お店は小さくとも料理は全てぴりりと

作者:雨音瑛

●赤いお店で
 いるだけで体温が上がりそうな、何もかもが赤い店内。ピリ辛料理専門店「レッドホット」は、間もなく閉店しようとしていた。
 営業時間を迎えたためではない。店自体の経営が、立ちゆかなくなったからだ。
「ピリ辛料理専門店とはいえ、選べるのが『辛口』以上から、というのは厳しすぎたか……」
 と、頭を垂れるのは、店長の早瀬・幸(はやせ・さち)。「スパイスたっぷり」「あなたを満たす辛さです」という張り紙が、いまはただただ虚しい。
「特にこの『ディアボロ風チキンソテー』は選りすぐりのスパイスを使い、辛さの中にも確かに鶏の旨みが——いや、今となっては手遅れ、か……」
 ひたすらに後悔する幸の前に、第十の魔女・ゲリュオンが歩み寄る。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『後悔』を奪わせてもらいましょう」
 幸が驚く間もなく、ゲリュオンは手にした鍵で幸の心臓を突いた。意識を失って倒れた幸のかたわらには、真っ赤なシャツ、真っ赤なエプロンをつけたドリームイーターが現れたのだった。

●ヘリポートにて
「辛いものが食べたい……もとい、辛いものを出すお店が狙われるのではないかと思っていたのだけれど」
 クアトロリッツァ・チュチュヴィエンナ(モノトンエトワール・e20413)が、複雑な表情で呟く。
「ピリ辛料理専門店を開いた女性がドリームイーターに襲われ、『後悔』を奪われたようだ」
 うなずき、続けるのはウィズ・ホライズン(レプリカントのヘリオライダー・en0158)。
「『後悔』を奪ったドリームイーター、第十の魔女・ゲリュオンは既に姿を消している。しかし、奪われた『後悔』を元にして生み出されたドリームイーターが事件を起こそうとしているようだ。——奴が事件を起こす前に、君たちケルベロスに撃破をお願いしたい」
 このドリームイーターを倒せれば、『後悔』を奪われた被害者も目を覚ますことだろう。
「まずは敵の戦闘能力についての説明だ。戦うことになるドリームイーターは1体のみで、配下などはいない」
 攻撃方法としては、被害者がコレクションしていたスパイス、これを悪用したグラビティを仕掛けてくるという。
「戦闘となる場所は、ピリ辛料理専門店『レッドホット』の店内だな。君たち以外の客はいないため、人よけの必要はないだろう」
 店に到着後、すぐに戦闘を仕掛けることもできる。しかし客として入店し、ピリ辛料理を注文して心から楽しんで食べれば、ドリームイーターは満足して戦闘力が減少する。
「『辛い料理のおいしさ』を褒め称えるのはもちろん、辛い食べ物が苦手な者でも『辛い』と言いつつ料理を楽しむことが効果的だろう。また、ドリームイーターを満足させてから倒した場合、被害者が意識を取り戻したあと『後悔の気持ちが薄れ、前向きに頑張ろう』という気持ちになる効果もあるようだから、よかったら試してみて欲しい」
 何にせよ、どういった作戦で立ち向かうのかは君たちに一任しよう、とウィズはケルベロスたちを見渡した。
「夢喰いさえ倒せば被害者は意識を取り戻すのね、安心したわ。……ところで、この店の料理はどれくらい辛いのかしら」
 ぽつりと付け足し、クアトロリッツァは考え込んだ。


参加者
キーリア・スコティニャ(老害童子・e04853)
未野・メリノ(めぇめぇめぇ・e07445)
ピリカ・コルテット(くれいじーおれんじ・e08106)
リュティス・ベルセリウス(イベリス・e16077)
シュネカ・イルバルト(翔靴・e17907)
クアトロリッツァ・チュチュヴィエンナ(モノトンエトワール・e20413)
ルルド・コルホル(揺曳・e20511)
ジェミ・ニア(星喰・e23256)

■リプレイ

●赤い店、赤い店長
 店の入り口からして、刺激のある香りがする。硝子の扉を押すと、その香りはいっそう強くなった。
「想像以上ね……でも甘いものを食べた後とか、無性に、辛いものが食べたくなる時ってあるのよね。……あら、席は自由に選んでいいのね。あの席なんかどうかしら?」
 クアトロリッツァ・チュチュヴィエンナ(モノトンエトワール・e20413)が指し示した席に、ケルベロスたちは着席する。
 すると、全身真っ赤な服装の店長――もちろんドリームイーターだ――が、どたばたと駆けつけてきた。
「いらっしゃいませ! ご注文はお決まりで?」
 首筋に汗を滲ませながら、店長が問いかける。
「はいっ、『麻婆豆腐』の中辛! をお願いしますっ!」
 勢いよく挙手しながら告げるのは、ピリカ・コルテット(くれいじーおれんじ・e08106)。初心者が過激なものを選ぶと大変なことになりそうな上、あとに響くかもしれないという考えからのセレクトだ。
「同じく麻婆豆腐を頼もうかのう。甘口でな」
 キーリア・スコティニャ(老害童子・e04853)は店長に伝え、ジェミ・ニア(星喰・e23256)にメニュー表を渡す。
「僕はカレーを注文しますね。ちょっとずつ辛さの段階を上げて、食べて行っても良いですか?」
「いいですよ! では3段階分、小分けにしてお持ちしますね。他にカレーを注文される方は?」
「はい、私にもカレーを。辛さは甘口でお願いします」
 リュティス・ベルセリウス(イベリス・e16077)が小さく手を挙げる。食べたものを自分で再現したいという思いもあり、リュティスは今から楽しみでしょうがないようだ。
「はいはい。他の方は?」
「ディアボロ風チキンソテーの辛口を」
 ピリ辛料理が好きなルルド・コルホル(揺曳・e20511)が、メニューに記載されたおどろおどろしい『辛口』の文字をちらりと見る。とはいえ、この店のように辛さを追求したものについては経験がないため、楽しみではある。
「お客さん、勇気ありますねえ。ディアボロ風チキンソテー、他には?」
「私もディアボロ風チキンソテーを頼もうか。辛さは……ちょっと躊躇うけどせっかくだから中辛、で……」
 シュネカ・イルバルト(翔靴・e17907)の注文を、店長が書き付けてゆく。
「どれにしようか迷ってしまうの。……オススメはやっぱりこのディアボロ風チキンソテーなのかしら」
 クアトロリッツァは、メニューの中でひとつの写真を指差した。
「もちろん! 甘口、中辛、辛口、どれも辛いし美味しいですよ!」
「そうなの……じゃあ、せっかくだから中辛に挑戦してみようかしら」
「はい中辛ひとつ! お客さんは?」
「私には甘口で、ディアボロ風チキンソテーをお願いします、ね」
 未野・メリノ(めぇめぇめぇ・e07445)の注文を伝票に書き付け、店長は注文内容を復唱する。
「それではちょーっとお待ちくださいねえ! 厨房から刺激臭がするかもしれませんが、問題ありませんので! 大丈夫ですので!」
 大きく頭を下げ、厨房へと走ってゆく店長。
「どんなのが来るんですかねっ!? どれだけ赤いんですかねっ!? 楽しみですねーっ」
 セルフサービスのお冷やを仲間の分も注ぎながら、ピリカは仲間との会話を楽しんだ。

●いざ、挑戦
 店長が厨房に消えてから、十数分。汗だくの店長がのれんをくぐり、厨房から出てきた。両手に乗せたトレイからは湯気、そして刺激臭が。
 そんなことはお構いなしに、店長はケルベロスたちの前に次々と料理が置いてゆく。
「それではいただくとするかのう」
 丁寧に手を合わせ、キーリアが麻婆豆腐に口をつける。
「年寄りにはこれでも十分刺激的じゃし、以上は昇天しそうじゃよ」
 甘口といえど、通常の店の「辛口」に相当する辛さ。時折休憩しつつ、キーリアは食べ進めてゆく。
 一方、キーリアと同じ麻婆豆腐、しかし中辛を頼んだピリカは、といえば。
「わーっ、痛い痛い痛いっ! ぶふぉーっ!」
 口から炎を吐き出さんばかりのリアクションで、お冷やを飲みつつ目尻に涙を浮かべているのであった。
「でも、こういうのも楽しいですねーっ! ジェミくんのカレーはどうですかっ!?」
「確かに辛い! ですが、辛くなるほど味も深くなるような……。ルーだけじゃなく、ご飯も美味しいですね。――拘りのお米ですか?」
 店長に向き直ってジェミが問えば、店長は満面の笑みでうなずいた。なるほど、と頷いて、ジェミは甘口から中辛、そして辛口の順に食べ進めてゆく。
 辛いものが好き、そして育ち盛りで食べ盛りのジェミの手は止まらず。
「辛めの料理も美味しいですね」
 通常の基準でいえば辛口のカレーを食べていたリュティスは、時折スパイスの種類をつぶやきながらスプーンを進めていた。
 普段あまり食べないものは、料理のレパートリーを広げる良い機会だ。メイドとしてのスキルアップも目標に、辛いカレーを楽しむ。
「確かに辛いのだけど、ただ辛いだけではなくて、色々なスパイスの深い風味が旨味を引き立てていてとっても美味しいのだわ」
 ディアボロ風チキンソテーを一口目を食べたクアトロリッツァの感想だ。二口目を食べようと、ナイフとフォークで綺麗に切り、ディアボロソースを絡める。
「確かにすっごい辛いが……お肉も美味しい」
 シュネカが小さくうなずき、チキンソテーをじっと見る。甘い物だけでなく辛いものも好きなシュネカは、少しくらい痛くてもたぶん大丈夫だろうと、味わいながら咀嚼する。
 でも痛い。痛いだけではないが、確実に痛い。
「後引くけどすぐには食べ続けられない加減が悩ましいな!」
 お冷やのお代わりをピリカに頼み、シュネカはもどかしそうに食べ進めている。
 意外と大丈夫そう、と少しペースを上げたクアトロリッツァ。しかし突然口の中に走る辛さに、シマウマの耳と尻尾がぴゃっとなる。無言でお冷やを口に含み、一息ついた。
「と、トロリさん、大丈夫ですか?」
「ありがとう、私は平気よ」
 気遣いに涙目で返す友人を見て、甘口で良かったとメリノは安堵する。もちろん甘口でも十分に辛いため、汗が滲んでしまう。
 だが本当に恐ろしいのは、辛口だ。唯一辛口を頼んだルルドは、一口食べた時点でぴたりと動きを止めていた。
「なんだこれ、痛いを通りこして何も感じねぇぞ」
 引きつった顔でチキンソテーを見下ろす。
「ただ1つ分かるのは、これは人間が食べちゃいけねぇやつって事だ」
 鼻に突き抜けるのはスパイスの香りや辛さではなく、ただただ単純なつらさ、そのもの。
「なぁ、この舌の痛みってのはヒールで治せるもんなのか?」
「どうなのだろう……?」
 ルルドの問いにシュネカは首をかしげ、再びお冷やをおかわりした。

●ほんとうの戦い
 食べ終えた皿を下げようと、店長が席にやってくる。
「当店の料理、いかがでした?」
「美味しかったです! 辛いもの好きには堪らないお店ですね。僕、通っちゃおうかな」
 お腹をさすり、ジェミが笑顔を向ける。
「ほう! それは良かった! 私も満足ですよ!」
 満足。その単語を聞いて、ケルベロスたちは素早く視線を交わした。
「では、本物の店長さんを助けるため頑張りましょう!」
 ジェミが勢いよく立ち上がると、店長は驚いて一歩後ずさった。
「――ははあ。ケルベロスですね! それならば、裏メニューの出番ですよ!」
 店長が頭上に手をかざすと、何やら赤い粉の渦が現れる。
「とっておきのスパイスですよーッ!」
 リュティスの頭上目がけて飛ばされるスパイスの渦。降り注ぐ香辛料を頭からかぶったのは、わずかに早く動いたルルドであった。
「さっきの辛口に比べれば大したことないな。満足したお前の、攻撃自体もな」
 言いつつスパイスを払うルルドに、リュティスは綺麗な仕草で頭を下げる。
「では、こちらの番、です。いきましょう、バイくん!」
 メリノが爆破スイッチを押すと、店長の足元でいくつもの地雷が爆発した。爆風が止まぬうちに、ミミックの「バイくん」が飛び出し、店長に噛みつく。
「あいたぁ!」
「今のうちに治療しちゃいましょう! 刺激には刺激で治療ですよっ!」
 先ほど大量のスパイスを浴びたルルドに向かって、ピリカが赤青に点滅する光を放った。光による刺激で、ルルドの状態異常が消え去る。
「プリムもよろしくですよ!」
 ピリカが呼びかけると、ボクスドラゴンの「プリム」がこくりとうなずき、ブレスを浴びせてゆく。
「ふふ、美味しかったので元気いっぱいですよ」
 ジェミはどこか楽しそうにオウガメタルを変化させ、店長を殴りつける。
「ひぃ! 痛い! 当店の中辛よりも痛い!」
 リュティスが炎を纏わせた蹴りを放てば、ウイングキャットの「シーリー」が翼で風を起こす。
「此方からも辛口な戦闘を見せてやるとするのじゃよ、覚悟せい」
 キーリアが跳躍し、星屑まじりの蹴りを見舞った。キーリアのミミック「千罠箱」も、容赦なく店長の腕に噛みつく。
 次の瞬間、ルルドの影から狼の形をしたブラックスライムが飛び出した。狼は店長に噛みつき、影の中に引きずり込もうとする。
「よーしいい子だ、そのまま離すんじゃねぇぞ」
「なにこれ痛い! 怖い! 当店のメニューにないやつですね!?」
 狼から逃れようと、店長はじたばたと四肢を動かす。その状態に店長へ、ルルドのオルトロス『グラック』の吐き出した瘴気が浴びせられた。
「完食したところで十分に達成感はあったが……ドリームイーターを倒さなければ完遂とは言えないな」
 シュネカがドラゴニックハンマー「Liberator」を構え、砲撃形態へと変える。竜砲弾が着弾し、店内には煙が舞い上がった。
 店長のむせる声にまばたき一つ、クアトロリッツァは囁くように告げる。
「約束するわ。鮮やかな時間を」

●辛みよりも容易く
 打撃力が本来の半分となった店長の攻撃を、リュティスとピリカは的確に癒やしてゆく。
「どちらかといえば近接戦闘の方が得意なのですが……今回はメディック担当ですし、回復に専念いたします」
 微笑み、リュティスはキーリアに向けて安らぎの風を吹かせた。続くシーリーは、店長に箱ごと体当たりを決める。
「これならわしが回復する必要はなさそうじゃのう……千罠箱、一気に往くぞ!」
 かたわらの相棒に目配せし、キールアはゲシュタルトグレイブに稲妻を帯びさせる。
「ほれ、痺れると良いのじゃ」
 キーリアが貫き、引き抜けば、千罠箱が箱の中からエクトプラズムの武器を出現させ、斬りつける。
 畳みかけようと、ルルドは惨殺ナイフの刃を変形させた。加速し、店長に肉薄。一閃、店長が仰け反るとグラックがひと睨み。燃え上がる店長へ、さらにシュネカはドラゴンの幻影をもって炎を灯す。
「今ならドラゴンブレスでもこのくらい出来そうな気がするな……勿論気のせいだけど」
 舌先に残る痛みを感じ、シュネカは思わず微笑んだ。
 戦闘のためか、料理のためか。火照った体を休めることなく、クアトロリッツァは店長の背後に回りこみ、ドラゴニックハンマーを振り下ろした。
「熱いのと、冷たいのと。どちらがお好みかしら」
「当然、熱いのですよー!」
 炎の灯る右腕と凍り付く左腕をそのままに、店長はスパイスの瓶を出現させた。瓶はクアトロリッツァの武器にまとわりつき、威力を落とす。
「今さらそんなことしても遅い、ですよ」
 店長に刻まれた傷、炎、氷、その他の状態異常に視線を這わせ、メリノはグラビティ・チェインで糸状の重力の塊を縒り紡いだ。
「静かにお願いします、ね」
 撫でるように指先で触れれば、店長の身体に雷撃のような痛みを与える。糸が消えると、バイくんがエクトプラズムで作り出した武器で店長をひっぱたく。
「この調子なら余裕ですね! カラフル爆発でパワーアップですよーっ!」
 前衛の背後に狙いをつけ、ピリカが爆破スイッチ「ピリカスイッチ」をカチリと押した。
「それにしても、サーヴァントいっぱいで賑やかですね! プリムもそう思いませんか!」
 プリムが鳴き、軽く跳ねる。もちろん、店長に向けてブレスを吐き出すのも忘れない。
「そろそろ、でしょうか――餮べてしまいます、よ?」
 ジェミの影、その中から漆黒の矢が現れる。尾を引く矢は不可思議な軌道を描き、店長の中心を見事、射貫いた。
「くっ……最後に辛いものを、食べ、させ……」
 言い終える前に、店長は膝を突く。まるでスパイスのように粉々になり、瞬時に消え去って行った。
「私たちの勝利ですね! おつかれさまでした、お口直しに甘い飴はどうでしょう?」
 ピリカが飴を振る舞うと、シュネカが嬉しそうに受け取る。
「まだ口の中に辛さが残っていてな、ありがたい……おっと、片付けなら私も手伝おう」
 貰った飴を口に放り込み、シュネカはジェミとともに店内を片付けてゆく。
 クアトロリッツァがヒールを終えたところで、ケルベロスたちは本来の店長である敷島・幸が寝かせられている食材の倉庫へと向かった。

「――というわけで、ドリームイーターは私たちケルベロスが退治しました。幸様が目覚められて、何よりです」
「そうか……手間をかけさせてしまったようだな。しかし助かった、本当に感謝する」
 リュティスが事態を説明し終えると、幸が丁寧に頭を下げた。
「ピリ辛料理、確かに満たしてくれる辛さだったわ。とっても美味しかったの」
「おすすめのディアボロ風チキンソテー、ごちそうさまでした」
 クアトロリッツァとメリノが店長に、ぺこりと頭を下げれば、ジェミも身を乗り出して幸に賛辞を贈る。
「お料理は文句なく美味しいです。後は、辛い物好きもそうじゃ無い人も一緒に楽しめるようなメニューもあれば良いかと。ご飯は皆で食べた方が美味しいですから」
「だな。激辛専門じゃなくて、他には味わねぇ激辛を味わえる店にしたら良かったかもしれねぇな。ま、新鮮な体験が出来て良かったぜ」
 ルルドも助言をして笑顔を向ける。と、幸は思案顔になった。
「つまり激辛料理『も』味わえる店にすれば良いのだな……!」
 それならばやれるかもしれないと、幸は力強くうなずいた。
 すぐに店のコンセプトとメニューの変更をしたいという幸を店内に残し、ケルベロスたちは「レッドホット」を後にする。
 この調子で前向きに頑張ろうとする幸なら「閉店」のプレートをいつか「開店中」に変えてくれるだろう。
「辛いものの次はやっぱり……甘いものが、食べたいわよね」
 クアトロリッツァが目配せすると、メリノが破顔する。
 どうやら、二人の気持ちは一つのようだ。

作者:雨音瑛 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年5月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 4
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