その日マンガ家を目指す少年は驚くべき声を聞いた

作者:ほむらもやし

●事件は明け方
 殺伐とした岩山のような場所で、めがねを掛けた少年と少年少女たちのグループが向かい合っている。
「おまえのマンガが一番面白いよ!」
「マンガは最高にクールだぜ!」
「本当? すごくうれしいよ。みんな、ありがとう!!」
 めがねを掛けた少年が驚きに目を丸くして、安堵の笑みを零しながら前を向き直した瞬間、少年少女たちは合体を始めて、小屋ほどの大きさの超巨大、液晶画面付き据え置き型ゲーム機に変身した。
「うっそだよ〜ん! おまえのマンガなんていらねーよ。そんなことより、いつでもどこでも誰とでもゲームしようぜ! ぎゃーはははははは!!」
 超巨大ゲーム機から生えたコントローラー型の足が踏み下ろされると、少年の足下の地面が崩れて、真っ暗な闇が現れる。
「ああっ落ちるぅぅ! うああああーー!! はっ?!」
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『驚き』はとても新鮮で楽しかったわ」
「いやあそれほどでも、ところで…ひでぶっ!」
 応じかけた瞬間、めがねの少年の胸は大きな鍵に貫かれた。
 貫かれはしたが、鍵を引き抜かれても、血が吹き出るわけでも、傷はつくわけでも無かった。
 ただ、完成目前の原稿の上に倒れ伏す。消えた声の主の代わりに現れたのは、超巨大液晶画面付き据え置き型ゲーム機のドリームイーターであった。
●依頼
「夢って意味が広くて、とらえどころの無い言葉だよね。でも夢無しに生きて行くことは、考えられない。僕はそう思うけど、皆はどうかな?」
 夢の『驚き』を奪った、第三の魔女・ケリュネイアによってドリームイーターが出現する。
 ケンジ・サルヴァトーレ(シャドウエルフのヘリオライダー・en0076)は告げると、被害者を助け、新たな被害を未然に防ぐために、あなた方に事件への対応を依頼する。
「ドリームイーターの外見は超巨大な液晶画面付きの据え置き型ゲーム機の姿をしている。夜が明けたばかりの住宅地の路地を歩き、人々驚かせて、グラビティ・チェインを奪おうとしている。驚かない者には襲いかかるようだ」
 本体の中央部に液晶の画面があり、左右にコントローラー型の手足がついている。攻撃は分離するコントローラー型の手足による打撃、大きな液晶画面に標的となった者のトラウマになりそうな恥ずかしいあれやこれやを映し出す。足下の地面を崩して暗い闇におとしいれる。と言った感じだと、ケンジは戦闘について告げた。
「夜が明けたばかりだから、人通りは少ない。とりあえず思い当たるのは、新聞配達の方やお豆腐屋さん、遠くの会社に出勤しようとするサラリーマンぐらいかな。他にもいるかもしれないけれど、そんな感じだから、人払いは最小限でいいと思う」
 夢の驚きを奪われてしまった少年は、生み出されたドリームイーターを倒さないと眠りについたままだ。
 少年の目を覚まさせて、あと描きかけの原稿を仕上げてもらうためにも、早くドリームイーターを倒さなければならない。
「夢の中にまで読者が現れるなんて、まだ少年なのに、マンガ家を目指って大変だよね。でも夢の中の読者さんにではなくて、現実の読者に作品を読んでもらえるように、皆の力を貸して欲しい」
 なお、被害者の少年は、今回生み出されたドリームイーターが倒されるまで、自宅の子ども部屋で机に伏したまま眠っている。このドリームイーターを倒すまで意識を失ったままになるから、それは忘れないで欲しい。
 ケンジはそう話を締めくくり、耳を傾けてくれたケルベロスたちの顔をみつめる。
 そして、よろしくお願いします。と、信頼をこめて頭を下げた。


参加者
ティオ・ウエインシュート(静かに暮らしたい村娘・e03129)
ルルド・コルホル(揺曳・e20511)
トープ・ナイトウォーカー(影操る戦乙女・e24652)
プラン・クラリス(愛玩の紫水晶・e28432)
リィナ・アイリス(もふもふになりたいもふもふ・e28939)
妹口・琉華(お兄ちゃん属性の男の娘・e32808)
伽藍堂・いなせ(従騎士・e35000)
カルマ・プレンダーガスト(ヴァルキュリアの鹵獲術士・e35587)

■リプレイ

●さわやかな朝
 凜とした空気に澄んだ陽光、目覚めたばかりの爽やかな風景。
「気持ちのいい朝に申し訳ありません。大人しくここから避難してください!!」
 ティオ・ウエインシュート(静かに暮らしたい村娘・e03129)は、路地で鉢合わせた新聞配達の少年に向かって気を放った。理由も尋ねずに引き返して行く少年、そこに上空から現場付近を俯瞰していた、伽藍堂・いなせ(従騎士・e35000)、妹口・琉華(お兄ちゃん属性の男の娘・e32808)、トープ・ナイトウォーカー(影操る戦乙女・e24652)らの声が響く。
「見つけたぞ、2つ先の路地を西に向かっている」
 少年の家から飛び出て来たドリームイーターは青とオレンジの派手な手足だから、遠目にもすぐ分かったと知らされて、一行の間に緊張が走る。
 現時点で、少年の家に面した路地を道なりに歩いているだけだ。
「それじゃあ、ボクは道の東側に」
 ドリームイータの進行方向に向かういなせの背中に琉華は告げる、一本道の西と東にキープアウトテープを張れば、民家から住民が出てくる以外の人の流れは遮断できる。戦いが始まれば家から出てくる者も居ないだろうから、人払いとしては充分だろう。
 手慣れた様子で動く仲間たちを、カルマ・プレンダーガスト(ヴァルキュリアの鹵獲術士・e35587)頼もしく見つめながらも、被害者の少年に思いを馳せて気合いを入れる。
(「少年も漫画には並々ならない想いが有るんだろうな。その気持ちは大事にしたいよな」)
「少年は原稿を描いている最中に寝落ちでもしてしまったのだろうかな。得てして、そういう時は妙な夢を見るものだ」
「そんなところですか。にしても、早朝からはた迷惑なドリームイーターです。楽しみにしてる朝番組までに終わらせます!」
 敵発見の報と同時に駆け出すティオ。今は午前5時を少し回ったばかりだから、頑張って討伐すれば、7時頃から始まる番組には間に合うはず。
 その脇で、ルルド・コルホル(揺曳・e20511)も、駆け出す。夢の驚きも、創作の力になるだろう。さて、未来の大物作家を助けてやるかと。
 ゲームも楽しいけど漫画も楽しいよね、奪われた驚きを必ず取り返してみせるよ。プラン・クラリス(愛玩の紫水晶・e28432)は用意してきたマンガの本を手にして駆け出す。
 マンガを持っていれば敵が反応を示すかも知れないという意図だったが――リィナ・アイリス(もふもふになりたいもふもふ・e28939)の方が先に興味を示した。
「……マンガ、面白いの……。私は、恋愛系で、ちょっとえっちぃのが、好きなの……」
 これはそういう内容じゃ無いから。と首を横に振るプランに、なあんだ違うのと、リィナは残念そうに肩を竦めて、琉華の方に顔を向ける。
「……少女漫画はね、普段、あり得ないことが、あるから……すごい、ドキドキするの……」
「へえ、そうなんだ。だから女の子は恋愛漫画好きだよね」
「……その通りよ、例えば……、こことか」
「確かに、借りた本の貸し出しカード全部に、同じ名前が書き込まれているのかぁ。普通気づかないし、ありえないことだよね」
 しかし、現実に起こりそうもないことがきっかけになって、美しい物語が始まり、反発し合っていた気持ちはやがて惹かれ合う感情へと変化して行く。琉華はリィナに同意を示しつつ、近づいて来るドリームイーターの気配には気づかないふりをして話を続ける。
 アウトー!!
 爆ぜるような轟音と共に、意味不明のポーズを取り、必要以上の力強さで拳を振り下げる。
「Σあぅぅ……怖いの……りゅー、助けてぇ……」
 それはまるで本塁憤死を告げる、アンパイアの無慈悲なアクションの如き。甘酸っぱい青春のひとコマを理不尽に砕かれた二人はわざとらしいほど盛大に驚いて見せた。
 ワンツゥーフィニッシュ!
 人を驚かせることに喜びを感じるというのが、このドリームイーターの性なのかもしれない。
 スイッチが切り替わるような音を立てると、今度は陽気なアメリカのおじさんような声色で手を叩きながら、踊り出す。意外に感じつつ、その動きを目で追い始めた瞬間、豹変する。
 おまえはクビだー!!
「ひゃぁーーーーー!! 大統領ーーー!! 皆さんに迷惑をかけないよう、が、頑張りますから、くびだけはご勘弁を!!」
 泣き出しそうな演技、震える小さな声で驚いて見せるティオの様子にドリーイーターはさらに調子づく。
「ひょええ! ビックリさせるの上手いなぁお前!」
 続けて、カルマと、いなせが精一杯の演技でわざとらしく驚き、どことなく艶っぽい声でプランが感想を告げる。
「何、これ。すごく……大きいです……」
 すると、大口径のピストルを放つような音が轟いて、プランは本当にびっくりしてしまう。
 まだまだおさまりがつかないといった様子で、ドリームイーターの意識は、未だ驚きの感情を見せていない、トープとルルドへと向けられる。
「貴殿は……新種のテレビウムか!?」
 演じるのは得意では無いが、精一杯の表情とポーズを作って、トープは大声を上げる。
 ルルドはそんなトープに無言で頷いて、攻撃は引き受けると、目線で知らせた。

●戦い
「なぬうー、そちだけは、おどかないというか……、ならば、そのむくい、うけるが、よいわ」
 わざとらしいほどに穏やかに声色を変え、だが、静かな殺意に満ちたメッセージを告げる、それと同時にドリームイーターの本体画面にルルドのあられも無い姿が表示されて、戦いの幕が開く。
 同じタイミングでカルマはアタッシュケースから取り出した折りたたみ式のバスターライフルを組み立て中だった。故に貴重なサービスシーンを見逃すことになる。
「げッ?!」
 ドリームイーターのくねくねと胸を隠すような怪しげな踊りと共に、画面に流されるのは着替えシーン。ねつ造なのか事実に基づいているのかは分からないが、ブラジャーのホックを掛けるのに悪戦苦闘をする姿は一生懸命であるが故に笑いを誘う。やめろよ! 叫びと共に繰り出された一撃を躱し、宙に跳び上がるドリームイーター。
 跳び上がってなお、続く着替えシーン。長いスカートの、クラシカルな英国風メイド服のボタンを締め、髪をポニーテールにしてブリムをつけ……、筋骨隆々としたメイドに変身して行く様は、今が戦いの時で無ければ、大爆笑の渦に陥れていたかもしれない。
「おい、やめろよ。なぁ、やめろって! 消せっつってんだこのポンコツが!!」
 心底恥ずかしいイメージの大公開。一部の仲間たちの笑いをこらえているような気配、公開処刑とも言える仕打ちに、ルルドのライフは、まさに今、尽き掛けようとしていた。
「なかなかコミカルな描写だな。このあたり、流石漫画家志望の発想力といったところか」
 とりあえず、感想はそこそこに、トープは踵を踏み込んで、空高く、浮遊するドリームイーターの上方に跳び上がると流星の如き煌めきと共に蹴りを繰り出す。次の瞬間、モザイクの掛かった背中に蹴りの一撃を食らったドリームイーターは盛大に地面に叩き付けられる。
「夢も現も同じだよ、貴方に悪夢をあげる」
 プランの放つ夢と、ドリームイーターが描く夢がぶつかり合う、燃えて消えて、浮かんでは朽ちるイメージの果て、死のイメージに囚われたドリームイーターの手足は急速に鮮やかさを失って行く。
「あなたが好きなゲームは何ですか? パズル? RPG? でもこれは格ゲーですよ。それも1対多数のムリゲーです」
 長い台詞と共にティオは腕に着けた粉砕機を起動する。それは本来は岩盤事故や単身発掘を行うための平和的工具であったが、鎧装騎兵研究所の魔改造により恐怖の破壊兵器と成り果てていた。
「起動! クロノスハート! 粉砕レベル金剛石! 砕け散ってください!」
 叫びと同時、唸りを上げる粉砕機の生み出す超高圧爆発が叩き込まれる。轟音と共に閃光が爆ぜてドリームイーターの外装は盛大にぶっ壊れる。
「漢の娘のメイドさん……、ぜんぜん……恥ずかしくなんて、ないよ……」
 一方、トラウマに深く傷つけられたルルドに優しい笑顔を向けるのはリィナ。莫大な癒力を秘めた分身が膝を着くルルドに寄り添ってその心に穏やかな安らぎをもたらす。そうだ、あれは罰ゲームで仕方なくやっただけだ。別に女装が趣味になったわけでもなければ、変な性癖を仕込まれたわけでもないんだ。
「大変だったな。いい歳の男がメイドの格好をするなんてよっぽどのことだろ」
 慰めの言葉と共に放たれた、いなせのヒールドローン、続くウイングキャットのビタの放つ清らかな羽ばたきの力が心の安定を取り戻しつつあった、ルルドへ癒しを重ね、さらにはドリームイーターと退治する前列の仲間たちにも援護を与える。
「よくも、オレの心を弄んでくれたな」
 ある程度想定はしていたのだが、どこまでも広がって行きかねないドリームイーターの想像力が脅威であったことに今更気づいてルルドは額に汗を滲ませた。だが、そのイメージを流布する画面はひび割れているから、このまま倒してしまえば嫌なイメージを見せられることは無いはず。刹那の思考と同時、嗾けたブラックスライムは狼の如きに牙を剥きドリームイーターに食らいつき、その漆黒の牙を体内に食い込ませる。
「よーし、いい子だ、そのまま離すんじゃねぇぞ」
 続けて、グラックと名付けたオルトロスが、瘴気を解き放つ。地獄に漂うが如きそれは、たちまちドリームイーターの傷口から染み入って、猛烈な毒素で身体を蝕んで行く。
 ケルベロスたちの攻撃は苛烈でもはや負ける気がしなかったが、勝利を完璧なものとするために、琉華が繰り出した一手は、ライトニングウォール。展開された雷の障壁は力強く、もはや漢のメイドのイメージに苦しめられることなど無いように見えた。
「おっと、こいつは結構痛いぞー」
 カルマが引き金を引くと同時、長銃身のバスターライフルの銃口から放たれた一筋の凍結光線が空気を貫いて進み、青白い軌跡を描いてドリームイーターに命中する。次の瞬間、凍気に冒されたドリームイーターの全身は白い霜に覆われて、続けて空気中の水分を集めるようにして氷の結晶が広がって行く。
「踏んであげる、ご褒美だよね」
 黒光りする、革のブーツで蹴りつけるプランの攻撃、そういうのが好きな者ならば、跪いてブーツを舐めながらもっと蹴って下さいと懇願するところだが、このドリームイータはー流星の煌めきと重力に打たれた傷口から、モザイクを散らしながら耐えて、反撃の機会を伺っていた。
 しょうぶはこれからだからな!
 傷だらけの手足からモザイクを零しながら地面に打ち付けると同時、プランの足下が闇色に変わる。
 落ちる。そう錯覚して一瞬目を瞑るも、抗って穴の端に手を伸ばす。これはイメージなの。こちらが信じなければ何も起こらない。再び目を開くまでの刹那に判断して、伸ばした腕に意思を込めれば、落下する感覚は霧散した。
「足を止めたな? ――それは命取りだ」
 自信に満ちたトープの声が聞こえた。圧倒的な破壊力こそがクラッシャーの持つ最大の武器。
 その武器を振るうのは今しかない。
「――貴様はもう茨の庭園に足を踏み入れている」
 影から伸びた茨が、瞬く間にドリームイータの半身に絡みつく。殺れと命じるまでも無く、茨の棘はその巨体を刺し貫いて無数のモザイクを散らせる。
「だから、ムリゲーって教えてあげたでしょう」
 棘に貫かれるのに機を合わせて、ティオは高速回転しながらドリームイーターに突撃する。高速回転はカミソリのような渦を生み出して、ドリームイーターの身体の上に無数のモザイクを花開かせる。
「……かわいそう、でも、倒さないと、男の子、助けられないの……」
 ためらいがちに呟くも、リィナの突き出した腕先から放たれた極寒の螺旋が、拘束され、全身の傷からモザイクを散らし、倒される時を待つだけになったドリームイーターを凍結させる。
「ルルドくん、今だよ!」
「わかった」
 琉華が飛ばしたエレキブーストの電光に包まれたルルドが突き出した黒いククリの刃が鋸刃状に形を変える。
 琉華から貰った破壊の力と己の持つ全ての力を乗せて、ルルドは火花とモザイクを散らすドリームイータの巨大な画面に刃を突き立てて、そして画面に突き刺さったそれを、斜め下に斬り下げる。
 次の瞬間、画面の明かりが消えて、ドリームイーターは無数のモザイクの塊と化して、だんだんと小さくなって行く。ルルドがモザイクの中からククリを引き抜く頃には、塊は子どもの背丈ほどに小さくなっており、それも程なくして完全に消えて無くなり、戦いは終幕を迎えるのだった。

●戦い終わって
 ドリームイーターは消えて平和な日曜の朝が戻って来た。少年の暮らす家はすぐ近くで、少年の安否が気になって仕方が無い者は、ベランダの窓から被害者宅へお邪魔することにした。
「外傷はないみたいね」
 原稿の内容はもちろん気にはなったが、机にうつぶせになったままの少年の介抱が先と、まずはふとんへと運び、プランが膝を枕にして身体を横たえる。直後、少年は意識を取り戻す。
「あ、起きたみたいだね。大丈夫?」
 ぼんやりと上を見上げる少年の視界に飛び込んできたのは、手を握りしめて心配そうに見下ろすリィナの優しい笑顔と膝枕をするプランのふくよかな双丘。
「え、えええーっ?! これってもしかして、異世界から嫁入りして来たサキュバスのお姫さまと、えっちな同棲生活が始まるって展開?」
「そんなところかもね。じゃあさっそく気持ちいいことしてあげようか?」
「……だ、だめなの……、ウソ言ったら、実は……」
 大ざっぱに事件のあらましを告げるリィナに少年はそんなことがあったのか! と驚きをもって目を輝かせる。
「そんなことより早く原稿を仕上げたらどうだ。ただ、夢に向かって努力するのはいいことだが、根を詰めすぎないようにな」
 トープが諭すように告げると、少年は立ち上がって、姿勢を正してから「はい!」と元気に応えた。
 そんなタイミングで騒々しさに気がついた、少年の両親が呼ぶ声、そして階段を上ってくる音がする。
 両親に説明をしていたら、ややこしいことになり、原稿どころでは無くなるだろう。
 大きく開いたままのベランダの窓からトープは素早く飛び出して、
「じゃあ終わりです。後は原稿頑張ってくださいね。グッドラック!」
 プランとリィナの2人が、そう言い置いたティオの両手を掴んで空に飛び立つ。
 時間は間も無く6時をいったところ、日曜朝の番組にはヘリオンをぶっ飛ばして貰えば間に合うだろう。
 かくして人知れずドリームイーターを撃破したケルベロスたちは爽やかな心持ちで家路についた。

作者:ほむらもやし 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年4月26日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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