咎の巨剣

作者:紫村雪乃


 東京。
 都心近くの街。
 様々な商店や飲食店が立ち並んでおり、平日であるというのに人が多く、賑やかであった。多くの観光客や都民が街路をいきかっている。それは、あまりにも平凡で、それ故に煌くような日常の光景であった。が――。
 それは、その光景は一瞬で打ち砕かれた。
 突如、街路の只中に何かが舞い降りてきた。とんでもない高みからの落下であるらしく、衝撃で地が揺れる。アスファルトの路面が陥没した。
 何事かと目をむけた人々の前、落下してきたモノはゆっくりと身を起こした。
 人の体躯をもつ何か。それは人の二倍はあろうかという巨体をもっていた。が、巨躯にありがちな筋肉の化物という印象はない。鋼の筋肉に覆われたそれは、むしろほっそりとしていた。
「殺しは久しぶりだな。楽しませてもらうぞ」
 ニンマリすると、巨漢は抜剣した。
 それは鉄塊ともいえる代物で。が、巨漢がもつと普通の剣にしか見えなかった。
「さあて」
 巨漢がダッシュした。巨躯には似合わぬ速さで人の群れの中に飛び込む。
 無造作に巨漢は剣を振り回した。まるで子猫のように数人の人間が吹き飛ぶ。空にある時、彼らはすでに血まみれの肉塊と化していた。


「エインヘリアルによる、人々の虐殺事件が予知されました」
 ケルベロスたちを見回すと、セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は口を開いた。この事件を起こすのは、過去にアスガルドで重罪を犯したエインヘリアルだという。
「放置すれば多くの人々の命が無残に奪われてしまうでしょう。さらに人々に恐怖と憎悪をもたらし、地球で活動するエインヘリアルの定命化を遅らせることも考えられます」
 現れるのは都近郊の街、とセリカは告げた。そして戦うことと同時に一般人を避難させることも必要であるとも。
「ただ逃亡の心配をすることはありません。エインヘリアル――キリアコスは使い捨ての戦力として送り込まれているため、戦闘で不利な状況になっても撤退することはないからです」
「そのキリアコスはどのようなエインヘリアルなのですか」
 男が問うた。中性的な顔立ちの美少年だ。体つきも少女のように華奢である。が、弱々しい印象はなかった。しなやかそうで、若い狼を思わせた。名を燈家・彼方(星詠む剣・e23736)という。
「痩せた巨漢です」
 セリカはこたえた。
「しかし力が弱いわけではありません。俊敏さを増しただけ厄介な存在といえます。武器は巨剣。鉄塊剣のものに似たグラビティを使います」
 強敵です。恐怖を滲ませた目でセリカはいった。
「けれど人々の殺戮を許すわけにはいきません。皆さん。必ずキリアコスを倒してください」


参加者
フィスト・フィズム(白銀のドラゴンメイド・e02308)
武田・克己(雷凰・e02613)
朱藤・環(飼い猫の爪・e22414)
燈家・彼方(星詠む剣・e23736)
アーシィ・クリアベル(久遠より響く音色・e24827)
豊田・姶玖亜(ヴァルキュリアのガンスリンガー・e29077)
巫・結弦(射貫きの弓手・e31686)

■リプレイ


 蒼空を飛ぶ多目的ヘリのキャビン。
 そこには八人の男女の姿があった。
 一人は男だ。二十歳ほど。身ごなしが流麗であるのは武術を身につけているからだろう。
 その隣。同じく男がシートに座していた。生真面目そうな美少年である。物騒なことは似合わぬそうでありながら、どこか冴えた刃を思わせる少年であった。
 さらにその隣。座しているのは人間ではなかった。幻想的な佇まいは神に等しい。白く輝く竜種であった。
 また隣。座しているのは可愛いといってよい顔立ちのウェアライダーであった。華奢で、女性のような瑞々しくはずむような雰囲気がある。
 彼らはケルベロスであった。それぞに名を武田・克己(雷凰・e02613)、燈家・彼方(星詠む剣・e23736)、フィスト・フィズム(白銀のドラゴンメイド・e02308)、ミハイル・アストルフォーン(白堊・e17485)という。
 そして対面のシート。そこにも四人のケルベロスの姿があった。全員女である。
 一人の名はアーシィ・クリアベル(久遠より響く音色・e24827)といった。魅惑的な金の瞳をもつ美少女だ。十六歳なのだが、童顔のためか多少幼く見える。
 その隣に座している娘の名は豊田・姶玖亜(ヴァルキュリアのガンスリンガー・e29077)といった。深海色の髪が鮮やかで、どこかのほほんとしたところのある娘だ。強敵との死闘が待っているというのに緊張した様子はまるで見受けられなかった。
 そして三人め。十八歳ほどの少女だ。凛然たる美貌とそれに似合わぬ肉感的な肉体の持ち主であった。名を巫・結弦(射貫きの弓手・e31686)という。
 最後の一人はウェアライダーの娘であった。猫族らしく、金色の瞳は大きく、魅力的だ。肉体もしなやかであった。
「罪人のエインヘリアル……」
 娘――朱藤・環(飼い猫の爪・e22414)は呟いた。
 エインヘリアル。名をキリアコスというらしい。巨躯であるからには怪力の持ち主なのであろう。そのくせ動きは速いきている。強敵であった。しかし――。
「速いのも大きいのも関係ない。日常を壊すような敵には、恐怖も憎悪も執行猶予だってあげません!」
 しっかりと環は口にした。彼女は怒っているのだ。
「そうですね」
 彼方がうなずいた。そして真っ直ぐな眼差しの窓外にむけた。
 空はひたすらに穏やかだ。が、地では嵐が待っている。血の嵐が。
「人殺しなど許せません。絶対に防ぎましょう!」
 彼方は戦友を見回した。


 都心近くの街。
 そこに災厄が降り立った。巨漢の姿をした災厄が。
 それは、突如、街路の只中に舞い降りた。とんでもない高みからの落下であるらしく、衝撃で地が揺れる。アスファルトの路面が陥没した。
 何事かと目をむけた人々の前、落下してきた巨漢はゆっくりと身を起こした。背丈はおよそ人の二倍。が、巨躯にありがちな筋肉の化物という印象はなかった。鋼の筋肉に覆われたそれは、むしろほっそりとしている。
「殺しは久しぶりだな。楽しませてもらうぞ」
 ニンマリすると、巨漢は抜剣した。
 それは鉄塊ともいえる代物で。が、巨漢がもつと普通の剣にしか見えなかった。
「さあて」
 巨漢がダッシュしようとした。その時だ。
 巨漢を追ってきたように、何かが空より舞い降りてきた。人だ。八人いた。
「ぬっ」
 巨漢の顔から笑みが消えた。八人から凄絶の殺気が吹き付けてきたからだ。さしもの巨漢――エインヘリアルであるキリアコスすら瞠目するほどの。
 と、八人の仲の一人が口を開いた。飄々とした娘――姶玖亜が。
「こいつは驚いた。誇り高き強者のはずのエインヘリアル様は、か弱い人間を苦しめないと生きていけないのか?」
「何だと?」
 キリアコスの目が殺気に黄色く底光った。
「あじなことをほざいてくれる。俺をエインヘリアルと知る貴様らは何者だ?」
「ケルベロス」
 アーシィがこたえた。哀しげに。
 かつて彼女は強者の魂を導く部隊の一員だった。故にエインヘリアルについては良く知っている。彼らが勇猛な戦闘種族であることを。
「戦うのが好きなのは分かるよ。そうじゃなきゃ勇者は務まらないもんね。でも、それとこれは話が別! ただ人殺しを楽しむなんて、キミは勇者失格だよ!」
「いってくれる」
 ふふん、とキリアコスは嗤った。そして、確かに、と続けた。
「俺は勇者てはない。罪人なのだからな。故に遠慮はいらぬのさ。何者を殺そうとも」
 キリアコスの全身から悽愴の鬼気が放たれた。反射的に彼方が跳び退り、叫んだ。
「皆さん、僕たちはケルベロスで、彼はデウスエクスです。どうか、落ち着いて避難してください。さぁ、こちらです」
 彼方がさらに跳び退った。一気に十数メートルの距離を。その後を追うように人々が走り出した。
「一般の方々を」
 ミハイルがニオー――ボクスドラゴンを放った。遠くから駆けつけてくる警官たちの足音が響いてくる。
「逃がさんぞ。雑魚ども」
 キリアコスが足を踏み出した。その眼前、立ちはだかった者がいる。結弦だ。
「殺しの前に俺達が相手です。俺達すらまともに下せないようならば、その享楽は叶わぬと知りなさい」
「面白い」
 ニンマリすると、キリアコスは巨剣を小枝のように軽々と振りかざした。
「番犬ども。なら人間どもを血祭りあげる前の余興として、貴様らをぶち殺してくれる」
 その宣言が終わらぬうち、爆裂したようにキリアコスの足元のアスファルトが爆ぜた。キリアコスが地を蹴ったとケルベロスたちが気づいた時、すでに巨躯は結弦の眼前に迫っている。
 キリアコスが巨剣を唐竹に振り下ろした。豪風をまいたその一撃を、反射的に結弦は弓で受け止める。
 ごおん。
 衝撃波すら撒き散らし、巨剣はとまった。規格外の破壊力に結弦の足元の地が陥没する。
 ビキリッ。
 異音がした。結弦の腕の骨が砕けた音だ。が、結弦は弓を離さない。退くことはない。
 結弦の背後にはまだ逃げ惑う人々がいた。そうである限り、彼女が退くことは金輪際ない。
「ほう。退らんか。番犬と侮っていたが、やるではないか」
 キリアコスはニヤリとした。結弦も凄絶に笑い返した。
「あなたも。何て速くて重い剣――」
「退くのはあなたです!」
 叫び、ミハイルは巨大な砲口をむけた。砲撃形態に変化させたドラゴニックハンマーだ。
 轟音は竜の咆哮に似ていた。唸り飛ぶ砲弾。咄嗟にキリアコスは巨剣を用いてブロックした。
 爆発。解放された熱量は竜すらただではすまぬ威力が秘められていた。さしものキリアコスも耐え切れず、吹き飛ぶ。いや、彼はむしろ爆発の威力を利用して後方に跳んだ。
「ぬっ」
 地に降り立った時、キリアコスは空を舞う竜の姿を見た。フィストだ。
 流星がはらむ熱量に爪先を燃え上がらせ、赤熱化した蹴りをフィストはキリアコスにぶち込んだ。再びキリアコスは巨剣でブロック。空間すらゆがむ振動を撒き散らし、二人は跳んで離れた。
「惜しむべし。それほどの剣、それほどの腕をもちながら一般人を斬るとは。まさに宝の持ち腐れだな? 鶏を牛刀で割くようなものだとは、まさにこのことだ!」
 フィストが慨嘆した。が、キリアコスは嘲笑で酬いた。
「甘いな、番犬。しょせん剣とは殺しの道具よ。殺しに使って何の不都合がある?」
「なら、その剣ごと斬り捨てやるぜ」
 すうと克己は冴えた直刃の刀――覇龍をかまえた。
 ざわり。春の暖かな空気が凍りつく。それは純粋な、生きての勝利か死しての敗北かを問う殺気の仕業であった。
「踏み込みの速さなら負けん!」
 克己が踏み込んだ。キリアコスもまた。二条の光流が交差し、一条はすぐに赤く染まった。
「くっ」
 がくりと克己が膝を折った。その身は袈裟に断ち切られている。キリアコスがふふんと嗤った。
「なるほど。豪語するだけあって、確かに踏み込みは速い。が、間合いの違いだけはどうしようもなかったようだな」
 キリアコスの剣が翻った。そして刃が克己の頭蓋を打ち砕き――いや、剣はとまった。愕然たるキリアコスの呻きとともに。
 ビキリッ。
 キリアコスの纏う鎧に亀裂がはしった。
「小さいからって馬鹿にしてると、のど元にか噛みついちゃうんですから! 虐殺を楽しむなんて、私、怒ってるんですよ?」
 ナイフを手に、環はキリアコスを睨みつけた。


 半透明の超越存在――御業が克己の傷を癒す。分子レベルでの修復であった。
「キミの弱みがわかったよ」
 克己を癒した姶玖亜の口元に笑みが刻まれた。するとキリアコスの眉がわずかにひそめられた。
「俺の弱みだと?」
「そうだよ。キミの弱みだ。それは――まあいい。悪いけど始末させて貰う。こいつも仕事なもんでね」
「まずは止めさせてもらいます」
 裂帛の気合とともに、彼方が刃を振り抜いた。生み出された刃風は渦巻く氷嵐と化して疾った。さしものキリアコスも躱すことは不可能うだ。氷嵐はキリアコスの左足を凍結させた。
「楽しませはしません。あなたを、ここで討ちます」
「ふんっ」
 稲妻をおびたミハイルの鋭い刺突が風を切って繰り出された。が、巨剣により受け流される。咄嗟にミハイルは横に跳んだ。刹那、殺気が迫った。
 はっとミハイルが気付いた時には遅かった。頭上高くから振り下ろされた巨剣の斬撃をまともに受けてしまう。いや、白刃を受けたのは咄嗟にミハイルをかばって前へ出たアーシィだった。
「何っ」
 キリアコスの目が驚愕に見開かれた。彼の巨剣は受け止められている。アーシィの巨剣によって。
 が、キリアコスの見るところ、技量も力も全ては自身の方が上であった。それが何故受け止めることができる?
 その答えは、アーシィの口から語られた。
「確かに速くて力強い剣だけど、不思議と負ける気はしないよ。私は道を切り開いてきた剣、キミのは破滅に向かってきた剣。ここでこうして対峙してるのも、皮肉だけど必然かな!」
 キリアコスの巨剣をはじくと、今度はアーシィが斬撃を繰り出した。疾風の一撃。が、キリアコスは巨躯からは想像できない俊敏さで躱した。
「無駄だ、番犬。貴様が切り開くというのなら、俺はそこに破滅をもたらしてくれる」
「そうはいかん」
 克己の声が響いた。同時に雷閃のごとき白光がキリアコスの顔を白く灼く。
 ぎらりと悪鬼の形相でキリアコスは見下ろした。見上げる克己の顔には童子のごとき笑みがういている。
 反射的にキリアコスは巨剣を薙ぎ下ろした。が、それより速く雷電の刺突がキリアコスの巨躯を穿った。
「雷刃突・壱式」
 静かな声は克己の口から流れ出た。刺突の姿勢のまま跳び退る。
「風雅流千年。神名雷鳳。この名を継いだ者に、敗北は許されてないんだよ」
 瞳を凄絶に光らせつつ、克己は告げた。


「やってくれたな」
 足を凍結していた氷を粉砕し、キリアコスは疾った。一瞬で肉薄すると巨剣を横薙ぎに払う。幾つもの赤い色彩が散った。
「ちょこまかと動き回るのが好きみたいだけど、無駄だよ」
 姶玖亜の足元から植物が現れた。実る黄金の果実が輝く。すると横薙ぎされたケルベロスたちの傷が塞がった。
「やはり、素早い。……ならば、先を読むだけのこと!」
 彼方は地に刀を突き立てた。刃にやどる天穹の星『水華星』の力を開放。キリアコスの足元に水を現出させ、彼の足を凍結させた。
「その手はくわん」
 キリアコスは巨剣をふるい、足を凍結させている氷を砕いた。
「この一瞬で十分。その害意ごと、あなたを手折る」
 結弦が符をかざした。すると彼女の背後に朧にうかんだ御業が炎塊を放った。さしものキリアコスも剣で防御する暇はない。
 爆発。逆巻く紅蓮の炎にキリアコスが飲み込まれた。
「ぐおっ」
 絶叫が響き、炎が霧散した。ゆらめく陽炎の中。現れたのは全身を焼け爛らせたキリアコスであった。
「……やってくれたな」
 キリアコスの口から軋るような声がもれた。その顔からは余裕の笑みは消えている。が、目には真紅の炎が燃えていた。むしろ、傷を負うほどに狂乱しているかにすら見える。
「やれやれ、自分より弱いものから奪う立場のはずが、獲物から追い詰められるって……どんな気持ち? そして……キミはボクら地獄の番犬に始末される末路とは、因果だね」
 姶玖亜がいった。その声音には嘲りよりも憐憫の響きがある。
「やってみろよ、番犬」
 キリアコスが灼熱の殺気を放った。その圧倒されそうな狂気に耐え、フィストは剣を振り抜いた。その剣気は水瓶を抱いた乙女の霊影を現出。それは空を翔け、キリアコスを襲った。
「遅い」
 キリアコスは容易く星のオーラを躱した。が、続くフィストが吐いた酸は避け得なかった。彼の鎧がじゅうと音たてて溶解する。
「咎人、すでに鎧は砕かれた。そろそろ終わりにしようか」
「ぬかせ」
 怒号するキリアコスの足元が爆ぜた。そしてキリアコスの身が消失した。再びその姿が現出したのはケルベロスたちの眼前であった。
 横一文字の一閃。光の亀裂がケルベロスたちの肉体を骨ごと切り裂く。が――。
 唸り疾る巨剣の刃の上、軽々と身を舞わせた者があった。環だ。
 環の身が独楽のように旋回した。空間すら切り裂く蹴りをキリアコスに叩き込む。
 鋼と鋼の相博つ音を響かせ、キリアコスは身を仰け反らせた。空にむけられた彼の目にはすでに光はない。
「……獣聖解放ッ!」
 ミハイルが叫んだ。
 刹那である。彼女の身が半獣人化した。そしてミハイルは襲った。花吹雪のように舞う符の嵐を突き抜けて。
「その魂貰い受けるわ!」
 ミハイルは拳をキリアコスの巨躯にぶち込んだ。一気に流し込まれたグラビティが彼の肉体を内側から破壊する。
 都市の只中に屹立する巨大な光の十字架。それはミハイルが炸裂させたグラビティの余波であった。
「判決は死刑。刑の執行は完了よ」
 光のカードを手に、ミハイルは告げた。が――。
 背に吹き付ける灼熱の殺気に、はじかれたようにミハイルは振り向いた。その目は迫るキリアコスの巨躯をとらえている。
 次の瞬間、光が空間ごと切り裂きながら疾った。ぴたり、とキリアコスの足がとまる。
「ここで討つ、と。そう言ったはずです」
 キリアコスの魂のみを切り裂いた二刀を、彼方はゆっくりと下ろした。

「……お、俺は死ぬのか。馬鹿な。番犬ごときに。ど、どうして……」
 意識を闇の淵に沈ませつつ、うわ言のようにキリアコスは問うた。この時に至っても、まだ彼は確信していた。俺の方が強い、と。
「……誰かを護るために振るう剣は何より重い。だがその剣は何よりも強い。……すでに亡き父の受け取りだが、冥土の土産に覚えておけ」
 フィストが見下ろした。答えはない。咎人は逝ったのである。
 ここに戦いは終わった。罪に穢された街はケルベロスたちの手により蘇りつつある。春の暖かな陽光の下で。

作者:紫村雪乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年4月26日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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