ミッション破壊作戦~乾坤一擲

作者:さわま


「勇敢なる戦士たちよ、よく来てれた」
 ケルベロスたちに笑顔を見せた山田・ゴロウ(ドワーフのヘリオライダー・en0072)の手前の机の上には8本の光る小剣――グラディウスが置かれていた。
「察しの通りだ。ミッション破壊作戦の発動を提案したい」
 日本各地にあるデウスエクスの戦略拠点。それらはミッション地域と呼ばれている。
 ミッション地域の中枢には強襲型魔空回廊と呼ばれる魔空回廊があり、デウスエクスの本拠地であるゲートから常に兵力を供給できる仕組みになっている。
 ミッション地域の解放に強襲型魔空回廊の破壊は必要不可欠なのだ。
 そして、強襲型魔空回廊を破壊できる唯一の兵器。それこそがグラディウスである。
「これらのグラディウスにも十分なグラビティ・チェインが充填されたようだ。どのミッション地域に攻撃を仕掛けるかは貴殿らに一存したい。よろしく頼む!」

「作戦の概要だが、まず『ミッション地域中枢に高高度からの降下攻撃』を敢行する」
 通常の動き回る小さな目標に対して降下攻撃を仕掛ける事は不可能だ。しかし、巨大で移動する事のできない強襲型魔空回廊に対してならば話は別である。
「グラディウスは貴殿ら『ケルベロスに一本ずつ貸与』される。『グラディウスを強襲型魔空回廊周囲のバリアに接触させる』ことで、強襲型魔空回廊へダメージを与える事が出来る」
「『グラディウスによるダメージは使用者のグラビティの高まりに左右される』。強襲型魔空回廊は堅牢なつくりであるが、全員のグラビティが極限まで高まった状態ならば1回のアタックでの破壊も無いわけではない」
 ダメージは蓄積されるため、たとえ今回での破壊がかなわなくても無駄になる事は無い。最大で10回程度の降下作戦が行われれば確実に破壊できるだろう。
「『強襲型魔空回廊にダメージを与えた後は、迅速に現場から撤退』して頂きたい。グラディウスを使用した際に発生する電光や爆炎が助けとなるはずだ」
 周辺には護衛戦力も多数いるが、多くは電光と爆炎により一時的に無力化できる。
「しかしながら、全ての敵を無力化する事は難しい。『撤退の際に強力な敵との戦いは避けられない』と考えてほしい」
 素早く強力な敵を倒して、敵側が態勢を立て直す前に撤退する事が重要だ。時間がかかりすぎて多くの敵に囲まれてしまったら、降伏するか暴走して撤退するしか手が無くなる可能性もあるだろう。
「攻撃するミッション地域ごとに、現れる敵にも特色がある。戦いの参考にして欲しい」

「グラビティは貴殿らケルベロスの魂の高ぶり比例して高まるという話もある。みなさんの熱い魂がミッション地域の解放に繋がると……おら、信じているだよ!」


参加者
鉋原・ヒノト(駆炎陣・e00023)
英・陽彩(華雫・e00239)
一条・雄太(一条ノックダウン・e02180)
木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)
ロベリア・アゲラータム(向日葵畑の騎士・e02995)
巽・清士朗(町長・e22683)
津雲・しらべ(かおすにそまる・e35874)

■リプレイ


 山梨県南アルプス北東部。鳳凰三山へと向かう途上、上空から望む山々の峰にはまだ白い雪があった。その風景をレッドレーク・レッドレッド(赤熊手・e04650)は以前とは違った心持ちで眺めていた。
「ずっとこの機会を待ちわびていたんだ! 今日こそ絶対に破壊してやろうぜっ!」
 力強い声に振り返ると、鉋原・ヒノト(駆炎陣・e00023)の輝くオレンジの瞳が飛び込んできた。2ヶ月前の雪辱に燃える少年の頬はうっすらと紅潮し、その想いの深さをにじませていた。
「ええ、これ以上……哀しい涙を見たくありませんので」
 傍らにはロベリア・アゲラータム(向日葵畑の騎士・e02995)の姿もあった。静かに決戦の時を待つ女騎士の目にも決意をうかがわせる強い光が秘められていた。
「にしても、問答無用で眠らせちまうなんて手前勝手な教義だな」
 まったくビルシャナってヤツらは、とばかりに木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)が肩をすくめた。
 ウタのいった『手前勝手』という言葉に、言い得て妙だとレッドレークは思った。鳳凰三山に巣食う不寝番(ヴィジランス)共を指し示すのにこれ程的確な言葉もあるまい。
「もとより彼奴等の方が地力は上、さらに本陣への攻撃となれば地の利もあちらにある」
 巽・清士朗(町長・e22683)の冷静な分析に一条・雄太(一条ノックダウン・e02180)が神妙な面持ちを見せる。
「俺は戦闘のプロじゃない普通の大学生なんで……デウスエクスなんて化物たちとやり合って、今まで良く生き残ってこれたもんだと思う事はあるよ」
 幾度となくデウスエクスとの戦いを経験してきた雄太であるが、その中で死を覚悟した事も一度や二度では済まない。雄太の中でデウスエクスの強大さは、経験を積んだ事でますます大きくなっていた。
 そんな2人の会話に、津雲・しらべ(かおすにそまる・e35874)が表情を硬くした。しらべは今回が初依頼である。ケルベロスとして新たな第一歩を歩み出す事を決意した彼女の心には今まで感じた事の無い想いが去来していた。
「でもどんなに困難な道でも立ち止まるなんて選択肢はイヤよね。私たちの踏み出す一歩の後ろには、必ず続く仲間がいるはずよ」
 英・陽彩(華雫・e00239)が笑顔でいうと、清士朗と雄太がそれに頷く。
「然り」
「『俺』だけでやれることなんてたかが知れているけどさ、『俺達8人』でなら奴らにひと泡吹かせる事はできるよな」
「……私も、みんなの……ために……」
 彼らの言葉に、普段口数の多く無いはずのしらべも自然と胸の内を口にしていた。
 そんな仲間たちの様子をじっと見ていたレッドレークに、ウタが手を差し出す。
「いつまでも好きにさせてちゃケルベロスの沽券にかかわるってモンだ、やってやろうぜ」
 レッドレークがウタの手を強く握り返す。
「ああ、今度こそ引導を渡そう……我々の手で!」
 『俺様』ではない『我々』。自然と口から出たその言葉をレッドレークはもう一度心の中で反芻して大きく頷いた。


 降下するケルベロスたちの眼下には巨大なドーム状の魔空回廊があった。
「我、民を守る盾となり、汝らの敵を討つ矛となり、力なき人々の守護者たらん!」
 ロベリアが背中の翼を力強くはためかせ、魔空回廊へと先陣を切る。
「この地上に、貴様らデウスエクスにくれてやる場所など欠片もない……失せろ!」
「いくわよ!」
 次いで清士朗、そして陽彩が続いていく。
(「力を貸してくれ。アカ、それに……父さん、母さん!」)
 ヒノトが手のグラディウスをギュッと握りしめる。少年の想いに応えるように、頭にしがみついた父の形見でもあるファミリアロッドの『アカ』が小さな鳴き声を上げた。
「敵もこちらに気づいたかッ?」
 雄太の目にアタックに気付き呆然とこちらを見上げる不寝番たちの姿が映りこんだ。
「ああ、お前たちは俺より何倍も強いんだろうさ。だけど『俺達』は負けない!」
 雄太はキッと眉を吊り上げると、魔空回廊へとグラディウスの切っ先を向けた。
 強い緊張からか、しらべの脳裏に過去の光景が浮かぶ。大切なものを奪われ泣く事しか出来なかったあの時の記憶に、彼女の心は凍りついた。
「……先生、勇気を……貸して」
 しらべの体格には少し大きめなローブの胸元を、震える手でぎゅっと握りしめる。
「私は……絶対に……大切なものを………手離さない……って、決めたの!」
 目を閉じ、再び開いたしらべの顔に怖れの色はもう無かった。
「俺たちの牙は、地球に息吹く命を守り、未来を築くため!」
 ウタの声が空に響き渡る。
「未来を! 可能性を! てめぇらに消させやしないぜッ!!」
 その雄叫びに応えるように8本のグラディウスが同時に光を放ち、8人のケルベロスは流星の如く魔空回廊へと肉薄する。
「真に平穏な夜を、この地に取り戻す!」
 レッドレークが眩い光を放つグラディウスを眼前の魔空回廊へと突き入れる。
「いくぞ――」
「燃え上がれ――」
「想いよ届いて――」
「……応えて――」
「力を貸せ――」
「ぶっ潰せ――」
「穿て――」
「撃滅しろ――」
「「「グラディウス!!!!!!!!」」」
 8人の魂の叫びが爆炎と雷光の中に消えていった。


 地面へと着地したヒノトがゴクリと息を飲む。ヒノトの視線の先には爆炎と雷光に包まれた魔空回廊があった。
 やがて炎が収まり視界に飛び込んできた光景にヒノトは思わずガッツポーズを見せた。
「よしっ! 破壊成功だ」
 先ほどまで威容を誇っていた魔空回廊のドームは消え失せていた。鳳凰三山の魔空回廊はケルベロスたちの3度に渡るアタックにより、ついに破壊されたのだ。
「やりましたね。これでこの地にも平和が訪れることでしょう」
「よっし、とっととずらかろうぜ!」
 ロベリアと雄太の明るい声が聞こえた。
 一方、レッドレークは自分でも不思議なくらい穏やかにこの成果を受け止めていた。因縁の相手に一泡吹かせてやった事は確かに嬉しかったが、それだけでは無かった。
「全く……今の俺様は本当に恵まれている」
 共に戦う仲間たち、そして想い人。彼らに対する感謝の念がまず頭に浮かんだ。
「……先生、見ていてくれた……かな」
 ホッとした顔のしらべが青空を見上げて息を吐いた。
 と、その時であった。
「ケルベロスの皆々様、よくもやってくださいましたねぇ……」
 バサリと羽音がし、呻くような低い声が上空から聞こえた。


「よもや、よもや、よもやッ!! ……斯様な事が起ころうとは」
 地面に着地した不寝番がケルベロスたちを睨む。その大きな瞳に強い怒りが見えた。
「へっ、残念だったな」
 ウタがニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
「2度の失敗でもう諦めたとばかり思っていたわたくしが愚かでございましたか……」
「そういうのは柄じゃないの。私たちは決して諦めたりはしないわ。たとえ今回の攻撃が失敗していたとしても、後に続く仲間がやってくれたわよ」
 そう事も無げにいった陽彩が大きな椿の装飾のある緋色の大鎌を手に取る。
「なあ、不寝番。人間を殺める気がないって言った事、覚えてるか?」
 ヒノトの声に不寝番が首だけ不気味に回し、ヒノトへと向ける。
「そういうつもりが無いにしても、お前がやってるのは人の死に繋がる行為だぜ……ハッキリ言ってお前はただの人殺しなんだよ!」
 語気を荒げるヒノト。
「凡愚が何をいいますか……」
「愚かなのはお前だ不寝番。たった今、俺様は確信したぞ。お前に救われる者など世界に誰一人おらん。さっさとその不毛な考えを改めるがよいぞ」
 不寝番と自分たちとの決定的な違い。それに気がついたレッドレークが呆れた目で不寝番を見る。以前は強い恐怖を感じたその姿も今のレッドレークには滑稽に見えた。
「これ以上の問答は無用……罷り通る!」
 清士朗がサッと身構えると、仲間たちも不寝番を取り囲むように各々の武器を構える。
 それが合図となり、戦いの火蓋が切って落とされた。


 不寝番の全身から凍てつくような風が噴き上がり周囲の空気を凍りつかせていった。
「時間がないっ! こいつをソッコーで片付けるぞ!」
 距離を詰める雄太の身体に心まで凍らすような冷たい冷気が襲いかかった。思わず足が止まりそうになる雄太の背中にウタの力強い声が飛んだ。
「俺たちで護り抜こうぜ。地球と地球に宿る沢山の命の輝きを――『青の凱歌(ブレイブソングオブガイア)』」
 ウタのギターから春の日差しのような優しい前奏が奏でられる。そして真夏の太陽のように熱い歌声がそのメロディに乗って雄太の背中を強く押した。
「オラッ!」
 大きく跳んだ雄太のソバットを不寝番が紙一重でかわす。弱点属性を狙った渾身の一撃であったが、俊敏性に富む不寝番をあと一歩捉える事が出来なかった。
 続く仲間たちの攻撃も掻い潜り、翻弄するかのように不寝番が再び冷気を放った。だが雄太や仲間たちの顔に焦りの色は見えない。
 仲間の攻撃で生じた隙を突くように、背後から清士朗が敵の懐へと飛び込む。そして、地を擦るような低い蹴りを敵の脛へ打ちつけた。
「攻め手に仕事をさせられるよう、場を整えるのがこたびの俺の仕事よ」
 清士朗の狙いは敵の足を止め、仲間の必殺の一撃を導く事にあった。
 すかさず足の止まった不寝番に陽彩とレッドレークが左右から迫る。
「いくわよっ」
「応っ!」
 陽彩がすれ違い様に敵へと大鎌を振り抜くと、続けてレッドレークが真っ赤な農業用レーキを叩きつける。
 見事なクロスアタックが炸裂し、鮮やかな血と羽毛が空中に舞い散った。


「ッ……このォッ!!」
 ヒノトの連撃が空を切る。元来スピードを生かした手数で攻める攻撃スタイルをヒノトは得意としている。しかし、遮二無二に前へ前へと突っかかっていくその姿は何か鬱屈した心の内を無理やり吐き出しているようにも見えた。
 と、肩にしがみついていたネズミのアカが上を向き、注意を促すように短く鳴いた。顔を上げれば空からヒノト目掛けて凍てつく風が迫っていた。咄嗟に避けようとするも、先ほどの攻撃で息の上がったヒノトの足はその意志に反してガクリと膝をついてしまう。
「させません!」
 立ち尽くすヒノト前で、向日葵の紋章の刻まれた大楯を構えたロベリアが大きく翼を広げる。そして吹き荒ぶ冷気を、真夏の太陽の如くその身で阻んでみせた。
「ヒノトちゃん、どこか無理してないかしら? 何かあるならもっと頼ってくれていいのよ」
 陽彩がしゃがみ込んだヒノトに手を差し伸べる。陽彩の顔には、敵に向ける毅然とした表情とはうって変わって、優しい微笑みを浮かべていた。
「それにしてもすばしこいな。こっちはあまり時間を掛ける訳にはいかないってのに」
 雄太が周囲に目を巡らせ小さく舌打ちした。未だ戦闘中の個体以外は魔空回廊破壊時のダメージから立ち直れていないようであったが、時間を浪費する事は避けなければならない。
「八門立つ、九龍八重垣妻籠みに、八重垣作る、その八重垣を」
 大きく息を吐いた清士朗が深く深く五感を研ぎ澄ます。
「詠六十八卦、申し立て奉る――いざ」
 敵へと接近する雄太。その雄太の耳に清士朗の声が飛んだ。
「敵は上だ」
「了解だ!」
 即座に判断を切り替えた雄太が近くの木を足場に空へと跳び上がる。
「ドンピシャだ! 喰らえッ」
 雄太の跳び上がった先には空へと舞い上がった不寝番の姿があった。完全に意表を突かれ動きの取れない不寝番を、雄太は逆手に構えたナイフで斬り裂く。
「次は右に回り込む」
「……分かった……わ」
 地面に着地した不寝番が横っ飛びをすると、ぴったりと張り付くようにしらべが姿を見せ、回転するドリルをお見舞いする。
「しらべの後ろだ」
「消し飛べ!」
 肌を切り裂かれつつも、素早くしらべの背後へと回った不寝番の背中に今度は、爆炎を纏ったウタの剛腕が撃ち込まれた。
「なっ!? バ、バカな……」
 驚く不寝番の耳に今度は陽彩とヒノトの声が。
「ヒノトちゃん、合わせるわよ?」
「ああっ、もう大丈夫だ!」
 息を整えたヒノトの持つロッドの先に、キラキラと光る無数の氷が集い穿氷が形成されていくのが見えた。
「来来・焔雷! どうか、お力添えを!」
 一方の陽彩が素早く符を弾くと、空中に赤い雷を纏う狼が姿を現す。
 少し丈の短くなった愛用のローブの裾にチラリと目をやったヒノトが、その目を再び不寝番へと向けた。
「見ててくれ、母さん――『フロイズフィジオール』!」
 杖の先から穿氷が狙いを違わず敵へと放たれる。
「穿て――『焔雷・咢(ホノイカズチ・アギト)』」
 陽彩が敵を指差すと、焔雷が弾かれるように飛び出していった。
「孟子曰く、天の運は地の利に如かず。しかし地の利とて人心の一致に如かず」
 小さく呟く清士朗の視線の先。
「今日この場に来るのがこのメンバーだと決まった時、この結果は決まっていた」
 そこに氷に身を貫かれ電光に肉を焼かれ、絶叫する不寝番の姿があった。


「こんなことが、こんなことが、こんなことが、あってたまりましょうか!?」
 力で劣る相手に一方的に打ち負かされる。この状況に不寝番は今まで感じた事の無い恐怖を覚えていた。
「……まだ理解できんとは。ここまでくると、最早憐れみしか覚えんぞ」
「ヒィッ!? く、来るなッ」
 レッドレークが歩みを進めると不寝番が怯えるように後ずさる。その様子にレッドレークは心の中でため息を吐く。
 不寝番と彼ら8人のケルベロスの決定的な違い。それは他者への有り様にあった。
 彼らケルベロスが戦う理由の大元には他者の存在がある。だから個としては不寝番よりも弱い存在であるにも関わらず、仲間を信じ個を越えた力を発揮する事ができたのだ。
 それは独りよがりな教義に凝り固まった不寝番には決して理解できない力であろう。
「……こうなれば、ここは退いて再起を図るが上策ですな!!」
「させるかよッ! 研ぎ澄まして響け――『気吠弾・鋭』!」
「全砲門…展開……敵確定…照準固定完了………大切な…ものを…奪わせない……絶対に………『フルバースト』!」
 上空へと飛んだ不寝番に、雄太オリジナルのドリル状に渦巻く気吠弾と、しらべの全弾射撃が直撃。丸裸にされた不寝番が地面へと叩き落とされる。
 すかさず大地に手を翳したレッドレークが攻性植物『真朱葛』を周囲に展開する。
「根を張り、奪い、爆ぜろ――『YIELD-FIELD:B(ブレイズブロッサム)』」
 不寝番の全身から地獄の桜が花開く。そして跡形も無く爆散した。


「全員無事に下山できて何よりです」
 ロベリアが安堵の息を吐き、仲間たちへと目を向ける。魔空回廊の破壊という最良の結果に仲間たちの顔には嬉しそうな表情が見えた。
 と、ロベリアは何かに気づき顔を綻ばせた。
「この地にも春はそこまできているのですね」
 まだ微かに雪が残る地面。そこから草の芽が萌え出でいた。

作者:さわま 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年4月7日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 15/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 0
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