
「こ、こんなこと現実にあるのかよ……」
「ケルベロスどこだよ、ケルベロス! うわっ!」
『オタクの聖地』と呼ばれて久しい街。
その街の、日曜日は歩行者天国となる大通りで惨劇は起こった。
「サァ! オマエたちの、グラビティ・チェインをヨコセ!」
「ニゲルがイイ、オビエルがイイ!」
「オマエタチがワレらにムケタゾウオとキョゼツは、ドラゴンサマのカテとナル!」
突如大通りの中央に突き刺さった巨大な牙は、長い剣を携えた骸骨兵達へと姿を変え、手当たり次第に人々を殺していく。
「な、なんで……っ!」
はるばる遠方からやってきていた青年は、戦利品の紙袋を抱えてとにかく走っていた。しかし前方に剣から血を滴らせた骸骨がいるのを見て、踵を返す。が、
「う」
振り返った方向にも竜牙兵はいた。紙袋ごと長剣で貫かれ、青年は紙袋を抱いたまま、ばたりと前へ倒れた。
ビルの立ち並ぶ通りはいつしか血の臭いで溢れかえり、人の気配はなくなっている。
近くを走る電車の音に、竜牙兵の乾いた笑い声が混じった。
「許さねェ……」
バックス・クロウ(やる気は旅に出た・e29269)がぐっと拳を握った。セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は頷き、
「はい。休日の、」
「許さねェ! 俺達の聖地で俺に断りもなく何てことしてくれてんだァ!」
テレビウムのるりたんも大きなバツを画面に映してこくこくしている。
「だいたいなァ、コイツらは毎回毎回、」
ふとバックスとセリカの目が合った。
「あ、スマン。続けてくれ」
「はい。休日の昼間ということもあり、このままでは相当な数の一般人が犠牲になってしまいます。急ぎヘリオンで現場に向かい、凶行を阻止して下さい」
竜牙兵が出現する前に周囲に避難勧告を出せば、竜牙兵は他の場所に出現してしまい、事件を阻止することができなくなる。
「そうなれば被害が大きくなってしまいます。皆さんが到着した後は、避難誘導は警察などに任せられます。皆さんは竜牙兵を撃破することに集中して下さい」
出現する竜牙兵は5体。全員がクラッシャーポジションで、ゾディアックソード片手装備相当のグラビティを使用する。また、ケルベロスとの戦闘がひとたび始まれば、竜牙兵が撤退することはない。
「攻撃力高ェなこりゃ……」
セリカの情報にバックスは眉を顰めつつも、
「だがこんな事が起きていいはずがねェ! 皆よろしく頼むぜ!」
よろしくお願いします、とセリカも頭を下げた。
参加者 | |
---|---|
![]() 泉賀・壬蔭(紅蓮の炎を纏いし者・e00386) |
![]() 藤守・つかさ(闇視者・e00546) |
![]() 古鐘・るり(安楽椅子の魔女・e01248) |
![]() ディクロ・リガルジィ(静寂の魔銃士・e01872) |
![]() アッシュ・ホールデン(無音・e03495) |
![]() スズナ・スエヒロ(ぎんいろきつねみこ・e09079) |
![]() レイヴン・クロークル(偽りの黒翼・e23527) |
![]() バックス・クロウ(やる気は旅に出た・e29269) |
●
「シャアアアッ!!」
バックス・クロウ(やる気は旅に出た・e29269)が、真っ先に飛び降りた。
レイヴン・クロークル(偽りの黒翼・e23527)は遠ざかっていくバックスの濃色の翼を見下ろす。心配はないといえば嘘だがやる時はやる男だと信用もしている。
「ったくホネどもときたら、どこにでも湧いてきやがって」
灰色の髪を鬱陶しそうにかき上げ、アッシュ・ホールデン(無音・e03495)。
「ま、オタク云々はともかく、友人の聖地だってんなら血で汚させるわけにもいかねぇな」
「あー、聖地ってそういう意味の聖地かぁ」
尻尾でバランスをとりつつ、ディクロ・リガルジィ(静寂の魔銃士・e01872)。
「ドラマの撮影現場かなとか思ったけども。まぁどこだろうと竜の骨どもは強制退去だよ」
「歩行者天国は勿論大通りも警察がいるの。それが今回は救いだわ」
魔女帽子を押さえながら古鐘・るり(安楽椅子の魔女・e01248)が下を見た。
「わ、お詳しい!」
スズナ・スエヒロ(ぎんいろきつねみこ・e09079)は初めての聖地訪問。るりは、
「ゲームも店舗で買えば特典が付くしポイントもたまるし、月2で来てるけど休日には来ないわ。凄く混むもの……こんな風にね」
「人もですけど、女の子の絵も街にいっぱいです……」
「……他の場所なら良いという話でもないけど、聖地だけはダメ。聖地が踏みにじられた場合、憎悪や拒絶は普通の場所より強くなるの」
「なるほど!」
スズナはるりに頷き、
「では! 聖地をしっかりと、おまもりしますっ!」
と着地するなりウオオオオオと上がった歓声にスズナは目をぱちくり。袴姿の銀狐っ子を見過ごす彼らではない。そして、
「お探しのケルベロスよ」
るりが竜牙兵へ言い放つや否や歓声倍増。魔女っ娘プラス悪魔尻尾にリボンとくれば仕方ない。
「イベントじゃないわよ。精々早く逃げることね。戦いの邪魔だから」
「み、みなさんっ! 逃げてくださいっ! 早く!」
ツンデレ?! 敬語属性?! とバタバタ召されていく所に、
「あなたの相手は、わたしたちですっ!」
スズナがびしいっと敵を指差しある意味止めを刺した。さらに、
「同志諸君! ココは俺達ケルベロスに任せとけ、ってな!」
チェックシャツは同志の印。バックスが叫べば聖地が震える程の大歓声。
(「ヤベェ、俺今すっげー戦隊物のヒーローっぽい……!」)
「グヌウ、」
異様な雰囲気に竜牙兵も後ずさり、
「ケルベロス、ナニシニキタ!」
もっともである。一方、
「動ける者、力のある者は女性等の手助けを」
戦う会社員泉賀・壬蔭(紅蓮の炎を纏いし者・e00386)はいつも通りテキパキとやっていた。そして、
「先日の子達は口だけ番長だったけど」
竜牙兵へ向き直りガントレットの拳を握ると、
「君達は、我々を倒し金星取れるクラスかな?」
眼鏡を通し、見下した視線で竜牙兵を挑発する。
「……なんかもう壬蔭に任せていいか? 物凄く楽しそうだし……」
藤守・つかさ(闇視者・e00546)はそう言って溜息1つ、
「まぁ、馬鹿の一つ覚えだよな、お前らもさ……」
掌の上に編み出されていく黒雷。壬蔭が利き足を出し先に仕掛けた瞬間、つかさは縛霊手を肩の後ろへ振るった。
「グオ!」
つかさの背後に迫っていた竜牙兵は顔面を殴打され、剣を引き飛び退こうとする。が、
「?!」
漆黒の縛霊手に頭蓋骨を掴まれ動けない。そして、
「ギャアアッ!」
縛霊手から黒雷が迸った。黒雷一閃――シュヴァルツァ・ブリッツ。壬蔭は剣に片腕を斬らせながらも払いのける。新旧二段の腕章が揺れる側の拳が胸元を穿ち抜くと、竜牙兵の全身に紫電が走った。
「この前の奴らより強いかな?」
壬蔭が傷を負った腕を上げてみせる。つかさはどうだろうなと肩をすくめ、レイヴンは移動する竜牙兵を目で追いながら、
「速さは劣るな」
言うが早いかブレードを蹴った。白狼の尻尾が形ある風の様に駆け抜けると、
「呼ばれて飛び出てケルベロスー、なんてね」
ディクロが足音なく着地、
「聖地へようこそ骨ども。出口はこちらだよ」
恭しくお客を迎えたような佇まい。とはいえ出口の先はもちろん死なんだけどと付け足して、召喚呪を唱え始める。
「文字通り骨折り損の為にわざわざご苦労さん」
アッシュはポケットから煙草を取り出し、トンと掌へ底を叩きつけた。
「儲けはくたびれどころか、てめぇらの命で賄ってもらうがなぁ」
飛び出した1本の端をアッシュが食む。同時斬撃の音。庇いに入ったレイヴンの片腕を剣が切り裂いていた。剣は2重の長袖をも断っていたが、血が流れることはない。左目と同様、偽りと自嘲する地獄の腕。
竜牙兵はそのままレイヴンの首へ片手を伸ばす。しかし、
「氷漬けになっておくがいいよ」
ディクロの召喚した氷河期の精霊達が襲いかかった。吹雪に凍りついた竜牙兵の腕下をくぐり抜け、レイヴンは瞬時に戦場を見渡す。
「向かって左だ」
壬蔭が言った。頷き、駆け出したレイヴンの左目から、地獄の炎が溢れ出す。軌跡と散る前にそれは弾丸へと変化。砲撃形態のハンマーへ装填されていく。
合図を交わし、竜牙兵達は距離をとるべく動き出した。だがその足元を掬う様に紫煙が烟る。
「『使えるもんは何でも使う主義でな……伊達や酔狂で持ってるもんなんざねぇってこった』」
煙草を口の端に咥えたままアッシュが言った。麻痺毒に侵された数体が足をもつれさせる。
と、麻痺を逃れた1体が踏み切り、剣を振りかぶった。ガキン! と強い金属音。迎えたのはスズナの檳榔子黒色の大剣。
「っ!」
空気を伝わった衝撃でピッとスズナの頬へ傷が走る。竜牙兵はさらに力を込めた。
「強いですけれど、」
スズナは下がりかけた後ろ足に力をいれる。檳榔子黒も応えて輝いた。
「こちらも! 負けられませんっ!」
スズナが剣を押し戻す。そして横へ竜牙兵ごと薙ぎ払うと、
「頼みますねっ!」
スズナからふわりと御業が離れた。古い木箱型ミミックのサイが、主人の御業を鎧と纏う。
その間に竜牙兵達を回復の光が包んだ。サイは作り出した剣で竜牙兵を一刺し。守護呪が消滅した所へ炎弾も襲いかかる。
「『此の炎はお前の身体を焼く事はない、安心しろ』」
レイヴンの落ち着いた声が竜牙兵の頭蓋へ忍び込んだ。確かに燃え上がりはしなかった。しかし四肢の神経が端から焼かれていく。
耐えきれずふらついた竜牙兵をすかさずテレビウムのミュゲが武器で殴りつけると、肋骨が音をたてて毀れた。
「グ……ッ、」
竜牙兵は剣を杖に上体を起こす。だが。
「聖地を荒らした罪は重いわ」
手にはファースタリ。ぺらりと頁をめくったるりが視線を上げれば、青い髪が魔力に舞い上がる。召喚するは必中の神槍――のレプリカ。所詮は玩具とるりは言うものの、
「『消えて終わりよ……ジャッジメント!!』」
魔力が足先を浮き上がらせる程に増大した瞬間、るりが竜牙兵を指差した。槍は唸りを上げて飛び、
「グアアアアッ!」
敵の左胸を穿ち抜く。途端眩い光が弾けた。その跡には竜牙兵も槍も残ってはいなかった。
「くっ、ケルベロス戦隊かっこよすぎんだろ……!」
拳を握りしめるバックス。のシャツをテレビウムのるりたんがひっぱる。
「おうよ、俺もやってやろうじゃねぇか! まずはサイ師匠に、」
バックスは付呪の為に弓に矢をつがえた。が、サイは蓋をパカパカ。
「あ、もう持ってらっしゃる! よし!」
放り投げた弓はるりたんがキャッチ、
「右奥だ」
壬蔭の指示した1体を弓でぶんなぐりあたっく!
途端敷き詰められた暗雲に竜牙兵が怯む。羽音は幻聴か、何れにしても此処は聖地。さあ俺の言う事を聞け。
「『カミサマに祈りな』」
唐突なウインク、四方の竜牙兵を撃ち抜くは音のない漆黒の雷。
「まァ、俺はカミサマなんかじゃねぇから聞かねぇけど」
鴉がバックスの後ろから一斉に飛び立った。祈りなど知らぬ竜牙兵の代わりとばかりバンと勢い胸の前、バックスが両手を組む。
「もし本当にカミサマがいるなら、痛み位は軽減してくれるだろうよ」
運命を占うように、鴉の羽が落ちた。
●
「おーい、よろしくー」
と、手を振りながらも、ディクロの猫目印のリボルバーは正確に竜牙兵の腕を撃ち抜いた。
「はいっ! いますぐ、治しますねっ!」
スズナが大きく息を吸う。そして両手を握ると、
「『おねがい、がんばってっ!』」
シャウト・乙。乙の分だけみんなに届く。心からの願いがディクロの氷を溶かして上着ごと裂けた傷を塞ぐ。と、
「クラエ!」
竜牙兵の剣が弧を描いた。スズナはすぐに常盤色のブレードを蹴り、レイヴンとミュゲもオーラの射線へ飛びこむ。と、
「こっちからも乙だ!」
バックスの声とともに爆発が起こった。その鮮やかさ、聖地百均で売れまくりというライトの如し。レイヴンはブレードを切り返し、サイの偽財宝に惑わされた1体へ距離を詰める。
「ナ!」
我に帰れば既に真上。踏み潰されまいと横へ逃れた竜牙兵を、レイヴンは空中で足を切り替え真横から蹴り砕いた。竜牙兵は音を立てて崩れ去った。
「『vermiculus flamma』」
急速な移動で大気と摩擦を起こした壬蔭の拳が燃え上がる。相対する竜牙兵も骨の脚を軋ませ走り出した。他の竜牙兵も攻撃体勢に入り、アッシュとつかさの視線が合う。
つかさが地面を蹴ったのが合図。破呪を任せアッシュが吸いこんだ息は、全身を巡り喉の熱さを連れ、
「うおっ!」
アッシュが吐き出した炎に竜牙兵達が燃え上がったのを見たバックスが、弓を引き絞りながら驚いている。
「そーいやドラゴニアンだったは」
「まぁな」
バックスの癒しの矢が美しい軌跡を描いて飛んだ。アッシュは顎を上げ、口内に残った煙と焦げ臭さをふっと上へ吹き出す。そして、
「邪魔はさせない。憎悪と拒絶の代わりに絶望と諦念を――」
つかさが黒いブレードを回し蹴る。旋風に炎が煽られた。
「お前らにもちゃんとくれてやるさ。もう少し大人しくしてな」
同時、壬蔭は振り下ろされた剣を握り止める。無謀にも思える手段は壬蔭の逆の拳が貫くだけに十分な懐を開いた。
壬蔭の手から血が滴る。が、剣にはそれ以上力は入らなかった。炎上がる拳が背から突き出した瞬間、竜牙兵は燃え上がり、燃え尽きた。
「出でよ!」
るりの両手にのせられた書物が光を放った。召喚された黒く蠢く触手は竜牙兵の眼窩から骨の間から入り込んでは無慈悲に蹂躙する。と、壬蔭は出血が止まった事に気づいた。
「大丈夫か?!」
額の汗を雑に拭い、次の矢をつがえながらバックスが言う。壬蔭は頷き応えた。
番犬達は強かった。竜牙兵も浄化呪は面倒ではあったが、
「いきますっ!」
今度はスズナが常盤を回し蹴り、吹き飛ばす。
「いけるかな?」
ディクロは銀の瞳を細めて命中率を確かめ、
「よし。じゃあ、」
突如現れた青白いリボンがヘルキャットに巻きついていく。浮かぶ文字は眠りの詠唱。静寂を求めれば都度編み出される魔弾の装填。ディクロは銃口を竜牙兵へ向け、
「『先に寝ててくれないかなぁ』」
音無く発射された白い光線に頭蓋骨を貫かれ、竜牙兵が頭を押さえた。声はない。頭の中では悲鳴をあげているのかもしれないが。
銃を下げたディクロをもう1体が剣で狙う。が、レイヴンが早かった。左腕を斬らせ、左眼の炎を弾丸と装填、左腕の下からもう1体へ炎弾を撃ち込む。そして、
「待たせたか?」
約束通りの絶望を。傷口を黒い植物が抉り開いた。背景には前衛を包む見事なオーロラと人差し指を天に向けたバックスの姿。つかさの足元、竜牙兵は叫びを残して消えた。
「また、口だけの奴らだったか……」
壬蔭が言う。つかさが突っ込む前に、
「マダダ!」
竜牙兵がオーラを放った。ミュゲとスズナが庇いに飛び込み、
「ああ……失礼」
壬蔭は竜牙兵へ距離を詰めると、剣が戻らぬ内に拳で胸を打ち砕く。
「グ、」
竜牙兵が後ずさった。
「ま、潮時ってやつだ」
「ギャアッ!」
アッシュの放った螺旋に切り刻まれ、凍りつき、竜牙兵が膝を折る。無論止めは、
「行け、るりたん!」
バックスが起こした爆発にパワーアップ、るりたんが今度はスマホでひと殴り。竜牙兵はガラガラと崩れ、消えていった。
るりたんを抱き上げたバックスは、黙って拳を突き上げる。看板のネオンが一気に点灯し、歓声が上がった。
聖地復活。るりもほっと魔導書を閉じる。つかさは後ろ髪に触れ、今回は予備の髪紐が不要だった事を確かめた。
●
「わあ……にぎやかな所、です……!」
スズナが言う。テーブルにはバックス奢りのドリンクが並び、
「んじゃ改めて……お疲れーイ!」
バックスが自分のグラスを持ち上げた。
「お疲れさん……聖地が無事で良かったな?」
つかさがコースターをバックスへ渡す。スズナも、
「あっ、わたしも差し上げますねっ!」
「コンプリートしそうか?」
壬蔭も差し出し、
「でぃくろさんもつけちゃうよー」
ディクロからは大量の黒猫ぐるみ付き。
「ウオオオありがとう、ありがとう」
ゲザァ! するバックスにアッシュは笑いながら、
「推しゲットに消費しきれねぇ分、お礼ついでに手伝ってくれーってんなら最初からそう言えよ」
「わかるわ。コースター集めも大変よね」
るりが言い、
「お代わり頼んでくるからそれもあげるわ」
「アッ、俺にまかせろー!」
バックスが財布をバリバリ開ける。が、
「自分で出すから平気よ」
颯爽と歩み去った魔女っ娘にひれ伏すバックスだった。
「推しきゃら、というのはここまで大人を燃え上がらせるのか」
膝にミュゲをのせ一息ついてレイヴンが言う。狼耳も少しリラックス。
「あれだけ好きな事に熱中出来るのは凄いもんだな」
とアッシュは奢りの礼に何か買うかと席を立った。つかさはグラスの絵を眺め、
「んー、情熱とは生きる糧……のひとつだし良いんじゃないか? って壬蔭」
「なんだ?」
「『ごにゃー。ごごごにゃー』」
「ぬいぐるみの腹連続で押すのやめろ……」
「興味深くてな」
「『ごにゃー』」
壬蔭、また押す。
「予想外にでぃくろさんが人気で戸惑うわたしディクロさん」
ディクロさん(本体)は聖地案内の雑誌をめくり、
「ぬいぐるみ店もあるんだねぇ。僕にとってもここは聖地に成り得るのかな」
「『ごごごにゃー。ごにゃっ』」
「壬蔭……」
●
コースターを胸にでぃくろさんをごにゃーするるりたんを見守る、控えめに言って至福。
リア充は買い物中。今日に限っては季節は春でも手袋とマフラー肌身離さずかよなんて事で心乱されたりはしない。つかああ見えて義理堅いっつーか、多分旅団の連中にも土産……でけぇキャラ袋渡されて呆然としてやがる。REC。
ともかくこれで聖戦は一旦終わりを告げた。 一旦だ。
何故って俺達はケルベロスだからな。愚問だろ?
作者:森下映 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
![]() 公開:2017年4月11日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 2
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