●あさ
カチ。カチ。カチ。
時計の針が進んでいく。1秒、1分を正確に示しながら。
啓助は何をするでもなく、ずっと時計の音を聞いている。目が覚めた時からずっとベッドの上だ。寝返りをうつ気も起きない。瞼も開けたくない。
「程良い涼しさと温もり……ベッドは永遠の恋人ってやつ……」
あー、大学行きたくない。
大学行く為に起き上がるのも、着替えるのも、トイレに洗顔歯磨き食事をするのも、全部全部――。
「やる気……出ない……」
別にいいか。どうせ1日2日行かなくたって、死ぬわけじゃない。
でもトイレと飯は必要だとぼんやり考えた所で、『トイレ』『飯』の2つも、とてつもなく面倒に思えてきた。
ああ、大学行くのって、何ておっくうだろう。
啓助はそんな事を考えながら、再び微睡みの中に沈もうとする。
その思考が、本人が思う以上に深く強く、そして異常な事だと気付かないまま。
●五月病事件~とらわれのこころ
ゴールデンウィークに遠出したり、旅行したり、遊んだり。
そういう日々を過ごした後、やってきた『学校や仕事が待つ現実』を前にすると、ゴールデンウィークが如何にゴールデンだったか痛感させられるものだ。
「わかる、わかるよ。俺も家族旅行の後は仕事に行かず、家族でもっと楽しい事がしたかった。……そうか、あれは五月病だったのか!」
過去を振り返ってしみじみしたラシード・ファルカ(赫月のヘリオライダー・en0118)が、ケルベロス達を前に『五月病』に触れたのは、何も世間話の一環ではない。ジゼル・クラウン(ルチルクォーツ・e01651)をはじめとする多数のケルベロスが調査した結果、五月病の病魔が大量発生している事が判ったのだ。
「という事で、君達には五月病の病魔撃破を頼みたいんだ。場所は埼玉県のここ、住人のほとんどが学生っていうアパートの一室だよ」
名前は園崎・啓助。303号室に住む、大学生になったばかりの少年だ。
目が覚めてからずっとベッドの上に寝転んだままだが、五月病でやる気が無いだけで意識はあるので、訪問すれば会う事が出来る。
「凄まじくやる気を失っているから、開くまでに時間がかかるかもしれないけど、大家から鍵を借りれば問題無いよ」
啓助に接触した後は、チームにウィッチドクターがいれば、彼から病魔を引き離して戦闘を行う事が出来る。いない場合は、その地域の医療機関に協力しているケルベロスのウィッチドクターの手を借り、引き離せばいい。
病魔を引き離す手段については心配無用。そう言って笑ったラシードは、少女の姿をした五月病・病魔に触れた。
見た目は人型・羊のウェアライダー。かよわい少女の姿をしているが、衝撃波を放つあくびや、ふわふわとした小さな羊を飛ばしてきたりする。その威力は強く、自身を癒す術も持つようなので、油断は禁物だ。
「俺からの大事な話は以上でお終い……なんだけど」
ラシードは、もし良かったら、と前置きしてからケルベロス達に願った。
「病魔を倒した後、園崎の話を聞いてあげてくれないかい?」
話を聞いてもらえるというのは、薬を処方されるのとはまた違った効果をもたらしてくれる。そうする事で、啓助が再び五月病に罹りそうになっても、彼自身の力で打ち勝てるかもしれないからだ。
「何より、自分を助けてくれたヒーローからの言葉だ。それはきっと、何より強く届く」
だから頼むよ、地球のヒーロー。
そう言って男は笑い、ケルベロス達を送り出す。
参加者 | |
---|---|
ヒルダガルデ・ヴィッダー(弑逆のブリュンヒルデ・e00020) |
シグリッド・エクレフ(虹見る小鳥・e02274) |
ウィッカ・アルマンダイン(魔導の探究者・e02707) |
花筐・ユル(メロウマインド・e03772) |
月代・風花(雲心月性の巫・e18527) |
ラズリー・スペキオサ(瑠璃の祈り・e19037) |
ゼラニウム・シュミット(決意の華・e24975) |
卜部・サナ(仔兎剣士・e25183) |
●おむかえ
自分達がケルベロスである事、そして住人の1人である園崎・啓助の五月病疾患。それらを伝えた大家は仰天していたが、園崎君をお願いしますと言って快く鍵を渡してくれた。
その鍵を手に階段を上っていくと、陽を受け輝く『3』の文字プレート。そこから見えるドアを1つ2つと通り過ぎ――。
「303号室、園崎・啓助……ここですわね」
間違いないよう指差し確認したシグリッド・エクレフ(虹見る小鳥・e02274)の横、ラズリー・スペキオサ(瑠璃の祈り・e19037)は、去年の自分も啓助と同じだったとぼんやり思い出していた。
(「五月病って大した事なさそうだけど、本人からすれば結構辛いんだよね」)
という事で早速ピンポーン、とインターホンを鳴らす――が、反応がない。
「ノックしてみましょう」
ゼラニウム・シュミット(決意の華・e24975)がドアをコンコン。『もしもし』『園崎啓助さーん』と呼んでもみるが、結果はインターホンの時と同じ。ならば。
「ケルベロスの往診だよー勝手に入るよー、いいよね?」
ラズリーが声を掛けながらの合鍵ガチャリ。中に入り、寝室らしき部屋のドアを開ければ、ベッドの上で縦長に膨らんでいる布団から覗く髪がもぞりと動いた。意識はあるのだろう。
「貴方が園崎さんですね。少し頼みたい事があるのですが……」
返事はない。だが、覗いていた髪がもそもそと布団の中に引っ込んだ。
無言の『面倒臭い』に3人は再び頷き合い、シグリッドとゼラニウムは啓助に声を掛けながら布団を引っ剥がし、ラズリーは服掛けスタンドにあった上着を拝借する。
「悪いようにはしないから兎に角おいで」
その頃、アパート近くにある空き地では、着々と戦闘準備が進んでいた。
「こんにちは、サナ達はケルベロスだよ」
「ここは危なくなるから、離れてねー」
「はーい!」
「まあ、大変だわ」
卜部・サナ(仔兎剣士・e25183)と月代・風花(雲心月性の巫・e18527)、2人からのお願いに、空き地で遊んでいた子供達や見守っていた老婦人達が去っていく。
ヒルダガルデ・ヴィッダー(弑逆のブリュンヒルデ・e00020)も、空き地前を通り掛かった学生へ間もなくここが戦場となる旨を伝えれば、やばいと呟き早足で離れていった。
空き地の外、周辺の安全確保を終え戻った花筐・ユル(メロウマインド・e03772)は、すれ違った老婦人を見送った後、静かになった空き地をゆるりと見る。
「これで大丈夫そうね。残るは主役と……」
「あ、来た来た! こっちはもう準備おっけーだよーっ」
月代・風花(雲心月性の巫・e18527)が元気に手を振った先には、主役もとい啓助と、彼に肩を貸し道中は足元に気を付けて、と奮闘した仲間達の姿。
「では、早速」
ウィッカ・アルマンダイン(魔導の探究者・e02707)が手早くキープアウトテープを展開し、空き地をぐるりと取り囲めば全ての準備が整った証。
空き地中央に、啓助が立っているのも面倒臭いといった表情で立つ。静かに深呼吸したゼラニウムは、そんな啓助――その内に巣くう病魔を引っ張り出すべく、表情を引き締めた。
●ひつじとばんけん
「じ、事前に容姿は聞いてはいましたが、別な意味でやりづらい相手ですねこれは」
「本当に女の子の見た目してるんだねー……」
ゼラニウムとサナは、啓助の体からポンッと飛び出すように現れた病魔をまじまじと見る。『五月病』だから羊獣人型の少女めいた姿なのか。
「何だかちょっぴり、戦い辛い雰囲気のデウスエクスですわね」
シグリッドも同感せずにいられない。きょとんとしていた啓助は、ラズリーと共に空き地隅にあったドカンの陰へ連れて行った後。これなら病魔の攻撃を受ける事は無いだろう。
「か、かわいい! ……じゃなくてっ! 油断しない様にしないとね。こんな外見でもおっかなーい病魔なんだから!」
サナは気合いを入れ直し『星火燎原』を抜く。見た目は少女、実体は五月病・病魔だ。
「それじゃあ行くよっ! 五月病の治療もケルベロスにお任せなのっ」
スタイリッシュにキメてすぐ、月の弧描く斬撃で枕ごと病魔を斬れば確かな手応え。
直後、高く跳んだウィッカが流星の蹴撃と共に降る。鋭い動きを追うように黒マントが翻り、赤い裏地が鮮やかに映った。
病魔がとびきり眠い、といいたげな顔をしたのはその時。目を擦り――ふわあ、あ、と大きな欠伸をひとつ。
口の動きは緩やかだが放たれた衝撃波はその真逆。びりびり奮わす衝撃から、シャーマンズゴースト・助手と共に仲間を守ったユルは、威力を感じながら幽かに笑む。
「ラグズ」
喚び声に応えるかのように溢れた光の粒子が前衛を包み込み、そこにラズリーとゼラニウム、2人の起こした癒しの雷光が重なり眩く光った。その中を、両手合わせた助手の祈り受けながら、ヒルダガルデは駆ける。露わになっている左目に映る敵の姿。羊の、角。
「親近感の湧く見目だが……まあ、」
くっ、と笑い蒼炎揺らぐ右足を振り上げた。刃と化したヒルダガルデの蹴りに手加減の3文字は無く、ざあ、と翔たシグリッドも啓助の為にと炎纏った蹴りを見舞う。
立て続けに見舞われた蹴撃に病魔が枕を抱き締め頬を膨らませた。しかし風花は先程の欠伸攻撃を忘れていない。目の前にいるのは、致死性のある病魔と違って今すぐ命が危うくなるものではないが、放っておけば日常生活が危ぶまれる恐ろしい病だ。
「可愛らしい見た目だけど人を困らせるなら手加減はなし!」
「だよね、ふーかちゃん!」
ぬう、と現れた御業から巨大な炎弾が放たれ、轟音と共に呑み込んだそこに、サナの喚んだ御業が巨大な手を突っ込んだ。捕らわれた病魔がもがき、ぽんっと羊を1匹。
「うー、痛いのに、何だか得をした気分です……! これはお返しですわ!」
シグリッドの投げたカプセルは見事にヒットし、溢れるのは神殺しのウイルス。すると怠惰な雰囲気はどこへやら、病魔が両手をぱぱぱと動かしイヤイヤと慌て出す。だが、もがいて御業の手から逃れても、ケルベロスからは逃げられない。
「『黒の禁呪を宿せし刃。呪いを刻まれし者の運命はただ滅びのみ』――!」
ウィッカの振るう魔剣が黒の禁呪と共に病魔を蝕んでいき、右足で地を蹴り跳躍したヒルダガルデがルーンアックスを振り上げ、笑む。
「其の角、折らせてもらうぞ」
●ひつじがり
大きな欠伸にふかふか羊、枕をぎゅーっとしてのヒールと、五月病の病魔が繰り出す技はどれも緩く怠惰な見た目ばかり。全身をぐぐーっと伸ばしながらの大欠伸は、変わらず空気を震わしながらケルベロスを傷付ける。
「痛っ……! けど、ずばばばーん! って一発で病気も退治しちゃうんだからねっ」
有言実行とサナは空の霊力纏った斬撃を見舞うが、痛くなければうっかり寝ちゃう恐ろしい攻撃かも、と思わず呟いた。
「見てるだけで眠くなりそうな……皆起きて、寝ちゃ駄目だよ」
くすりと笑ったラズリーが雷壁を編み、その癒しを広く注ぐ。ユルは電撃杖の先端をくるりと動かし、じゃあ、と微笑んだ。
「私は月代さんに」
爆ぜるような癒しを風花へ贈り、貴方はアルマンダインさんに、と助手に声を掛ける。帽子をひょいと上げ応えた助手が何度目かの祈りを紡ぐと、幾度か重ねた恩恵が更に深みを増した。
「見た目がやりづらい相手でも……!」
決意と生への執着。赤と青。『瘴気の仮面』の下に顔が隠れていても、雷壁を構築したゼラニウムの浮かべる決意は皆に伝わり、支えとなる。
病魔の繰り出す攻撃は重いが、盾であるユルと助手、ゼラニウム。癒し手であるラズリー。彼らのヒールが、病魔から攻撃を受ける度に仲間達をカバーしていた。前の層を厚くした事も、病魔の攻撃を幾分か和らげている。
――故に、他の者達は一切の憂い無く飛び出せる。
「行きますよ」
ウィッカの宣言と共に黒の残滓がぞぶりと動き、一瞬で牙を剥いた。病魔の腹部に食らいつき、黒の向こうから月色の眼が迫る。ぐ、と力の入った手があっという間にみぞおちに触れ。
「嗚呼……空腹だな」
ヒルダガルデは囁くと同時に拳を深く突き刺した。その勢いのまま引き抜けば、手から体中へと力が巡り、盾として受けた傷が幾らか癒える。
大きく後退した病魔を見て、シグリッドは戦いの終わりが近い事を悟る。だが、もう一押し。昇り立つオーラに宿すのは、宙から降りたかのような銀光の蠍。一撃を繰り出せば毒尾を掲げた蠍が共に食らい付いた。
倒れかけた病魔が立ち上がり、枕を抱き締め顔を埋める。僅かに治る傷。だが。
「眠れないのなら、子守歌をうたってあげる」
――Traeume suess.
囁いたユルから広がった黒曜の荊がざざ、ざ、と病魔に絡み付き、ふわふわの髪も逃れようと伸ばす手も覆い尽くそうとする。深く濃くなる茨の主、ユルは静かに目を向けた。
「卜部さん」
呼ばれ、目を瞬かせた少女に友の声が飛ぶ。
「サナちゃん!!」
「っ……! お日様、お月様、お星様……」
力を貸して下さい。
願いは光となって星火燎原に宿り、閃光の如き目映さを放っていく。それはまるで――。
「五月病なんて、吹っ飛んじゃえーっ! ……日月星辰の太刀っ!」
目覚めの、ひかり。
●こころじゆうに
全てが終わり、戦場となった空き地にヒールが施された後。啓助は芝生の上に座り込み、顔を覆っていた。
「お休みの日にごろごろしたい気持ちはわかりますが、いつまでもそれではいけませんよね」
「本当に!! あー! 五月病に罹るなんてー!!」
ウィッカに言われ頭をぶんぶんと縦に振り、また頭を抱えている。歯科医を目指して勉強し、上京した青年だ。生来、真面目な気質なのかもしれない。ゼラニウムはそっと肩を叩いた。
「何事も抱え過ぎは毒となります。誰かに話したい事、不満に思っている事、歯科医師を志したその理由……いい機会ですし色々吐き出してみてはどうでしょう?」
「大丈夫です。ゆっくりお話下さいませね」
シグリッドもふわりと微笑み、ラズリーがびし、と自身を指差した。
「俺も去年同じ症状になってさ」
「えっ」
聞いてくれる存在。同じ状況を経験した存在。彼らに囲まれて、啓助は気持ちが楽になったのか、ぽつりぽつりと話し始めた。歯科医を目指す気持ちは変わらない事、でもたった1人で状況した為、周りに気心の知れる人がまだいない事。
「大学生になってやってみたい事ある?」
「ええと……不真面目かもしれないけど、気の合う奴見つけて、一緒にパーッと旅行とかしてみたい」
「わかる」
中学や高校生だった頃とは違う学生時代だ、勉強も青春も楽しみたいのは、ごく自然な事だ。
「大学生活の事は? どうおもってる?」
風花の質問に、啓助は思い浮かんだ事を1つ1つ答えていった。伝わるのは、歯科医師となるべく日々勉強しながら、アルバイトと学業、そして1人暮らしをするのは大変だという事。
そして、それでも歯科医になりたい気持ちは消えない事。
「『やる事も環境もガラリと変わって大変だー!』っていうのは私も体感してるけど、新しい友達やサークル活動と楽しい事も沢山なんだから楽しまなきゃ損……じゃないかな!」
「楽しむ、か……そうだよな。もう少し余裕持てるように、色々見直してみようかな。あとは……」
気の合う奴探しを、と言うが、その部分は何やら言い淀んでいる風。一緒に笑い、話が出来る誰かが出来れば、大学生活は随分明るくなるだろう。しかし、そこに踏み出すのにモゴモゴしているのが見て取れた。
「色々と面倒になる気持ちは分かる。とはいえ、それで何もしない人生などつまらんぞ?」
「ヒルダガルデさん……」
踏み出す前は色々考えてしまうが、踏み出してみれば、案外その1歩はそうそう難しいものではなかったりする。しかし、面倒だと蓋をして何もしなければ、何もしない人生のまま。
啓助さん、とシグリッドは優しく声を掛け、隣に座る。
「学校へ通うのが億劫になることも在りますとも。でも、家族の『行ってらっしゃい』や、学校のお友達の笑顔に励まされて、元気になってしまいます。啓助さんにもそんな風に、応援して下さる方はおいでですか?」
「……父さんと、母さん」
そう言った啓助の目が、少し潤んだ。恐らく、彼の夢を、上京を、心から応援してくれたのだろう。
ならばとウィッカは改めて訊ねた。
「あなたは何のために上京してきたのですか? 貴方の夢のためにすべきことがあるのではないでしょうか?」
啓助は歯科医になりたいと願った。それを学ぶ為の場所があり、夢を応援する両親がいる。それを伝えると、啓助の目に小さな光が浮かんだように見えた。
ねえ、とユルは声を掛ける。
「……貴方は何を想って、何を求めてこの道を選んだのか。今一度立ち止まって、見詰め直してみると良いわ」
ぱちり、と啓助が瞬きをした。自分が上京する事を決めたその出発点と、今いる途中地点。色々とあって五月病に罹り、落ち込んでいたようだが、そこを振り返り、考える事が出来るのなら。
「な、将来どんな歯医者になりたい?」
ラズリーは笑みを浮かべて訊いた。少しの間の後、啓助は『誰も怖がる事のない、明るい歯科医を開きたい』と夢を口にする。でもまた今回みたいな事になったら、と不安を零した時、サナがじゃあさと提案した。
「やる気が出ないの諸々ぜーんぶ病気のせいにしちゃお?」
「え、いいの?」
「いいの!」
事実、今回は五月病に罹っていた。嘘ではない。
ヒルデガルダは、ふ、と笑って啓助を見る。
「どんなに煩わしいことでも、それがあるから、楽しみもあると言うものだ」
「それに、虫歯にまで全てケルベロスが治療することはできませんからね。歯医者として人々の力になるのは素晴らしいことだと思います」
誰かを助けるのはケルベロスだけではない。ウィッカの言葉に園崎が淡く頬を染めた。こういう風に褒められると思っていなかったのだろう。
「わたくし達にも、応援させて下さいませね!」
シグリッドの笑顔を受け、啓助の顔が更に赤くなる。だが。
「沢山の楽しい事が待ってる。ぼんやりしてる暇なんて無いよ。大学生活の事なら任せて。レポートの書き方や上手いサボり方、単位の取り方の極意なんかを教えてあげるよ」
「病魔は私たちが倒したので、後は貴方の気持ち次第ですよ」
「そう! サナ達が変な病気はやっつけたよ、だからもう大丈夫。いつも通りの生活に戻れるよ」
ラズリーが、ウィッカが、サナが次々とかける言葉。それを受ける啓助の顔は、すっかり明るくなっていた。
作者:東間 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年5月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 0
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