桜餅こわい♪

作者:baron

「あんころ餅だ、にげろー!」
 子供達は必死で逃げます。
 おかしな事に、追いつかれたはずのお友達は、どこにも居なくなったのです!
 そして、あんころ餅の色が、赤く染まって行くでは無いですか。
「た、食べられたんだ……。お餅怖いよー」
 それはきっと、御餅がみんなを食べて、血で染まったのかもしれませんね。
 最後に残った子供は、必死で逃げるのですが、何故か逃げられません。
 ですが、後ろを見たら一目瞭然。
『びよ~ん』
 と、御餅がくっついて、引っ張っていたのでした。
「やだやだ、食べないで! お餅怖いお餅怖いよー。助け……あれ?」
 からだ中が御餅だらけに成って、食べられて仕舞うかと思った時!
「なんだ夢か! 良かったー」
 そう、それは夢だったのです。
 御餅が人を食べる訳なんかないですよね! きっと、Gホイホイとか踏んだ時の記憶がよみがえっただけでしょう。
 それはそれで嫌なのですが、その子が思い出す間もありません。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『驚き』はとても新鮮で楽しかったわ」
「え?」
 その子の胸に鍵が突き刺さって、倒れてしまったからでした。


「子供の頃には、ビックリする夢を見たりしますが、今回は驚きの感情を奪うドリームイーターが現われました」
 セリカ。・リュミエールがメモ用紙に地図やら、絵やらを書きはじめました。
「既に『驚き』を奪ったドリームイーターは既に姿を消しているようですが、奪われた『驚き』を元にして現実化したドリームイーターが、事件を起こそうとしています。その対処をお願いしたいのですが……」
「構わないのですが、どんな夢だったのです? とっても気になるのです」
 セリカが描いている絵を覗きこみながら、マロン・ビネガー(六花流転・e17169)が小首を傾げた。
「敵の形状は、桜餅を基本系とはしています。ですが不思議な事に、この御餅はトリモチのようにネバ付いてしまいます」
「おかしいのです。おかしの中でもお餅はネバネバしてるので、ちっともおかしくないのです」
 セリカの説明にマロンは首を傾げた。
 お餅は御餅、ビヨーンとして、ネバネバして、それが面白いと思うのだが……。
「どうやらですね、この子は関東圏のクレープみたいな桜餅で育ったようです。それが、事件の前日以前に関西圏の桜餅を食べたのでしょう」
「なるほど、桜餅には二種類あったのですね。まるでウドンとかオデンみたいなのです」
 ビックリしたから夢にみたのだろう。
 なるほどと言いながら、何人かが納得したようだ。
「攻撃はドリームイーターが持つ攻撃のアレンジみたいですが、あんこの替わりに黒い物が飛び出してきたり、太りそうな幻覚を使ってくるようです。また、元が食べ物からなのか、興味ない相手を優先的に襲おうとするようですね」
 言いながらセリカは、倒せば被害者の子供も目覚めるだろうと付け加えた。
「子供の無邪気な夢を奪って、ドリームイーターを作るなんて許せないのですっ。きっと退治してくるのですよ」
「はい、その時はみなさんで一緒に笑いながらお茶会と言うのも良いかもしれませんね」
 マロン達がガッツポーズを決めると、セリカは近くに新しく出来た和菓子屋さんがあると教えてくれた。


参加者
ミストリース・スターリット(ホワイトマーベル・e03180)
八崎・伶(放浪酒人・e06365)
月原・煌介(泡沫夜話・e09504)
セツリュウ・エン(水風涼勇・e10750)
メティス・メドゥサ(オリュンポスゴルゴン三姉妹・e16443)
マロン・ビネガー(六花流転・e17169)
ブラック・パール(豪腕一刀・e20680)
櫻木・乙女(罪咎と膺懲と贖罪の少女・e27488)

■リプレイ


「桜餅を見ると春になった気がするが……」
「さくらもちだいすきです」
 浪人と少年は顔を見合わせクスリと笑った。
「好きでも嫌いでもないっつーか。まさか襲ってくるなんてなぁ……。まっ準備を済ませるか」
 八崎・伶(放浪酒人・e06365)は肩をすくめると、旅の途中で蕎麦やら団子やらを、たらふく愉しむ話を思い出した。
「どうせ和菓子なら、みたらし団子とかの方が食べやすいし美味い。気分が乗ればもう一皿」
 伶は大人のサイズ活かして、大きなコンパスで侵入禁止のテープを張って行く。
 一方で少年はサイズの問題で一苦労。
 パタパタとあちこちで飛び回った。
「ちょっとたのしかったです。でも、封鎖おわりました。クレープみたいなさくらもちがあるなんてびっくりです」
「お疲れ様です。桜餅以外にも、雑煮とかお味噌汁の具も違うそうですよ」
 ミストリース・スターリット(ホワイトマーベル・e03180)はその間、マロン・ビネガー(六花流転・e17169)とお話ししながら、桜餅の違いと同じ様な食べ物を思い出す。
 旅をしたり、今夜みたいな依頼で知ったことを、友達と話し合うのも楽しいだろう。
 知らない物を知る驚きとは、元来、世界を拡げるモノなのである。

 道を封鎖する事で、誰も巻き込まない様に心おきなく戦える。
「いよいよ戦闘開始なの。桜餅のドリームイーター……」
 メティス・メドゥサ(オリュンポスゴルゴン三姉妹・e16443)は溢れ還るほどの闘気を解き放った。
 実に美味しいそうな依頼なの……じゅるり。
 色に出てけり我が恋はと言うが、隠すに隠せない戦闘意欲。ならば存分に戦いを味わうまでだ。
「どこ、どこなの? 何処から来るのか……早く来てほしいの」
「この辺に居るって話ですよ。だから話してれば……って、きょ、巨大な餅ですー!?」
 メティスが鼻歌詠いながらキョロキョロしてると、マロンは地図を片手に探してあげる。
 やがてドリームイーターの方からやって来た。
 向こうも獲物を探してますし、人払いしたら他に人は来ませんからね。
 こうして出会うのは必然だったのでしょう。


「綺麗な……桜餅だね……」
 月原・煌介(泡沫夜話・e09504)は話題を続けながら接近。
 ドリームイーターの中でも、この手の感情を核にしたタイプは、話を口にした物を後回しに、感心の無い者を先に狙う傾向があるからだ。
「うにゅ、その通りなの。待ち遠しかったの」
 メティスのように食欲が勝ったからではない!
「俺の記憶にある桜餅も、こっち……。俺、関西出身なのかな……」
「煌介は記憶探しの旅、一歩前進かや?」
 気にするフリをしながら何度も口に出す煌介と違い、セツリュウ・エン(水風涼勇・e10750)は半ば無視をした。
 興味があるとしても、話題の一環として。
「しかし桜餅で無うとも、出身を測るものはあろう? 雑煮やら蕎麦やら。この餅、別段珍しうもなんともないぞ」
 むしろ否定する話題を提供したのだ。
 それは当然、セツリュウが攻撃を受けやすくする為。
 壁役を引き受ける為に、ワザと口にしているのだ。食事に対する偏見など無い。
「まあ言いたいことは判るけど……。さっき、誰かも……似たような例を上げてたけど……どうなのかな?」
「やってみて損は無いと思うがな」
 ふと、話題が桜餅から煌介の記憶へ。
 見つかるのが良いか悪いか分らぬがとは思いつつ、セツリュウは少しだけ前に出た。

 そんな折、ようやく敵が動き始めた。
 モゾモゾと動きだし……。
『びよ~ん』
「仲間はやらせぬよ? っなんだこれは、後で取れるのであろうなッ?!」
 飛んで来た餅からガードするように、セツリュウは気力を振るって障壁を作る。
 だが、体にまとわちついたネバネバは、随分と気持ち悪い。
「取れると思う……たぶん……。取れなくてもセツリュウはセツリュウ。ええと……」
「綺麗、可愛い? 凛々しいのですよー」
「美味しいそうなの?」
「スライムとかオークの触手よりマシじゃろうか?」
「フォローになっておらんぞ?!」
 方々から色んな声が掛けられるが、残念ながら今は取れないようだ。
「仕方無い。先に……倒せば良いよね? 月光に聖別されし雷よ……敵を滅せ」
 煌介は眠りこけたように静かな状態から、梟が颯爽と動き出すように攻撃態勢に入った。
 そして仲間の仇(死んではおらん!?)に雷電を解き放った。
「よし、一心不乱の大攻勢! 桜を冒涜するとは、生かしてはおけません。しぬがよい。それが嫌なら電車の中とかで定期的にちょっとお腹痛くなって苦しむがよい」
 櫻木・乙女(罪咎と膺懲と贖罪の少女・e27488)はふんすと鼻息荒く、気合いを最初っからマックスボルテージへ。
『折れぬ心は、朽ちぬ魂は、深淵をも伐ち祓う無限の勇気―――勇敢なる魂よ、今此処に集いし戦士達の導となれ!』
 詠唱しながら武骨な斧を召喚しつつ飛翔。
 急降下による降り降ろしから、反動で飛び抜けるVの字斬りで参戦。
「元気ねぇ……にしても眠いわ。こんな早朝に呼ばれても眠いわ……。でも面倒なら、どうにかしなくちゃいけないと……」
 ブラック・パール(豪腕一刀・e20680)は眠い目をこすりながら、大太刀に軽く力を掛けた。
 崩れ落ちる様な姿勢ながら、一息に刃を抜き放つ。
『せめて花ぐらい…美しく咲かせて頂戴』
 そして意識を切り替えると、ブラックは舞う様に白刃を閃かせた。
 あまりの速度にダメージを拡大する為のグラビティが、後から傷口に追いついていくと言う有様。
 こうして女性陣の猛攻から戦いは幕を開け、魔王の行進だとかフォース・オブ・桜ネイチャーが始まる。


 一同は陣形を整え直し包囲に取りかかる。
「大丈夫なのですか? ナニカが喰いついてましたのですよ。桜餅イーター……サチさんは許せないのです」
「大丈夫……なはず」
 マロンは治療に専念し、仲間を庇った壁役をフォロー。
 だが痛みは治せても、気色悪さは直せない。流体金属もカラっとはしてないしね。
 せめて銘名する事で、敵への敬意を払いつつ、敵意を確実化させねばなるまい。
「おててがべたべたしたら、ウェットティッシュがありますよ」
「む、すまぬ。手元だけでも拭っておくか」
 ミストリースはセツリュウのケアをしてから、んーと狙いを定めた。
 女の子たちに負けては居られまい。
 ぼんやししてても男の子なんだからっ。
『星々の小さな光よ、集まって我が力となれ!』
 見るが良い、これこそが宵の明星。
 ミストリースの集めた星の光は、凝縮されるや燦然と輝いている。
 そして撃ち放たれれば、弾けて消える時まで帆の煌めきが宿っていたかのようだ。
『がさごそがさごそ』
「くろい虫がさくらもちから出てきましたよ!?」
 おおっと、ミストリースが覗きこむと、破れた穴からナニカが飛び出て来る。

 流石に男の子だから興味津津であるが……。
「なんだかばっちいです!」
「ひえー」
 と口にした瞬間に、周囲が数歩引いた。
 誰が誰とは言わないが、あえて気にしないでおこう。
「やらせはせんと言った! むしろ先ほどの方が忌々しいくらいだ」
「おお……」
「活きのいいタンパク質が多そうな黒豆っぽいものが混ざってるけど、焼けば何でも美味しく食べられるの!」
「それは勘弁……」
 セツリュウが啖呵を切って壁を拡げて行き、その勇気に? 感心した様な声があがる。
 だがメティスが黒豆だと言う事にしようと言ったのは、流石にゲンナリした顔が返ってきた。
「むう。仕方が無いので、丸焼きにするのは後にして、食べ易いように切りつけるの」
「まだ諦めてねえのか。食べ物としてそれはどうなんだよとは思うが……。女の子がそれなら、男としても引くわけにはいかないよなあ」
 メティスが突進して行くのを見て伶は覚悟を決めた。
 良く漫画の表現で、引くわー退くわーというのがあるが、そんな状況に陥るわけにいかない。
「んじゃ、いくぞ! 衛生管理できてねぇならお前に食べ物を名乗る資格はない」」
 伶は背中に人生=ロマンを背負う。
 鉄拳を固めて超震動を掛け、殴りかかったのであった。


「さて、女性陣に負けない様に全力で行くとするか。なあ?」
「倒せればそれに越したことは無いけど……。うん。やれるだけやらせてもらうよ」
 伶が拳を叩き込みつつ、時間稼ぎも兼ねて箱竜の焔に攻撃させる。
 そして次の攻撃のため助走の距離を取り始める彼に、煌介は援護に入った。
『ファーン、いにしえの樹。双月が補い満つる刻、我は目覚めし生を歩まん、』
 煌介は生きる気力を奮い立たせると、体中から振り絞って芽生えさせた。
 閃光を放つのでは無く、閃光が芽吹く。
 自身を生命の樹として例え、芽は梢に、その先は蔦や葉として息吹いていく。
 だがしかし、その光に絡みつかれた敵は、生命力を吸い上げられていった。
「ますます黒豆みたいなの!? 我慢できなくなって来たのよ」
「本当にみんな元気ね。……朝に強くてうらやましいわ。援護くらいするけど」
 メティスの剣はやる気と共に燃え上がり、斧槍は天雷と化して敵を焼き焦がした。
 そこへブラックは追撃を浴びせ、咄嗟に張られた防壁を叩き斬ることで、グラビティによる負荷を増大させていく。
「おお。あんな感じでやれば良いのですね」
「ならこっちに合わせてちょうだい。いっきに叩き潰すわよ。どんな理由があれど、桜と、母さまを侮辱するような真似は許しません……」
 感心したようにミストリースが連携を眺めて居ると、乙女は回避されてしまったルーンの加護を名残惜しそうに振り切った。
 そして、手に持つ斧の力を最大限に活性化し、大振りのスイングで振り被る。
「では、うささんお願いします」
 ミストリースは要請に従い、ファミリアを杖から手元に戻すと御食事会に行ってもらった。
「この私を怒らせたことを、後悔してあげるわ! ……ん? 後悔させてあげるわ! ……これだ」
 乙女は武骨な斧に相応しい、真っ向唐竹割り……いや、ダイナミックなマキ割りを食らわせた。

 敵の攻撃は厭らしいが、体力はそうでもないようだ。
 既にフラフラで、餅だからもあるのだろうが、あまり喋りもしない。
「くっ、またか……。うっとおしいし、そろそろ終わらせる。っ破ッ!」
 セツリュウは再びベタベタ攻撃を受け、今度は髪の毛が盛大にからまってしまった。
 相手がオークじゃないから助かる?
 本気でそう思うなら、変わって欲しいと思いつつ、少なくない怒りを込めて悪しきベタベタ空間を断つ!


「おうら、喰らえ! さっきのお返しだ」
 ここまで来ると、相手の攻撃も元気が無い。伶がベタベタの復讐に放つ蹴りで吹っ飛んだ後、動きを鈍らせる。
「目には目を、桜餅にはアツアツ出来立て高級トーストです!!」
 マロンは時間を止めて鮮度を保存した後、対抗すべく高級な材料をふんだんに使用したトーストを取り出した。
 既に朝食やお菓子と言うよりは、ディナーのデザートに相応しい。
 さあマロンクリームの上に乗った栗の甘露煮までご堪能ください!
「と言う訳で逃がさないのよ! 折角だから焼き桜餅と洒落込むの!!」
 東西のスイーツ対決、この勝負を見逃せない。
 メティスは両手の得物をナイフとフォークに見立てて、子供が良くやる様にチンチンチーン。
 何しろ彼女はまだ子供である、美味しそうな物を目の前にしたら仕方無いではない。
 燃え盛る食欲を全開にして飛び込んで行った。
「おにいさん、アレいきましょう」
「アレというと……コレ? 了解」
 ミストリースと煌介はファミリアやら雷電を放った後で、再び顔を見合わせた。
 そしてタイミングを合わせると、言葉を合わせて合体攻撃。
「「ひかり……よ」」
 二人の呼び込む煌めきが、まるで北極星から延びる北斗七星の様に輝いて行く。
「残念、トドメとは行かなかったわね」
「悪鬼倒滅! 一刀ッ! 両断!!」
 ブラックの一閃が走り抜けた後、桜餅は内側から大崩壊。
 花弁が散る様に餅米が試算し、中に居たナニカ……が襲いかかろうとするのを、乙女の放ったルーンの輝きが捕えた。
 武骨な斧を光でコーティングし、Gにも似たソレはそれっきり、動かなくなった。

「ラジオ体操にしては激しかったわね……。はぁ……さっさと修復しちゃいましょうか」
「そろそろ仕込みに出て来る人も多いしな。……食べ物は大事にしたかったんだがなあ」
 ブラックが片付けを始めると、伶は桜餅の供養に手を合わせた。
 行きがかりの都合とはいえ、食べ物の形をしたものを殴る蹴るというのはあまり気分がよろしくない。
「仕込みということは、少し待てばお願い出来るです? なら折角なので関東風と関西風の桜餅を買って食べ比べをしてみるのです」
「うーん、ちょっと訂正。お土産買って帰るかな」
 鼻をすんすんして香りを嗅ぎながら、マロンが和菓子の食べ比べを提案すると、ブラックは家人の好みがどうだったかを思い出そうとした。
「そういえば似た例で、すあまは、すはまとは違うです?」
「すはまは黄粉に色々練り込んだ団子、すあまは上新粉を練りながら造る餅みたいだ」
 ふと、名前も良く似た和菓子について尋ねると、伶はは片目を閉じてネットで検索。

 そして職人のお爺さん達の朝が早いことや、町を守ってくれた礼もありお茶会が始まった。
「作戦の都合上、ああ言ったが……やはり桜餅は良いのう! どちらの形も愛らしい」
「おもちを巻いてますね! これもおいしいですね」
「自分と逆なのです。我が家はこっちが基本なのです」
 セツリュウが早速選び始めると、ミストリースとマロンがお互いの基本商品を半分こ。
 葉っぱだけで巻いた物と、クレープで巻いた物を交換し合う。
「アレを倒した成果、何だか黒豆入りの桜餅が食べたくなってきたの……じゅるり。あ、黒豆の大きいのを載せた、コレもいただくの」
「いろいろ形があって、たのしいですー」
 食いしん坊のメティスは、ぜーんぶパクリ。
 ミストリースは目をまんまるにしながら、真似して両手に花でいただきます。
「セツリュウ、後はお茶が怖いの?」
「うーむ……、その前にもう一つ、桜餅だの」
 煌介が気を効かせて急須を掲げるとセツリュウの眼は新製品へ!
「……まだ食べるんだ。でも、うん……戦った後でも、やっぱり美味しいね」
 煌介はその様子に苦笑しながらも、知らない商品と我が家のお得意さん談義に微笑むのであった。
「良い葉も仕入れてありますぜ、旦那。愉しむにはお茶も良い方がいいでしょう?」
「そうだね。どこのお茶なの?」
 そして乙女が淹れてくれたお茶を味わうことにした。
「さて? 闘茶というのも良いですね。ここにあるのは全て桜茶ですから、難しくはありませんよ」
 乙女はそういうと普通に桜の葉を浮かべたお茶やら、塩漬けにしたお茶やらをカパリ。
 みんなは笑いながら、ああでもない、こうでもないと朝を迎えたのである。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年3月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 3
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