オークは巨乳がお好き

作者:紫村雪乃


 レオタード姿の少女が足を広げた。
 むっちりとした太ももが露わとなり、股間の食い込みが際立つ。が、少女たちにそんなことを気にしている余裕はなさそうだった。
 高校の体育館。女子新体操部の練習である。
 すでに三年生が引退しており、残る部員の数は十人ほど。全員可愛らしい少女ばかりで、直接体のラインが出ていることもあってか、その様はさながら冬に咲いた大輪の花のようである。
「きゃああああっ!」
 突然、悲鳴があがった。粘液にまみれた触手が少女たちに襲いかかったからだ。
 その触手は異形の背からのびていた。
 豚の顔をもつ人型の魔物。オークであった。
「あっ……」
「いやあ、やめてぇ」
 ぬめぬめとした触手が少女たちの肌を、レオタードを舐め回すように這った。目的は拉致であるのだが、すぐには連れ去ろうとしない。快感の虜とし、抵抗を挫いてから浚うつもりなのだろう。
 と、気づけばおかしなことがあった。数人、オークが襲わない少女がいたのである。
 すぐに理由はわかった。彼女たちは胸が小さかったのである。オークは巨乳の少女のみを選別し、襲っていたのだった。
「だ、だめえ」
 触手に蹂躙されつつある少女たちが身悶えた。喘ぐ声に誇らしげな響きを滲ませて。

「オーク達が女性達を略奪する事件の発生が予知されました」
 うんざりしたようにセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は告げた。
 オーク達は魔空回廊から多くの女性の居る場所に現れ、女性を略奪しようとしている。場所は都心近くの高校であった。
「彼らは新体操部が練習している体育館に現れます。内部はかなり広いので戦いにおいて支障はないでしょう」
 部員の数は十。現れるオークの数も十であった。
「ただ彼らは部員全員を襲うつもりはないようです。どういうわけかこだわりのようなものが、オークは巨――」
 こほんとセリカは咳払いをした。
「いえ……胸の大きな女性だけを狙うようです」
「胸の大きな……」
 やや気の強そうな顔立ちの少女が言葉を途切れさせた。黒髪黒瞳の美しい少女である。
 少女――キーア・フラム(黒炎竜・e27514)は胸を見下ろした。むっちりとした双球が二つ、窮屈そうに衣服を持ち上げている。オークにとってはかっこうの獲物であった。
 そのキーアの胸から慌てて視線を外すと、セリカは説明を続けた。
「オークの戦闘力はたいしたものではありません。ただ触手の魔力は強大です。催淫効果をもち、ケルベロスであっても抵抗することは難しいでしょう」
 セリカはいった。以前の事件では治癒の力ですらオークの魔力には及ばなかったのだ。
「先に襲われる女性を避難させると別の場所に出て来てしまうので、それはできません。そのために女性の避難はオーク達が出現してから行う必要があります。けれど幸いなことにオークは女性達を攻撃したり傷つけたりする事はありません。とはいえ女性たちが戦場に残されていれば、オークの触手によっていかがわしい行為を受けてしまうかもしれません」
 セリカは嫌悪と怒りで顔をゆがめた。
「女性を略奪しようとするオークを許してはおけません。必ず撃破してください」。


参加者
呂・花琳(鉄鍋のファリン・e04546)
植原・八千代(淫魔拳士・e05846)
狩魔・夜魅(シャドウエルフの螺旋忍者・e07934)
ルリィ・シャルラッハロート(スカーレットデスティニー・e21360)
サロメ・シャノワーヌ(ラフェームイデアーレ・e23957)
エメラルド・アルカディア(雷鳴の戦士・e24441)
三枝・栞(野良メイド・e34536)

■リプレイ


「貴方たちが入部希望者?」
 新体操部顧問の女性が立ち並ぶ八人の少女たちを見回した。
「うん?」
 女性は怪訝そうに眉根を寄せた。態度こそ落ち着いてはいるものの、その少女は小柄で、小学生としか見えなかったからだ。確かに胸は大人並みに大きかったが……。
「貴方……名前は?」
「呂・花琳(鉄鍋のファリン・e04546)じゃ」
「貴方、小学生でしょ。ここは貴方が遊ぶところじゃないのよ」
「待て。我は飛び級じゃ」
 花琳はニッと笑った。すると女性は首を傾げた。飛び級の生徒がいるとは聞いていなかったが――。
「まあ、いいわ」
 曖昧に女性はうなずいた。そして次の少女の前に立った。
「えーと、次は」
 女性は一人の少女を見やった。銀髪銀瞳の大人しげな美少女だ。眼鏡をかけ、白のレオタードをまとっているのだが――。
「名前は?」
「クノーヴレット・メーベルナッハ(知の病・e01052)です」
 少女――クノーヴレットは控えめな声でこたえた。
「貴方、少しレオタードの生地が薄いようね」
 女性はクノーヴレットの胸と股間の部分にちらりと視線をむけた。薄桃色の乳首と股間の翳りがわずかに透けているようである。
「はい。注意します」
 素直にクノーヴレットは詫びた。が、一瞬、女性はクノーヴレットの瞳によぎる異様な光を見とめた。それは純真可憐なクノーヴレットの外見には似つかわしくない、まるで魔女を思わせる禍々しい光であった。
 一瞬怖気を覚えた女性であるが、すぐに気をとりなおすと三人めの少女を見やった。
「名前は?」
「植原・八千代(淫魔拳士・e05846)よ」
 気の強そうな少女がこたえた。豊かすぎる乳房が衣服を圧している。下着をつけていないのか、乳首の辺りがぽっちりと膨らんでいた。
「貴方、下の方は……いいえ。いいわ」
 女性は次の少女に視線を移した。そして、おや、と目を見開いた。
 それは小麦色の肌の女であった。今時珍しいブルマを身につけている。むっちりとした太ももが付け根から覗いていた。
「狩魔・夜魅(シャドウエルフの螺旋忍者・e07934)だ」
「狩魔さん、ね」
 女性は脳裏に名を刻み込んだ。夜魅の肢体は躍動的て、新体操部員として有望であると思ったのだ。
 さらに女性は隣の少女の名を尋ねた。銀髪紅瞳の貴族的な顔立ちの美少女だ。すると少女はルリィ・シャルラッハロート(スカーレットデスティニー・e21360)と名乗った。
「あっ」
 次の少女の前で、思わずといった様子で女性は声をもらした。
 十六歳ほどであろうか。中性的な美貌の持ち主だ。男より、むしろ女にモテそうであった。
 女性は喘鳴のような声で問うた。
「あ、貴方……名前は?」
「サロメ・シャノワーヌ(ラフェームイデアーレ・e23957)だよ」
 平然としてサロメはこたえた。女のぬめ光る視線には慣れているようだ。
「エメラルド・アルカディア(雷鳴の戦士・e24441)だ」
 七人めの少女がこたえた。煌く金髪を揺らした冷然たる美少女だ。ただ、そのエーゲ海を思わせる目は異様に鋭かった。
 そして最後の一人。くるくるした大きな瞳をもつ可愛らしい少女であった。純情そうに頬をやや赤らめて佇んでいる。三枝・栞(野良メイド・e34536)と少女は名乗った。


「今度は修練に励む学生を狙ってきたか……劣情に濡れたオーク共め」
 凛とした顔をゆがめ、エメラルドは吐き捨てた。彼女の眼前では新体操部の練習が始まっている。
「ふうむ」
 花琳が唸った。
「なるほど、進化したオークか。確かに厄介じゃな。しかし、しかしじゃな……その……ゴキブリが飛んできたら二倍怖い、みたいな方向性は何とかならんかったんか……ならんかったんじゃろうな、あいつらだし」
 花琳はごちた。
「ともかく」
 ルリィは氷のような冷たい声をもらした。
「一般人に被害が出る前にオークを倒さないとね。胸の大きい高校生狙うなんて、えっちぃオークは一匹残らず滅殺よ」
「そうだよ」
 落ち着いた物腰でサロメはうなずいた。
「乙女の身体を弄ぶなど、到底許してはおけないね」
「そうですよね」
 怒りのこもった目を栞はサロメにむけた。
「なんていやらしい……!不潔です、女の敵ですっ。やはりオーク達は絶滅させねばなりませんね」
 栞はふいに気弱げに目を伏せると、サロメに問うた。
「……ところであの、その、やはり誘惑とかしないといけないでしょうか?」
「いや……どうかな?」
 サロメは首を傾げた。
 以前のことだ。彼女はオークと戦ったことがある。が、その時には誘惑する必要などなかった。
「必要かもしれぬな」
 花琳がいった。女子高生を安全かつ効率的に避難させるためには、やはり誘惑すめことも必要だ。
 避難誘導班でよかった。
 この時、花琳は心底から思っている。オークのことを思う度、彼女の秘所は熱く湿るのだった。
 それが快感を欲する肉体の反応であると、誇り高い花琳は認めたくない。が、同時に思うのである。今度オークに悪戯されたらきっと堕ちてしまうだろうな、と。
「誘惑か……」
 ルリィは自身を見下ろした。胸が窮屈そうだ。誘惑するなら、この大きな胸を晒さなければならないのだろうか。いや、胸ならまだしも――。
 ルリィはレオタードの尻の部分に指をのばした。あまりに大きな胸に引っ張られ、股間に布が食い込んでいるのだ。さすがにルリィは恥ずかしそうに食い込みを指でなおした。
 その時だ。新体操部部員たちの悲鳴が響いた。


 粘液にぬめる触手が少女たちに襲いかかっている。オークが現出したのであった。
「お主たちが狙われておる。早く逃げるのじゃ」
 花琳が声をかけたのは特に胸が大きい少女たちであった。見学を装い、すでに彼女は確認しておいたのだ。
 八千代は自らの正体がケルベロスであることを明かした。そして避難を促した。
「安心して」
 少女たちを落ち着かせるべく、サロメは声をあげた。
「私たちが君たちを守るよ」
「はい」
 瞳を潤ませ、少女たちがサロメめがけて駆けた。このような状況でなければ彼女の胸に飛び込んでいたに違いない。
「奴らは体型を見て襲う相手を決める、非常に下劣な連中だ! 申し訳ないが、胸部が比較的大きい者から優先して逃げて貰う!」
 エメラルドは立ちすくむ少女の手をひいた。胸が大きい。
 その間、他のケルベロスたちは少女とオークの間に走り込んでいた。
「みんな逃げろ!」
 叫びつつ、夜魅は身内で殺気をたわめた。見る間に辺りの空気が硬質化する。彼女の放った凄絶の殺気の仕業であった。
「見学は終わりだ。今度はオレがお前等と一緒に汗をかく番だな……」
 オークに向き直ると、夜魅は体操服のめくりあげた。ぶるんと浅黒い乳房がこぼれでた。黒めの乳首がゆれる。
「巨乳好きって、お前等いい歳して、まだ乳離れできないのかよ……ほらっ」
「か、狩魔様……」
 夜魅の様子をちらりと見て、栞はごくりと唾を飲み込んだ。やはり囮になるにはあんなことまでしなくてはならないのかと思ったのである。
「ま、待ちなさい、お、オーク共っ! こっちを見なさいっ!」
 震える手を栞は体操服の裾にかけた。そして羞恥に頬を染めつつ、栞は一気に体操服をめくりあげた。
 ぷるん、と。薄橙色の乳房が露わとなった。ピンク色の可愛い乳首がゆれる。
「ブヒィ」
 喜悦の声をあげ、オークたちは夜魅と栞に襲いかかった。

 クノーヴレットは魅入られたようにオークに近づいていった。無論、オークに否やはない。クノーヴレットは新体操部員の誰より巨乳であり、美人であったからだ。我さきにと襲いかかる。
 ルリィはあえて逃げる素振りをみせた。それがオークたちの嗜虐心をあおった。彼女にもオークの触手がのびる。ルリィを性的に屈服させるつもりであった。


 逃げ遅れた少女たちに触手がのびた。
「させぬ」
 花琳が語法如意棒『討神演武』で触手をうちはらった。八千代はガントレットではじく。
 サロメは少女を抱き抱えるようにして走った。エメラルドはゲシュタルトグレイブをかまえ、少女たちの盾となっていた。
「急ぐのだ」
 エメラルドは焦りの滲む声で促した。その藍色の瞳にはオークに嬲られつつある仲間の姿が映じている。

「オレの胸、好きにしていいぜ。勿論こっちも……」
 淫蕩に笑うと、夜魅はむしろオークの手を掴み、ブルマの中に誘い入れた。
 オークの指がブルマの中の黒猫褌をなぞった。びくん、と夜魅の身がはねる。
「あ……ああん」
 夜魅の余裕は乳首を触手に弄られるまでであった。甘い喘ぎ声がもれる。
「も……もっとォ」
 夜魅はねだった。快感に肉体が灼かれ、我慢できなくなっている。もっと気持ち良くなれるのなら、どうなってもよかった。
 小麦色の肉体をよじらせ、夜魅はオークの指を褌の奥にすすめた。
「そこォ。ああん。そこをもっと弄ってぇ」
 夜魅は自らオークの手を激しく動かした。

 その夜魅の傍ら。すでに栞はオークの魔力に屈していた。
 最初は羞恥と嫌悪に顔をゆがめて抵抗していた栞である。が、数瞬の間であった。
 口の中に溢れた触手の粘液をごくりと栞は飲み込んだ。おそらく粘液には魔力が込められていたのだろう。燃え上がる淫欲に栞の理性は溶け崩れた。
「やぁん、これ美味しいです……♪ もっとぉ、もっと沢山おツユを下さいませ……♪」
 淫獣と化した栞は露出した乳房で触手をはさみんだ。同時に覗く触手の先端にチロチロと濡れた舌を這わせる。もっとオークを気持ちよくすれば粘液をもらえると思っているのだ。
「いっぱいしてさしあげますぅ。だからもっと。ああん。もっとォ」
 粘液にまみれながら栞は身悶えた。

 クノーヴレットは数体のオークの相手をしていた。
 わざとである。より多くのオークを引き止めるため。そして、よの多くの快楽を得るためである。
 粘液にまみれた彼女のレオタードは透け、裸同然であった。今や股間の翳りもはっきりと見えている。が、そんなことなど気にした様子もなく、嬉々としてクノーヴレットはオークと身をからませた。
 他にいかせぬため、触手を両手で掴み、しごく。口に含み、あるいは股間にはさむ。さらには使えるところは何でも使った。
「他所にいってはだめですぅ。ああん。私で気持ち良くなって。何してもいいいからぁ」
 クノーヴレットが喘いだ。オークもまた喘ぐ。
 今やオークが彼女をとらえているのではなかった。クノーヴレットがオークをとらえているのだった。

 ルリィは抵抗した。それが返って仇となった。レオタードが引き裂かれてしまったのである。
 今やルリィは布切れをまといつかせただけの、ほとんど全裸状態となっていた。もはや秘所やすぼまりもさらされて――いや、違う。秘所の申し訳程度に隠されていた。ぺたりと貼られた絆創膏によって。それはなまじ露出されているより一層淫らな眺めであった。
「ひ、避難さえ終われば……あん……こ、こんな……あっ……豚なんか即滅殺なのにぃ……はあん……死ぬより……あっ、後悔しながら死なせてやるわ……ああん」
 身体中を這い回る触手が送り込む快感に、唇を噛み締めてルリィは必死に耐えた。
 恥ずかしかった。悔しかった。大切なところを見せたり触らせたりするのは愛する人だと決めていたのだ。それなのに初めてをオークごときに奪われるなんて――でも。
「いやん」
 ルリィの口から甘い喘ぎ声がもれた。それが屈服の証であった。オークの魔力は彼女の想像を超えて強大であったのだ。
「ああん。そこぉ。もっと弄ってえ」
 尻尾を触手に嬲られ、ルリィは身をよじらせた。そしておねだりするようにオークの身体に舌を這わせ始めた。


 避難を終え、戦線にもどったケルベロスたちは慄然とした。超人ともいえるケルベロスたち自らオークに身をからませ、性的快感に酔いしれている。恐るべきオークの魔力であった。
「気をつけるんだよ」
 サロメが警告した。彼女を含めた四人が触手にとらわれた場合、全滅の危険性があるからだ。
「わかっておる」
 花琳の身を禍々しい黒炎がおおった。戦闘力を向上させる地獄の炎である。
「いくぞ」
 花琳が襲った。ヌンチャク形態の如意棒で触手をはじきつつ、栞を嬲っているオークに接近。頭蓋を叩き割る。隣では、栞の乳房を舐め回している別のオークの魂をシャーマンズゴーストが不可視の爪で引き裂いていた。
「お主、大丈夫か?」
 栞を花琳は抱きとめた。が、栞が正気に返ることはない。おツユをもっととうわ言のように繰り返し、腰をいやらしく蠢かせている。
 八千代は舌なめずりした。性的行為も好みだが、戦闘行為はもっと好物である。
「ちゃんとオーク全滅させないとね。今度は私と遊んでもらうわよ」
 女豹のように八千代はオークに躍りかかった。のばした細い指をオークの胸に突き入れる。それだけでオークは凍結した。
「ふふん」
 笑いつつ、八千代は脚をはねあげ、刃と化さしめた蹴りでオークの首を刎ねとばした。

 サロメはまず凝縮した快楽エネルギーを放出、弱っていそうな栞を癒した。その後、ステイ――テレビウムに声をかけた。
「いくよ。――うん?」
 動きかけて、サロメは脚をとめた。ステイが佇んだままだ。興味津々たる様子でクノーヴレットの痴態を見つめている。
「仕方ないね」
 苦く笑うと、サロメは跳んだ。炎を尾を足からひきつつ、蹴りを放つ。
 それは規格外の破壊力を秘めていた。蹴りをぶち込まれたオークの身が粉砕、余波は体育館の床を爆裂させた。
 破片舞う中、ニタリと笑う八千代は快感に濡れていた。
「やるな」
 感嘆の声をもらし、エメラルドはオークに肉薄した。栞の様子、さらには八千代たちの状態から支援より戦闘を行った方が得策と判断したのである。紫電をからませた迅雷の刺突をオークに放つ。なんでオークが躱し得ようか。
 オークの胸を貫くと、彼女はルリィを引き剥がした。
「大丈夫か?」
「ああん。好きぃ」
 ルリィがエメラルドにしがみついた。唇を吸い、エメラルドの胸と股間を弄る。
「や、やめ――ああん」
 エメラルドの口から隠しようもない淫らな喘ぎ声がもれた。
 彼女は感じている。オークの魔力ではなく、少女の手で。
「私は……私の身体は……」
 無意識的にエメラルドの指は自らの股間にのびた。

 幾許か後。
 戦闘は終わった。が、体育館は惨憺たる有様であった。床は破壊され、血の海ならぬ粘液の海と化している。
 正気にもどったものの、四人のケルベロスたちはいまだ動けずにいた。いや、夜魅のみ違った。ふらふらと立ち上がる。
「なんか物足りねぇな……そういやここ、共学だっけ?」
「だめよ、一般人に手を出しちゃあ」
 ニンマリと淫蕩に笑むと、八千代は夜魅にキスした。すると、すぐに夜魅は応じた。いやらしく舌をからめる。
 その様子を羨ましそうに見つめ、栞は切なげにため息を零した。
「……助けるの、もっと後でもよかったのに」

作者:紫村雪乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年3月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。