ヘイル・トゥ・ニンジャ・ハヴォック

作者:鹿崎シーカー

 夜。薄暗い部屋に、五人の男達が横並びに整列していた。
 時刻は既に午後三時を回り、人の気配は全くない。草木も眠ると言われる時間に、一分の乱れもないビジネススーツ姿がピンと背を張り立っていたのだ。
 残業中のサラリマン? 否。五人の顔を人が見れば、その違和感に気づいただろう。五人の顔はまるで五つ子のようにそっくりなのだ。
 彼らは全く同じ動きで眼鏡を直し、スーツを伸ばし、気を付けをする。機械めいた一体感の行動が為された直後、モニタに突如電源が入った。五人は万雷の如き拍手を放つ!
『我が偉大なる超エリート社員の諸君! よくぞ私の召集に応えてくれた!』
 尊大な声と共に、モニタに男の姿が大映しになる。オールバックのグレーヘアーに精力溢れる壮年の顔つき。彼の名は鈴木・鈴之助。大企業グループ『羅泉』の代表取締役にして……螺旋忍軍のニンジャである!
『諸君を呼んだ理由は他でもない。我が社は今、最大級のビッグディールをこの手につかもうとしているのだ。なんと、あの螺旋帝の一族が、東京都内に潜伏しているようなのだ!』
 五人が同時にどよめいた。螺旋帝。螺旋忍軍本星の支配者が、よもや地球に来ていると? ざわめく彼らを制し、鈴之助は演説を続ける。
『現状、螺旋帝の一族がどこにいるかは定かでない。よって諸君らには、東京都目黒区を虱潰しに捜索してもらう。螺旋帝を我が手中に収めれば、スパイラス全土の支配も夢ではないッ! 最大級の、ビッグディールだ!』
 万雷の如き拍手! 映像越しの賞賛を受けた鈴之助は拳を握る!
『既に他勢力も動いている!』
『ハイ!』
『この千載一隅のチャンスを得るのは一着だけだ!』
『ハイ!』
『誰より先に螺旋帝の一族を確保せよ! 万が一妨害が入るなら、速やかに排除するように! 我が社のさらなる発展を願って、諸君らの奮闘を期待するッ!』
『我らが愛社精神に誓います! ヨロコンデー!』
 五人が同時にバンザイすると、鈴之助は満足そうにうなずいてから通信を切った。


「皆の者、時は来たれり!」
 一方その頃、某所の廃寺に凛とした一喝が響き渡る。正座して居並ぶのは全て、白い装束を来たニンジャの集団。彼らに檄を飛ばすのもまた、雪めいて白いニンジャである!
「都内にて、複数の螺旋忍軍共の影が見えています。風の噂で聞くところでは、政変に敗れた螺旋帝を血眼になって探しているというそうな。保護により恩赦を得る、スパイラスを支配する……様々な思惑があるそうです」
 正座する五人は無言。彫像じみて動かない彼らを静かな、しかし信念のこもった一声が打つ!
「しかし……螺旋帝? 恩赦? 委細、興味なし!」
 仮面の下で、とび色の瞳がギラリと光る。若さを感じさせる反面、それは無慈悲な狩人の目!
「欲に目がくらんだ者共を、この期に一人残らず狩ります! 白影衆の名に懸けて、螺旋忍軍の全ニンジャを滅するべし!」
『ハハーッ!』
 五人は同時にドゲザした。志を共にする同志への、尊敬の一礼である!
「行きなさい!」
 号令を受けた五人が吹雪めいてかき消えた。


「あわわわわ……なんか大変なことになってきた……」
 小刻みに震えつつ、跳鹿・穫は資料集から面を上げた。
 東京都心部で、複数の螺旋忍軍の組織が大規模かつ活発に動き始めた。
 どうやら彼らの本星『スパイラス』での政変と、それに敗れた螺旋帝の一族が東京に逃げ延びたことが背景にあり、帝の恩赦、あるいは種への影響力を目的として隠れた一族を血眼になって探し求めているらしい。事態はエスカレートの一途をたどり、既に螺旋忍軍同士の戦闘に発展し始めている始末。
 デウスエクス同士が争うだけなら放置できるが、問題はこの戦闘で一般人が巻き添えとなってしまうことだ。これを抑えるためには、『両者の戦いに割って入り』、『敵を連携させることなく』、『双方の忍軍を撃破する』というシビアな作戦を取ることになる。
 忍軍同士を戦わせて疲弊した所を叩くという作戦も可能だが、この場合市民の死傷者が出る可能性が高くなる上、敵が協力することも考えられる。こうなれば、事態の収拾はより困難となるだろう。
 作戦の判断は、慎重に行って欲しい。
 今回の戦場は東京都目黒区の街中だ。かち合うのはニンジャの大企業グループ『羅泉』と、ニンジャ狩りのニンジャ集団『白影衆』の二組だ。
 両者共に五人ずつの隊列であり、『羅泉』は眼鏡のエリートサラリマンめいた姿をしており格闘や銃撃での戦闘を得意とする。企業的合理性に裏打ちされた、一糸乱れぬコンビネーションは圧巻の一言。様々な事態に対応できる柔軟性も持ち味となる。
 もう一方、『白影衆』は白いニンジャ装束が特徴だ。手裏剣投擲、日本刀による剣戟を体得する他、敵ニンジャの弱点を突くために鍛えられた高い洞察力と学習能力が最大の武器。長引けば長引くほど不利となって行くだろう。
「なんか大変なことになって来たけど、どの道人が殺されるんじゃ放っておけない! 急いで彼らを返り討ちにして!」


参加者
イグナス・エクエス(怒れる獄炎・e01025)
霧島・カイト(凍護機人と甘味な仔竜・e01725)
灰野・余白(空白・e02087)
西村・正夫(週刊中年凡夫・e05577)
忍乃・飛影丸(ダークブレイズ・e09881)
神宮寺・純恋(陽だまりに咲く柔らかな紫花・e22273)
岩櫃・風太郎(盾穿つ閃光螺旋の猿忍・e29164)
雨宮・利香(黒刀と黒雷の黒淫魔・e35140)

■リプレイ

 車道の真っただ中を、灰色の風が吹き抜ける。巧みに車をかわすそれは羅泉のサラリマンニンジャ! そして五人一列走る彼らの背後。車のルーフを飛びながら迫るのは白影衆!
「どこまで逃げる気だ、サラリマン共ッ! イヤーッ!」
 一人が手裏剣投擲! それを先頭の羅泉が撃ち落とす。次いで四人が同時に投げた! 銃撃のスキを狙い先頭羅泉に恐るべき斬撃。後ろの三人も加えた銃撃が全てを弾くが乱射は止まらぬ!
『イヤーッ!』
 次々に放たれる手裏剣を羅泉は片端から撃ち落とす。だが全員の銃弾が同時に切れる一瞬に、白影衆Aが最後尾を狙う!
「そこだ! イヤーッ!」
 殺人的斬撃が飛翔した。首がはね飛ぶ二秒前、上空から降った影が手裏剣破壊!
「何ッ!」
 降って来たのは七三分けの岩櫃・風太郎(盾穿つ閃光螺旋の猿忍・e29164)! 続いて白影衆背後上空が水面じみて揺らめき、出現した黒金の拳を引き連れて急降下した灰野・余白(空白・e02087)が動揺したAの後頭部を打ち砕く!
「砕けイヤアアアアアッ!」
「アバーッ!? サヨナラ!」
 爆発四散! 散開した四人の間に刺さる黒雷砲。そこへ着地し余白と共に前へ出るのは雨宮・利香(黒刀と黒雷の黒淫魔・e35140)だ! そろって眼鏡にスーツ姿!
「バカな!? 伏兵だと!」
 驚愕しつつも走る一人の肩に矢が刺さる!
「グワーッ!」
「イヤーッ!」
 追って降下した神宮寺・純恋(陽だまりに咲く柔らかな紫花・e22273)が第二射を撃った。スミレ色の矢を白影衆Bが振り向きざまに一刀両断! さらに先行く羅泉の目の前に着地し走る四つの人影!
「こっちだ! ついて来い!」
 叫ぶイグナス・エクエス(怒れる獄炎・e01025)は手に浮かぶ地図を見て加速。少しの沈黙思考の後加速する彼らの背後で、四人は肩越しにアイサツ!
「ドーモ、エイプニンジャでござる」
「ヴァイオレットメイデンです」
「ブラックボルトです」
「クラックスペースです」
 対してBが代表アイサツ!
「ドーモ、白影衆です。何者だッ!」
 鋭い誰何に風太郎が切り返す。
「羅泉の味方でござる。どこかのトーフめいたニンジャが邪魔でござってな。お前達排除でノルマ達成。大人しくハイクを詠むがいいッ!」
「まあ敵の敵は味方と言うじゃろ? そういうことじゃ」
 先の公園に飛び込む羅泉を見送った余白が言い放つ。矢を抜き握りつぶした白影衆Cは、しかし冷徹にカタナを構えた。
「なるほど。つまり奴らの仲間か。ならば殺す」
「やってみなよ!」
「集中重点よー」
 抜刀した利香が金目に黒雷を宿し、純恋は紫の粒子を発する。一方その頃、公園では羅泉と先行メンバーが名刺を交換していた。
「ドーモ初めまして。イグナス・エクエスです」
「フロストガードナーです」
「ダークブレイズです」
「ニシムラです」
 イグナスに続き、霧島・カイト(凍護機人と甘味な仔竜・e01725)、忍乃・飛影丸(ダークブレイズ・e09881)、西村・正夫(週刊中年凡夫・e05577)がオジギする。羅泉も応える。
「ドーモ、企業グループ羅泉です。ご用件は」
 眼鏡を押し上げ、飛影丸がすぐに切り出す。
「羅泉=サンとビズがしたいデース。白影衆が全滅するまで、互いに手出しムヨウの取引をしませんカ?」
 片眉を上げる五人にカイトが続けて説得に入る。
「螺旋忍軍を滅ぼすという螺旋忍軍。放置すれば、互いに被害が出るでしょう。此処は一つ、共闘などを申し入れたいのですが、如何でしょうか」
 無言で視線を交わす五人。そこへ追い込みをかける!
「敵も五人、ミー達は十三人。カチグミ・エリートサラリマンならどちらがオトクかわかるはず!」
「利害は一致してるだろ? 悪い話じゃないはずだ」
 イグナスのひと押しより三秒沈黙し、羅泉はオジギした。
『ヨロシクオネガイシマス』
 交渉成立。ケルベロス四人も返礼しかけた、その時である!
「ンアーッ!」
 公園の木を突き破って純恋が吹っ飛ぶ! 彼女の真上に白影衆B!
「テレ蔵君っ!」
 額めがけて落下するカタナの切っ先に割り込むスーツテレビウムを一蹴してBは空中回転する。次の瞬間、白い背中に無数の鉛弾が突き刺さった! 一拍遅れて響く銃声!
「グワーッ!?」
 体勢を崩す白影衆に、イグナスは腰だめに腕を構える。展開した胸部装甲奥で燃える炎を発射!
「イヤーッ!」
 爆炎の筋が天駆ける! 真っ直ぐBを貫き雲間に消えた。
「サヨナラ!」
 爆発四散! 落ちてくる純恋を正夫がキャッチするや、街路樹が細切れになって爆散。乱入した余白と白影衆Cは槍と剣を打ち合わす!
『イイイヤアアアッ!』
 斬撃と突きの連打が正面衝突。余白後ろから利香が飛び、黒雷まとうカタナを一閃!
『イヤーッ!』
 槍を弾きCは黒雷をバク転回避! さらに飛び込む白影衆Dが利香にスリケンを投げる!
「イヤーッ!」
「イヤーッ!」
 飛影丸の炎がスリケンを逸らす。構わず着地したDの視界を、羅泉の拳が埋め尽くした!
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
 転がるDに光爆弾が降り注ぎ連鎖爆発を引き起こす! 二丁グレネードランチャーを構えた風太郎は公園にエントリー!
「おお! 交渉成立でござるか!」
「見ての通りです!」
 正夫が言い札の束を放り出す。降り注ぐ祝福札の雨の中、カイトは斬りかかる白影衆Eに横蹴り! Eは半身で回避し剣を振り抜く!
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
 胸を裂かれた主に代わりたい焼き子竜が吐くカスタードを回避するEの脇腹を、羅泉は回し蹴りで薙ぐ!
「インダストリ!」
「グワーッ!」
 Eを蹴とばした羅泉はすかさず銃撃! 鉛と硝煙の中、余白と利香は弾丸を斬るEに肉迫していく。迎撃しようとするEを、利香の黒雷が締め付ける!
「余白ちゃん! トドメオサセーッ!」
 硬直するEに向かって余白が跳躍。そして黒金の巨腕を生み出し、Eを無慈悲にたたき潰さんとす!
「ヒサツ・ワザ! 砕けィイイヤアアア!」
「アイエエエエ!」
 絶叫するEを別のCが救い出す。土と芝生が巻き上がりクレーターが生成された。離れた場所のイグナスは地面にジゴクの拳をたたき込む!
「イヤーッ!」
 爆炎が地面を叩き割りCとEの着地点にクレバスを生む。それに沿って走る二人の羅泉! 手裏剣で迎撃せんとするCとEに正夫は正拳突きを突き出した。飛翔する光のミサイルを前にE投げ出し斬撃回転するC!
「イヤーッ!」
 光弾が切断されて後方爆発! 着地した二人に一人ずつの羅泉が迫った!
『イヤーッ!』
『イヤーッ!』
 CとEは拳を回避し二人を突破。すれ違いざま袈裟掛けにスーツを斬り裂く!
『グワーッ!』
「アタシのワザマエ、受けるといいわ! イヤーッ!」
 純恋が二本の矢を同時に放った。それぞれの心臓めがける矢を斬り伏せたところへ飛影丸とカイトが襲撃。氷と炎のチョップがカタナとぶつかり火花を散らした。
『イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!』
 乱れ飛ぶ斬撃応酬! しかし霞む攻撃の最中にあって、飛影丸とカイトが押され始める。白影衆が非凡なニンジャ学習能力で適応し始めているのだ。そして!
「見切った! イヤーッ!」
「グワーッ!」
 飛影丸の胴をカタナが貫き、カイトも回転斬で弾かれる。すかさず飛ぶ風太郎のグレネード爆撃をCEは一蹴。他方で乱れ飛ぶDのスリケンが利香を裂く!
「ンアーッ!」
『イヤーッ!』
 殴りかかるイグナスと余白の拳が空ぶりDの開脚キックが顔面を打つ。Dは開脚したままタケトンボめいて回り三人を弾いた。
「まだだ! まだ我らは三人いるぞ! ニンジャ滅すべし!」
 Dの全身に殺気が満ちる。その間にもCEは目にも止まらぬ攻勢を続行。風太郎は跳躍しつつ狙いを定めた!
「イヤーッ!」
 放たれる凍結光線爆弾! CとEが下がってかわした直後地面に着弾したそれは激しく霜を噴き上げる。
「同じ手は二度通用せんぞ!」
「同じ手ではござらんッ!」
 風太郎が言い返した、直後!
『イヤーッ!』
 CEの背後から鎌じみたキックが炸裂! 羅泉である!
『グワーッ!』
 二人の首がへし折れた! たたらを踏むCEに、たいやきと正夫にカラテ供給されたカイトと飛影丸が踏み込む。獄炎の砲撃じみたパンチと氷のドリルチョップが二人の腹を貫く!
『イヤーッ!』
『グワーッ!』
 胴体貫通! 同時に上がる断末魔!
『サヨナラ!』
 爆発四散! CEの死亡を横目にイグナスは口角を吊り上げた。
「何人いるって?」
「おのれッ! イヤーッ!」
 Dが跳躍して包囲網から飛び出した! ばらまかれるスリケンをテレ蔵が跳ね返し、その下を純恋が走る!
「神宮寺のメイデン・カラテの出番かしら! イヤーッ!」
「ヌゥーッ!」
 うなりながら白影衆は後転着地。カタナを構えた両目に利香の黒雷が突き刺さった。
「グワーッ!」
 小手のスミレ印に紫色の光が宿る。霊的に輝くフックがDの胸を狙う!
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
 打撃を受けてのけ反るD! たまらず吹き飛ぶDにテレ蔵が飛びかかり、眉間にカタナを突き刺した。
「サヨナラ!」
 Dは爆発四散! これで白影衆五人が全て死亡。戦闘後の静寂が公園に降りる中、利香がタバコを、余白がパックスシを取り出し羅泉を探す。視線を泳がせた刹那、銃声! 血を流して倒れる飛影丸!
「グワーッ!? バカナーッ!」
 ナムサン! いつの間にか飛影丸の前に羅泉五人が横一列に整列し、彼女に銃を向けているではないか! 風太郎は油断なくランチャーを突きつける。
「ほう。よもや不意打ちとは見上げた羅泉=サン。螺旋帝の情報がいらぬと見える」
 言われ、中央の羅泉Aがメモを取り出す。風太郎が渡した『白影衆の討伐に協力してくれたら帝の情報を売る』と書かれた紙だ。彼はメモを握り潰した。
「これから貴方をインタビューします。実際そちらの方が正確です」
「早く教えていただきたい。でなければ、発砲します」
 なんたる非道な要求か! 企業的合理性重視の彼らは正確な情報のために人質を取るのもいとわない!
「なるほどねぇー……」
 利香の手中で煙草がひしゃげる。
「私、嘘は嫌いだから、約束はちゃんと守るよ? 殲滅するまで協力します、ってね」
「そうじゃな。殲滅するまでは、な」
 余白が言い切り、正夫以外がビジネススーツを脱ぎ捨てた! 羅泉は状況判断して発砲! 鉛弾が飛影丸をめがけ飛ぶ!
「イヤーッ!」
 カイトが地面を殴った瞬間冷気の爆風が視界を遮る! 身構える羅泉Aの右に立つBがいきなり吹き飛ぶ!
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
 拳を振り切ったイグナス! 高速移動に危機を感じバク転する四人の前で冷気の霧が収束される。余白は深緑のヤリに冷気をまとわせA左のCに投擲し、Cはキックで打ち払う! 直後に霧から飛び出した正夫は正拳突き連打!
「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」
 光砲弾が乱れ飛ぶ! 復帰したBを加えた五人は縦一列でスプリントした。イグナスを殴り飛ばして砲弾回避、陣形を変えて正夫に迫る。その時、カイトの冷気が再び凝集! 生まれるのは無数の氷ダガー!
「まったくもう……ドンパチやりあうなら自分たちのおうちでやっててくれないか、なッ!」
 利香の命で降り注ぐ氷の短剣! 五人は攻撃を諦め側転散開。クレバスを超えたAとDに風太郎、BCEに飛影丸と正夫が攻撃。カイト、純恋は冷気の爆風と癒しの矢を撃つ! 風太郎は頭上で二丁ランチャーを合体させた。タクミ!
「銀河の輝きを螺旋に変えて、裁きの光で貴様を貫くッ!」
 巨大銃口にカイトの霧とカラテが収束! 眩い光がほとばしる!
「ギャラクシィーブライトォッ! ニンジャッ! スパイラルドライバァァーッ!」
 合体ランチャーから銀河パイルが放たれた! 真っ直ぐ走るAとDは側転回避。パイルは地面に当たった瞬間、地中を大爆発させる! 吹き飛ぶAとD!
『グワーッ!』
「たいやき!」
 たいやきがカスタードをAに浴びせる。その粘液にバニラビーンズめいて浮かぶ氷の結晶を見とめ、カイトは氷製のスイッチを押す! 結晶は爆発し、Aをカスタードごと氷像化。直後にDが風太郎の腕をひねり折る!
「インダストリ!」
「グワーッ!」
「イヤーッ!」
 折った腕をつかみDが回転! 風太郎をたたきつける眼鏡の顔にカイトは氷の拳を入れんとす! Dは紙一重で回避し鳩尾を蹴る。砕けて風太郎に積もる腕の氷。治った腕がスーツの腹に掌底をぶち込んだ!
「イヤーッ!」
「アバーッ!?」
 血を吐き撃ち飛ばされるD。立った風太郎はカイトの吹雪を追い風に走りランチャーを再度合体! 銃口をDに押し付ける!
「ヒサツ・ワザ! イイイヤアアアアッ!」
「アバーッ!」
 銀河パイルに串刺しにされたDの体が風船めいて膨らみ破裂! 一方クレバスの向こうでは灰チャイナ服の余白がヤリを振り回す!
「イヤーッ!」
 斬撃をEはサイドステップ移動でかわして露わな肩に手を触れる。
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
 ナムサン! 寸勁が肩を粉砕! イグナスはEの頭を炎の裏拳で狙うがCがトビゲリで妨害。限界突破高速移動の代償により実際オーバーヒート寸前の彼にBのかかと落としが降る!
「グワーッ!」
 Bが空中でキリモミ回転。脇腹に突き立つ純恋の矢を飛影丸はキックで押し込む! 地面にぬい止められたBの周囲を利香の氷のダガーが取り囲んだ。
「行けッ!」
 発射! Bの全身を氷ダガーが串刺しにする! 死体となるBを他所に利香に向かってCが突撃。すくい上げるチョップ突きは正夫の腕が防御した。もう片手は無骨な拳!
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
 Bは眼鏡諸共顔面破砕。よろめいて下がるBに正夫はさらにパンチを繰り出す!
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
 肋骨心臓粉砕殺!
「サヨナラ!」
 爆発四散! Eは状況判断して身をひるがえした。公園の外に向かって走る腕をイグナスの獄炎砲と正夫の光弾がわずかにかすめる。邪魔するテレ蔵を蹴ってどかしたその瞬間、飛影丸と風太郎が道をふさいだ!
「ユーのおかげで助かりました! アリガトウゴザイマス! ユウジョウ!」
「おかげ白いニンジャを囲んで棒で叩くことができたでござる」
 二人はカラテを構え、両目を見開く!
『だがデウスエクスは殺す!』
 後ずさるE。しかし背後には、空間の波紋を背負った余白と氷ダガーを従えた利香。正夫、イグナス、純恋が狙撃を用意し、カイトは冷気で仲間を癒やす。もはや既に逃げ場はない!
「負けたので、アノヨに左遷、インガオホー」
『イヤーッ!』
 直後、全方位から一斉攻撃! Eは爆発四散した。

作者:鹿崎シーカー 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年5月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 2
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