揺らめく湯煙、揺らめく触手

作者:なちゅい

●湯煙の中、現れる豚の群れ
 静岡県下田温泉。
 伊豆半島には数々の温泉街が存在するが、下田市内の幾つかの温泉を総称して下田温泉と呼ばれている。
 そのとある温泉街にて。その日の昼間は偶々若い女性が多く集まり、入浴をしていた。ゴールデンウィークで観光客がごった返す前にと、地元の女性達が入浴しに来ていたのだろう。
 しかしながら、この日ばかりは運が悪かったとしか言いようがない。なぜなら……。
「「「ブヒブヒイイイィィィ!!」」」
 突如、垣根を破壊して現れる豚人間の群れ。しかも、その数は10よりも多い。
 その時、浴場に入っていた女性は20名弱。彼女達は巻いていたタオルごとオークに次々と捕らわれてしまう。
「やだ、……あぁん」
「ちょっ、どこさわっって、あ、ダメッ……!」
 温泉で上気した艶かしい女性達。オーク達は伸ばした触手から溶解液を飛ばしてタオルを溶かし、さらに、その触手を女性達の柔肌へと這わせ、体をきつく縛り付けていく。
「「「ブヒブヒブヒヒイイイィィ!!」」」
 抵抗しようとする女性達が感じる姿に、オーク達のボルテージは嫌が応にも高まるのである……。

 とあるビルの屋上に通じるエレベーター。
 それに乗り込んだケルベロスは、リーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)とばったり遭遇する。
「奇遇だね、来てくれてありがとう」
 彼女はにっこりと微笑み、ケルベロスを歓迎する。
 そのまま、ケルベロス達はヘリポートへと向かうのだが、そこにもすでに別のケルベロス達の姿があり、リーゼリットの説明を待っていた。
「温泉にオークが現れるとのことですね」
 男性のような衣装を纏う、一咲・睦月(柘榴石の術士・e04558)がそんな話を持ちかけると、リーゼリットは嘆息しながらも大きく頷いた。
「全く持って、面倒な相手だね」
 魔空回廊を使い、多数の女性がいる場所へとオークが現れ、女性を略奪しようとする事件が予知された。
 現場となるのは、静岡県の下田温泉にある温泉の1つ。昼間に突然、12体ものオークが垣根を壊し、女性用の浴場に闖入してくるらしい。
「温泉には20人くらいの女性達がいて、主に若い女性を狙うようだよ」
 オークの奇襲時、そのうちの10人が捕まってしまう光景が予知されている。なお、難を逃れた女性達はオークから逃れ、この場から脱出できるようだ。
 個々のオークの力は、ケルベロス個人より若干劣る。しかしながら、数をなして現れるオークはケルべロスよりも女性へと群がるように動くところが頭の痛い点だ。
「敵の襲撃時、女性達を完全に守る事は非常に厳しい状況だよ」
 だが、事前に女性達を避難させようとすると、オークは襲撃地点そのものを変更してしまう。結果として人的被害が防げなくなってしまう為、女性の避難はオーク襲撃後に行う必要がある。
 幸いにも、オークは女性達を傷つけることはない。戦場に取り残された女性達に生命の危険がないのが救いだろう。
 また、オークはケルベロスを排除してから、女性を連れて撤退しようと動く。それもあって、ケルベロスが全滅するか逃げ出さない限り、女性達がオークに連れ去られる事もない。
「ただ、皆が戦う間、戦場でオークに捕らえられた人達が触手によっていかがわしい行為を受けてしまうから……」
 できるだけ早く、女性達を解放、そして、避難させてあげたいところだ。
 オークの現れる浴場は広く造られており、50人は入ることのできる広さがある。
 それでも、オーク、ケルベロス、女性客と、かなりの人数が浴場にいることとなり、戦場は乱戦模様となってしまうのは間違いない。
「群れを統率するリーダーもいないから、オークを倒すだけなら、よほどの油断がなければ苦労はしないはずだよ」
 ただ、己の欲望のままに女性を蹂躙しようとする、オークの本能はかなり面倒だ。効率よく女性達の救出を考えるのであれば、うまく戦略を考えておきたい。
 リーゼリットはそこまで告げ、停めてあったヘリオンへと近づいていく。
 参加を決めたケルベロス達に、リーゼリットはもう1つと説明を付け加える。
「オークを倒して、浴場の修復を終えたら、皆ものんびりと温泉に浸かって来るといいよ」
 事件の解決後に浴びる温泉の湯は、また格別だろう。
 ご褒美が待つ依頼。様々な反応を見せつつも、ケルベロス達はヘリオンへと乗り込んでいくのだった。


参加者
アルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)
植原・八千代(淫魔拳士・e05846)
円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)
ルリィ・シャルラッハロート(スカーレットデスティニー・e21360)
黎泉寺・紫織(ウェアライダーの鹵獲術士・e27269)
フィオナ・リースフェルト(弟大好きブラコンお姉さん・e35917)

■リプレイ

●いつものように
 かぽーん。
「また温泉か……」
 長い髪をポニーテールにしたアルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)。蒼いビキニを着る彼女は凛々しくも可愛らしい姿を晒し、湯に浸かっている。
「温泉で、いつものようにオークだねー」
 タオル姿のリフィルディード・ラクシュエル(集弾刀攻・e25284)は水着も考えていたが、オーク相手であれば一緒と判断したらしい。
「温泉に現れるオークって、多いような気がするわ」
 女性がよくいるからだろうと、こちらもタオルを身に巻く黎泉寺・紫織(ウェアライダーの鹵獲術士・e27269)が余裕のある笑みを浮かべている。
 白い湯気が充満する温泉内……この女湯には、一般客、ケルベロス合わせて30人弱の女性の姿がある。
 それに紛れ、豊満な体を持つ植原・八千代(淫魔拳士・e05846)はタオル着用の上、湯船の外側で入浴中。彼女曰く、温泉で水着は風情に欠けるのだとか。
 フィオナ・リースフェルト(弟大好きブラコンお姉さん・e35917)は動きやすさも考慮し、ホルスターネックの水着でこの場に待機している。
(「囮になるとはいえ、弟以外に自分の身体にあんなことやこんなことさせるわけにはいきません……!」)
 過剰なほどに弟思いのフィオナは、妙な熱意を燃やしているようである。
 ちなみに、黒い仔猫に変身した円城・キアリ(傷だらけの仔猫・e09214)は隅の洗面器の陰で、こっそりと隠れている。まだあどけなさも残る彼女だが、水着やタオル姿でオークに立ちたくないと考えているようだ。
 浴場内を見回すアルメイアは、何気なく呟く。
「まぁ、夏場はコレがプールとかになるんだろうが」
「オークも水場によく出るよなー」
 プール、温泉、体育館とそこら中に沸くオーク。今回、そいつらは溶解液を使うものの、普段着をダメにされる心配はない。
 そんなことを考えながら、リフィルディードは湯船に入ってじっと待つ。敵の出現と同時に女性達の誘導に動けるようにとの配慮だ。
「相変わらず、オークは見境がないのですね……。私達がきっちり搾って差し上げないといけませんね?」
 スタイル抜群のクノーヴレット・メーベルナッハ(知の病・e01052)は何故か、この状況を待っていたとばかりに微笑む。
 そこで突然、垣根を破壊してオークの群れが浴場内へとなだれ込む。
「「「ブヒブヒイイイ!!」」」
「「「キャアアアアアアッ!!」」」
 驚き、戸惑う女性達を、我先にとオークどもが伸ばす汚らしい触手が素早く絡め取ってしまう。
 客に紛れて避難経路を確認していたルリィ・シャルラッハロート(スカーレットデスティニー・e21360)は、それを察して浴場へと飛び込んでくる。
「オーク、キモイわよねえ。せめて美形だったら……」
 改めてオークを目の当たりにしたルリィは、自身の想像も相俟ってげんなりとしてしまうのだった。

●ぬるぬる触手たーいむ!
 欲望のままに暴れる12体のオーク。
「毎度のことながら、数多いわね」
 囮となる八千代が真っ先にオークの触手に絡み取られることとなるが、彼女は思惑通りに2体を引きつける。
「あら、残念ね。私の相手はしてくれないの?」
 そばでは、くすりと笑う紫織に引きつけられ、別のオークが口元を吊り上げて歩み寄っていく。
「ほら、好きにしていいわよ?」
 そうして、タオルから太ももをちらつかせる彼女に、オークは鼻息を荒くしていた。
「オークさん、私を捕まえることが出来たら……好きにしてもかまいませんよ?」
 フィオナもまた後方の一般人を守る為にと、少し悪戯っぽく笑ってオークの気を引く。
「ブヒヒイィィ!」
 テンション高く吠えるオークは、伸ばす触手から溶解液を飛ばす。それに水着を徐々に溶かされる彼女は闘志を燃やし、逆に縛り付けてやろうと攻性植物の蔓触手を伸ばしていった。
「早く逃げてください……」
 人々に避難を呼びかけるクノーヴレットは、手近なオークに向かう。
 にやりと歯を見せたオークが伸ばす触手を、クノーヴレットはうっとりとしながら敢えて受ける。
 触手にいたぶられ始める仲間の艶姿を気にしないようにしつつも、動物変身を解除したキアリが女性客へと呼びかけた。
「ケルベロスよ。落ち着いて避難を」
 オーク出現に身が竦んだ女性を抱え、キアリは浴場を出て行く。
 敵を迎撃しながらルリィも人々の盾に立つ。彼女は出来る限り、胸を狙われぬようにと触手をガードする。
「オークは任せて避難をっ」
 豚どもの興味対象から外れたリフィルディードもまた、女性客に声をかけていた。外にタオル姿で飛び出すのに抵抗がある女性に、彼女はこう呼びかける。
「オークにいかがわしいことされるのと、ちょっと恥ずかしい目に遭うのだと、どっちがマシですか」
 双方を想像した女性は身を震わせ、一目散に浴場から飛び出していった。
 こうしたケルベロス達の行動で、触手に捕らえられた女性は比較的少なくは済んでいた。
 だが、浴場内が混雑する中、女性客を守りきるのはやはり難しく、7人がオークの餌食となってしまっている。
「あ、ああ……ん」
「だめえぇぇ……」
 艶かしい女性の声。それと同時に、オークの満足気な笑い声が響いていたのだった。

 ケルベロス、一般女性にオークと、非常にごった返す女湯。
 囮となるケルベロスがオークの半数を引き付けてはいるが、残る半数がほぼ1体が1人の一般女性を捕らえてしまっている。オークから逃れた女性達は、避難に当たるメンバーがうまく誘導していた。
 そこで、捕らえた女性だけでは物足りないとオークが触手を伸ばしてきた為、リフィルディードはリボルバー銃「桜蘭」から弾丸をばら撒き、敵を牽制する。
「来いよ、豚野郎! 相手になってやらあ!」
 囮となろうとオークに呼びかけるアルメイアは仲間に癒しを振り撒きつつ、浴場を逃げ回ってオークを引きつけていた。
 多少背は低い彼女だが、スタイルは十分。鼻をひくつかせたオークは、彼女の肩を触手で殴打した。
「げぇっ、この、紐を引っ張るんじゃ……。こ、こら返せ、貴様ぁ!?」
 ビキニの上部分をオークにとられ、胸を押さえたアルメイアは逆にそいつを追いかけ始めていた。
 ただ、それでも、彼女はまだマシだったかもしれない。
「あん、ああん……」
 最初にオークから目をつけられた八千代は全身を溶解液に滑らせ、恍惚とした表情を浮かべている。
 調子に乗ったオークは、八千代を包むタオルの中にも触手を潜り込ませてくる。うねり、這い回る触手は、タオルの外からでもはっきりわかり、彼女の大きな胸を、むっちりとしたお尻の感触をじっくりと堪能していた。
「激しい、もっとして」
「ブヒイイイッ!」
 さらに求める八千代に、オークは胸の尖端や太ももの合間にも触手を滑り込ませていく。
 一般女性を捕らえるオークへ、ミミックのシュピールに攻撃を任せるクノーヴレット。
 Iカップのバスト、細い腰、むっちりしたヒップ。お湯を浴びたタオルの上からはっきりと出たボディラインを見せ付け、敵を誘惑する彼女にオークは興奮し、触手の先から溶解液を飛ばす。
「うふ、あ、あぁん」
 それにタオルを溶かされつつも、べとべととした液体とぬめる触手に頬を赤らめ興奮したクノーヴレットは心地よさげに声を上げる。
 しかしながら、ケルベロス達はただ、やられてばかりいるわけではない。
 紫織などは頬を赤らめながらもなお、余裕の態度を崩さずに精霊魔法を詠唱する。
「宙の威光。果てより来たる輝き。……あなたは、跪かずにいられるかしら」
 召喚した星の精霊の力で、紫織はこの場のオーク数体へと星の光線を降り注がせていく。
「1匹残らず滅殺よ!」
 小柄なルリィはある程度一般人が浴場から出たのを見て、なおも女性客を捕らえるオークに強気の態度でアームドフォートの弾丸を叩き込んでいく。
 ルリィはオークの触手の叩き付けを受けていたが、その合間にも敵は彼女の胸や腰に溶解液を浴びせる。青い果実に興味を持たぬオークとはいえ、熟れかけた彼女の体に触手を這わせ、興奮してはいたようだ。
「ちょっ、感じてなんかいないんだからね!」
 対して、ルリィは頬を赤らめ、触手のもたらす感触に身悶えしつつも、大声でそれを拒絶していた。
 フィオナも毅然として攻性植物をけしかけてオークに抵抗するのだが、なかなかにしぶといオークに辟易とする。
「これ以上は、弟だけにしか許しません!」
 こんな状況でもブラコンっぷりを発揮した彼女はブラックスライムに捕食させ、丸呑みにしたオークの意識を断ってしまう。
 そうして囮役メンバーが時間を稼いでいる間に、彼女達は捕らえられた一般女性を1人、また1人と拘束を解いていく。
「普通の人は早く解放してあげないと」
 あらかた女性を避難させたところで、キアリも参戦していた。
 囮となるメンバーがあえぎ声すら上げているのに、「頑張って」と淡白な声援を送りながらも、キアリは両手に構えたガトリングガンの弾丸をこれでもかとオークに浴びせかけていく。
 さらに、オルトロスのアロンが後詰めする形で、女性を捕らえる触手を口にくわえた剣で切り裂いた。
 その一撃で解放された女性客が外に出るのを、リフィルディートが見届ける。
「いいよ、オークの殲滅をしよう」
 早速、青桜嵐の刃を浴びせかけるリフィルディードに合わせ、女性ケルベロス達は瞳を輝かせ、豚の殲滅を本格的に始めるのである。

●触手豚に制裁を
 好き勝手していた豚どもへ、キアリは爆炎の弾丸を撃ち出す中、クノーヴレットや八千代は今なお触手に絡まれていた。
「もっと、いいんですよ……」
「そこ、……いい」
 彼女達は一旦置いて。なんとかビキニを取り返したアルメイアは恥じらいと憤怒で顔を真っ赤にしていた。
「何も躊躇うことなど 有りはしないさ 斧が振られた 血飛沫が舞う ああ 憎き女よ! 惨たらしく 砕け散る骨 血溜まりの中 果てよ!」
 ギターを斧形態に変化させ、アルメイアは思いっきり振りかぶる。
「さあ、惨たらしく死ねえ!」
 そうして、彼女はこれでもかとオークの頭を殴打していく。
 そこに、後方で紫織が古代語を紡ぐ。直後に宙を飛んだ魔法光線がオークの頭部を石化させる。
「死ねよやぁぁぁ!!」
 さらに、アルメイアのギターがヒットし、オークの頭は見るも無残に砕け散っていった。
 こちらもまた、石化光線を発していたフィオナ。彼女の石化させた敵を狙い、リフィルディードは青桜嵐を勢いよく振り下ろす。
「いっけぇぇぇ!」
 見事なる唐竹割りがオークの身体を寸断する。
「オークはお呼びじゃないってな」
 大きな目を細め、リフィルディートは砕ける敵へと言い捨てた。
 視線を移せば、ケルベロスの猛攻を受けて触手をへたらせたオークを、ルリィが捉えていた。
「運命の流れを垣間見なさい」
 彼女が投射したのは、紅く光り輝く巨大な槍。時空因果律の制御を行うことで、敵を追尾してその槍で太ったオークの腹を貫く。血を噴出したそいつは大きな叫び声と共に絶命していった。
 激しさを増すケルベロス達の猛攻もあって、急に濃くなる浴場内の湯気。
 いつの間にか、魔人の力をその身に降ろした八千代も攻勢に出ており、触手をしっかりと掴み取って敵へと強烈な蹴りを食らわせていた。
「しっかり、その身で味わってちょうだい」
 悶絶するオークの顔へと、大きく手足を伸ばした八千代は馬乗りになる。湯気に紛れる八千代はしっかりとそいつの頭部を挟み込み、強く押さえつける。
 完全に意識を失った敵は泡を吹き、その場へと倒れ込んでしまったのだった。
 湯気が徐々に晴れ行く中、オークもまた徐々に減り行く。
「ほらそこ、がら空きよ?」
 浴場なのに、紫織は涼しい顔で腕からブラックスライムを放つ。
 鋭い槍のようになったオークの体に駆け巡る毒。青ざめて苦しむそいつへ、キアリがゆっくりと歩み寄る。
「今日もこの蹴り脚は血に飢えているわ……」
 敵の足元へと移動したキアリは思いっきり脚を振りかぶり、オークの股間へと炸裂させる。じたばたと暴れるオークだったが、すぐに動かなくなった。ある意味で、こいつが一番むごい散り際だったかもしれない。
 一方で、すがすがしい表情をしていたキアリは、これ以上ない充足感を得ていたようである。
「あ、ああん……」
 ギリギリまで触手と戯れていたクノーヴレット。敵の辱めに興奮すらしていた彼女だったが、さすがに自分の相手するオークだけとなれば、話は別。
 任務の完遂をと彼女は敵の下腹部から下を、魔力を込めた指先で擦り始める。
「うふふ、捕まえました……♪ さぁ、私のこの指で奏でて差し上げますから、素敵な声で歌ってくださいね……♪」
 巧みな指使いで、クノーヴレットはオークを攻める。撫でたり、揉んだり、擦ったり……。
「ブ、ブヒイイイイイイッ!」
 思考を乱され、大声を上げたオークはその一言で果ててしまい、白目を向いてしまった。
「これで、終わったわね」
 敵の全滅を確認し、勝ちポーズを決めようとしたルリィだったが。見えたらダメな部分を覆っていたはずの絆創膏がタオルの内部から剥がれ落ち、羽や尻尾で隠して顔を真っ赤にさせていたのだった。

●女性ばかりのブレイクタイム
 オークを倒したメンバー達は、片付けや修復作業に追われることとなる。
「どーれ、とりあえず修理するか……」
 アルメイアはここぞとミュージックファイターとしての本領を発揮し、バイオレンスギターをかき鳴らす。
「ガラクタの海にある十字架は 罪を持たず消えた命らしい……♪」
 その歌声は、オークに破壊された垣根を幻想交じりに修復する。
 ルリィも快楽エネルギーを発して桃色の霧となし、壁や湯船のヒビを埋めていく。細かい箇所は、紫織が魔導書による詠唱によって力を与えて元の形へと近づける。
 そうして、修復が完了した浴場を見て、アルメイアは頷く。
「よし、終了。帰る前に入ってこうぜ」
「そうね、身体、流したいし」
 アルメイアが改めて温泉に入ろうと仲間達に促すと、紫織が同意する。
「まぁ、改めて利用させてもらおうかね」
「身体を洗って、温泉を満喫したいな」
 リフィルディードもルリィもまずは背中を流してから、湯船へ。
 ふー……。
 誰からともなく、声が漏れ出す。
 オークを殲滅したこともあって、キアリは気持ちよく浴槽に入っていた。
「それじゃ、ガールズトークといきましょうか」
 にっこりと笑うフィオナが仲間達に話を振ると。ルリィは年上メンバー達の大きな胸が気になるようで。早速、フィオナにくっついてみる。
「あっ、くすぐったいです」
 ちょっとだけ戸惑うフィオナだが、折角だからとスタイルの話を皆で始める。
 こうして、女性ケルベロス達はしばし、和気藹々と楽しい時間を過ごすのだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年4月19日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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