五月病事件~とっても、ねむたいんですの……

作者:なちゅい

●お嬢様、惰眠中……?
 コンコン、コンコン。
 とある豪邸の一室をノックする音。しかし、その部屋の主である令嬢は返事すらしない。
 恭しく部屋に立ち入るのは、その豪邸の老執事だ。
「美優お嬢様、学校に行かれる時間かと……」
「わたくし、とっても、ねむたいんですの……」
 令嬢、有城・美優はこの春から女子大へと通う大学生だ。
 普段は率先して前に出て、物事を仕切るタイプの美優。しかしながら、その日の彼女は少し変で、起き上がる素振りすら見せない。
「わたくしは、もう一眠り……させていただきます」
「しかし……」
 これには、執事の男性も嘆息するしかない。普段、周囲を巻き込むトラブルメーカーともなりそうなお嬢様が、まさかの五月病とは。
「いいから、下がりな、さい……」
「かしこまりました」
 これ以上は無駄だと判断した執事だったが、余りにも様子が変な美優の姿に、彼は眉を顰めてしまうのである。

 事件の詳細を聞くべく、ヘリポートへとやってきたケルベロス。
 彼らは、タラップに座ってうつらうつらと居眠りするリーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)の姿を発見する。気配を感じたのか、はっとして起き上がる彼女は若干慌てながらも、手鏡で自らの身なりを直す。
「あ、えっと、ごめんね……!」
 そんな珍しく慌てる彼女が落ち着くのを待ってから、ケルベロス達は五月病事件の説明を求める。
 ゴールデンウィーク後、世間では五月病が大流行しているようだ。ジゼル・クラウン(ルチルクォーツ・e01651)ら、多くのケルベロスの調査により、五月病の病魔が大量発生していることが判明した。
「この病魔を、皆に撃破してほしいんだ」
 五月病なので、放っておいても被害者が死に至ることはない。しかしながら、こじらせると社会復帰が難しくなってしまうので、手早く解決してあげたいところだ。
 五月病の病魔に侵された患者は学校に行かず、部屋に閉じこもって眠っている。とはいえ、起こせば意識はあるので、普通に家を訪ねれば患者に会う事ができる。
「今回の患者はとある豪邸の令嬢だから、居留守を使われることはないと思う」
 執事も心配しており、ケルベロスが来訪すれば進んで協力してくれるはずだ。
 五月病の患者に接触した後は、チームにウィッチドクターがいれば、患者から病魔を引き離して戦闘を行うことは可能だ。
「もし、チームにいなくとも、現地の医療機関に協力しているケルベロスのウィッチドクターに助力を願うことが出来るから、心配は無用だよ」
 ウィッチドクターの力で患者から引き離した病魔は、羊の角の生えた少女の姿をしている。病魔は子守唄を歌って相手の戦意を削いだ後、手にする枕で殴りかかってきたり、どこからか出現させた布団を敵に多い被せたりするようだ。
 一通り説明を終えたリーゼリット。彼女は神妙な表情で更に続ける。
「五月病は、ただ怠けているというだけの病気ではないんだよ」
 病魔を撃破することで、その誤解を解くこともできるかもしれない。もっとも、本当に怠けている者もいるのが厄介なところだが……。
「ともあれ、五月病を蔓延させるわけにはいかないね。よろしく頼んだよ」
 このままこの病魔が蔓延ると、社会が破綻する恐れすらある。
 だからこそ、今のうちに討伐を。リーゼリットはそうケルベロス達へと願うのだった。


参加者
クロエ・アングルナージュ(エルブランシュガルディエンヌ・e00595)
アニエス・エクセレス(エルフの女騎士・e01874)
スノーエル・トリフォリウム(四つの白翼・e02161)
七種・徹也(玉鋼・e09487)
山田・太郎(が眠たそうにこちらをみている・e10100)
千代田・梅子(一輪・e20201)
神居・雪(はぐれ狼・e22011)
長篠・ゴロベエ(不倒不懐なシリアス系コミュ障・e34485)

■リプレイ

●五月病について考える
 病魔討伐の為、ケルベロス達が訪れたのは、とある豪邸。
 メンバー達は正門を通され、屋敷へと歩いて向かう。
「眠い系病魔とかなんか親近感あるんだが、この時期めっちゃ眠いよな、なんか暖かくなってきて」
 欠伸する山田・太郎(が眠たそうにこちらをみている・e10100)は歩きながらでも、居眠りしかけている。
 普段から鼻ちょうちんを作ってそうな彼は心底眠りたい様子だが、それでもきちんと仕事をしていると豪語する。
「五月病じゃないはず。万年眠いし」
「五月病か」
 自称ダウナー系コミュ障の長篠・ゴロベエ(不倒不懐なシリアス系コミュ障・e34485)が語る。自己評価低い系の彼は時に落ち込み、似たような鬱状態になっているとのことだ。
(「ケルベロスやりながら、他に仕事をやれるほど器用じゃない」)
 承認欲求と日曜朝の特撮番組のような英雄願望的なもので戦う彼だが、それはそれでどうなのかと、日頃から思い悩むゴロベエである。
「まあ、大学生ってそうなっちまうよなァ。ま、先輩として助けに行ってやろうじゃねェの」
 プロテクターに覆われた左手を握り締める七種・徹也(玉鋼・e09487)がニヤける。シングルファザーである徹也は、持ち前の正義感を示しながらも仲間に促す。
「まぁ、病気なら仕方ないか。退治せんと」
「気合だけでどうにかなるもんでは無いしな。ま、今回はアタシらが手を貸してやるさ」
 寝かける太郎の呟きに、神居・雪(はぐれ狼・e22011)がぶっきらぼうに叫ぶ。態度には示さないが、彼女なりに患者、有城・美優のことを慮っているのだ。
「早寝、早起き、適度な運動! 健康な体を作る為にはどれも必要不可欠なものじゃ」
 肩に相棒のリス、太郎を乗せているのは、自身に溢れた表情の千代田・梅子(一輪・e20201)だ。可愛らしい女の子に見えるが、ドワーフの彼女はチーム最年長である。
「美優が元の健康な美優に戻る為に、手を貸そう! なのじゃ!」
 八重歯を光らせた梅子が叫ぶと、一行は屋敷の入り口へとたどり着く。メンバーは呼び鈴を鳴らし、館の執事に事情を話すこととなる。
(「執事って聞くと、夫を思い出しちゃう」)
 くすりと笑うウェーブヘアのスノーエル・トリフォリウム(四つの白翼・e02161)。事実、スノーエルの夫は普段、執事服を纏っている。
 その間に、呼び出しに応じて玄関先に現れた老執事へ、雪、梅子が事情説明する。執事も令嬢に困り果てていたようで、助けに船といった具合で申し出を受けてくれた。

●病魔の登場
 令嬢、有城・美優の自室前。
「……はい」
 返事こそあれ、美優が出てこない為、執事の許可を取って一行は部屋に入るが。彼女は自身のベッドから起き上がろうとはしない。
「うぅん。確かに眠いけど、こうなると……」
 パジャマ姿で横になる令嬢の姿は気品も何もあったものではないと言いかけたクロエ・アングルナージュ(エルブランシュガルディエンヌ・e00595)だが、執事のことを気にして言葉を飲み込む。
 そこで、目を細めている常時眼鏡着用のクロエは、仲間に眠そうにしていると思われたと感じたらしく。
「……目、悪いのよ」
 クロエがそう弁解するが、どう見ても寝ている太郎に比べればと、ケルベロスや老執事の笑いを誘う。
 ともあれ、惰眠を貪る美優から一端離れ、メンバー達は執事にその治療に関して話を行う。
「執事さん、病魔を剥がした御嬢様だけど……」
 クロエはアイズフォンも駆使しつつ、避難順路の案内を執事へと願う。
「後、貴重品とか想い出の品は大丈夫?」
「壊れたら問題ある家具とかは、出しといてもらえるとありがたいな」
 ゴロベエがそうフォローする。ケルベロスはヒールで壊れた物を修復できるが、全く同じには治すことは出来ないのだ。
 また、広い方が戦いやすいと、ゴロベエは執事へと伝える。
 美優の大切にしている最低限の家具や道具だけでも持ち運びをとスノーエルが老執事へ依頼すると、使用人達に運び出させていた。
「オッケー。じゃ、お願い」
 一通り作業が終わったタイミングで、クロエが部屋を見渡して合図する。
 今回のチームにウィッチドクターがいないこともあり、徹也が事前にこの地の医療機関に従事するウィッチドクターを呼び、病魔の呼び出しを依頼していた。
 そうして、美優の体から何かが分離する。
「……めぇっ?」
 現れた病魔「五月病」は、羊のウェアライダーの子供かと思わせる可愛らしい姿をしていた。
「あのもふもふな見た目は羨ましいかも……」
 恐ろしい病気だと思っていた五月病の見た目に、スノーエルが少し和んでしまうが、敵は欠伸しながらもケルベロスに近づいてくる。
 その前に、騎士鎧を纏ったアニエス・エクセレス(エルフの女騎士・e01874)が立ちはだかる。
「爺さん、後はアタシらに任せておきなっ!」
 構えを取る雪が叫ぶ。老執事に向けて頷く徹也はプロテクターを解き、地獄の炎で構成された左腕を露わにした。
「援護するので、美優さん避難させてもらえますか?」
「よろしく頼みますぞ」
 ゴロベエは老執事へと告げつつ、ウィッチドクターと合わせ、倒れる美優を抱えて部屋の外へと出る。
「めぇ」
 しかしながら、五月病はさほどそれに反応せず、眠そうな眼をケルベロスに向ける。
「惰眠は、起きてる者がいるからこそ貪れる幸福。世の眠くない一般人を怠惰にさせてしまったら、俺が安心して寝ていられんではないか」
 なんとも自分勝手な持論を病魔にぶつけ、太郎は眼光鋭く敵をみすえる。
「悪いが斬らせてもらうぞ。山田真刀流山田太郎、推して参る」
 自身に魂を憑依させて魔人に変貌する彼へ、病魔は手にする枕を大きく振り上げてきたのだった。

●眠気を誘う病魔
「めぇぇっ」
 病魔、五月病は枕を振りかぶってくる。
 その可愛い見た目にそぐわぬ威力を危険視し、雪のライドキャリバー、イペタムが突っ込んで枕を受け止める。
 激しいスピンを叩きつけて、相手を足止めするイペタム。ウインカーの点滅間隔が遅くなるのを見るに、ライドキャリバーにも眠気は襲ってくるらしい。
 雪も避難している執事や美優から注意をそらす為に病魔へと迫り、その腹へと縛霊手を嵌めた拳を叩きこむ。
 ともあれ、病魔が発してくる眠気を誘うグラビティに耐えねばと、スノーエルは前線メンバーへとオウガ粒子を飛ばす。
「ほら、こっちよ!」
 その隣でクロエが声を上げて病魔の注意を直接引きつつ、携えるガトリングガンを発射し、病魔へと爆炎の銃弾の嵐を浴びせかけていく。
「め、めめぇ、めぇ、め、め、めぇ~♪」
 そこで、五月病が歌い始める。襲い来る眠気に攻撃の手が鈍りそうになるが、太郎は鎌を手にして敵の体の中心に向けて刃を振り下ろす。
 広範囲に渡って響く病魔の歌声。徹也も気を強く持ちながら右手に纏わせたオウガメタルを鋼の鬼と化し、そのまま殴りつけていく。
 続けて、ライドキャリバーのたたら吹きがそこで追撃をと、炎を纏って体当たりを繰り出した。
「め、めぇ」
 パジャマに火がつき、熱がる病魔。さらに、アニエスもガトリングガンを手に銃弾を連続して叩き込み、その炎を大きくしていく。
 しかしながら、病魔は眠そうであってもまだしっかりと立っており、十分に体力を残している。
「いきはよいよい、かえりは」
 梅子が小さな体を大振りに動かしながら童歌を歌い、詠唱魔術で敵を包みこむ。
 そこへ、美優達を避難させていたゴロベエが駆けつける。
「噛み砕け! ケルベロスイーター!」
 すでに、ケルベロス式のオペは始まっている。それを確認した彼は敵の足止めを考え、自身の足元を殴りつけた。
 そこから現れたのは、巨大な漆黒の魔犬。躍動して食らいつくそれは、病魔の着るパジャマをズタボロにする。
「め、めぇ」
 小さく呻く病魔。そいつはどこからかお布団を用意し、しつこく応戦してくるのである。

 病魔、五月病。
 そいつの持つ魔力の恐ろしさに、メンバー達は戦慄することとなる。
 基本的には前衛メンバーが敵の歌声や子守唄を受け止めはしてくれるが、時にその包囲から漏れ、後方メンバーにも襲い掛かる。
「ふぁぁ。ダメ、眠……」
 歌声を病魔の歌声を耳にしたクロエは、攻撃の最中で飛びかけた意識をなんとか保つ。
「んんん、なんじゃこれ眠いのじゃ……。いかんいかん! しっかりするのじゃ梅子!」
 こちらも歌を聞いてしまった梅子は、ぱしんと頬を叩く。
「なんて力じゃ……! 覚悟するのじゃ、五月病よ!」
 眠気を覚まそうとした梅子は食らいつく弾丸を飛ばし、敵を攻め立てていく。
「めめめぇ」
 病魔が可愛らしく鳴くと、宙に現れたお布団がアニエスを襲う。
「眠気になんて負けな……い……。すやぁ……」
 げに恐ろしきはその魔力。心地の良いそのふんわりとした感触がアニエスを捕らえて離さない。
「すごいふかふかで、きもちいい……」
 思わず、この場に残された美優のベッドへと横になるアニエス。彼女もまた、普通に五月病発症患者だったりする。
 シャーマンズゴーストがアニエスを起こそうと祈りを捧げるのだが、彼女は弛んでいく一方だ。
「戦いたくない……眠たい……」
 ごろごろ。ごろごろ。
 惰眠を貪る彼女を中心に、スノーエルが4つの白い天使の翼を広げて極光で仲間を包む。
 さらに、スノーエルの傍にいる薄桃色の箱竜マシュが自身の属性である綿を発することで、仲間を包む病魔の魔力を緩和していく。アニエスもしぶしぶといった形で目覚め、アームドフォートでの攻撃を再開していたようだ。
 さて、敵の魔力に耐えながら、前線メンバーの攻撃は続く。
 徹也が地獄の炎で構成された左腕から炎弾を放出して、病魔の生命力を奪わんとする。彼は小細工を弄する敵に対し、ガッチリとした鉄、燃え上がる炎で対していた。
「眠ぃが、耐えられねぇことはねぇぜ!」
 続き、雪も名前に反して熱い叫びと共に、くせっ毛を揺らして狼と化した拳で殴りかかっていく。
 アイヌの巫女の家系である雪は、その力を遺憾なく発揮にして戦う。仲間は敵の魔力によって眠気を覚えてはいるが、回復役が上手くそれらを相殺してくれている。雪も比較的安心して攻撃に臨めていたようだ。
 そして、元からよく眠そうにしている太郎は、普段とほとんど違和感ない状態で戦う。敢えて枕を手にした彼が病魔の体をしばき倒すと病魔も枕で反撃し返す。
「めぇ……」
 とはいえ、病魔も徐々に弱ってきており、本当に眠そうにし始める。うつらうつらと頭を大きく動かすのは、活動限界が近い証拠だろう。
「逃がすモンですかっ。アーバレストモード、イグニション。CDS、フルドライブ」
 すかさず、クロエは巨大な結晶の矢を精製していく。
「綺麗な流れ星を一つあげるわ。……地に堕ちなさいッ!」
 彼女はそれを射出し、敵の体ごと地面へと縫いとめる。
 しかし、病魔は活動を完全には止めていない。近づいていくゴロベエは眠気を振り払おうと首を振り、やる気を漲らせて。
「やれば出来るその想いが発する力、見せてやろう」
 バトルガントレットを大きく振りかぶり、彼は病魔を殴りつける。
「めぇ……」
 ぐったりと倒れる病魔は姿を消し、消滅していく。
 こうして、一行は恐るべき病魔を討伐し、治療を完了させたのだった。

●豪華料理をいただこう
 無事に病魔を討伐して……。
 徹也はふと周囲を見渡すと。床には亀裂、壁に穴が開き、窓ガラスが割れ、備え付けの家具が破壊されている。
「室内をヒールをしようか。女の子の部屋だもんな」
 徹也は左手を地面に着き、左腕の地獄の炎を周囲へと広げ、部屋の破壊箇所に力を与えて幻想で埋めていく。
 アニエスもなんとか完全に睡魔に負けることはなかったようで、シャーマンズゴーストに祈りを捧げさせていた。
(「寝てばかりだと、ダメな奴になると聞くが……」)
 傍では、太郎が壁に寄りかかって眠っていた。眠いから仕方ないと、ヒールを仲間に任せて寝るのを優先させるのがなんとも彼らしい。
「……何か高ぇもの壊しちまった気もするけど、大丈夫だよな?」
 一応、壊れてもかまわないものしか残されていないはずだが、雪はボロボロになった高そうな家具を目にしつつ、川のカムイに祈りを捧げていたようだ。
 同時に、執事と共に部屋に戻ってきた美優へ、スノーエルが笑いかけながら声をかける。
「いつもの調子は取り戻せたかな?」
「ええ、おかげさまで」
 病魔が晴れた美優はベッドへと腰掛ける。幻想交じりも乙なものだと気にしていない様子だ。
「五月病って、新生活への適応ミスが引き金らしいわ。重篤なら医療の知見さえ必要な、侮れない症状ね」
 いつの間にか清楚なワンピースに着替えたクロエ。彼女もヒールドローンを使って部屋の修復を行う。
「有城の家名を背負って気付かない内に、少し無理してたかも」
 ゴロベエもまた、美優へと助言する。
「もしそうなら、自分の弱さを見せれる人を見つける事だね」
 正直、美優はこのまま学校に向かおうかとも考えていたようだが、その一言で思いとどまったようである。
(「俺程度が助言とか、実にふざけてるな」)
 もっとも、ゴロベエは彼なりに思うことがあったようだが。

 その後、美優と執事の計らいもあって、修復を終えたケルベロス達をささやかに持て成すと別室へと案内する。
「あら、ありがと。折角だし、戴くわ♪」
 クロエは軽い気持ちでそれに乗ったのだが、そこでは、彼らを労う為にと豪華料理が並べられていた。
 見た目も華やかなフランス料理。パーティーかと思わせる数の皿に盛られた料理の数々が長テーブルを埋め尽くしている。
「スゴっ……」
 クロエは女子らしく目を輝かせ、アイズフォンで早速撮影する。
 ゴロベエもまた、スマートフォンで撮影する。後ほどネット掲示板などで自慢しようと考えていた模様だ。
 一言断わり、早速、それに手をつけるメンバー達。アニエスは料理と一緒に並ぶワインを上品にいただく。
「んーっ! 絶品じゃな! 執事さん、これは一体どういうレシピなのじゃ?」
 並ぶ料理を口に入れつつ、そのレシピに興味を示す梅子は、新メニュー開発の一助とすべく、興味津々に尋ねていた。
「活力を得てもらえたなら、幸いですわ。休んでなどいられませんしね」
 そんなケルベロスの様子に、美優が告げる。明日への活力とする為、一行は心行くまで豪華料理を堪能するのだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年5月27日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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