだ。
 そのせいか、教会の外観もファンシーな雰囲気が漂っており、『大丈夫、怖くない、怖くないから……ぐへへへへっ!』と言わんばかりの雰囲気が漂っていた。
「人妻の次は幼女……またまた犯罪チックな鳥サンだねぇー。もっとマトモな教義にしようよって思うのはボクだけ?」
 月城・黎(黎明の空・e24029)が、何処か遠くを見つめる。
 もちろん、そんなビルシャナばかりではない……はずなのだが、そればっかり目立っているため、そう言った種族のように思えてきた。
「……変態もここに極まれり、って感じよね」
 シェリー・シュヴァイツァー(花紬の氷晶姫・e20977)も、呆れた様子で溜息をつく。
 ある意味、人間として変態的な行為を極めると、ビルシャナになれるような雰囲気が漂っているものの、実際にはそんな単純なモノではないと思いたかった。
「何だか……嫌な予感が……」
 そんな中、水野・葵(奴隷幼女・e15084)が、警戒心をあらわにする。
 何やら危険を感じているのか、スカートを押さえ気味になっていた。
「……と言うか、ぱんつをくまさんに限定するだなんて、ゆるせませんっ!」
 相川・愛(すきゃたーぶれいん・e23799)も、不機嫌な表情を浮かべる。
 ビシルャナにどういった意図があるのか分からないが、おそらく深い意味はないだろう。
「これって、ワニさんパンツじゃダメなのか?」
 難駄芭・ナナコ(爛熟バナナマイスター・e02032)が、不思議そうに首を傾げる。
 動物はワニさん以外ありえないため、ビルシャナ達と仲良くなる事は難しいだろう。
「まあ、例え相手が誰であろうと、可愛いキッスにメロメロよ☆」
 それとは対照的に土門・キッス(爆乳天女・e36524)が誇らしげに、Qカップの胸をたゆんたゆんと揺らす。
 ビルシャナ達は揃いも揃って貧乳派のようだが、キッスは10歳の小学生なので、おそらく何とかなるだろう。
「それじゃ、行くのじゃ」
 そう言って呂・花琳(鉄鍋のファリン・e04546)が大人用のセクシーパンツを覆面の如く被り、アロリカンヒーローっぽい雰囲気を漂わせ、教会の中に踊り込むのであった。

●教会内
「いいか、お前ら! いまこそ、俺達、変態紳士が立ち上がる時ッ! 幼女達にくまさんパンツを履かせ、正しき世界に導く時だッ! それこそ、私が生まれてきた意味! 果たすべき使命ッ! 俺達がやらずに誰がやるッ! さあ、行くぞ! 俺達のパラダイスへ!」
 教会の中にはビルシャナがおり、信者達を前にして、イケナイ計画を実行しようとしていた。
「クマさんパンツは可愛いよー。まあ、可愛いのは認めるけど……ちょっとあざといよねー。そこで、鬼のパンツは良いパンツーって事で、虎柄パンツはどうかなぁー? ほら、化学反応が起きて可愛いかも!」
 葵がスカートをガードしつつ、鬼のパンツを一押しした。
「お、鬼のパンツだと!? そっちの方があざとい! あざと過ぎるッ! そんなモノ、却下だ、却下!」
 ビルシャナがイラついた様子で叫ぶ。
 その間も視線は葵のスカートにロックオン!
 チャンスがあれば、いま履いているパンツを脱がせて、くまさんパンツを履かせようとしているようだ。
「……とは言え、くまさんぱんつが許されるのは、どうがんばっても幼稚園まで、です。しかも、実際には、アニメプリントのぱんつとかばっかりで、くまさんぱんつは全然人気ありませんっ。それに、幼女幼女って、言いますけど、もうわたしたちはお姉さん、なのでっ。そこ、勘違いしてもらったら、困りますっ。もうオトナなぱんつをはくぐらいは、しますからっ!」
 愛が嫌悪感をあらわにしながら、ビルシャナ達に語り掛けていく。
「その考えが間違いなのだッ! 俺達はそれを正すため、いまから革命を起こすんだ!」
 病的なほど両目を血走らせた男性信者が、興奮した様子で叫ぶ。
 何やら使命感を抱いているらしく、自分達が間違った事をしているとは夢にも思っていないようだ。
「もう、くまさんとかワニさんとか、どうでもいいぜ! そんなモノより、バナナパンツをはこうぜ! ほら、見ろ! スゲーだろ? バナナがいっぱいだ! これでこの夏は注目間違いなしだぜ!」
 ナナコがバナナがプリントされたパンツを広げ、ビルシャナ達に猛アピール。
「いや、パンツとは言え、食べ物を履くのは良くない。それとも、アレか? ワタシを食べてってアピールか? だったら、遠慮はしねぇ! お前のパンツを脱がせて、あんな事やこんな事……じゃなかった! くまさんパンツを履かせてやるッ!」
 ビルシャナがほんのり下心をチラつかせ、ジリジリと距離を縮めてきた。
 まわりにいた信者達もあわよくばおこぼれを貰おう的な考えで、逃げ道を塞ぐようにして周りを囲む。
「つーか、アタイは幼女じゃねぇからっ! 一体、誰得だ!」
 これにはナナコも驚き、悪霊退散と言わんばかりに勢いで、ビルシャナ達の前にバナナを突き出した。
「そ、そう言えばそうだったな。あ、あぶねぇ! しばらく、女を見ていなかったから、みんな幼女に見えちまっていたようだ! だが、もう間違わねぇ! な、みんな!」
 ビルシャナがハッとした表情を浮かべて、ブンブンと首を横に振る。
 まわりにいた信者達も、『もう誰でもいいや』と思っていた自分を恥じた。
「キッスも10歳の小学生だけど、お姫様ちっくな下着がいいわ。この前Pカップのブラがホック弾け飛んじゃって、新しくオーダーメードしてもらったの。ホラみてみて☆ フリルたっぷり可愛いピンクのベビードール♪ カワイイでしょー♪」
 そんな中、キッスがQカップの胸をこれでもかと揺らし、ビルシャナ達にアピールし始めた。
「お前のような小学生があるかああああああああああああ」
 そのため、ビルシャナが信じられない様子で、ツッコミを入れた。
 まわりにいた信者達も、『あ、危うく騙されるトコロだったぜ!』と言わんばかりの勢いで、一緒になって避難した。
 しかし、キッスは正真正銘の小学生。
 それが真実である事を伝えても、ビルシャナ達は信用しようとしなかった。
「……あの……よくわかりませんが……そもそも、どんなパンツでも……見えなければ意味がないのでは……」
 葵が少し恥ずかしそうにしながら、ビルシャナ達に意見を述べた。
「だったら、見ればいい」
 ビシルャナが葵のスカートを掴み、強引にめくろうとした。
 そのため、信者達はガン見。
 両目をカッと見開き、興奮した様子で鼻息を荒くさせた。
「あ、あの……そのようなことは……かんたんにしては……!」
 これには葵も驚いたのか、反射的にスカートの裾を押さえた。
「女児の下着を強制しなさんな、変態。……と言いたいところだけど、あなた達が持ってたら駄目じゃない? 女児だって、変なおじさん達が握りしめてた下着なんて履きたくないでしょ。……気持ち悪い上に、手汗が染み込んでて臭そうだし」
 シェリーがビルシャナ達に生暖かい視線を送り、くまさんパンツを指差した。
「い、いや、そんな事はない。そんな事はない……はずだ」
 その途端、ビルシャナが動揺した様子で、激しく目を泳がせた。
「……逆に聞こう。幼女にくまさんぱんつを穿かせて……その後どうする?人は誰しも常時パンツを穿いている訳では無い。……良いか? パンツは、穿いたら必ず、脱ぐのじゃ。諸君らは幼女のパンツを脱がす為、幼女にぱんつを穿かすのか? それとも幼女にパンツを穿かせる事が喜びなのか? 前者ならば二度手間だし、後者であってもやがて幼女は自分でパンツを脱ぐだろう。……実に哲学的じゃ、虚しいと思わぬか? しかし、パンツそのものへ愛を注ぐと言うのであれば諸君らは一段上へレベルアップ出来るだろう。そうだ、パンツとは被るモノ! ブラジャーも被るモノ! 下着とは全て即ち被るモノなのだ!!」
 そう言って花琳が、自分自身をビシィッと指差した。
「……さて、そろそろ襲撃の準備をするぞ」
 それを目の当たりにしたビルシャナが、何か見てはいけないものを見てしまったような雰囲気を漂わせ、何も見なかったフリをした。
「とりあえず、あなた達の言い分はわかりました。ところで、皆さんには奥さんとか家族はいますか?」
 すぐさま、アルマニアが信者達の前に立ち、彼らに質問を投げかけた。
「いる訳がないだろ。そんなモノ、とっくの昔に捨てたからなッ!」
 ハゲ頭の男性信者が、ムッとした様子で答えを返す。
 この様子では、家族の理解を得られなかったのだろう。
 もう失うものがないと言わんばかりに強気であった。
「ところで、今までのやり取りを録画した動画が、まさにここにあるわけですが? これ、どうしよっかなー? 普通に考えて警察が動きますね♪」
 アルマニアが笑顔を浮かべ、ビデオカメラをチラつかせた。
「どうやら、俺達の逆鱗に触れてしまったようだが……。もう容赦はしないッ! そのビデオカメラごと、お前をぶっ殺すッ!」
 鋭い眼光の男性信者が、殺気立った様子で叫ぶ。
 まわりにいた信者達も社会的な抹殺を恐れているのか、『殺す、殺す、殺すッ!』と叫んで、一斉に襲い掛かって来た。

●ビルシャナ
「……って、ちょ! だから離しなさいって、気持ち悪い」
 シェリーがムッとした表情を浮かべ、信者達に手加減攻撃を放つ。
 その一撃を食らった信者達が、くまさんパンツを持ったまま、呻き声をあげて崩れ落ちていく。
「安心しな、バナナだ!」
 ナナコも両手に持ったバナナを使い、次々と信者達を無力化していった。
「ひ、怯むな! 殺れぇ!」
 ハゲ頭の男性信者が、殺気立った様子で叫ぶ。
 だが、信者達の大半が戦意喪失。
 くまさんパンツを持ったまま、身動きひとつ取れなくなっていた。
「どうやら、俺がやるしかないようだな」
 ビルシャナが無駄にキリリとした表情を浮かべ、思わせぶりにポーズを決めた。
「ふっふっふ……コレがボクのフルパワー! なんちゃってー」
 それに対抗するようにして、黎も雄叫びを上げる。
「ならば、これを……喰らええええええええええ!」
 次の瞬間、ビルシャナが叫び声を響かせ、破壊の光を放ってきた。
「……狙いはカメラのようですね」
 それに気づいたアルマニアが、転がるようにして破壊の光を避ける。
「それじゃ、サヨナラね」
 その間にキッスがビルシャナの死角にまわり、シャイニングレイでトドメをさした。
「これが被るモノと、被らないモノの差だ」
 花琳がビルシャナを背にして、クールに決める。
 それは一般人には分からぬ違いではあるものの、花琳にはハッキリと理解する事が出来た。
「……とりあえず、信者達が持ってた……クマさんパンツは……処分しておかないと……」
 葵が色々な意味で危機感を覚え、信者達が持っていたくまさんパンツを回収した。
 信者達は未だに意識が朦朧としているようだが、ビルシャナが命を落とした事で催眠が解けたのか、徐々にではあるが冷静になってきたようである。
「いえ、ぱんつ達に罪はありません」
 そう言って愛がくまさんパンツを、持参した洗濯籠に放り込んでいくのであった。

作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年6月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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