デッドオアアライブの腕試し

作者:地斬理々亜

●力馬鹿による剣の定義
「やああぁーーーっ!! 胴ーーーーーっ!!」
 ぱぁん、と小気味よい音が剣道場内に響く。竹刀が防具を打った音だ。
「胴あり! ……勝負あり!」
 審判が赤の旗を上げ、試合の終了を告げる。
 場に、乱入者が現れたのはその時だった。どごん、と重い音と共に、壁に大穴が開いた。
「おっしゃ戦いだぁーっ!! このレオラス様と勝負しろぉーっ!!」
 その穴から飛び込んできたのは、身の丈3メートルほどの男。――エインヘリアル。
「……って、なんだこの剣!?」
 レオラスと名乗ったエインヘリアルは、剣道場の隅にある竹刀置き場にずかずかと歩み寄ると、置いてある竹刀をまとめて鷲掴みにした。
「こんな剣で戦うとか、一体、何考えてんだ!?」
 レオラスが軽く力を込めてみせると、竹刀の束がまとめてへし折れた。
「剣ってのはなぁ……こーいうもんなんだよっ!!」
 すらりと抜かれる、2本の、いかにも重そうなゾディアックソード。
 レオラスは床を蹴り、逃げ出そうとしている一般人に肉薄。その脳天目がけて、剣を振り下ろし、体を両断――。

●ヘリオライダーは語る
「――という光景を予知しました」
 白日・牡丹(自己肯定のヘリオライダー・en0151)は告げる。
「つまり、この事件を防ぐための戦いは、『怪力エインヘリアルと腕試し』になると……そう考えていいのか?」
 への字に結んでいた口を開き、牡丹をじっと見つめながら尋ねたのは、椿木・旭矢(雷の手指・e22146)。
「はい。旭矢さんの予測が的中した形になりますね」
 牡丹は、彼の問いに対し、そう応じた。旭矢は頷く。
「エインヘリアル、レオラスは、過去にアスガルドで重罪を犯した凶悪な犯罪者のようです。放置すれば、多くの人々の命が奪われてしまいます。また、人々に恐怖と憎悪をもたらし、地球で活動しているエインヘリアルの定命化を遅らせることも考えられます。……よって、至急、レオラスの撃破をお願いします」
 牡丹は一度、ケルベロス達に頭を下げた。
「敵が使用する武器は、ゾディアックソード2本です。攻撃方法は、ゾディアックブレイク、ゾディアックミラージュ、星天十字撃。ヒールグラビティは用意していないようです」
 牡丹は続ける。
「現場は、都市部にある予約制の公共スポーツ施設です。その中の剣道場に、レオラスが壁を破壊して突っ込んできます。皆さんが介入できるのは、レオラスが突入してきた直後からです。場には、剣道の試合をしている高校生、審判役の大人、見学者などが数多くいます。なんとか、彼らに危害が及ばないように工夫をしていただければ……」
「……方法を、考える必要があるってことだな」
 牡丹の言葉を聞いた旭矢は、再び頷いて、呟く。
「ええ。なお、レオラスは不利な状況になっても、撤退することはありません」
 牡丹は告げる。レオラスは自らの死の時まで、戦いをやめることはないと。
「重罪を犯していたエインヘリアル相手の……手加減は一切無用、生きるか死ぬかの腕試し、か」
 言って、旭矢は再び口をへの字に結ぶ。
「はい。皆さんが必ず無事に帰ってきてくださると、私は信じています」
 牡丹は祈るように手を組み、そう締めくくった。


参加者
リーフ・グランバニア(サザンクロスドラグーン・e00610)
光宗・睦(上から読んでも下から読んでも・e02124)
武田・克己(雷凰・e02613)
此野町・要(サキュバスの降魔拳士・e02767)
据灸庵・赤煙(ドラゴニアンのウィッチドクター・e04357)
草間・影士(焔拳・e05971)
スヴァリン・ハーミット(隠者は盾となりて・e16394)
劉・沙門(激情の拳・e29501)

■リプレイ

●避難と挑発の同時進行
 ここは、事件現場になることが予知されている公共スポーツ施設の中。ケルベロス達は、剣道場の正面入り口、扉の前で待機していた。扉の向こうからは、一般人達が竹刀を打ち合わせる音や、掛け声が響いている。
「弱い一般人を一方的に殺戮するとか、それもう勝負でもなんでもなくない!?」
 光宗・睦(上から読んでも下から読んでも・e02124)は、ぷんぷん怒ったような様子で言う。それに対し、リーフ・グランバニア(サザンクロスドラグーン・e00610)が頷いた。
「鍛錬と血闘、勝負と虐殺の区別すら無い蒙昧……斯様な輩に星剣は無用!」
 言うリーフの横、此野町・要(サキュバスの降魔拳士・e02767)は何か考えている。
(「前よりは少し、落ち着いたかな……」)
「要さん? どーしたの?」
 睦が要の顔を覗き込む。
「あっ、ううん、なんでもないよ。頑張ろうね!」
 要が言ったその時、どがん、という轟音と共に建物が揺れた。剣道場の壁が破壊されたのだろう、とケルベロス達は悟る。
「おっしゃ戦いだぁーっ!! このレオラス様と勝負しろぉーっ!!」
 中から叫び声が聞こえたのを確認し、2秒間だけ待ってから、リーフは扉を開けた。
「たのもー!」
 良く通るその声が室内に響き渡り、一般人達の視線が集まる。
「あーん? なんだなんだ?」
 レオラスの注意もまた、ケルベロス達に向いた。リーフと目が合う。
「ん? 取り分け乱暴そうなのがいるな? 虐げるしか能のない弱者が……!」
 リーフは挑発の言葉を口にした。
「はあ!? 弱者だと!? このレオラス様が弱いだとぉ!?」
 それを聞き、頭に血が上った様子のレオラスは、一般人の動向に注意を払っている様子がない。この隙に、避難誘導を担当する3人のケルベロスが動いた。
「落ち着いて、速やかに、外のグラウンドに向かってね!」
 ラブフェロモンを発動した要が、ワイヤレスマイクを使って告げる。
「は……はい!」
 一般人達から、熱を帯びた様子の返事が返った。
「こっちだ。落ち着いて避難を」
 草間・影士(焔拳・e05971)が、避難を始めた一般人達を誘導していく。事前に避難経路を確認しているため、その指示はとても的確だ。
「ああ!? おい、逃げんなよ! 勝負しろって!!」
 事態に気づいたレオラスの前には、既に5人のケルベロスと2体のサーヴァントが立ち塞がっている。
「おい、俺が相手してやる。そんな連中とやるよりよっぽど楽しめるぞ」
「お前の挑戦受けて立とう! 逃げる者より、退かぬ我々と戦う方が良いだろう?」
 武田・克己(雷凰・e02613)と、劉・沙門(激情の拳・e29501)が言い放った。あたかも一般人を下に見るような言動だが、これはレオラスの同調を誘い、一般人達に危害が及ばないようにするためである。
「んん? なんだ、お前らが勝負してくれんのか? 確かに、潰し甲斐がある方がいいが……」
「うん! 受けて立つよ!」
 睦が元気良く頷いた。
 影士や要の指示に従ってほとんどの者が避難していく中、恐怖に身がすくんで動けない様子の一般人もいるのを確認し、据灸庵・赤煙(ドラゴニアンのウィッチドクター・e04357)が行動を起こした。
「逃げるために脅威に背を向けることは、恐ろしいことでしょう。しかし、安心してください。ケルベロスが必ず貴方達を守ります」
 柔らかく、それでいて明瞭な声音で言い切った赤煙の武装が、最終決戦モードに変形していく。肩や襟に、十字のマークが描かれた物々しい装甲がついた、白衣のような武装である。
「……分かった、信じてる!」
 その姿に勇気を与えられた一般人は、恐慌状態を脱し、避難誘導に従って動き出した。
 一方、スヴァリン・ハーミット(隠者は盾となりて・e16394)は、紳士的な物言いを心がけ、レオラスに言う。
「戦いを求めているんだろう? それなら俺達と真剣勝負しようじゃないか、まさか……逃げるつもりはないよね?」
「当たり前だ!! それなら勝負しろ!」
「応! 受けて立とう! さぁ、かかって来るがいい!」
 リーフが堂々として応じる。こうして、2本のゾディアックソードを抜き放ったレオラスを、5人のケルベロスと2体のサーヴァントが迎え撃った。

●腕試し開始
「はぁっ!!」
 レオラスが右手に持ったゾディアックソードを振るう。そこから放たれた獅子のオーラが、前衛に立った者達を襲った。
「護ることは、盾になることだけじゃない」
 スヴァリンはその様子を橙色の瞳に映す。彼の左目の周りには、ターゲットサイトの模様。
「みんなを癒すことも、その一つさ!」
 言ったスヴァリンは、前衛へとヒールドローンの群れを展開する。
 彼の隣に並び立つ、羊のような白いもこもこの毛と両肩についた小型の盾が特徴のボクスドラゴン、『イージス』もまた、己の属性を睦にインストールすることで傷を治す。
「たまんねぇな。強い奴と斬り結ぶのは。楽しくて仕方ねぇよ!!」
 傷を負いながらも、克己は獰猛に笑う。
「踏み込みの速さなら負けん!!」
 だん、と床を踏み締め、空の霊力を帯びた『直刀・覇龍』を、克己は袈裟がけに振り下ろした。レオラスの体から血飛沫が飛ぶ。リーフが、流星の煌めきを宿した飛び蹴りでそれに続いた。
(「避難が終わるまでは、なんとか耐えなくちゃねっ!」)
 睦はかちりとスイッチを押し、カラフルな爆発を発生させる。ブレイブマインによる、前衛の味方へのヒールである。
「大剣を闇雲に振り回すだけでは勝てぬぞ」
 レオラスに言ったのは沙門である。
「何ぃ?」
 レオラスが顔をしかめる。
「風のように素早く、水のようにしなやかにかわし、雷のように一発に力を込めた一撃を正確に当てる!」
 言い放った沙門は、床を蹴り高く跳躍して接近し、電光石火の勢いでレオラスの左胸を強く蹴った。
「どうだ? これが長年練武を重ねた成果よ!」
「何を、まだまだぁ! このレオラス様の方が、強い!」
 叫んだレオラスに、沙門のミミック『オウギ』が、がぶりと噛みついた。
 しかし、まだ、レオラスの負傷は浅いように見える。
「獅子座と牡牛座の力、受けてみろ! 星天十字撃!!」
 レオラスによる、超重力の十字斬りがリーフへと叩き込まれようとする。
「危なーいっ!」
 睦が割り込み、その一撃を体で受けきった。
「すまない、無事か!?」
「なんとか、へーきっ!」
 リーフに答える睦。だが、彼女の身に刻まれた十字の傷は軽いものではない。
「ははは、どうだ! これがレオラス様の力だ!! 一人残らず蹴散らしてやる!」
 レオラスは、自分の勝利を疑っていない様子であった。

●揃ったケルベロス達
 戦闘開始から数えて、3分ほど経過した頃。
 ケルベロス側は、次第に消耗しつつあった。
「そぉらっ、とどめだ!」
 痛めつけられたオウギに、レオラスが振り下ろした刃が迫る。
「おっと残念、そこでストップです」
 間に飛び込みそれを受け止めたのは、赤煙だ。影士と要も場に戻ってきている。避難誘導が終わり、合流したのだ。
「良かった、これできっとなんとかなるね」
 安堵した様子で言いながら、スヴァリンはリーフをマインドシールドで癒す。
 克己の斬撃をかわしたレオラスを、赤煙の降魔の一撃が襲った。
「ただ殺戮するだけのやつに、勝負だ、剣だと。語る資格はない」
 言った影士は惨殺ナイフを構え、ジグザグに変形させ、振るう。
「それに、こちらの、命を守る勝負は負けるわけにはいかないからな」
 影士によって振るわれた刃はレオラスの身体をめちゃくちゃに斬り刻み、状態異常を拡大させた。
「生意気な奴め!」
 ぎろりと影士を睨んだレオラスへ向かって、リーフが竜の翼を広げて飛ぶ。
「真の十字星は! こう打つのだ!」
 2本のゾディアックソードを構え、二つの星座の重力をそれらに同時に宿して、天地を揺るがす超重力の十字斬りをリーフは放つ。すなわち、星天十字撃。リーフの手に確かな手応えが残り、レオラスの胸には深く十字が刻まれた。
「虹のステップ飛び越えたら、きらめく魔法キミにあげる――♪」
 睦が明るい声で歌う。その歌声から生まれたのは、キュートでポップな虹色ハートの音符。ぽよんと跳ねるそれを踏み台に、睦は跳んで、ニーキックをレオラスの側頭部に叩き込んだ。睦の技、『キラリ☆虹色マジック』だ。
「おい待て、今のは魔法か!? 魔法なのか!? 蹴りだろ!?」
 思わずレオラスが口に出す。パーマのかかったツーサイドアップの赤茶髪を揺らして、すたっと着地した睦は、にぱっと笑ってみせた。
「なんだか楽しそうだね……僕も行くよっ!」
 要は高々と跳躍。重力を乗せて、煌く星の軌跡を残す踵落としをレオラスに叩き込んだ。
「相手との間合いを見計らい、冷静に戦えば素手でも剣と渡り合えるのだ!」
 言い放った沙門は、炎を纏った蹴りを放つ。
「ふざけた真似を……!! このレオラス様を馬鹿にするとどうなるか、思い知れ!」
 レオラスの怒りは高まり始めているようだ。それは彼に余裕がなくなってきていることの表れでもあったのだろう。

●勝敗の行方
 けれど、余裕がなくなりつつあったのはレオラスだけではない。ケルベロス側も、である。
 多めに人手を割いての、的確な避難誘導により、この場にいた一般人達、その全員の命を守ることができた。だが、それは、残りの少ないメンバーでレオラスの猛攻をしのぐということでもあった。よって、避難の間、囮になっていたメンバーのうち、前衛の損耗は、かなり激しかった。
 もちろん、そのリスクを呑んだ上での作戦であったのだろう。
 しかし、続く戦いの中で、やがて、ヒールしきれなかった負傷により、限界を迎えた者がいた。
「今度こそとどめだぁっ!」
 ばきっ、という音とともに、レオラスのゾディアックソードに断ち割られたのは、オウギ。沙門の前で、オウギはゆっくりと消滅していく。わずかな間の別れである。
「……ごめんね」
 護り切れなかった、と悔しそうにスヴァリンは呟き、残った仲間のヒールにあたる。
「タダで殴られたりは、しないからね」
 傷を負った要は、ぐいと口元の血を拳で拭う。彼女は魂を食らう気をタロットカードに込め、自身とレオラスとの接触点に重ね合わせた。
「……開放っ!」
 『欄外ノ壱「近衛魂札切り」』。誰に伝えても仕方がないが、自分が扱うには便利なものと定義づけられた、『欄外』の技。タロットから開放された『気』が、レオラスの魂を食らった。
 要に続く形で、ケルベロス達は攻撃を重ねていく。
「この!!」
 レオラスが放った星座のオーラから、赤煙がリーフを、睦が克己を庇う。氷がその身を蝕んだのを見て、スヴァリンが動いた。
「各ドローン同期完了、モード:リペア、アクティブ。自陣の損傷、障害を速やかにクリアせよ……回復いっちゃうよー?」
 『【回復兵器】治癒光照射(リペアモード)』。回復機能を備えたドローンが前衛の仲間達の頭上に展開され、淡い色の光を照射して癒した。同時に、スヴァリンは紅茶のアロマを漂わせた。紳士として、仲間の期待に応えるためである。
 これによって和んだからというわけではないだろうが、戦況は良い方向に転がり始めた。
「要さん、一緒に行こ!」
「うん! レオラス……悪いけど、この力に筋力は関係ないッ!」
 睦と要が、連携して畳みかけるように、降魔真拳を打ち込む。
「八方天拳、六の奥義! 毘沙門天!」
 沙門がラリアットのような技でレオラスを空中に吹っ飛ばし、それからレオラスよりさらに上へと跳躍。踵落としを思い切り打ち込んだ。これが、八方天拳の中で最もダイナミックな技、『毘沙門天』である。
「お前ら……お前ら……勝つのはこのレオラス様だっつってんだろおおぉっ!!」
 再びレオラスが星天十字撃の構えをとった。狙いは要だ。
「……見えたっ!」
 要は跳躍し、指一本でレオラスの額を突いた。
「……!!」
 レオラスの動きが止まる。要が、グラビティの相殺に成功したのだ。
 スヴァリンとイージスが仲間のヒールを続ける中、克己が宙に飛び上がった。
「この一太刀で、神すら斬ってみせる!!」
 龍玉と己の闘気、落下速度によって威力を増した、必殺の一太刀、『神斬』。頭部にそれを受けたレオラスは、だが、まだ倒れない。
「なかなかしぶといですね」
 赤煙は呟き、旋刃脚を放つ。条件を満たしていないため、『破軍葬送餅』は使っていない。
 影士は、床に置かれている竹刀の一本を拾い上げた。
「その鈍い剣より、この竹刀の方がよっぽど重い。お前には分からないだろうがな」
 周囲の大気から炎が発生し、影士が手にした竹刀へと集まり、紅の魔剣を形作っていく。
「その重さに耐える覚悟は出来てるのか?」
 言った影士は高速移動でレオラスに近づき、まず拳で殴り飛ばす。駆けて追い、炎を宿した竹刀を上から叩きつけた。『紅牙剣(ヴォルカニックソウル)』の一撃を受けたレオラスが、片膝をつく。
「嘘だろ、こんなチビどもにこのレオラス様が……」
「勇士ならぬ罪人! ならば断罪をくれてやろう!」
 リーフの手に、宝具『南十字の聖なる騎士槍』が現れた。
「星を貪る天魔共! グランバニアの勇者を恐れよ! 聖なる南十字を畏れよ!!」
 考えられない空間多角移動を経て、リーフはレオラスの頭上へ。
「……流れ去れ!」
 光速でのその突撃は、断罪の一撃。『南十字煌星槍(サザンクロス・ホーリーランス)』。
「ぐ、うああぁぁ!!」
 リーフによる断罪を受け、レオラスの身体は光子となって十字に散った。

●かくして勝者は
「風雅流千年。神名雷鳳。この名を継いだ者に、敗北は許されていないんだよ」
 克己は直刀を納め、言う。
「楽しかったぜ」
 それから克己は、にやりと笑った。
「さて、壁をヒールしておきましょうか」
「そうだねっ! 赤煙先生」
 赤煙と睦が建物のヒールへと向かう。
「それなら、手伝うよ。俺は紳士だからね」
 スヴァリンが壁の穴へ向かって【回復兵器】を飛ばす。再び、紅茶の香りがした。
「俺は、避難した人達に、無事敵を倒したと伝えてくるとしよう」
「あっ、僕もそうするね!」
 外へ向かう影士に、要がついて行く。
 リーフは、レオラスが使っていた剣の残骸を拾い上げた。打ち直せば使えそうだ。
「貴様の墓標にはしてやらぬ」
「持って行くのだな?」
 問いを発した沙門に、リーフは深く頷く。
「この星、もらって行くぞ」
 獅子座の力を宿したその剣が、リーフの手元で、きらりと煌いた。

作者:地斬理々亜 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年4月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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