五月病事件~俺はやれる! はずだった

作者:森下映

 晴れて希望の会社に就職し、狭いワンルームとはいえ一人暮らし。
 仕事もプライベートも充実。
 そりゃあ時には疲れることもあるだろう、辛いこともあるだろう。それでも俺はやれる!
 はずだった。
「……だめだ……」
 もう何日も布団さえ敷いていない。ソファの上で頭まで毛布をかぶり、彼は呻いた。
 新生活を始めてみれば、疲れることと辛いことばかり。毎朝仕事にいって家のこともやっれって、
「無理……だ……」
 今日も容赦なく日は昇る。会社に行く時間だ。しかし、
「……あ、ワイシャツも靴下も洗濯してない……」
 よし、休もう。着ていくものがないのだから仕方ない。うん。
「あとで起きたら洗濯して……そうしたら明日は会社に行こう……明日は……」
 山盛りの洗濯物、空っぽの冷蔵庫。そんな部屋で男は二度寝を開始した。

「ジゼル・クラウンさんを始め、多くのケルベロスの方が調査した結果、五月病の病魔が大量に発生している事がわかりました」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が言った。
 五月病なので、放っておいても命に関わることはないが、
「これ以上こじらせると社会復帰が難しくなるでしょう。五月病の病魔を撃破して、解決してあげて下さい」

 今回助けに向かう男性は、高橋・トウヤ、23才。会社に行かずにワンルームマンションの一室に閉じこもっている。
「意識はあるので、普通に訪問すれば会うことができます」
 居留守を使う場合もあるが、鍵を壊して踏み込んでも構わないだろう。
 そして患者に接触した後は、チームのウィッチドクターが患者から病魔を引き離して、戦闘を行うことになる。
「ウィッチドクターがいない場合も、その地域の医療機関に協力しているケルベロスのウィッチドクターが臨時に手伝いをしてくれるので、特に心配はありません」
 五月病の病魔はよく太った牛のような外見をしている。体長は170cm程度。戦闘時には鼻ちょうちんで捕縛してきたり、尻尾を振って魔法を使い眠気をふりまいたり、突然逆ギレして突進してきたりする。ポジションはクラッシャー。

「五月病は再発しやすい病気のようです。可能なら病魔を撃破した後にトウヤさんと話をするなどして、フォローしてあげると良いかもしれません」
 自分を助けてくれたケルベロスからフォローがあれば、きっと再発しないだろう。
 セリカは、よろしくお願いしますと頭を下げた。


参加者
藤守・つかさ(闇視者・e00546)
六条・深々見(喪失アポトーシス・e02781)
ルース・ボルドウィン(クラスファイブ・e03829)
鏑木・蒼一郎(ドラゴニアンの執事・e05085)
佐々木・照彦(レプリカントの住所不定無職・e08003)
深宮司・蒼(綿津見降ろし・e16730)
黄瀬・星太(火風・e28582)
真田・結城(白銀の狼・e36342)

■リプレイ


「何や、これやとオッサンなんて万年五月病病魔にかかってそうやでこれ……」
 と、佐々木・照彦(レプリカントの住所不定無職・e08003)が言えば、
「あー……なんかちょっと親近感は覚える……」
 長い黒髪に悪魔角、強くなってきた日差しがうらめしそうな六条・深々見(喪失アポトーシス・e02781)。普段はネトゲと惰眠が親友だが、
(「こうして外に出てる分だけあたしの方がマシ……たぶん……だといいな……」)
「病魔倒して治すのは便利なんやか不便なんやか」
 な? と自分の方をみた照彦に、イエローとグリーンの2色ミックスが可愛いテレビウムのテレ坊が首を傾げる。
「俺も万年五月病の者を知っている」
 本日着用仕事用施術着はものすごく日差しを吸いそうな漆黒。が、ルース・ボルドウィン(クラスファイブ・e03829)の足取りが軽くないのはそのせいというわけでもなく、。
「因みに当院もゴールデンウィークは二週間ほどサボ……休診したので、今現在めちゃめちゃ面倒臭い」
 『休診』と『めちゃめちゃ』にアクセントが置かれていた。
「五月病って、5月になるとなる病気ってこと? ん~……よくわかんねーけど、なんか大変そうだな」
 深宮司・蒼(綿津見降ろし・e16730)は大きな蒼い瞳をぐるりと上に向ける。額には小さな濃蒼の角が並び、高い位置で1つに結んだ長い髪も尻尾も翼も、両手を守る鱗も海の色。独特の和柄の服は立波の名前を持つ。
「お前は五月病とは無縁っぽいよな」
 藤守・つかさ(闇視者・e00546)が言った。
「俺? うん! 学校、病気で休んだことないんだぜ!」
 えっへん! としてみせる蒼の様子につかさはくすくすと笑みをこぼす。身体に沿ったスリーブレスも襟足でくくった髪も、肌と所々の銀以外は漆黒で誂えた姿。蒼を見る目は弟を通り越し息子もすっ飛ばし、孫でも見ているようである。
「いずれにしても、抵抗できない人を苦しめるなんて放っておけませんね」
 家族や親友をデウスエクスに殺された過去。デウスエクスは無論、病魔であっても一般の人を虐げる事は許せない。黄瀬・星太(火風・e28582)。
「そういえば1人足りない気がするのだが」
 マンションの階段を上がりながら、鏑木・蒼一郎(ドラゴニアンの執事・e05085)が言った。と部屋の前、
「あ……今日はよろしくお願いします」
 狼耳のある頭をぺこりと下げると、ふさふさの銀の尻尾がもふっと揺れる。和服姿に襷掛け。真田・結城(白銀の狼・e36342)。深々見ははっとして、
「ご、ごめ……全然いないの気づかな」
「いやいやいやオッサンは気づいてたで!」
 照彦は慌ててフォロー。
「道迷わなかったか? 飴ちゃん食うか? ってコートの下やないか!」
 抹茶飴を取り出そうとした照彦だったが、今日はケルベロスっぽい見た目にするため愛用のがま口ポシェットごとテレ坊柄ジャージの上にコートを着こんでいる。結城は、
「お気になさらず……影が薄いのはいつものことなので……」
「そ、そうか? そんじゃ改めて……ケルベロスです~、ちょお緊急事態やから開けたって~」
 呼び鈴を押し、ドアをノックしながら呼びかけてみる。
「デウスエクスが出る予報があるねんで〜」
 シーン。
「駄目みたいですね」
 星太がもう1度ノックし、
「急を要する事態なので、開けてもらえないときは鍵を壊してでも入らせてもらいますよー」
「反応ないねー」
 いつのまにかしゃがみこんでいる深々見が言い、
「何もすることが起きないんですもんね……」
 インターホンにも出なそうだと結城は思う。
「これの出番か」
 ルースがどこからか針金を取り出した。
「最近の医者はそんなものも持ち歩いてるのか……」
 深々見が言う。ルースは、
「医療器具だ。これでちょちょっと……いかなければ誰か壊してくれ」
「せやな。大丈夫、何や壊れてもヒールしたるし。修理保証外とかは知らん」
「俺も敷金? とかいうニホンの不動産システムはよく分からないしな」
「あー……待て待て」
 照彦とルースが頷き合っている所に、つかさが何かをぶら下げてみせた。
「管理人から鍵を借りてきた」
「すっげー! つかささんアタマいー!」
 蒼が目を輝かせてつかさを見る。
「いや……そういうんじゃないが……まあ、異論がなければ開けるぞ?」
 ない。とのことで、ここは穏便に合鍵を使う。


「お邪魔します……」
 と結城が丁寧に言っている脇をルースがドカドカと入っていく。ソファの上にはまるまった毛布。つかさが覗き込み、
「耳栓してるな」
 というが早いか、ルースがガバッと毛布をはいだ。
「ひゃっ!」
 パンイチの男が飛び起き、その隙おもむろに蒼一郎が耳栓を抜く。星太は、
「すみませんがざっと片付けさせていただきますね」
 目についたものをバスルームへさくさく移動させながら、
「今トウヤさんが何もやる気が起きないのは病魔のせいです。僕たちはその病魔を退治しに来ました」
「ビョウマ……ってことはケルベロス……?」
 見れば黒づくめの3人に取り囲まれ見下ろされ、その上褐色肌に巻角の妙に色っぽい兄さんが明らかに自分を睨んでいる。気がする。が、よりによってその強面色男がアンダーリムの眼鏡をかけたかと思うと、膝を開いてソファの脇にしゃがみこみ、
「デテオイデー」
 腹に向かって棒読み。
「出てくるわけがない、と」
 チッと舌打ちしたルースを見て、
「ほんとにめんどそうだな……」
 深々見が呟く。ルースは立ち上がり、
「ビビったら言ってくれ」
 いきなり片手をトウヤの腹へ突っ込んだ。
「うわああああああ! びびってますびびってます今びびってますうう!」
「ああそうかそいつは大変だな。……しつこいな」
「押さえるか?」
 つかさがたずねる。
「頼む」
「ヒイ!」
 ルースはもう片方の手も突っ込んだ。
「手伝おう」
 蒼一郎が足を、つかさが肩を押さえる。そしてルースは両手をつっこんだまま片足をもち上げ、
「ぐふっ」
 おもむろに脇腹のあたりを踏みつけた。無論医者的に身体に問題ない場所を選んでいる。はず。そして両手で病魔を引きずり出すにつれ、
「『Z……ZZZ……』」
「イビキかいとるな。呑気なもんやで……って真田くんは何しとるん」
 照彦が言う。
「今のうちに準備をと思いまして。あまり慣れていませんし……」
 正座し、武器を並べて確認していた結城だったが、
「出たぞ」
 ルースの声に慌てて立ち上がった。床に忘れていた武器はテレ坊が渡す。結城、お礼をいって装着。病魔は情報通りの太った牛。ルースは間髪入れずにトウヤを抱え上げた。
「!!??? ぼ、僕にはそんな趣味はっ!」
 俺にもないとばかり額に青筋が浮いた気がする間もなくトウヤを放り投げられ、蒼ががしっとキャッチする。
「蒼、任せた!」
 続けてつかさが毛布を投げた。蒼は毛布もトウヤの上に受取り、
「まかされた!」
「ぼ、僕どうなるんです?!」
「あの黒いヤツやっつけちゃうから、外で待ってて!」
「外で?!」
 蒼が部屋の外へ出る。
「誰にも、何も奪わせない」
 病魔の正面を塞ぐ星太。ルースは眼鏡を外し黒衣のポケットへ入れると、狭いワンルーム、助走なしに宙を跨いで飛び上がった。玄関前を遮って立つつかさの片腕では、黒葉の植物がみるみるうちに黒い花を咲かせ花弁を落とし、実った果実が黄金の光を放つ。そして、
「プギャ」
 お値段27万円。ルースの靴が病魔を玄関から遠ざけるように蹴り飛ばし、星太は攻撃の邪魔にならない位置を瞬時に判断、鎖を操り守護陣を描き出した。
「明日から本気出すという気合いを! 注入する!」
 照彦は病魔へファイティングポーズ。
「本気出とるかは明日の俺に聞いてくれ」
「ブモーー!」
 明日の照彦のみぞ知る誓いが溶岩となって噴出すると、病魔は一回り小さくなったように見え、
「ZZZ……」
「プレッシャーに弱いんかーい!」
 照彦が突っ込んでる間にたたっと走りこんだテレ坊がポカポカ殴る。そこへ蒼一郎が飛び込み、
「お前の気脈は封じさせてもらう!」
 額には螺旋と筋の入った鋭い角。殺気に病魔もキッと目を開く。命中率は低いがここは挑むと決めている。蒼一郎が先に床を蹴った。牛、機敏な動きで蒼一郎の指先を回避。そのまま逆ギレの反撃に出ようとした。が、
「おまたせ! ……っと!」
 文字通り飛び込もうとして高く飛びすぎた蒼は手のひらで天井を押しかえすと、両剣如く二枚刃を持つ島渡を回転させながら牛の前へ。最大限防御はしたものの胸に牛の角が刺さりそのまま壁へ叩きつけられた。鼻息荒く、後ろ脚で立ち上がる牛。だが、
「『このまま全部、なくなればいいのに』」
「ブモ?!」
 虚ろな目をした深々見にぐいと肉を掴まれる。明日を望まない意識を流し込まれ、病魔はさらに縮む。
「失礼します」
 続き無防備な腹を結城の狼化した腕が殴りつけた。つかさは星太に視線を送りながら蒼を気遣い、
「大丈夫か?」
「へっちゃらなんだぜ!」
 蒼は両手で印を結ぶと分身を纏わせて傷を癒す。星太も傷を確認し、
「無理はしないでね」
 普段より口調が少年らしい。自分も片手で素早く印を結び、蒼の傷を重ねて治療した。
「モ……」
 牛が後ずさる。しかし牛の本領が発揮されたのはこの後の事だった。


「状態異常がこれなのにダメージも半端ないとか反則だろ……」
 堕落に誘われた室内でつかさが呟いた。
「この眠いちゅうのはほんま……眠いなー!」
 照彦はあくびを噛み殺す。
「それだけやけどめっちゃ強力……いっそ寝たい……って寝てるやないか!」
「仕方ない……だってねむい……し……仕方ない……」
 どこかできいたような台詞を吐きながら、深々見だらだら頭から血を流しながらソファで寝ている。
「これは案外恐ろしい技やな……」
「まぁ、負けないけどな……蒼」
「うん! みんなに耐性つけるんだぜ!」
 ちぇっという声がソファの方から聞こえた気がしなくもないが、つかさと蒼は協力して耐性づけを試み、星太も戦況を見ながら時に床に、窓に壁にと守護陣を作り上げて防御を固める。怒らせて以降狙われ気味のテレ坊も回復を優先、
「お前に魂と呼べるモノがあるのなら、喰らってやろう!」
 あったらしい。黒服翻して蹴りを食らわせた蒼一郎へ生命力が吸い取られていくのが傍目にもわかった。
 と、牛がぶおおと鼻提灯を膨らませる。勘弁しろという顔でルースが蹴り飛ばそうとするが飛沫を被りそうだ考え直し、オーラを指先から弾いて相殺、
「『終油の秘蹟より熱々のブラックを、宜しく。』」
 掌にシリンジ。渦巻く黒から漆黒の影鴉が生まれ出た。
「御馳走だぞ」
 手の甲にとまった鴉が首を傾げる。
「ブモブモーー!」
 察し牛が逃げ出した。が、
「残念だが出口は無い」
 真上、両足を引き寄せるように飛び上がったつかさが黒雷紡いだ手を足首に触れる。や否やその足が伸ばされ牛を蹴り抜いた。黒雷一閃、牛の短い毛がビリリ逆立つ。
「あんまし暴れんといてや〜」
 言いながら照彦は軽く自分の頭をどつき、
「『Samuel Casar Heinrich Nordpol Ulrich Richard Eins=Bahner_03』」
 首の傾き5%、心も5%かつてダモクレスの小隊を率いていた自分へ傾けて。合成音声が流れるとともに錘付きのコードが射出された。そして、
「『霧幻の壱式……捕らえろ、朧月!』」
 蒼の元には水気が集う。呼び出されたのは海月の姿の霧の式鬼。霧の触手とコードが牛を縛り上げた。
「ブモ、ブモオオオ!」
 追いついた鴉についばまれ涙目の牛に、結城が放った空の霊力纏う矢までぶすり。と、
「痛」
 照彦が腰を押さえる。
「イタタタ、アレ痛めてもうたわ」
「腰かな?」
 駆け寄り星太がたずねた。
「平気やで。アレがアアしてアアなったら治る」
 5%の代償と錨の後遺症。テレ坊が腰をさすってあげる。頷き星太は天井へ守護陣を描き出すと、遠くの間合いへ着地、同時金の髪がさらりと額に戻った。
 幾重にも護られ耐性も身につけた番犬達が病魔を追い詰める。
「『天かける龍よ、猛る獣よ! 今こそ来たりて、我が敵を討払い給え!』」
 全身に紫電を巡らせ蒼一郎が叫んだ。突っ込んできた牛は腰を押さえつつも照彦が両手で押しとどめ、蒼一郎は額の角から集中させた雷を撃ちだす。
「ブモーー!」
 牛の頭が燃え上がった。
「もーいい加減大人しくしてよー」
 騒ぐ牛の尻尾をひっつかみ、深々見が憂鬱を送り込む。照彦を少々手荒に星太が治療する間に、
「熱いかもしれませんが……」
 と結城が炎を蹴り放ち、つかさの黒槍が頭から一直線に貫いた。
「わあ、牛の丸焼きみたいなんだぜ!」
 ブモ……と消えていく病魔を見ながら蒼が言う。つかさに限って意図した訳ではないだろう。


「ありがとうございました……」
 いまだパンイチ毛布のトウヤが、床に座って頭を下げる。
「あー……慣れないうちはねー……どうしてもしんどさが先にくるからねー……」
 こちらはソファに座っている深々見は、少し考え、
「まーでも……まだ就職したばかりなんでしょ? 元より充実なんて、仕事を覚え始める頃にならないとやってこないものだよ、きっと。とりあえずはそこを目標に、立ち上がってみたらどうかなー」
 と栄養ドリンクを差し出した。ぺこりとまた頭を下げ受け取るトウヤ。フォローに嘘はない。が、
(「自分で言ってて自分に刺さる……」)
「俺はやれる! ちゅうのも大事やけどな、毎日コツコツやるのも大事やねん。今日は洗濯、今日は料理、まずは1日1個でええねんで。……ま、オッサンが言うのも何やけど」
 うんうんと照彦にテレ坊がうなずき、これまたグサグサと刺さったらしい深々見の顔が暗くなる。が、
「環境が変わって丁度疲れが出る頃だもんな。季節の変わり目は割とメンタルに響くって言うし……余り無理はしない事だな」
 つかさの言葉にうん、無理はいけないと深々見浮上。蒼もうーんと悩み、
「何でも全部1人で頑張ろうとすっから疲れんじゃねーかな? 洗濯手伝おうか? やり方教えてくれるなら、だけど」
「そ、そこまでご迷惑をおかけするわけには」
「あの」
「「わっ!」」
 物陰から顔を出した結城に、トウヤと蒼が一緒に驚いた。
「今洗濯機を回していまして……片付けも大体済みました」
 そういえば部屋が綺麗。
「あ、ありがとうございますううう」
 涙声のトウヤに、
「うちにも一台欲しい」
 深々見がぼそっ。トウヤは、
「休日の時もあまり部屋に閉じこもらずに、外に出て散歩とかすると良いらしいですよ」
 アイドルよろしくキラッキラの星太に頬を染めていたり、蒼一郎に『全てを頑張る必要は無い』と書かれた額入りの書を渡されたりしている。ルースは室内を軽く直しながら、
「お大事に」
 振り返るでもなく言った煙草を咥えた口の端は、少し上がっている様に見えた。

作者:森下映 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年5月27日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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