理想の嫁を求めて!

作者:ハル


「諸君よ、男の夢と言えばなんだ!?」
「はい! 誰の手垢もついていない少女を手中に収めることです!」
「その通りだ!!!」
 路地裏の空き地では、いかにも危険そうな、血走った目をした男達の姿。彼らが崇める中心のいるのは、羽毛の鳥人ビルシャナであった。
「男の本懐と言えば、光源氏計画を実行し、成功させる事! 幼女を育てる俺達を、人はロリコンと呼ぶだろう。だが、幼女を愛する事と、幼女を育て上げて理想の嫁にする事には、大きな差がある!」
「ええ、俺達は決してロリコンではない!」
「清らかな理想の嫁を渇望しているだけなんだ!」
 ビルシャナの主張に、次々と賛同の声が上がっていく。
「いい返事だ! その意気込みさえあれば、いずれ俺達は理想の嫁を手に入れることができるだろう!」


「その理想のお嫁さんとなる女の子を、一体どこで見つける気なのでしょうか……?」
 脳裏にハイエースを思い浮かべたセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、心配そうに告げる。
「マサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・e02729) さんが調査された結果、とある路地裏の空き地にて、ビルシャナの出現が確認されました」
 今回も例の如く、ビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響によって、ビルシャナ化してしまった元人間が相手になる。
 ビルシャナは、光源氏計画の実現こそが男の本懐であると主張しているらしい。
「皆さんには、ビルシャナ化した元人間とその配下と戦って、撃破してもらうことになります。このビルシャナ化した人間が、周囲の人間に自分の考えを布教して、配下を増やそうとしている所に乗り込む形となります」
 ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、放っておくと一般人は配下になってしまう。
 ここで、ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になる事を防ぐことができるかもしれない。
「また、ビルシャナの配下となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば元に戻るので、救出は可能ですが、配下が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 そこでセリカは一息つき、先を続ける。
「ビルシャナは、経文や孔雀形の炎を放って攻撃してきます。信者の皆は八人で、戦闘力は高くありません。でも、倒すと死んでしまうので、手加減してあげてください」
 セリカは資料を捲り、
「ビルシャナの主張によって、信者達の幼女を理想の女性に育て上げたいという欲求は日に日に高まっているようです」
 独身である彼らが養子などとれるはずもなく、その調達方法を想像するだけでもあまりに危険だ。
「とにかく彼らは、愛する人が自分以外の異性との接触がある事に耐えることができません。そのために幼い女の子を理想通りに育てようと思っている訳ですが、なんとも情けなくて泣けてきてしまいますね」
 セリカが大きく溜息をつく。
「また、彼らは自分達がロリコンではないと思っているようです。お嫁さんにするのは、幼い少女が大人になってからだとしても……ええ、やはりロリコンにしか見えませんよね?」
 というか、ロリコンである。
「まだ犠牲になった女の子はいません。信者の方々が犯罪者になってしまう前に、どうか皆さんの手で止めてあげてください!」


参加者
エルネスタ・クロイツァー(下着屋の小さな夢魔・e02216)
マサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・e02729)
板餅・えにか(萌え群れの頭目・e07179)
イオシフ・テミルカーノフ(ヨーシャと呼んで・e20774)
風戸・文香(エレクトリカ・e22917)
櫻木・乙女(にもいろいろあるんです・e27488)
シャルフィン・レヴェルス(モノフォビア・e27856)
榊原・一騎(銀腕の闘拳士・e34607)

■リプレイ


「10歳の妹がいる身としては、見過ごせないよな~」
「『子どもは』は、何よりも守らなきゃいけない存在だからな」
 マサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・e02729)とイオシフ・テミルカーノフ(ヨーシャと呼んで・e20774)は、路地裏の空き地を覗き込んで、深々と溜息をついていた。
 その原因といえば……。
「理想の嫁を手に入れるぞ! 光源氏計画だ!」
「おお~~! 誰の手垢もついていない、清純な嫁!」
 そんな事を叫ぶ集団。……ビルシャナと、その信者達の姿を見つけてしまったからだ。
「とりあえず殴っていい?」
 そんな彼らに、ロリコンには特に厳しい板餅・えにか(萌え群れの頭目・e07179)は、苛立ちから尻尾を振る程にご立腹であった。仲間に止められなければ、すぐにでも彼らを再起不能にしてしまいそうな程に。
「こいつらしんだほうが世の中平和になりますよ」
 櫻木・乙女(にもいろいろあるんです・e27488)の言うことも最もではあるが、まぁ、とりあえず話しを聞いてみようではないか。
「話は聞かせてもらったよ。仮にその計画を実行するとして、資金や環境、知識は十分に揃ってるのか? そもそも、女の子はどう手に入れるつもりなんだ?」
「そうだよ。けいかくしょ、とりあえず、けいかくしょをだして! もちろん、ひつようなおかねなんかが、ぐたいてきにかかれたものだよ?」
 先んじてビルシャナ達の前に飛び出したのは、榊原・一騎(銀腕の闘拳士・e34607)とエルネスタ・クロイツァー(下着屋の小さな夢魔・e02216)。
「うおっ! ケルベロスか!?」
 突然のケルベロスの出現に、動揺を浮かべるビルシャナ達。だが、二人は遠慮無く、グイグイと迫っている。
「ち、知識なんか、愛があればどうにかなる! 幼女を手に入れる方法? ……そんなもん、一つしかないだろ。……グヘヘッ」
「け、計画書なんてありませんよ! 必要もありません!」
 予想はしていたが、理想の嫁を手に入れると目標だけは大きくとも、行き当たりばったりの計画しかないらしい。そのくせ、頭の中だけはゲスであるようだ。
「こどもがせいじんするまでに、ほじょきんふくめていくらかかるかわかるかな? 5000まんえんくらいだよ。りそうのおよめさんにするなら、きっともっとかかるよね? あれれ、どうしてきゅうにあおざめちゃってるのかなー?」
 エルネスタのクスクスという笑い声に、
「華道や茶道を習わせて、大和撫子に育てようするなら、おそらくは……」
 信者達は脳内で電卓を弾きながら、エルネスタの言葉通りに青ざめていく。
「勢いだけしかない自分達の無謀さが分かったか? そんなんじゃ、女の子も誰一人幸せになんてなれる訳がない。そもそも、あなた達はビルシャナに罪を犯すように誘導され、いずれは怪物にされようとしているんだぞ!?」
「このままでは、誘拐犯……?」
 信者の一人が、牢屋の中の自分を想像して震える。仮に牢獄を免れても、待っているのは醜い鳥の自分だ。
 だが――。
「惑わされるな! 男の本懐を……自分だけに頬笑んでくれる理想の嫁の姿を想像してみるんだ! 力が湧いてくるだろう! 金がなんだ!」
「……いきごみと、くちだけはたっしゃだねー」
 ビルシャナの熱い言葉によって、信者は再び蘇る。その様を、エルネスタが冷めた瞳で見つめていた。


「なるほど、光源氏計画というのが男の本懐だったんだな。勉強になる」
 一連のやり取りを眺めていたシャルフィン・レヴェルス(モノフォビア・e27856)が、納得したように頷いている。
「いや、シャルフィンさんは、たぶん勘違いしているかと。あ、ちなみに私は29ですので!」
 風戸・文香(エレクトリカ・e22917)は、シャルフィンの勘違いを訂正しつつ、エルネスタに向ける熱っぽい視線と同様のものを向けてくるビルシャナと信者達に、一つ断っておく。
「なら、ろりこんという奴か。知っているか? ろりこんは、ろりーたこんぷれっくすの略らしいぞ」
 続けて、どや顔を披露するシャルフィンは、マサムネに視線を向ける。その視線から、ロリコンについて説明せよという意味合いを感じ取ったマサムネは、「俺かよ! まーたシャルフィンさんの無茶振り始まったよ……」とツッコミを入れつつ、
「成人が幼い少女に異性として惹かれること。まぁ、所謂少女愛ってやつだな。ちなみに光源氏計画は有名な古典だ」
 そういった説明をする。
「ふむ、ろりこんはそういう事らしいぞ。俺も一つ賢くなった。古典か……難しい字が書いてある物語のことか。あれは読むのを諦めた」
 シャルフィンも、お気に入りのマサムネに無茶振りを振りつつ、新しい知識を仕入れられてご満悦の様子。
「でも、これまでの話しを聞いている限り、貴方たちはキチンと源氏物語を読んでいないようだけれどね。『須磨帰り』でもしちゃったんでは?」
「す、須磨帰り?」
「源氏物語青春編最終章……いわゆる第一部完の時点でリタイヤして、続きを読まないって意味よ」
 文香は、シャルフィン含めて正しい認識を持ってもらうという意味でも、リュックから漫画化された源氏物語を取り出し、説明を始める。
「えーと、紫を見いだした時点では、源氏は既に正妻もいて、相当の恋愛経験値(果ては男の子も対象に)も溜めていたそうよ?」
 ――でも、貴方方にそこまでの経験値はなさそうね?
「無垢な幼女しか愛せないなんてやだー、童貞?」
「「「ど、どどど、童貞ちゃうわ!!」」」
 文香とマサムネのニヤニヤ混じりの追求に、ビルシャナと信者達は顔を真っ赤にしている。
「あ、そうそう。その光源氏計画を実行するにしても、推定ですが、実行時点で源氏は18歳位だから、何人かは手遅れと見たわ」
 さらに、文香は眼鏡のフレームを光らせ、信者達の顔を見回す。何人かどころか、8人全員手遅れっぽいのが悲惨だ。
 その影で、魔法使い三年生のシャルフィンが、いろいろと余波を受けて、地味にダメージを負っていたのだが、それはまた別の話。
「一騎くんの言っていた事に付け足すが、子どもに手を出す輩に対する罰則は年々強くなっているんだ。私の故郷であるロシアでも、もちろんそう。グローバルスタンダードなんだ。子どもの心の傷は、一生付きまとう。影から見守るのが、頼りになる大人の姿だと思うよ」
 童貞丸出しの反応を返してしまって落ち込む信者達に、イオシフが言う。
「でも、影から見守っている内に彼氏でも作ってしまったら、取り返しがつかないじゃないか! あと、俺達はロリコンではない!」
 だが、未だ彼らは自分が夫になれると信じているらしく、妄言で返してくる。
「この腐ったロリコン共に、立場を叩き込んで躾ていい?」
 すると、拳をグーパーしながら、えにかが仲間を振り返る。今度は、誰も止める者はいなかった。
「なぜ理想の旦那でもないロリコン共が理想の女性を育てられると思ったか!」
 信者の鼻先を、突風がかすめていく。
「うおっ!?」
「ぎゃあああああ!!」
 それが拳だった事を、信者はビルシャナが顔面を歪ませながら吹き飛ぶ様を見て、気付く。
「ロリコンは、池の金魚ちゃんの餌以下の価値と知れ!」
「ひぃい!」
 このえにかの行動を切っ掛けとして、ケルベロス達の実力行使が始まった。

「大体さ、無力でか弱いロリっ子を力尽くで手中に収めようだなんて卑怯なんだよ! もちろん人様の嗜好はそれぞれだし、disりたくはないけど……誰の手垢もついてない幼い女の子にしか目にないようじゃねぇ……」
「ぐ、おおおっ!!」
「一介の青年男性に簡単にできる事じゃないんだからさ、せめて石油くらい掘り当ててからにしないと」
「おおぅ、おおぅ!!」
 マサムネが何事もないように朗々と語りかける信者達は、最早それどころではないと呻きを上げ続けている。彼らの頰には、真っ赤なモミジマークがでかでかと存在を主張しており――。
「……だ、だから、幼い少女が好きな訳では……おおぅ!」
「キモいんだよ、この豚野郎」
 乙女から、次々と辛辣な言葉と共に、折檻を受けている最中なのである。
「し、しぬしぬ~~!」
「安心しな、お前らが死んだところで誰も悲しまねえよ」
 違う何かに目覚めさせようという乙女の策略であるが、
「こんな薄汚ねぇ豚共を視界に入れなくちゃいけないなんて、なんて世の中は残酷なのかしら」
「んんんっ、ああああっ!」
 様子を見る限り、想定以上の効果を得ているのか、気付けばエルネスタ以上に乙女に対して熱っぽい視線を向ける者がいるような、いないような……。
「……これじゃあ、別の意味での犯罪者というか、変態になっているというか……」
 まぁ、幼女を誘拐するよりは幾分ましだろうと、一騎が苦笑を浮かべる。
「悔しい? ねえ悔しい? 悔しかったらブヒぃとでも鳴いてみなさいよ!」
 そんな一騎の心配を余所に、
「ブヒぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~~~~~~~~!!!!」
 信者達は本物のブタのように、歓喜と共に鳴いてみせるのであった。


「これでさいご、かな?」
 ケルベロス達の説得や折檻にも屈さず、一人だけビルシャナの元に残った精鋭ロリコンに対し、エルネスタが引導を渡す。
 気絶する信者も、やられたのがエルネスタであるならば、むしろ本望と言えるだろう。
「いくよー、シャルフィンさん、一騎、ヨーシャ、みんな! 力あわせてこ!」
 そして、残るはビルシャナのみ。マサムネが気合いを入れるために声を上げると、仲間がそれに応じる。
「くっ、よくも同志を!」
 精鋭を失ったビルシャナは、羽毛を揺らして激怒しているようだ。孔雀型の炎を放って、ケルベロス達に応戦してくる。
「いろいろと勉強になって、賢くもなれたが……」
 同じくらい、胸に突き刺さる出来事もあった。
 ビルシャナの炎を、えにかに軽く振り払ってもらいながら、シャルフィンは追尾する矢を放つ。
「そ、そんなにショックだったのね……!」
 発言から、責任の一端を感じる文香。だが、今はまず、ビルシャナをビシッと懲らしめることが先決だ。文香の煌めきと重力を宿した飛び蹴りがビルシャナに迫る。
「理想の嫁よ、俺に力を!」
 だが、ビルシャナはその蹴りを寸前で交わし、逆に文香へと理解不能な経文を唱え始めた。
「っっ!!」
 ――お前は見た目通りの幼女だ。理想の嫁として俺に尽くすがいい!
 ビルシャナが唱えている内容は、要約すればそのようなもの。
「だ、だから私は29歳なの!!」
 幸運ながら、今回は催眠の効果は出なかったが、このままではいつ効果が出てしまうか分かったものではない。
「そこまでだ!」
「魔神」の力を宿した一騎の、ビルシャナの弱点を射貫く攻撃が、経文を中断させる。
「君は、そもそも女性の扱い方からして間違っているな。女性には、誠意だ。暴力なんてもってのほかだ」
「ぎゃ!」
 さらに、イオシフのリボルバー銃から放たれた弾丸がビルシャナの頭部を撃ち抜き、ビルシャナは地面を転がって悶絶する。
「安心しな、文香。今すぐオレが催眠を取っ払ってやる!」
 マサムネが桃色の霧を放出し、ダメージの回復と共に、文香へ付与された催眠を解除することに成功した。
「よ、嫁と出会うまで、俺は死ぬ訳には!」
「でも、きょうぎしてるだけで、けっきょくなにもしないんだよね?」
 ビルシャナが、氷の輪を放つタイミングで、エルネスタも縛霊手を敵の急所に向けて構えていた。ビルシャナのその攻撃対象の中には、無論エルネスタも含めれていたが!
「エルネスタさんは攻撃に集中して! こっちは私が抑えるわ!」
 えにかはエルネスタを庇いに入ると、「そこのロリコンは羽毛布団から人生やり直せー!」そう気合いを入れながら氷の輪を受けきり、同時に自身の回復をする。
「みたまさんおねがい!」
 エルネスタは、その表情にえにかへの感謝を浮かべながら、御霊を載せた針を発射した。
「切ってー♪ 繋いでー♪ どんな形にしようかなー♪」
「ぐぅっ!」
 ビルシャナは、最早虫の息であった。
 トドメのため、乙女は蟹座の魔方陣が描かれたカードを翳す。すると!
 乙女の足元には、カードに描かれたものと同一の陣が出現。濃縮された瘴気と共に、鮮血のように赤い鋏を形成が形成されていく。
「さよなら、ブタ野郎さん♪」
 その一言を合図に、ビルシャナに触れた瘴気と鋏がその身体に流れ込んでいく。強力無比なその一撃に、ビルシャナは為す術亡く消滅するのであった。


「お疲れ様ー!」
 仕事を終え、今度はリラックスを意味するように尻尾をブンブンさせるえにかが、仲間にねぎらいの声をかける。
「ああ、お疲れ」
 それに応じる一騎や、他のケルベロス達。だが、中にはねぎらいの声に反応する余裕がない者もいるようで……。
「いやマジ、私そういうの無理ですから……!」
「ブ、ブヒぃ、ブヒぃッ!」
「こっち来ないでくださいって……! ほんと、キモいから……!」
 その筆頭格である乙女は、目覚めさせてしまった元・信者達から、血相を変えて逃げ回っていた。
「ちょっと、なんでみんな見てるんですか! なんとかしてくださいよ!」
 と、いった声も聞こえてくるものの。
「ブヒぃ……か。そんなコミュニケーション方法もあるのだな、勉強になる」
 シャルフィン達は誰も助ける気などないようで、むしろマサムネなんかは「そこだ、いけー!」と、楽しそうに煽っていた。
 まぁ、そんな茶番は一先ず置いておいて――。
「女性には、誠意が必要なんだ! ちゃんとまじめに相手が幸せになるよう行動すれば、愛は得られるもの! 『あわれみ深い人たちは、さいわいである、彼らはあわれみを受けるであろう』……という言葉があるようにな!」
 イオシフは、幸か不幸が目覚めていない元・信者を相手に、熱弁を振るっている。その相手をさせられている元・信者は、若干迷惑そうではあったが、自分達のやっていた事を反省しているのか、真面目に聞いている。
 だが……。
「そういえば、私の愛する人はドワーフなんだが――」
 イオシフの話題がそこに至った時、なにやら風向きが変わり始める。
「ドワーフ……」
「ねぇ……」
 元・信者の視線が向けられたのは、文香。文香とイオシフを交互に眺める元・信者の視線が、次第に生暖かいものに変わっていく。
「もちろん、やましい思いなんてないんだからな! 神に誓って嘘はない!」
 その変化を感じ取ったイオシフが、必至に軌道修正を始める。
「ヒールかける前に、一発ぶん殴っちゃって、よろしいでしょうか?」
 何度も29歳だと言っているにも関わらず、相変わらず幼女扱いの文香は、額に怒りマークを浮かべつつ、渋々元・信者達にヒールを施すのであった。

作者:ハル 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年4月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 1
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