大鎌が夜をさまよう

作者:星垣えん

●死を願う
 よれよれの着古した上着を着て、しがない青年・幸人は、夜の月に照らされる埠頭をぼんやりと歩いていた。
 その目はちらちらと左右を向き、なにかを探しているように見える。
「……こんなところにいるわけないか」
 自分にあきれたように、幸人は肩をすくめる。お目当てのなにかは見つけられないらしい。
「死神、なんて」
 自嘲気味な幸人の笑いに、生気はない。
「……自分で死ぬ勇気もないし、いっそ死神にでも出会えれば俺も楽に死ねるかと思ったんだけどな」
 失望して息をつき、思い幸人は踵を返した。
 だが向きなおった瞬間に、彼の心臓は巨大な鍵に穿たれる。一突きで、腹側から背中側へと。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 ――第五の魔女・アウゲイアスがそこにいた。
 幸人はその場に、彼の望みどおり命を奪われたかのように倒れた。そして意識のない彼のかたわらには、いつのまにか、寓話に出てくるような人骨の異形が立っていた。その手に1本の大鎌を握って。
 死神は動き出す。からからと乾いた骨の音が、尾を引いて夜闇のなかに消えていった。

●死を祓う
「死ぬことを求め、死神という存在を探していた青年の『興味』がドリームイーターに奪われました。彼の『興味』は死神として具現化したのち、現在は姿を消してしまっているようですが、近いうちに人を襲ってしまうでしょう。ですので、このドリームイーターが事件を起こす前に、なんとか皆さんの手でこの敵を倒してきてほしいんです。ドリームイーターを倒せば『興味』を奪われて意識を失っている青年も目を覚ましてくれるはずです」
 集まったケルベロスたちへと、セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は今回の依頼のあらましを説明した。求められるのは、死神の討伐である。
「自分で死を願うなんて、悲しいわよね……」
 この事件について調査したエディス・ポランスキー(銀鎖・e19178)の表情に明るさはない。
「このドリームイーターは得物として大鎌を振るったり、魔法で生命力を削るという攻撃をしかけてくるようです。まだ埠頭の近くいると思われますが、先ほど言ったとおり姿を見せてはいません。なので現場に向かっても奇襲を受けてしまう可能性がありますが……どうやらこのドリームイーターは自分、死神のことを信じていたり噂をしている人がいたらその人に引き寄せられる性質があるようです。うまくおびき出せば、逆にドリームイーターを待ち受けて有利な状況で迎撃できるかもしれませんね」
 セリカはそう言うと、ひらいていた資料をぱらりと閉じた。
「『興味』を奪われた当人は放っておいてほしいのかもしれないけど、死神のドリームイーターを看過はできないものね……。はー、なんかいやんなっちゃうわね!」
 じーっと考えてこんでいたエディスが、やーめた、とでも言うようにハツラツな顔でケルベロスたちに笑いかけた。


参加者
眞月・戒李(ストレイダンス・e00383)
英・虎次郎(魔飼者・e20924)
エリカ・アルゲントゥム(風に舞う白銀の花・e24421)
月島・彩希(未熟な拳士・e30745)
ジジ・グロット(ドワーフの鎧装騎兵・e33109)
エレコ・レムグランデ(象の像使い・e34229)
ノア・モンターク(月曜は雨・e34726)

■リプレイ

●死神像
 ケルベロスたちは、埠頭にある荷捌き場にいた。開けた場所ならば戦いやすいし、敵が来ることにも気づきやすい、というエディス・ポランスキー(銀鎖・e19178)の判断だった。
「死神って本当にいるのかな? いるのなら一度見てみたいな」
 チラチラと周囲に注意を配りつつ、エリカ・アルゲントゥム(風に舞う白銀の花・e24421)は死神の話題を口にする。
「死神かぁ。死神というと鎌と骸骨のイメージだけどなんでだろう?」
「フランス語では死神のコト、『ラ・モール』言いマス。ソレもスクレット(骸骨)が鎌を持ってるイメージがフツウやけど、うちとこのおばあちゃんは『天使さまが死神のお仕事もしとるんよ』言うてマシタ。どーゆー意味なんやろ~?」
 ライトで荷の陰などを照らしていた月島・彩希(未熟な拳士・e30745)が不思議そうに仲間たちに尋ねると、ジジ・グロット(ドワーフの鎧装騎兵・e33109)も故郷での祖母との会話を思い出して首をひねる。
「ひゃ……骸骨の死神さんパオ? 我輩怖いの苦手……」
 死神のイメージを思い浮かべたエレコ・レムグランデ(象の像使い・e34229)は恐怖から、大きな象の耳を両手で顔までひっぱって覆う。そして隣にいるエディスにピッタリとくっついた。
 だがエレコがすがったエディスも、今は彼女を脅かす役目だったりする。
「以前この付近で行方不明者が出たっていうのも、死神に会って海に攫われたんじゃって噂があるわ」
「そ、そうなんだー……」
「……ほんとパオ……? う、うそだといいのパオ……」
 エディスの話を聞き、彩希は「ハハハ」と乾いた笑いを発しつつライトの光をぶんぶんと振って恐怖をごまかす。彼女も怪談などは苦手だった。そしてエレコはよりいっそう耳をひっぱりこんで縮こまる。
「死神……ねえ。本人も気づかないうちに、いつのまにか背後から忍び寄っていて、あの大鎌で一思いに命を刈り取ってしまうような印象があるなあ」
「体を真っ二つにされちゃいそう。死神に殺されるのって痛くないのかな」
 怖がる彩希たちとは対照的に、ノア・モンターク(月曜は雨・e34726)と眞月・戒李(ストレイダンス・e00383)は至って淡々とした口ぶりである。
「狩りとった魂は何に使うんだろう。生きてることが辛くて、それから開放されても、死神に魂を束縛されるんじゃ一緒だよね」
「確かに持っていってどうするんだろうね。籠に入れて観賞……はないか」
「おばあちゃんの言うとーり死神が天使さまやったら、天国にヒューッ! とか~?」
 戒李とノアの間にポンッと割りこんで、ジジが楽しそうに笑う。
「そーいえばジャポンにも死神のお話、あるよネ。メディサン(医者)がラ・モールの力を借りて大儲けするやつ。あれ実は元ネタがグリム童話なんやって、知ってた~?」
 雑学を披露し、ペラペラと舌が滑っていくようにジジは話しつづける。その勢いたるや、まさに高座の落語家を彷彿とさせるほど。
「しかしまあ死神、ね……望んで会えるなら会ってみたいもんだ。勿論ぶちのめす為だがな」
 英・虎次郎(魔飼者・e20924)は肩をすくめて笑い、仲間たちの噂話や雑談に軽く相槌を打つ。その間も、彼の視線は常に辺りの闇を探り、仲間が奇襲を受けないようにと気を張りつづける。
 しばらくして、敵の到来に気づいたのはエディスだった。注意深く耳を澄ませていた彼女は、からからと鳴る骨の音を聞いたのだ。
「来るわ!」
 話しこんでいたケルベロスたちは、即座に武器を出し、身構えた。
 夜陰の向こうから、鎌を手にした死神――ドリームイーターが飛びこんできた。己を呼んだ者の命を刈るために。

●骨が鳴る
「やっと来たんだね。遅いよ」
「カカッ!」
 笑うように顎の骨を鳴らし、ドリームイーターが大鎌を投げこんでくる。戒李は回転して飛来するそれを身を低めてかわし、起き上がりざまに炎の巻きついた足で腹を蹴りつけた。
「まずは、するする動かれないように!」
 さらに背後からエディスが力のままに敵の足を蹴り潰し、動きを止める。
 そして敵の体を挟みこむように、虎次郎とジジが肉迫する。あえて、大鎌がすぐにでも届くほどに接近し、2人して不敵に笑った。
「死神なんだろ? 俺の命を奪ってみろよ骨野郎。やれるものなら、な!」
「ナ~うちのこと、捕まえられるっ? 暇やし鬼ごっこしヨ~?」
 力任せに虎次郎が振るった鉄パイプが頭骨をガァン、と打ち鳴らすとドリームイーターはその場に膝をついた。そしてその周りを、ジジがペラペラと喋りながらちょろちょろと回りつづける。
 大鎌をふりかぶり、ドリームイーターは断頭の一撃をジジめがけて振り下ろす。
 ジジはひらりとその鎌を避けると、むっと眉根を寄せた。
「避けられたからいいケドも! 乙女の肌、傷つけんといて~!」
「気にするところ、そこなんだ……」
 ドリームイーターを横っ腹から蹴り飛ばし、積まれた荷のなかにぶちこんだ彩希はジジのぶっとんだ思考にあきれ笑いを送る。確かに乙女の肌は貴いものだけど。
 崩れた荷のなかからドリームイーターが這い出してくると、彩希は気を取り直し、目の前の脅威をじっと見つめる。貧相な骨の体に、身の丈も越える大鎌、まさに仲間と話していた死神のイメージそのものだ。
「今回は敵は死神の姿だけどドリームイーターなんだよね。ちょっと不思議な気分」
 攻撃されながらも、カタカタと笑う姿はひどく不気味であり、彩希は背筋を冷たいものが昇っていくような感覚を覚える。
「見た目は怖い……けど、怯えてばかりじゃいられないよね……さぁ勝負だよ!」
 この戦いも、自分を変える一歩とする。そんな彩希の意気に、アカツキも咆哮で応える。ドリームイーターが投じた鎌の刃をその身で受け止め、主人への危害を食い止めてみせた。
「とっても痛そうパオ! みんなを守るのパオ!」
 体を血で濡らすアカツキの姿を見て、エレコは即座に大量のゴーレムたちを錬成する。それらはエレコの合図ひとつで一斉に動きだし、鋭き大鎌と格闘していた虎次郎ら前衛の仲間の守護についた。
「助かるじゃねえか、ちっこいの」
「ヒールなら我輩得意なのパオ!」
 虎次郎なりの感謝の言葉に、エレコは堂々と胸を張る。おまけにヒールドローンまでも仲間の警護に飛ばして、手厚い支援体制を瞬く間に構築した。仕事でヒールグラビティを駆使しているだけあり、エレコにはヒールの腕に関して並々ならぬ自信があるのだ。
「この死神は人が産み出した幻想の存在。そんな物が人を殺すのを見過ごすわけにはいかないから、ここで倒すよ」
 遠く、虎次郎や戒李たちと演武に興じるかのように戦っている死神の姿を見とめ、エリカは決意を言葉に乗せる。かたわらにいるヘザーは、友の言葉に力強くうなずいた。
「エディスさんが言うようにまずは足止め。南風よ、吹き荒れて嵐をこの場に誘え!」
 エリカが手をかざすと、一陣の風が倉庫内を駆け、ドリームイーターの体をなでる。
 一瞬ののち、暴風が倉庫の扉を乱暴に吹き飛ばし、骸骨の四肢を絡めとった。もがく体は宙に浮かび、嵐のなかに拘束されたドリームイーターは、斬撃のような風に身を幾重にも斬りつけられていく。さらにヘザーも床に散らばった荷物を嵐のなかに念力で投入し、風の力を得たそれは巨大な重みとなって敵の体を打ち壊す。
 追撃はまだ止まらない。ノアはエリカの生んだ嵐に向けて、ドラゴンの幻影を放出する。紡がれる竜語に乗って、身をうねらせて風のなかに突入した幻影は、内部で炎熱を解き放ち、嵐を炎の檻へと転じさせた。圧倒的な熱が倉庫内に立ちめぐり、やがて収まらなくなった爆炎は破裂するように一気に放散する。
 その瞬間、ドリームイーターが炎のなかから飛び出し、魔力を秘めた怪しき眼光をノアに向けた。ノアも気づき、視線が交わされる。
「カカッ!」
「ぐっ……!」
 心臓を潰されているかのような苦痛が、ノアを襲った。魔法への備えは万全だったから倒れるほどの威力ではなかったが、まだ敵には余力があると感じるにはじゅうぶんな攻撃だった。
「さすがに簡単には倒れないか……」
 からから、と。
 いまだ骨は鳴りつづける。

●死には死を
 死神を象ったドリームイーターの攻撃は脅威的だったが、ケルベロスたちは巧みな戦いぶりでその脅威を最大限抑えることに成功していた。虎次郎とジジが攻撃を引き受け、その間にほかの仲間が着実に敵の機動力と、攻めの手を削いだことで、脅威度は格段に低下していたのだ。
「わたしも……そろそろいかせてもらうよ!」
 遠方からの支援攻撃に徹していた彩希が、如意棒をヌンチャクの形に変え、敵の大鎌の間合いに果敢に突っこんでいく。ドリームイーターは鎌を握る手に力をこめ、彩希の顔めがけて振りあげるが、彩希はそれをヌンチャクをつなげる鎖で受けていなす。そのままその力を転じさせ、逆に敵の顔面に如意棒を叩きこんで骨を粉砕した。
「昔のわたしだったらこういう死を連想させる存在からは逃げていたけど、今なら逃げずに向き合える。あなたが奪っていい命なんて一つもないよ!」
 大きくのけぞった敵の空洞の胸郭めがけて、エリカが妖精弓を引き絞った。
 必殺の意志を一矢にこめる。自分をそこまで強くしてくれた友、そして今なおともにいてくれる友――ヘザーへの感謝とともに。
 胸郭の中央を、エリカの放ったエネルギーが貫くと、ドリームイーターの胴体がぼろりと崩れはじめる。
 追いこまれた死神は、身がパラパラと瓦解するのも気に留めずにエディスに迫り、腹を大鎌で斬りつけた。焼けるような感覚に、エディスは顔をゆがめる。
「エディちゃんが大変パオ!」
 大好きなエディスの負傷に、エレコはあわてて指輪から光の盾を具現化し、彼女を防護する。
「……悪いけど、貴方はお役御免なのよね!」
 エレコの支援を受けたエディスは傷の痛みを気力でねじふせ、蒼き術色を乗せた全力の拳を骸骨の顔に打ちこんだ。頭部が、ガラス細工のように砕け散る。
 頭を失った死神は、ただ無秩序に鎌をふり回す。そこに敵がいるかも関係なく、壊れた玩具のように。
 その哀れなる死神に、戒李は足音もなく歩み寄った。
「生きてることが辛いって思う人はいるし、その理由も様々だけど、だからって死んでもいいって思うのも、寂しい話だね。死んだらそこまでだし、ひょっとしたら生きている時よりも辛い思いをするかもしれないんだから」
 普段から叩く軽口のように、戒李は死を願う浅薄を説いた。死の先に今よりも良い世界が待っていると思うなんて、なんとも幼稚なことじゃないか。自分から死を求めるなど、あまりにも愚かしい気がしていた。
 しかし、だ。戒李はほんのわずか微笑む。
「とはいえ、そんな人の心を利用するのはもっと良くないって、分かってない連中にはしっかりと教えてやらないと。その瞬間に至らなければお前達にはわからないだろう、死ってやつを」
 戒李が手をひらくと、そこから輝く光が立ち昇った。美しく見えるそれは、相手の罪悪感が生みだす魔力、それが寄り集まった矢だ。
「塵に帰る時だよ。偽りの死神」
 何本もの罪の矢が、静かに死神の体を刺し貫くと、玩具はようやく動きを止め、風にその骨身を溶かして消えていった。

●答えは未来で
 埠頭に倒れていた幸人を、ケルベロスたちはすぐに見つけることができた。
「……俺、いったい……」
「アジャラカモクレン、テケレッツのパー!」
 頭を押さえ記憶を起こそうとしていた幸人に、ジジは唐突に呪文を唱えた。あまりに急だったので幸人はびくんと体を跳ねさせてしまう。
「なにを……」
「おっちゃんの足元に死神がおったから、追い払ったヨ♪」
 戸惑う幸人へジジは満面の笑顔でそう告げたが、対する幸人はそれを聞くと悲しげに笑った。
「追い払った……か」
 彼の顔には失望が浮かんでいた。ジジはそうなる理由がいまひとつわからず首をかしげたが、表情から見て、いまだ幸人が死を願っていることは推測するに難くない。
(「死にたいなんて俺は思ったことないから、どれほどの辛さかって理解はできてないかもしれないけど……なんとか、ならないのかな……」)
 ノアは幸人にかける言葉を探したが、死を願ったこともない自分がなにを言えるのだろうと考えると、言葉は出てこなかった。
 それは虎次郎も同じだった。自死は逃げの道、と自分を言い聞かせてきた彼だが、それを他者にも押しつける気はない。かといって気の利いた言葉もなく、悩んだ末に虎次郎はひとり抜け出し、波打ち際に立っていた。
(「死神に会いたいなんて言った野郎は俺を入れて3人だけだ」)
 暗闇をたたえる海面を、なにを見るでもなく虎次郎はながめる。
 死神を望んだ3人。打ち滅ぼすと誓った己、死を願った幸人、そして――。
(「……自ら死神となることを選んだ男」)
 行き場のない思いをこめて、虎次郎は痛いほどに拳を握りしめた。

「死ぬ勇気がなかったってことは、心のどこかでまだ生きていたいって思ってたから。それを忘れないで」
「……ありがとうございます」
 エリカは座りこむ幸人のそばに寄ってかがみこみ、簡潔にそれだけを伝えた。幸人の返答は味気ない感謝の弁しかなかったが、あえて言葉は重ねなかった。
 彩希とエレコによる腹の傷のヒールが終わると、エディスは幸人の隣に腰を下ろした。
「生きていないと幸せは見つけられないわ。貴方の人生に幸せがなかったと後悔するのは、今じゃなくてもいいはずよ。未来を今、決めつけないで」
「……そうでしょうか」
「そうよ」
 幸人の目を見て語るエディスは、戒李がドリームイーターにトドメを刺した場面を克明に思い起こす。罪悪感を魔力の矢に換えるという戒李のグラビティ、あれを自分が受けたらどれほどの矢にこの身を貫かれるだろう、と考えずにはいられない。
 胸に去来するのは、亡き弟妹のこと。自分のせいで命を落とし、今でも逢いたいと願わずにいられない、愛する弟と妹。
 ひとり生きることの罪悪感、ひとり生きることの孤独、その果てに死を願ったこともある。
 だから、幸人の気持ちを、エディスは痛いほどにわかっていた。
 けれど。
「アタシも、辛いことの方が多い人生だったとしても……今その結論は出さないわ」
 エディスは幸人に明るく笑いかけた。屈託もないほどに明るく。
「……そんなふうに、笑えるかな」
「笑えば笑えるわよ」
 そう言うと、エディスは幸人の肩を軽く叩き、立ちあがる。
 そして帰ろうと歩き出したところで、エレコがちらりとエディスの顔を覗いた。
「エディちゃん……」
「なーによエレコ、暗い顔しちゃって!」
 心配そうなエレコに明るい声を返してから、エディスは幸人をふり返った。
 遠くて表情は見えないけれど、ゆっくり立ちあがるその姿には、わずかな生きる意志が見えたような気がした。

作者:星垣えん 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年3月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 6
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。