人形は夜歩く

作者:紫村雪乃


 ショーウインドウのむこうに少女が立っていた。
 おかっぱ頭に着物。ずいぶん長く立っているのだが、ぴくりとも動かない。
 人形であった。市松人形と呼ばれるものだ。
「絶対いる」
 市松人形から目をはなすと、若者は歩き出した。その脳裏にうかぶのは都市伝説であった。夜、市松人形が街路を歩いているというものだ。
 友人は笑って信じなかった。が、若者は信じた。だから一人で遭遇するべき歩き回っているのだった。
「噂じゃない。ほんとのことなんだ」
 真剣な目を若者は夜道にむけた。だから彼は気づかなかった。背後から現れた、ひどく病的な肌をした魔女に。
 第五の魔女・アウゲイアス。それが魔女の名だ。彼女のそばにはモザイクに包まれた腕が見える。この魔女はドリームイーターなのだった。
 魔女は手にした鍵で若者の心臓を一刺しした。若者は声すら発することなく昏倒した。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 魔女がいった。すると倒れた若者の上にすうと何かが現れた。
 子供ほどの背丈のもの。市松人形であった。


「不思議な物事に強い『興味』をもっている人がドリームイーターに襲われ、その『興味』を奪われてしまう事件が起こってしまったようです」
 ケルベロスたちを見回し、セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)がいった。
「奪われた『興味』を元にした怪物型のドリームイーターが現実化してしまっています。その夢喰いが事件を起こそうとしているようなんです」
 すでに『興味』を奪ったドリームイーターは姿を消している。故に、今は被害が出る前に怪物型のドリームイーターを討伐する必要があった。
「そのドリームイーターを倒す事ができれば、『興味』を奪われてしまった被害者も目を覚ますはずです」
 今回、『興味』を奪われたのは大学生の若者であった。彼は夢喰いの遭遇場所からさほど離れていない場所に倒れている。
 現場は商店の並ぶ街路。接敵時間はおそらく深夜になるだろう。人払いの必要はあまりなかった。
「どんなドリームイーターなの?」
 問うたのは、輝くばかりに可愛らしい少女であった。名を上里・もも(遍く照らせ・e08616)といい、片耳にピアスをしている。狼のウェアライダーであった。
「市松人形の姿をしています」
 こたえ、セリカは続けた。
「可愛い外見をしているのですが、戦闘能力は凶悪そのもの。歌うのですが、それは全方位に破壊の力を及ぼします。一点に絞ることもでき、その場合の破壊力は強大。注意が必要です」
 ドリームイーターは自分の事を信じていたり噂している人が居ると、その人の方に引き寄せられる性質があった。その性質を利用すれば有利に戦うことができるかもしれない。
「『興味』を持つ物は人それぞれだと思う。ただ、その『興味』を利用するドリームイーターを許すわけにはいきません」
 どうか、『興味』を奪われた若者に救いを。セリカはケルベロスたちに願った。


参加者
天空・勇人(勇気のヒーロー・e00573)
メイベル・メイヤー(ダーティーリード・e02726)
霖道・悠(黒猫狂詩曲・e03089)
茶斑・三毛乃(化猫任侠・e04258)
イーリィ・ファーヴェル(クロノステイシス・e05910)
上里・藤(レッドデータ・e27726)
豊田・姶玖亜(ヴァルキュリアのガンスリンガー・e29077)
エレコ・レムグランデ(小さな小さな子象・e34229)

■リプレイ


「市松人形の都市伝説かぁ。興味深い話だね」
 暗くなりはじめた街角。のほほんとした声が流れた。
 豊田・姶玖亜(ヴァルキュリアのガンスリンガー・e29077)。声の主の名であった。
 おそらくは二十歳ほどだろう。どこか男性的な雰囲気があった。バイト帰りのために制服姿である。
「深夜ってことは、所謂……丑三つ時って奴かな。なかなか趣があるじゃないか」
「楽しんでもらっちゃ困るぜ」
 呆れたような目を、その男は姶玖亜にむけた。中性的な顔立ちの美少年だ。その身体には熱い血が駆け巡っているのだが、その静かな佇まいからは窺い知れなかった。名を天空・勇人(勇気のヒーロー・e00573)という。
「……お人形さんが、歩くのパオ?」
 怯えた声をあげた者がいた。十歳ほどだが、人間ではない。可愛らしい象のウェアライダーの少女であった。名をエレコ・レムグランデ(小さな小さな子象・e34229)といい、すでに蒼穹色の瞳を涙で潤ませている。
「ちょ、ちょっと怖いのパオ……」
「怖くはない」
 冷静な声音で女がこたえた。二十代後半。秀麗な娘だ。真っ白な髪が闇の中でも鮮やかであった。
 名をメイベル・メイヤー(ダーティーリード・e02726)というのだが、怖くないというのは本当であった。いや、むしろ親近感すら覚えている。なんとなればメイベルはレプリカントであったからだ。
 動く人形とレプリカント。通じるものがあるようだが、両者には決定的な相違点があった。それは心の有無だ。
「市松人形。結構、怪談とかに使われるケド。存外、可愛らしーと。思うンだよ、なァ」
 ぼそり、と、かつ気だるけに、その男はつぶやいた。漆黒の夜色の髪の青年だ。名を霖道・悠(黒猫狂詩曲・e03089)という。
「でも」
 と、イーリィ・ファーヴェル(クロノステイシス・e05910)という名の少女が口を開いた。とろけるようなダークブラウンの髪、はっとするほど深い真紅の瞳。可愛らしいといってよい美少女だ。
 その可憐な顔にはそぐわぬ傲岸な口ぶりでイーリィは続けた。
「日本の人形って妙にリアルだよね」
「リアル?」
 悠は眉をひそめた。リアル、というのとは少し違うと思ったのだ。確かに日本人形の方が西洋人形より恐いという者は多い。それは日本人形の表情から喜怒哀楽が窺い知れないということが原因であるようだった。それは、どの感情も表せられるように作られたことに起因するのだが――。
「しかし」
 と、その男は不服そうに顔をしかめた。帽子をかぶった十代半ばの少年だ。突き刺すような鋭い目つきをしているが、その瞳の奥に哀しみと優しさのないまぜになった光が瞬いていると見えたのは錯覚であろうか。名を上里・藤(レッドデータ・e27726)という獏のウェアライダーの少年は口をゆがめると、続けた。
「ねーちゃんのやつ、ヘリオライダーに何調べさせてんだよ……深夜に徘徊する日本人形とかぞっとしないぜ」
「恐いんでござんすか?」
 からかうように女が笑った。抜き身の刃のように白々と美しい女だ。そう確かに美しいのだが――右目が異様であった。傷が縦にはしり、目から炎の糸をふいている。地獄化しているのだった。
 すると藤は女――茶斑・三毛乃(化猫任侠・e04258)を不満そうに睨みつけた。
「そんなことあるもんか」
「冗談でござんすよ」
 三毛乃はけらけらと笑った。そしてすぐに姉のような、あるいは母親のように目になって微笑んだ。
「思い起こせばローカストウォーの頃。あの往時こそ不慣れな様子で七転八倒していたお前さんが、今やすっかり立派な一線級。お見逸れ致しやした」
「そ、そんなこと」
 柄にもなく藤は顔を赤らめた。


 深夜。
 暗い街路にはすでに人の姿はない。街灯の光が寂しげに路面を照らしていた。
 と――。
 街灯の光に二つの影が浮かび上がった。共に女だ。一人は少女であり、一人は中年の女であった。着流し姿であり、覗く胸はさらしを巻いているにもかかわらず巨きい。女がいった。
「なんでもこの辺りにゃァ、ひとりでにそこいらを練り歩く人形が『出る』のだとか――」
「あーわたしも聞いたことあるある」
 少女はうなずいた。そして怖々と、しかし好奇心をやどした瞳で辺りを見回すと、
「この前、ここで『出た』んだよね……?」
「ここで、でござんすか?」
 女も怖気のにじむ顔で辺りを見回した。街路をはさむように商店が並んでいる。
 と――。
 こつり。
 音がした。何か硬いものが地をうつような音が。
 はじかれたように女と少女が視線を巡らせた。が、闇の落ちた街路には何者の姿も見えない。
 こつり。
 こつり。
 またもや音がした。それが次第に近づいてくる。
「ぬっ」
 女が目を見開いた。街灯の光に異様なものが浮かび上がったからだ。
 それは子供ほどの大きさであった。おかっぱ頭に着物姿。市松人形であった。
「やれやれ」
 うんざりした声が闇に流れた。そして人影が市松人形の背後に現れた。姶玖亜である。
「やっとお出ましか。待ちくたびれたよ」
「ここは市街地だ」
 さらに一影。藤である。
「周りに被害を出さないように素早く倒さないとな。遠慮はなしだ」
 藤が身構えた。すると市松人形を取り囲む形で四人の男女が姿をみせた。ケルベロスだ。
 刹那である。人形の蕾のような口から音が発せられた。
 歌だ。高い澄んだ声音で人形は歌っているのである。
 咄嗟にエレコは大きな耳を引っ張った。メイベルは聴覚機を調節、音声を遮断した。が――。
 衝撃が八人のケルベロスたちの体内で炸裂した。見えぬ暗黒のエネルギー渦流が彼らの体内で吹き荒れ、肉体を内部から破壊する。
「くっ」
 ケルベロスたちの口から血がしぶいた。黒血である。内蔵が損傷しているのだった。
「……そうか。衝撃波はどうしようもないよな」
 他人事のように呟くと、メイベルは閉じていた聴覚機を開放した。
 ごふっと咳き込むと、囮となっていた少女――イーリィは地団駄を踏んだ。
「もー全体攻撃なんてずるいよー!」
 イーリィは可愛らしくむくれた。おそらく攻撃の効果範囲は可聴域内にある全てだ。これでは逃れようはなかった。
「そんなに歌われちゃ敵わないね。今、何時だと思ってるんだい?」
 苦く笑うと、口にたまった血を姶玖亜は吐き捨てた。するとイーリィと同じく囮となっていた女――三毛乃もまた口元の血をぬぐって、ニヤリと笑った。
「随分と面妖な技を使いなする。が、結構。体の張り甲斐があるってなモンでさァ」
 落ち着きながらも、凛とした口調で告げられた宣戦に、拳と白磁の肌がぶつかる無味な破壊音が混じった。華奢な肩をわずかに震わせて、市松人形の漆黒の瞳が勇人に向けられる。勇人の拳が紅蓮の炎に包まれていた。地獄の炎である。
「人の心を奪い抜け殻にしてしまうお前達を許すわけにはいかないぜっ!」
 勇人が叫んだ。
「お願い、みんなを守って、パオ」
 エレコが地に掌をつけた。すると仲間の足元に人型の土塊が現れた。錬成したゴーレムである。


 市松人形の口がエレコにむけられた。反射的に三毛乃が飛び出す。次の瞬間、三毛乃はエレコの前でがくりと倒れた。足に力が入らない。見れば、膝から足首までがばっくりと裂け、剥き出しにされた筋が薄明かりに鈍く光っている。人形が発した魔性の音波によって。
 が、三毛乃は血笑をうかべた。仲間の盾となり倒れるは本望であった。
 すると市松人形が嗤った。嗤ったように見えた。新しい玩具を与えられた子供のように。
「遊んでやるぜ」
 藤が腕をのばした。魔術回路と化したその腕はすでに殲滅兵器だ。虚数空間からくみあげた魔力で構築した矢を投げる。それは爆発的な速度をもって人形めがけて疾った。
 びきっ。
 矢が人形を貫いた。激痛に呻く代わりに人形は歌いだした。再びケルベロスたちの体内で魔力が爆発する。
 この場合、エレコのゴーレムは無力であった。人形の魔力は聞く者すべてに作用するからだ。いかなゴーレムとて音そのものを遮断することはできなかった。
「またなの。もー」
 口をと尖らせつつ、イーリィはドローンを放った。それはイーリィの手足のごとく空を舞うと、仲間に接近。癒しを与えた。
 テレビウムのシュルスも同じだ。応援する動画を流し、仲間の傷を超自然的に回復する。
「けれど」
 イーリィは可愛らしい唇を噛んだ。
 敵の破壊力はほぼ全員に及ぶ。が、こちらの回復範囲は半数にも及ばないのだ。これでは押し切られてしまうかもしれない。
「早く斃さないと回復が追いつかないよ」
 悲鳴に似た声でイーリィは叫んだ。


「じゃあ、急がないと、だよなァ」
 悠の目がすがめられた。瞳が一瞬黄金光を放つ。
 座標軸固定。悠は最高度に凝縮した精神熱量を解き放った。
 次の瞬間である。人形の身体が爆裂した。腕が吹き飛ぶ。転がったそれがカラコロと乾いた音をたてた。
 人形も怒るのだろうか。次に発せられた歌声には老婆のもののような棘があった。
 が、衝撃に粉砕されたのはゴーレムであった。さらに悠の血がとまった。ボクスドラゴンのノワールだ。
 またもや人形は嗤ったようだった。が、その笑みは身を包む炎に熱さに容易く凍りついた。
 撃ち込まれた炎弾。放ったのは姶玖亜の背後に浮かぶ半透明の超自然存在――御業であった。その空間のみ高次の次元に織り込まれている。
 じりじりと身を灼く炎にも動じることはないのか、人形の口から旋律が流れ出た。死の旋律が。
 内蔵が切り刻まれる激痛にケルベロスたちが苦悶した。全員の目から血涙が滴り落ちる。そして、ついにサーヴァントたちが消滅した。
 たまらず姶玖亜が膝を折る。が、その口からもれるのはあくまで洒脱な声音だ。
「やれやれ、この調子じゃ完徹になりそうだよ」
 その時、姶玖亜の目は闇に輝く曙色の光彩を見た。
 背を向けた人形の死角。そこをついて疾ったメイベルは拳を叩き込んだ。
 腕を機械的に旋回された一撃。俗にコークスクリュー・ブローと呼ばれるものだが、メイベルの場合、桁が違った。ドリル状のパンチは威力を通常の二十七倍に増大させている。びきりっ、と異音を発し、人形の身に亀裂がはしった。
「哀れなるかな。それが心をもたぬ者の限界だ」
 跳び退りつつ、メイベルは告げた。


 声にならぬ悲鳴をあげて、人形が激しくもがいた。ぼたぼたと床に落ちる粘液は重く、それはどこかタールを思わせた。が――。
 次の瞬間、悲鳴は歌に変わった。空間そのものが砕けていく。
「吾輩が、皆を守る、パオ」
 自身傷つきながら、それでもエレコは足掻いた。哀しく美しい姿で。その身にたわめたオーラを仲間を癒すべく放つ。
 できれば、誰も傷つけたくはなかった。敵と称される相手であっても、救えることができたのならば、この力に包み込んでやりたかった。それが叶わぬことは、誰よりも知っているというのに。
 イーリィもまたドローンをとばした。癒すことのかなわなかった者たちの傷を呪術的に修復する。
 戦闘は生き物であった。同位置にかたまっていれば全員同時に癒すことも可能であるが、実際はそうはならない。治癒効果範囲からどうしてももれてしまう者がでるのだった。
 その者たち見逃さない。それがイーリィの戦いであった。
 そして三毛乃の戦いは――。
 藤の眼前、するすると三毛乃は立ちはだかった。その胸を不可視の刃が切り裂く。肺にまて届く斬傷。
 口から血を噴きつつ、しかし三毛乃はニヤリとした。凱歌の笑みだ。
「大丈夫でやすか?」
「……三毛乃さん」
 藤の口から子供のような細い声がもれた。すると三毛乃は朗らかに笑いながら、
「なんて声をだすんでござんすか。男の子で゛ざんしょ。なら、きめておくんなさい」
「わかった」
 三毛乃を躍り越え、空を飛翔するように藤は人形との間合いを詰めた。禍々しき形状の大鎌で切り裂く。
 空間ごと人形がえぐられた。刃にまとわせた虚空――擬似ブラックホールによって。人形の内に蔵された魔性熱量が刃に吸われていく。
 人形がよろめいた。が、メイベルは倒れることを許さない。彼女の脚がはねあがった。巨大な破壊力を秘めて放たれた蹴りは、彼女の望むままに、抗うことも許さず人形の身体を破壊した。
 体勢を崩した人形に向けて姶玖亜はリボルバー拳銃――セレスティアル・ベルの銃口をむけた。
「市松人形って、元は子どものおもちゃで着せかえできるものだったそうだね。人形を手荒に扱って壊しそうな、子どもの姿のトラウマでも見せてみようか」
 姶玖亜がトリガーをひいた。マズルフラッシュが闇を切り裂いた時、すでに闇よりもなお黒い軌跡をえがいた弾丸は人形に届いている。
 闇に散る砕片。弾丸は人形の額を砕いた。覗く頭部には何もなかった。おぞましいことに闇がつまっている。虚無の空間だ。
 鈍い衝撃が空気を震わせた。闇が吹きこぼれ、人形の足元をしとどに濡らす。
 その時、人形の目に恐怖が滲んだ。まるで怖いものを見た子供のように。
 それでも人はが嗤った。声も出さずに。
 不可視の刃が疾った。葬送の調べにのせて。
 迎え撃ったのは鋸状の刃であった。ギリギリという耳障りな響きを発し、火花が散る。悠の満面が真紅に染まった。
「へえ」
 悠はニンマリと笑った。
「斬ることが、できるンだなァ。面白ェ」
「お前が奪った心、持ち主に返してもらうぜ!」
 勇人が地を蹴った。物理法則を無視したとしか思えぬ高みにまで飛翔。
 人形の顔が上をむいた。破滅の歌声を唇から解き放とうとする。が、歌声が空間を切り裂くより先に勇人が落下した。
「くらえ必殺、ブレイバァァァキィィィック!」
 流星のように蒼光の尾をひいて勇人の脚は疾った。閃光の速さで迫ったそれを、なんで人形ごときが避けられようか。
 勇人は蹴りを人形にぶち込んだ。規格外の破壊力に人形が粉砕される。のみならず、蹴りの威力の余波により、地が陥没した。
 同心円状に広がった陥没痕の上。片膝をついた姿勢から勇人が立ち上がった時、首を失った人形がゆっくりと倒れた。


 頬を軽く叩かれ、若者はうっすらと目を開いた。
「こ、ここは……」
 慌てて若者は身を起こした。その若者を二人の男女が見つめている。悠とメイベルだ。
 悠はふふんと笑った。
「市松人形。俺ァ、可愛らしーと。思うンだよ、なァ。……嗚呼、でも。ひとりでに動く。てのが、怖ェのか。まァ、何方にせよ。そーいう、噂話の現場に来る。てのは、 感心しねェわ、な」
「これに懲りたらあまり危ないものに近づくんじゃないぞ」
 メイベルが静かに、しかし重い声で忠告した。
「本当にお疲れ様だよ。しかし」
 悠たちから視線をはずし、さすがに疲れた顔でイーリィは肩をすくめてみせた。
「噂話や動く市松人形は二次元でよろしくお願いしたいよー!」
 派手に嘆くイーリィの声は、静けさを取り戻した闇の街路に鎮魂歌のごとく響いた。

作者:紫村雪乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年4月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 0
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