河辺に現れる緑のアレ

作者:あかつき

●夕暮れ時の河辺にて
「ここから現れる筈なんだ……緑の……アレが……」
 年の頃は大学生くらいだろうか。茶髪の青年は、カメラを覗き込み、膝丈ほどの草むらでしゃがみこむ。カメラは一眼レフで三脚に乗せられ、右手が添えられている。そして、その左手には。
「そう……伝説の生物、河童が!!」
 彼は左手で握りしめた胡瓜を握りしめ、叫んだ。
「苦節5年……ようやく開発したんだ。河童の好む、昔懐かし苦い胡瓜! これならきっと、河童も来てくれるに違いない。緑色の怪物の目撃情報だってあるんだ……緑色なら、河童以外にあり得ない!」
 そうぶつぶつ一人で熱く語りながら、胡瓜に凧糸を巻きつけて河に投げ入れようとしたその時。
「なるほど、それがあなたの興味ですか」
 背後から聞こえた女性の声に、青年は思わず立ち上がる。しかし、彼が声を上げるより前に、その心臓は女性、つまりは第五の魔女・アウゲイアスの持つ鍵に貫かれる。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 意識を失い、崩れ落ちる青年。その横には、彼が夢見た緑色、所謂河童がやたらと長い胡瓜を持ち、立っていた。

●河童が出るらしい
「河童が出ると噂の河辺で、独自に河童の調査をしようとしていた青年がドリームイーターに襲われる時間が発生するらしい。彼は河童に対する強い『興味』を奪われてしまうようだ」
 ヘリポートに集まったケルベロス達に、雪村・葵(ウェアライダーのヘリオライダー・en0249)が説明を始める。
「残念なことに『興味』を奪ったドリームイーターはもう既にその場を去っているが、この青年が奪われた『興味』を元に作られたドリームイーターにより事件を引き起こそうとしているようだ。この河童型ドリームイーターによる被害が発生する前に、こいつを撃破して来てほしい。この河童型ドリームイーターを倒すと被害者の青年も意識を取り出すだろう」
 ドリームイーターは一体、配下などは存在しない。
「このドリームイーターは人間を見つけると『自分が何者であるか問う』ような行為をして……まぁ見たまま河童なんだが……、正しく反応できなければ相手を殺してしまう。正しく反応できれば見逃してくれる事もあるらしい。このドリームイーターは、自分の事を信じていたり、噂をしている人がいるとその人の方に引き寄せられる性質がある。この性質を上手く利用して誘き寄せる事が出来れば、有利に戦う事が出来る筈だ」
 河童型ドリームイーターは、でっかい胡瓜型の鍵を使って戦ってくる。また、失った興味、つまりは心がモザイク化しているので、左胸の心臓のあたりにモザイクが存在している。このモザイクを使って回復をしてくる事もあるので、注意が必要だ。
「日本古来の妖怪……怪物か? どっちでも良いが、そんな河童を愛する青年の興味を使って化け物を生み出すなんて許せないな。彼の興味が人々を襲う前に、どうか河童型ドリームイーターを撃破して来て欲しい」
 葵はそう締め括った。


参加者
シェナ・ユークリッド(ダンボール箱の中・e01867)
七種・酸塊(七色ファイター・e03205)
原・ハウスィ(強肩・e11724)
ハンス・ガーディナー(禁猟区・e19979)
ジャスティン・ロー(水玉ポップガール・e23362)
ヴァーノン・グレコ(エゴガンナー・e28829)
ウエン・ローレンス(日向に咲く・e32716)
龍造寺・天征(自称天才術士・e32737)

■リプレイ


 夕暮れ時の河辺を春の風が吹いて行く。遊歩道らしいコンクリートの舗装の両側は膝丈ほどの枯れ草。所々に緑の若葉が覗く。
 そんな長閑な景色の中に、立つ8人の男女。
「さて、周りにはどなたも居ませんね?」
 シェナ・ユークリッド(ダンボール箱の中・e01867)が周囲を見回して確認する。
「それじゃ、一応これ貼っとくか」
「そうだね! 誰か来たら、困っちゃうし」
 立ち入り禁止テープを手に、七種・酸塊(七色ファイター・e03205)とジャスティン・ロー(水玉ポップガール・e23362)が肯き合う。
「緑の体に頭の皿。いやはや、本当にいるのかな。本の中でしか見た事が無いから、とっても楽しみだ」
 メロンの棒付き飴を舐めながら、ヴァーノン・グレコ(エゴガンナー・e28829)河の方へと目を向ける。ゆらゆらゆれる水面に、今の所変化は無い。
「ふむ……ホンモノでは無いとしても、日本の妖怪を見るのは初めてですね。私も楽しみですよ」
 ハンス・ガーディナー(禁猟区・e19979)も楽しそうに口髭を撫でる。
「ククク、河童のドリームイーター等どうでもよい。速攻で摩り下ろして本物の河童を探すぞ!」
 目を爛々と輝かせ、胡瓜を握りしめるのは龍造寺・天征(自称天才術士・e32737)。
「やはり河童と言えば胡瓜……どちらに食いついても良いように、安い胡瓜と高い胡瓜を用意しました。河童の好みなんてわかりませんので」
 ウエン・ローレンス(日向に咲く・e32716)は二本の胡瓜と網籠を握りしめて力一杯頷いた。
「あ、わたしも胡瓜持って来ましたよ」
 にっこり笑うシェナの両手には、一本ずつ胡瓜が。
「ホント? 実は僕も!!」
 頷くジャスティンの手にも胡瓜。
 胡瓜だらけだ。
「これだけ胡瓜があれば、河童も出てくる……間違いないな」
 そう言う原・ハウスィ(強肩・e11724)の手には、河童巻き。
「お寿司? カッパってお寿司も食べるの?」
 アイズフォンで河童について調べながらジャスティンが問うと、ハウスィは自信満々に頷いた。
「勿論……食べない! 河童は胡瓜を食べても河童巻きは食べないらしい。ハウスィはそれを確認しなければならないんだな」
 あぁ成る程、と頷く一同。
「ふむ……では、基本的には胡瓜を食べるのでしょうね」
 ハンスが河辺に目をやりながら呟く。
「そうでしょうね。河童と言えば、胡瓜です。なので、こうやって網籠と、中に胡瓜を置き……こんな感じの罠を仕掛ければ捕まえられるはずです」
 古典的な罠を仕掛けるウエンに、胡乱げな視線が向けられる。
「河童なら是非とも捕まえたいと思うけど……それで大丈夫かな?」
 ヴァーノンの問いに、ウエンは大きく頷き拳を握りしめた。
「大丈夫です、なんとなく成功する自信があります!」
 それなら何も言うべき事はない。本人が満足ならば、それで問題はないでは無いか。他のケルベロス達は、それで納得したらしい。
「こんな黄昏時の素敵な河には、きっと河童さんがキュウリを持ってぬっと出て来ちゃいますからね」
 そう言いながら河辺に近づき水面を覗き込むシェナに、酸塊が言う。
「あんま水辺に近寄らない方がいいんじゃねぇか、引きずり込まれるらしいぜ」
「あら、怖いですね」
「うむ……河童の噂話か……はっ! 河童と言えば相撲か!! よし皆相撲を取るぞ!!」
 叫びながら手を打つ天征に、勢いよく名乗りを上げたのは酸塊。
「よし乗った! 河童と相撲でも取ってやろうかと思ったが、その前に準備運動だぜ!」
 まわしが無いのが惜しいが、と零しながら、酸塊は構える。
 天征のはっけよーい、のこった! の声に、二人は相撲を取り始める。
「カッパ……、あっ! カッパって博物館があったりして割と人気みたい。けっこー人とか襲っちゃうらしいよ」
 アイズフォンを覗き込みながら、ジャスティンが言う。
「それと、しり……たま……? た、大変だよ! お尻狙われないように気を付けないと!」
 慌てたように尻を抑えるジャスティンと、威嚇するようにがうがう言うボクスドラゴンのピロー。お年頃の為、尻子玉という単語がなかなか素直に言えないジャスティンであった。
「うーん……なかなかお出になりませんね。河童さんはキュウリが好きですから、投げ入れたら釣れますかね」
 シェナはキュウリに糸をつけ、河の方へと投げ入れる。
「あ、僕もやる!」
 尻を抑えていたジャスティンだが、河童釣りを始めたシェナを見て、釣竿を取り出して自分も胡瓜で河童釣りを始めた。
「お皿が渇いたらどうなるのか、とかきゅうりは本当に好きなのか、とか……とっても気になるね」
 興味津々といった様子で河童を待つヴァーノン。
「かーっぱかっぱかっぱ。現れてくれると良いですねぇ……いえ、現れて頂けないと困るのですが」
 しゃがみこみ、戯けた声で謎の呪文のように河童を連呼した後、真面目な顔でウエンは続ける。
「よし、次は踊るぞ!」
 相撲を取るのに飽きた天征は、今度は胡瓜を両手に持って踊り始める。限りなく間抜けな様相を呈して来たまさにその時。
 俄かに河の水面にブクブクブク、と泡が浮かび出す。
「……!! み、皆さん!!」
 慌てて立ち上がるウエン。立ち上がった拍子に罠を倒して網籠が胡瓜に被さる。次の瞬間。
「キエエエエエエ!!!」
 ザッパーン! と河から奇声ともに、緑の身体が飛び出した。
 その右手にはシェナの持つ糸に繋がる胡瓜、左手にはジャスティンの持つ釣竿に繋がる胡瓜。脇の下に挟んでいるのはでっかい胡瓜。
「釣れました!」
「やったー!!」
 喜ぶシェナとジャスティンを前に、河童型ドリームイーターはブチンと糸を引きちぎり両手の胡瓜に齧り付く。そして、胡瓜のカケラを撒き散らしながらそいつは叫んだ。
「この俺が何者だか解るものは居るかー!!!」
「河童だろ?」
 と酸塊。
「出たな、カッパ!」
 とジャスティン。
「見違える訳がわけがないね、河童だ」
 とヴァーノン。
「すてきな河童さんです、きっと水墨画のモデルになれちゃいます」
 とシェナ。
「メロンパンにメロンは入っていないけどメロンは実在する。そして河童巻きに河童は入っていないつまりは河童は実在する……お前は河童だ!!」
 と叫ぶのはハウスィ。
「な……何者だ……などと言うと思ったか河童。お前の正体はわかってる河童。我にはお見通しだ河童。聞くまでもない事を聞くな河童」
 と天征。
「えぇぇ……折角出て来たのに」
 ポタポタと水を滴らせながら項垂れる河童型ドリームイーター。ゆらりと踵を返し、河に片足を突っ込んだ所で、くるりと振り向いた。
「そう言えば貴様らはまだ何も言っていないな!! さてはこの俺の正体がわからないと見える!! 俺は何者だ?! さぁ言ってみろ!!」
 河童はビシィッ、とハンスとウエンを指差した。
「うーん……難しい所ですが……、皿とモップを頭に乗せた亀でしょうか?」
「惜しい!!」
 ウエンの答えに河童は頭を抱えた。
「ふむ……トカゲかなにかでしょうか」
 紳士然として答えるハンスに、河童は膝から崩れ落ち、そして叫ぶ。
「ざんねぇんっ!! 俺は……河童だぁっ!!」
 両手の胡瓜を口に突っ込み、そして脇の下に挟んでいた巨大胡瓜を振り上げ、河童は飛んだ。
「解らない奴は、皆殺しだあァァ!!」


「キエエエエエエ!!!」
 巨大胡瓜は真っ直ぐにハンスへと振り落とされる。
「くっ……!!」
 心を抉る胡瓜に身体を切り裂かれ、ハンスは膝をついた。
「お尻大丈夫?!」
 尻子玉のインパクトが凄かったのか、ジャスティンはお尻の心配をしながらハンスにマインドシールドで回復を施す。
「お尻ですか? お尻は大丈夫ですよ」
 膝についた砂を払いながら、ハンスは立ち上がった。サーヴァントのフリージアは、主人の傷はもう大丈夫と判断し他の仲間達に清浄の翼を、ジャスティンのサーヴァントであるピローは仲間達に属性インストールを施していく。
「相撲勝負だ!」
 準備運動はばっちりの酸塊が、旋風脚を叩き込む。
「相撲に、そんな技は無いぞぉ!!」
「そうだっけ? なんにせよ、まわし用意した方が良かったな」
 普通の格好じゃ、相撲って感じしないし。
 蹴り飛ばされながら叫ぶ河童に、酸塊は首を傾げた。
「ドリームイーター如き、この我の敵では無い……さっさと本物の河童を出すのだ!!」
 天征は叫びながら、河童に重力を伴った蹴りを放つ。
「グハァッ」
 横っ面を蹴っ飛ばされた河童。
 その頭にある皿目掛け、ウエンのスカルブレイカーが炸裂するが、しかし。
「ギャッ」
「……む、硬い」
 思いの外強度があり、皿は割れない。
「皿を割れば河童は死ぬと聞きましたが……。僕は貴方を侮っていたようです。貴方、ただものではありませんね」
 何を基準に判断しているのかは不明だが、ウエンは険しい顔をしてそう言った。
「よっ、と」
 殴られた河童に肉薄し、皿の表面をさっと触ったのはヴァーノン。
「何だ?!」
「うん、なるほど……濡れてるね。感動だな」
 ヴァーノンは満足げに頷き、愛用のリヴォルバーを至近距離で構え、告げる。
「これでモザイクが無ければ良かったんだけどね。何はともあれ……その魂、貰い受けるよ」
 河童に向けた銃口から放たれるのは、魂を喰らう降魔の一撃。
「グエッェエ!!」
 河童の口から漏れたのは、潰れた蛙のような呻き声。
「おや? 河童じゃくて蛙だったかな」
 ヴァーノンが呟く横で、ハウスィがパワーアシストスーツを操作し、マニピュレータの掌を河童に向ける。
「いやあれは河童。その証拠に、この河童巻きには見向きもしない!」
 ハウスィは河童巻きを握りしめたまま叫ぶ。蛙だとしても河童巻きには見向きもしないだろうが、それはそれ、これはこれ。
「取り敢えず存在は確認できたから満足だ」
 頷くハウスィ。マニピュレータの掌に内蔵された発射口が光を放つ。
「どう避けたって一点集中だ!」
 ハウスィの声を合図に発射された拡散ビームは河童に向かって収束し、その頭の皿を襲う。
「俺の皿にヒビが……許すまじ!!」
 あ、皿はヒビが入っても特に問題ないのか。ケルベロス達の間に何とも言い難い残念感が漂う。
「なんとも残念な結果ですが……今がチャンスです!」
 両手に胡瓜を持ったシェナが、皿にヒビの入った河童に肉薄。そして、両手の胡瓜を振り上げ、しかし途中で棘が掌に刺さって思い留まった。
「やっぱりこっちですね」
 胡瓜は取り敢えず懐にしまいこみ、惨殺ナイフを手に、舞うようにヒビの入った皿を叩き割った。
「皿ぁあ!!!」
 皿の割れた河童は、頭を抑えて叫ぶ。皿は最早粉々で、抑えたところでどうにかなる感じではない。
「この隙に畳み掛けましょう」
 ハンスはケルベロス達に、集中力向上効果のある陣を展開し、攻撃の命中率を上昇させる。
「確実に当てていきましょう」
 割れた皿を拾い集めようとする河童に、フリージアが尻尾の輪を投げつける。
「あと少しだよ!」
 ジャスティンはエレキブーストを使用し、味方の援護に回る。
「俺の……俺の皿ぁあ!!!」
 遂に皿を諦めた河童は、もう一人答えを間違えた人物、ウエンに向かい、巨大な口と化したモザイクで噛み付く。
「ぐうっ!!」
 ダメージに顔を顰めるウエン。
「それはもう河童ではないね」
「うるせぇ!!」
  ヴァーノンのツッコミに叫び返す河童だったが、続く素早く正確な頭部への射撃は避けきれず。
「さようなら、もう二度と御目にかかる事はないだろう」
「ぎゃっ」
 緑の頭を撃ち抜かれ、河童型ドリームイーターはそのまま消滅した。
「河童であり河童でない、つまりはそういう事だったんだなぁ」
 消えていった河童を思い、ハウスィが呟く。
「そうだね。だけど……それでも、やっぱりちょっと、感動したよ」
 笑顔で頷くのは ヴァーノン。
「皿割れてもあんだけ動いてたから、炙っても元気だったんだろうなぁ……でもちょっとだけ、残念だ」
 隙あらば皿を炙ってやろうと思っていた酸塊は、少しだけつまんなさそうに呟く。それから草むらに埋もれるように倒れていた被害者の元へしゃがみこんだ。
「おい、大丈夫か?」
「う……うぅん……、あれ?」
 目を覚ました彼は、握りしめた胡瓜とカメラを確認し、慌てて起き上がる。
「河童……河童は?!」
「うーん……あれは河童さんではありませんでしたね」
 懐から胡瓜を取り出したシェナは、茶髪に葉っぱをつけたままの彼に言う。
「河童……じゃ、無かったんですか?」
「まぁ、きっといつか見つかるでしょう。本物の河童が」
 何の事かわからないながらも落胆を見せる彼に、ハンスは優しく声を掛ける。
「実は僕もさ、カッパ気になるんだよね!! 折角だから、カッパについて色々教えてよ!!」
 また目をつけられないようにこの場を借りて大いに語ってもらい、すっきりしてもらおうとジャスティンは彼に笑顔を向けた。
 そこで、天征が腰に手を当てて、放置されたままの網籠に片足を乗せ、ビシッと彼を指差した。
「何を甘い事を言っている!! 我なら今すぐにでも河童を見つけられよう!! 感謝するが良い、小僧!!」
「ほ、本当ですか?!」
「勿論だ! 我に出来ぬ事など無い!!」
 胡瓜を取り出し、フハハハハと高らかに笑う天征の横で、一人沈みゆく夕陽を見つめながら頷くのはハンス。
「河童はいた。ならば、次はツチノコを探すまでです」
 未確認生命体は、世の中まだまだ沢山いるのだ。知的好奇心に底はない。
 それぞれの思いを胸に秘めたケルベロス達と一人の青年を、河辺の夕陽は橙色に染めるのだった。

作者:あかつき 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年4月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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