弩級兵装回収作戦~髑髏の射手、レイヴン

作者:紫村雪乃


 青森県は八戸の、市庁舎近く。
 国道沿いに並ぶビルや商店が、次々と崩れて間道を塞いでいく。
「あははっ! どれもこれも脆いなぁ。こんなんじゃすぐに飽きちゃうよ!」
 飛び交う悲鳴の流れに、一人逆らって笑う銀髪の女。
 彼女は振るった拳で大きな百貨店とホテルを続けて貫き、今にも崩落しそうなほどに破壊してなお、止まることなく北東へと進む。
 ――助けて、助けて。
 そこかしこで上がる声に、勇敢な警察や消防は助力を惜しまない。
 だが巨大な瓦礫の山から掬い取る前に、人々の生命は潰えてしまう。
 次第に静まり返っていく街。そこには女の――ディザスター・キング配下のダモクレス『スノードロップ』の、無邪気な笑い声ばかりが木霊するのだった。

 彼はじっと見下ろしていた。破壊と殺戮から逃げ惑う人間たちと、その破壊と殺戮をまきちらす銀髪の女を。そして彼は薄く笑った。
 さあ、来い。ケルベロスよ。俺が貴様達を叩きつぶす。邪魔はさせんぞ。
 システムを戦闘モードに切り替えると、彼は銃口をもつ鋼の拳を握り締めた。


「地球侵攻を続けていた指揮官型ダモクレス達が、新たな作戦を開始したようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)がいった。
「彼らは、地球に封印されていた強力なダモクレスである『弩級兵装』の発掘を行おうとしています。更に、発掘した弩級兵装を利用した大作戦を行うに必要なグラビティ・チェインを得る為、ディザスター・キングの軍団のダモクレスによる襲撃事件をも行おうとしているのです」
 よって襲撃される市街地を防衛する必要があるのだが、事は簡単ではなかった。敵ダモクレスはケルベロスの迎撃行動を予測しているようなのである。
「この襲撃には踏破王クビアラ軍団のダモクレスも参加しており、迎撃に来たケルベロスとの戦闘はその者が担当し、ディザスター軍団のダモクレスはそのまま都市の蹂躙を続けるという作戦を立てているようです」
 そこでこちらの作戦だ。敵に対抗し、こちらも共同戦線をはるというものであった。
「皆さんにはクビアラ軍団のダモクレスを担当していただきます。けれど、まずはディザスター軍団のダモクレスに戦闘を仕掛ける必要があります。その後、クビアラ軍団のダモクレスが攻撃を仕掛けてくるので、その者を撃破してください」
 そのダモクレスの名は髑髏の弾丸レイヴン。そうセリカは告げた。
「グラビティはガンスリンガーとリボルバー銃と似たようなもの。しかし威力は桁違いです。油断しないでください」
 人間を、とセリカは怒りを込めた声で続けた。
「グラビティ・チェインとしてしか認識していないようなダモクレスに、市街地を蹂躙させてはいけません。皆さんを信じています。必ず撃破してください」


参加者
樫木・正彦(シャドウチェイサー・e00916)
クリームヒルデ・ビスマルク(自宅警備ヒーラー天使系・e01397)
月見里・兎夜(からくりジャックラビット・e04728)
黒斑・物九郎(ナインライヴス・e04856)
ステイン・カツオ(クソメイド・e04948)
機理原・真理(フォートレスガール・e08508)
上里・もも(遍く照らせ・e08616)
舞阪・瑠奈(サキュバスのウィッチドクター・e17956)

■リプレイ


 青森県。
 八戸市。市庁舎近く。
 国道沿いに並ぶビルや商店を眺め、その銀髪の女は可笑しそうに笑った。
「どれもこれも脆そうだなぁ。すぐに飽きちゃいそうだよ」
 女――スノードロップは手近のビルに歩み寄った。そしてビルの壁面に拳を叩き込もうとし――。
 スノードロップの拳がとまった。その背を凄絶の殺気が灼いている。
「来たようだね」
「飽きちゃいそうだよ、じゃねーよ。この不届きものめ!」
 吐き捨てるような声が響いた。
 ゆっくりと振り向いたスノードロップは見た。声の主を。
 それは華やかな雰囲気をまとわせた可愛らしい少女であった。十八歳くらいだろうか。希望という光に輝く瞳の持ち主であった。
 名は上里・もも(遍く照らせ・e08616)。狼のウェアライダーである。
「破壊はさせないし、お前らも叩き潰す」
 ももの傍らに立つ小太りの男が口を開いた。二十歳ほどの若者で、ぼさぼさの髪のせいか、陰気な顔つきをしている。
 が、この場合、スノードロップの表情が変わった。彼女のみは眼前の情けなそうな佇まいの若者の裡にあるただならぬものを感得していたのだ。
 若者――樫木・正彦(シャドウチェイサー・e00916)はぎらりとした目でスノードロップを睨み据えた。
「今日は邪魔をしに来たんだ。故に神と言えど死ね」
「死ぬのはどっちかな」
 振り向きざまダッシュ。瞬く間に間合いを詰めると、スノードロップは拳を正彦に叩きつけた。
「うん?」
 スノードロップは驚いたように目を見開いた。正彦の前に立ちはだかり、腕を交差させて彼女の拳を受け止めた者がいる。
 十六歳ほどの華奢な少女。いつもは無表情であるのだが、さすがに今はその整った顔はわずかではあるが苦痛にゆがんでいる。
 それも無理はなかった。スノードロップの拳はビルすら打ち砕く。いかなケルベロスであろうとただで済むはずがなかった。防いだ腕の骨は粉砕されている。
「この拳を受けとめるとはね。名前は何ていうの?」
「機理原・真理(フォートレスガール・e08508)です」
 こたえると、真理は脚をはねあげた。スノードロップが跳び退って躱す。
 その時だ。彼女の足元から灼熱の熱泥が噴出した。咄嗟に、さらにスノードロップは跳んだ。が、躱しきれない。
 着地するとスノードロップは満面を怒りにどす黒く染めた。
「熱い! 何してくれるんだ」
「やれやれ」
 肩をすくめて見せたのは妖精を思わせる美しく儚げな娘であった。煌く銀髪といい、透けるような白い肌といい、どこか異次元の存在めいている。
「自分は散々暴れる癖に、少し火傷したくらいでそんなに怒りますか。それから厄介な闖入者の相手はホネホネに尻拭い丸投げ。これには、テキトーなおねーさんも驚きました」
 娘――クリームヒルデ・ビスマルク(自宅警備ヒーラー天使系・e01397)は苦く笑った。
「何っ?」
 スノードロップの顔色が変わった。レイブン襲撃をケルベロスたちは知らぬはずである。が、それなら何故――。
 まずい、と思ったのは緑の髪のドワーフの女であった。名をステイン・カツオ(クソメイド・e04948)というのであるが、底知れぬふてぶてしさを感じさせる女である。
「こちらの作戦を気取らせるわけにはいかないのでございますよ」
 ステインは独語した。その小さな声の響きが消えぬうち、ステインの身から光が噴出した。
「こんなもの」
 スノードロップはあえて左腕で矢と化した光をうけた。同時にアスファルトに拳を打ち下ろす。
 凄まじい衝撃に大地が鳴動した。亀裂がアスファルトにはしる。たまらずケルベロスたちはよろめいた。
「これぐらいのことで」
 猫の耳をもつ白髪の少年が身を立て直した。猫のウェアライダーらしく、抜群のバランス感覚といえる。名を黒斑・物九郎(ナインライヴス・e04856)といった。
 次の瞬間、物九郎の金色の瞳が妖しく光った。グラビティ発動――。
 いや、彼は気づいた。ビルの屋上に佇む影があることに。
 咄嗟に攻撃を中止し、物九郎は叫んだ。
「上っす」
 刹那、来た、銃弾の雨が。反射的にケルベロスたちが跳び退る。
 その時だ。人影がビルから飛び降りた。黒のコートの裾を不吉な鴉の翼のごとくに翻し、着地。衝撃で地が陥没した。
「来たな、番犬ども」
 人影は平然とケルベロスたちを見やった。
 異形だ。顔は髑髏であった。洞穴のような眼窩の奥に陰火のごとき赤い光が瞬いている。
 衣服は黒で統一されていた。黒のブーツにジーンズ、ジャケット、ロングコートを羽織っている。
 他に露出しているのは右手のみであった。ただの手ではない。金属のそれの指は銃口であった。
「ゆけ、スノードロップ。ここは俺に任せろ」
「わかった」
 背を返しかけ、スノードロップはいった。
「気をつけてよね。こいつら、レイヴンが来ることを知ってたみたいなんだ」
「何?」
 黒コートをまとった異形――レイヴンの眼窩の光がゆらめいた。が、すぐにふふんと彼は笑った。
「まあ、いい。どうであれ、俺たちのやることは変わらん。ゆけ」
 レイヴンが促した。すると。今度こそスノードロップは背を返した。信じられぬ跳躍力で飛翔し、この場から離脱する。
 と、正彦の手から炎が噴いた。それは空に翔け上り、白い光の花を咲かせた。スノードロップ離脱を知らせる合図の照明弾であった。


「得物はチャカっすか」
 物九郎が不敵にニヤリとした。
「チャカの持ち込み上等! こっからが喧嘩の本尊ですでよ!」
「所詮は下衆か」
 レイヴンが嘲笑った。
「命をかけた戦いが喧嘩とはな」
「わかっちゃいねえっすよね」
 物九郎の笑みが深くなった。そして喧嘩とは、と続けた。
「さらした命を真正面からぶつけあうことっすよ。まさに命のやりとり。これほど面白えことはねえっすよ」
「なるほど」
 ククク、とレイヴンは笑った。
「売られた喧嘩を買うというのだったな、この星では。小僧。名を聞いておこうか」
「姓は黒斑、名は物九郎。ブチのめしてやりまさァ! ブチネコだけに!」
 者九郎の手のナイフがきらりと光った。すると、
「まぁなんであれ、邪魔させてもらおうか」
 気の乗らぬ口調で、その少女は告げた。
 十五歳ほど。小柄であるが、その肉体はすでに花開いていた。途中で折れた黒い兎の耳をもっているところからみて兎のウェアライダーであろう。
 名を月見里・兎夜(からくりジャックラビット・e04728)というのであるが、彼女は特段ダモクレスに対して思い入れはなかった。故に気のない物言いをしても無理からぬところではある。
 では、何故レイブンと戦うのか。
 それはレイブンがデウスエクスであるからだ。彼女の両足、すなわち夢を奪った者がデウスエクスであった。ならば、レイヴンも敵。叩き潰さなければならなかった。
 その時だ。するすると地を漆黒の鎖がすべった。そして意思あるもののごとく地に紋様を描いた。
 呪術的図形。魔法陣だ。
「さあ、はじめよう。さっさと貴方を斃してさっき逃げたダモクレスを追わなければならないから」
 漆黒の鎖を手からのばした女がいった。
 二十代半ば。清純という小束が似合いそうな娘だ。眼鏡が良く似合っている。
 名は舞阪・瑠奈(サキュバスのウィッチドクター・e17956)。八人めのケルベロスであった。
「よかろう」
 レイヴンは右手をすうと上げた。
「さあスケさん、カクさん、やっておしまい!」
 腕を組んで胸をそらせ、ももが命じた。
「誰がスケさん、カクさんだお」
 ごちつつ、正彦は左手でかまえた砲台でレイヴンをロックオンした。
「ももちゃんは支援を! 物九郎、暴れまわれ!」
「了解っす」
 物九郎は猫目時計・崩しなるグラビティを発動させた。
 刹那だ。レイブンの鋼の五指が火を噴いた。ほぼ同時。物九郎の姿が消失した。
 ばらまかれる弾丸。
 その鋼の雨を、しかし物九郎はくぐり抜け、レイヴンに迫った。
 それは瞬間移動とも超疾走とも違う。ある意味時間流を跳ぶ超高速機動であった。
 ぬっ、と。
 突如、物九郎がレイヴンの眼前に現出した。さしものレイヴンも対応が間に合わない。
 物九郎のナイフがガキリッとレイヴンを切り裂いた。いや、あえてレイヴンは切らせた。咄嗟に回避は不可能と判じ、彼はわずかに身を引きつつ、弾丸の雨を物九郎に身を集弾させた。
「くっ」
「ぐわっ」
 両者ははじかれたようにわかれた。レイヴンは黒血にも似たオイルをしぶかせ、物九郎は文字通り蜂の巣のようになって。
 地に叩きつけられた物九郎の上をすぎるように正彦の放った砲弾が翔んだ。が、それは空で爆散した。熱弾が迎え撃ったのである。
「フフフ」
 楽しそうに笑うと、レイヴンは指先の吹き飛んだ手袋を左手から取り去った。
「俺に左手を使わせるとはな」


 レイヴンが跳んだ。ケルベロスたちの只中に飛び込む。
 着地と同時に敵の位置を確認。五指でポイントしつつ、舞うように移動、撃つ。漆黒のコートの裾が死神のマントのように翻った。
 着弾の衝撃にケルベロスたちが吹き飛んだ。
 彼の指先から撃ち出される弾丸の口径は無論規格外である。最も近いものは22口径であろう。が、威力は段違いであった。アンチマテリアルライフルの破壊力すら凌いでいる。
 そして、ここに二人、被弾を免れたものがいた。ももと真理だ。彼女たちはスサノオとプライド・ワン――オルトロスとライドキャリバーにより守られたのであった。
 最後にあがった咆哮とエンジン音。それに叱咤されるように二人は動いた。
 真理は装備した砲台でレイヴンをロックオン。一瞬、二人の視線がからみあった。
 真理にとってレイヴンは宿敵である。ケルベロスであった彼女の父親が追っていたのである。そのために顔と名前は知っていた。
 対してレイヴンは真理を知らない。が、からみあった視線が火花を散らせたのはどういうわけだろう。
「お父さん」
 叫び、真理が撃った。さしものレイヴンが避けることは不可能だ。
 爆発。
 交差した腕で砲弾をブロックしたレイヴンが衝撃で後方にすべった。アスファルトをえぐりつつ。
 ももは白銀に煌く斧をふった。座標軸を物九郎に固定。傷ついた肉体を分子レベルで修復するとともに、彼の身に破壊のルーンを宿らせた。
「おのれっ」
 レイヴンが交差した腕を解いた。その時、すでに正彦は間合いに飛び込んでいた。
「――sign!」
 正彦が叫んだ。すると天球をめぐる星座のごとく剣が舞った。次々とレイヴンめがけて疾る。
 剣光は流星。が、迎え撃つ弾光もまた流星のようであった。悉く剣が弾き飛ばされる。
「お天道様が見てるんだ、ここで逃がすわけにはいかないんだよ!」
 太陽の勇気を胸にした男子が牡羊座に位置する剣をひっ掴んだ。そしてレイヴンを斬り下げた。大気に白光の亀裂がはしる。
「ぬっ」
 斬られつつ、レイヴンは跳び退った。右手の弾丸を正彦に撃ち込む。が、数発の弾丸はむなしく空を流れすぎた。
「何っ」
 レイヴンは呻いた。確かに敵をポイントしたはず――。
 次の瞬間、彼は悟った。撃ち抜いたのが幻であったことに。
「あなたの射撃は正確無比。それが返って仇となりましたね」
 外見にはそぐわぬ冷たい声で瑠奈が告げた。
 幻を操る業。レイヴンほどのダモクレスが謀られたのもむべなるかな、だ。
「いってくれる」
 眼窩の赤光をさらに煌めかせ、レイヴンは疾駆した。弾丸をばらまく。
 刹那、ステインが跳んだ。怒涛のような弾丸の飛沫の前に身をさらす。
 盾となる。言葉にすれば簡単だ。が、その行為は死との背中合わせであった。
 本当ならば恐怖で身がすくむ。が、それをステインはそれを平然成しうるのであった。そのステインの克己心をなんと評してよいか――。
「あまり気がすすまねえが、これ、戦闘なんだよな」
 ステインがごち。
 直後、着弾。弾丸がぶちまけた破壊力はステインの肉体を粉砕した。血まみれになってステインが転がる。
 が、すぐにステインの血はとまった。その身に浮かび上がったのは破壊のルーンだ。
「さっきはスサノオが守ってくれた。今度は私が皆を守る番だ」
 ルーンアックスを手にももが叫んだ。
 その傍ら、クリームヒルデは銃口であるかのようにファミリアロッドの先端をレイヴンにむけた。怒りに身体を震わせて。
 理由は仲間を傷つけたため――では、ない。楽しみにしていたオンラインゲームの大型アップデートが臨時メンテナンスにより中止になったからであった。
「ぐぬぬ、この怒り……ちょうどいいはけ口が居るんで、散々ぶつけてやっちゃいますよ!」
 クリームヒルデが無数の矢をばらまいた。呪素で構成された魔法の矢だ。
 それは生き物であるかのようにレイヴンを追尾して疾った。さしものレイヴンも避けきれない。
 ならばと、咄嗟にレイヴンは両手の銃口をむけた。弾丸をばらき、迎撃。が、すり抜けた矢がレイヴンを貫いた。
「ぬあっ」
 さすがにたまらず、髑髏の顔が苦痛に揺れた。足は完全にとまっている。
 なんでその隙を見逃そうか。兎夜はadditamentum-unit――両肩と腰に装備した推進器一体型ミサイルポッドでレイヴンをロックオンした。
 四肢を異形と化さしめた者、今、相対す。
 一人は両足を地獄化し、一人は両腕を武器とした。が、それぞれの目的は違う。兎夜は守るために戦い、レイヴンのそれは破壊のためであった。
 刹那、炎の尾をひいて数発のミサイルが翔んだ。火神の投げた槍のように。
 地に小太陽が現出した。荒れ狂う凄まじい破壊力にレイヴンの機械身が軋む。各部が損傷し、彼の電子脳がアラートを鳴り響かせる。
 明滅する髑髏の眼窩の光は、その時、眼前に躍り上がった物九郎の姿をとらえた。得意の超高速機動である。
「いいやしたよねえ、ブチのめすってさあ」
 物九郎の手のドラゴニックハンマーが火を噴いた。彼の超人的パワーにさらに加速による破壊力を上乗せし、一撃。髑髏の頭蓋を微塵に砕いた。

「……オ前ハ……何故」
 眼窩の赤光を明滅させ、倒れたレイヴンの髑髏の口が微かに動いた。その目は無表情に見下ろす真理を見上げている。どういうわけか、彼は真理のことが気になって仕方がなかったのである。
「……お父さん」
 真理の顔にわずかに表情がうかんだ。泣いているのか、笑っているのか、怒っているのか、良くわからぬ表情が。
 出来うることなら光の剣で止めを刺したかった。が、そのグラビティは活性化していない。仕方なく真理はナイフをレイヴンの胸に振り下ろした。すぐにレイヴンの眼窩の赤光が消える。
「休んでる暇はありません。一人でも多く救いましょう」
 促すと、瑠奈がスノードロップを追って走り出した。真理もまた。後には堕ちた死神のような黒影のみ残されていた。

作者:紫村雪乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年3月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 9/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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