ふわふわシュークリームドラゴン

作者:天木一

 薄暗い商店街の裏路地を一人の少女がうろうろと何かを探すように下を向いていた。
「うーん、居ないかなー?」
 少女が顔を上げ、残念そうな声を漏らす。
「ネットの噂では、ケーキ屋のゴミ箱に廃棄処分されたシュークリームがドラゴンになって、恨みから人をぺろりと食べちゃうって話しだったけど」
 人を食べるようなシュークリームとはどんなサイズだろうかと想像して、少女はワクワクしたように目を輝かせる。
「あー1度見てみたかったなー、おっきなシュークリーム!」
 きっと食べられたらクリーム塗れになって甘くて美味しいに違いないと、少女は本気で残念がった。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 背後で女性の声がすると思った瞬間、少女の意識は失われた。その胸には鍵が突き出ている。
 鍵を引き抜いた背後の魔女は元から居なかったように消え去る。そして代わりに現れたのは4mはあろうかという巨大なシュークリーム。そこから前後に穴が空きカスタードとホイップクリームが溢れ、まるでドラゴンのような長い首と尻尾が生み出され、更には翼までが生えた。
 それはシュークリームで出来たドラゴン。翼を羽ばたかせクリームを周囲に撒き散らしながら、甘いモンスターが動き出した。

「ふむ、最近巷で噂のドラゴンを探していたのじゃが……一風変わったドラゴンを見つけてしまったのじゃ」
 付け髭をつけたウィゼ・ヘキシリエン(髭っ娘ドワーフ・e05426)が腕を組んで困った顔を見せる。
「どうやら第五の魔女・アウゲイアスが『興味』を奪い、それを元に怪物型のドリームイーターを生み出したようです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が事件の説明を引き継ぐ。
「現場に向かい新たに現れたドリームイーターが暴れる前に倒し、少女を眠りから目覚めさせてもらいたいのです」
 このままだと周辺の商店街の人々が襲われ、少女も眠ったまま目覚める事はない。
「敵は東京の商店街にある人気のない路地裏に現れます。商店街へ向かわせないように戦えば被害を出さずに済むでしょう」
 路地裏は戦える程度の広さはある。店の裏口部分なので、人が逃げるのに問題も出ない。
「ドリームイーターは大きなシュークリームをベースに、ドラゴンの形をしているようです。中のホイップやカスタードクリームを使って攻撃を仕掛けてくるようです」
 一見すればただの甘く美味しいクリームだが、人が浴びたり食べたりすると害となる。
「大きなシュークリームを見てみたいという少女の気持ちはよく分かりますが、人を襲うような存在となると話しは別です。皆さんの力でこのシュードラゴンを倒し、少女を助けてあげてください」
 お願いしますとセリカが頭を下げ、ケルベロス達も任せておけと頷く。
「うーむ、大きなシュークリームのドラゴンとはのう……これはシュークリームに属するのかドラゴンに属するのか、興味深いのじゃ」
 付け髭を撫でながらウィゼが思考を巡らせる。そして実際に会って調べてみようと目を光らせた。
「ではフィールドワークに向かうとするかのう」
 ふぉ、ふぉ、ふぉと笑うウィゼに続き、ケルベロス達も出発の準備を始めるのだった。


参加者
パティ・パンプキン(ハロウィンの魔女っ娘・e00506)
癒伽・ゆゆこ(湯治杜の人形巫女・e00730)
ロイ・リーィング(見兔放犬・e00970)
ルージュ・ディケイ(朽紅のルージュ・e04993)
ウィゼ・ヘキシリエン(髭っ娘ドワーフ・e05426)
ノア・ウォルシュ(太陽は僕の敵・e12067)
アリシア・クローウェル(首狩りヴォーパルバニー・e33909)
蓮水・麗(サキュバスの降魔拳士・e35497)

■リプレイ

●シュークリームドラゴン
 商店街の裏へと回ってくると、人の賑わう表通りとは違い、店の裏口となる狭い道は人気が無かった。
「とってもあまおいしいシュークリームのドラゴン……ただのスイーツでしたらとっても素敵ですけど、人を襲っちゃうならいただきま……懲らしめますですっ!」
 人を襲うシュークリームのドラゴンをイメージしても、癒伽・ゆゆこ(湯治杜の人形巫女・e00730)の脳裏には美味しそうなシューしか思い浮かばなかった。
「シュークリーム製のドラゴンですか? ……もし本物なら大勢の人が幸せになれたでしょうね」
 蓮水・麗(サキュバスの降魔拳士・e35497)は本物なら人々が大喜びしたに違いないと、普通のシュークリームが大きくなったほのぼのしたイメージを浮かべる。
「シュークリームの……ドラゴン……? なかなか美味しそう……じゃなくて、強敵みたいだね」
 美味しそうなドラゴンを思い浮かべたノア・ウォルシュ(太陽は僕の敵・e12067)は、ある意味強敵だろうと甘い香りのする路地裏へと足を踏み入れる。すると路地の真ん中に巨大なシュークリームが浮いている。その中から溢れるクリームが翼になり、脚になり、顔と尻尾になって6mにもなるドラゴンの姿を形作っていた。その奥には少女が横たわっているのも確認できる。
 それを見てノアはバイオガスで周囲を覆い、表から人に見られないように視界を遮る。
「ふむ、やはりおったのじゃ。クリスマスケーキドラゴンがおるのじゃから、その亜種も存在すると警戒しておいてよかったのじゃ」
 ふむふむとウィゼ・ヘキシリエン(髭っ娘ドワーフ・e05426)がシュークリームで出来たドラゴンを観察する。
「人々の憎悪を集めるだけでなく、お菓子へのトラウマを植え付けかねないのじゃ。被害を最小限に抑えるのじゃ」
 人々を襲う前に倒してしまおうとウィゼは足を踏み出した。
「巨大シュークリームは浪漫なんですが……ドラゴンはちょっと増長すぎですね、胸焼けしそうです」
 クリームをお腹いっぱい食べた想像をしてアリシア・クローウェル(首狩りヴォーパルバニー・e33909)が胸に手を当てる。
「どうせ食べれないですし、さっくり片付けましょう」
 アリシアも敵を路地裏から逃さないように行く手を塞ぐように位置取る。
「随分と可愛らしいドラゴンではあるが……危険なのは間違いがない」
 一般人の被害が出る前に手を打とうと、ルージュ・ディケイ(朽紅のルージュ・e04993)がキープアウトのテープを路地裏への通路に張り巡らせる。
「危ないから早く逃げるのだ!」
 近くの人に呼びかけながら、パティ・パンプキン(ハロウィンの魔女っ娘・e00506)は棒状のスナック菓子を一口齧ってこれ見よがしに放り捨てた。
 ロイ・リーィング(見兔放犬・e00970)も袋から取り出したマシュマロをぽろぽろと地面に落としていく。
「まぁ、こんなの後で買えばいいもんね」
 出来るだけ平静な顔をして、ロイは歩きながら食べ物を適当に扱う様を見せつけるようにマシュマロの跡を残す。

●甘いクリーム
『シュギャーッ』
 お菓子を粗末にされたのを見たシュードラゴンが吠えると、開いた口から白いホイップクリームを放ってくる。
 身を挺してボクスドラゴンのジャックが攻撃を防ぐ。その近くでウイングキャットの伯爵が高級猫缶をいくつも開け、少し食べては飽きて放り出す仕草を見せつける。するとシューの怒ったような視線が向けられ、クリームのブレスが放たれる。
「美味しそうなのだー。ハッ、いけないいけない!」
 思わず見惚れてしまったパティは首を振り、空にえいっとドロップを放り投げると、甘い薬液の雨となって仲間に降り注いだ。
「皆さん! あのシュークリームは人を襲っちゃう危険なシュークリームですので、早く逃げてくださいですー!」
 興味本位で一般人が近づかないよう声を張り上げながら、ゆゆこは大麻を振るって神に祈り仲間の身に加護の結界を纏わせる。
「食べ物を粗末にする相手が嫌いなのだったな。ほら」
 ルージュは食品サンプルを放り投げて敵の気を引く。その隙に瞳に地獄の炎を集中させ最善の未来を見通す。そしてその通りに敵との間合いを詰め、蹴りを振り向く顔に叩き込んだ。砕けた顔のクリームが飛び散り地面を白く染める。
「シュークリームドラゴンかぁ……食べたら甘いのかなぁ」
 だが食べてみる訳にもいかないと、ロイはハンマーを砲へと変形させて砲弾を撃ち出し、爆発でシューを吹き飛ばした。
「まずはそのシュー生地を粉砕するのじゃ」
 そこへウィゼが植物の蔦を伸ばしてシューに巻き付け、生地を侵食して穴を空けていく。
『シューッ!』
 シューはその傷口から大量のカスタードクリームを周囲に噴き出す。
「美味しそうだなあ……」
 思わず声を漏らしながらノアは紙兵を仲間の前に撒いて防壁とし、クリームに塗れ倒されていく。
「まずは火を点けましょうか」
 ローラーダッシュで加速したアリシアは、低い姿勢でクリームを掻い潜り、炎を纏う足でシューの腹を蹴り焼き跡をつけた。
「むしろ、このドラゴン? がまず食への冒涜ですよね……」
 麗はガトリングガンの銃口を向け、燃え盛る弾丸を撃ちまくりシュー生地に焼き目をつけていく。
『シュシュ―!』
 仰け反ったシューは反撃に口からふわふわの甘いクリームを放つ。
「美味しくても食べると可笑しくなるお菓子は遠慮するのだ!」
 パティが南瓜の紙兵をばら撒いて仲間を守らせる。
「緊張感のない見た目だが、手加減はしない」
 オーラを纏って突っ込んだルージュは弾丸のように拳を打ち込み、ずぼっとシューの皮を突き破る。すると中のカスタードが溢れて腕を絡めとられた。そのままクリーム塗れにさせんとシューが口を開く。その攻撃を割り込んだロイが受け止めた。
「確かに美味しいカスタードクリームだね。だけどクリームは食べるもので浴びるものじゃないよ」
 顔にべったりついたクリームを拭ったロイは、抜いた刀に雷を帯びさせてシュー生地に突き入れる。電撃が伝わり傷口から更にクリームが溢れ出た。
『シギャーー!』
 クリームの翼を羽ばたかせてシューは頭上からクリームブレスを放つ。
「皆が無事ににいただ……いられるようにしますですっ!」
 ゆゆこが大麻を掲げると、雷が降り注ぎ障壁となってクリームを防ぐ。
「そのクリームたっぷりの翼をもいでやるのじゃ」
 とうっと大きく跳躍したウィゼが飛び蹴りで翼を打ち破った。バランスを崩しシューの体が傾く。
「うーん、甘くて美味しそうだけど、これって食べたらダメなんだよな……」
 残念そうに首を振ったノアは、背後に回って縛霊手で殴りつけ霊力を巻き付けて敵の体を縛る。
「……どこ斬っても、クリームが飛び散りそうです。……刃の手入れが大変です」
 嫌そうな顔をしながら左右に2本のナイフを引き抜いたアリシアは、舞うように刃を振るいシューの体を切り取っていく。
『キシューッ』
 シューの胴体が2つに開きアリシアに覆い被ささろうとする。
「どんな物でも食べ過ぎは体に悪い、けど一口位は……はっ、何と言う強敵……いや食べ物? 毒入り?」
 美味しそうなクリームに指を伸ばしたくてうずうずとしていた麗は首を振って正気に戻り、御業を呼び出してシューに掴み掛からせて押し留めた。
「さあ行くのじゃ、シュークリームをたらふく食らうのじゃ」
 そこへウィゼがアヒル型ミサイルを発射し、ドリルのような嘴がシュー生地を貫きクリームを飛び散らせる。
『シュー――!』
 するとその穴からカスタードクリームが噴出し、近くのケルベロス達に降り注ぐ。
「わぷっ!? クリームが口の中にはいって……ほっへもあまほいひいれすぅ~……」
 口にクリームの入ったゆゆこが蕩けた笑みを見せて、頬に付いたクリームも指で掬って食べた。
「怪物のシュークリームより、パティのお薬の方が美味しいのだ!」
 対抗するようにパティが薬液を降らせてクリームを洗い流す。
「確かにもっと食べたくなる味だが、食べ過ぎは毒だろう」
 顔のクリームを拭ったルージュは2本の如意棒を百節棍に変化させ、敵に反撃の間を与えずに連打を浴びせる。
「いいなあ……ダメと分かってても食べたくなってくるよ」
 クリームを口に突っ込まれた仲間を羨ましく思いながら、ノアは飛び蹴りを浴びせてシューを地面に叩き落とした。
「シューアイスなんてのも美味しいかもしれないよ」
 そこへロイが担いだハンマーを叩きつけると、地面ごとシューが凍りついていく。
『シュシュッキシー!』
 べりべりと貼り付いたシュー生地の表面を破りながら起き上がり、シューの巨体が飛び掛かって来る。
「甘い……けど服までクリームが……気持ち悪いです」
 服に付いたクリームのぬるりとした感触に不快そうにしながらも、アリシアは降魔の力をナイフに宿して斬りつけクリームを飛び散らせる。
「シュークリームはミニサイズのが好きです」
 そんな自己主張をしながら、ガトリングを構えた麗は熱された弾丸の雨を叩き込んだ。

●べとべとクリームまみれ
『シューッ!』
 シューがクリームを放つと、ロイが刀で斬り払う。するとシューの胴が口のように開きロイの体を呑み込んだ。そして全身をホイップとカスタードのクリームで覆う。
「食べ物を粗末にするのは好みではないが、害のあるものならば廃棄するしかないな」
 ルージュは炎を纏った拳で殴りつけ、さらに回し蹴りを叩き込んでシュー生地を焦がす。するとシューの力が緩みロイの体がべちゃりと吐き出された。
「これで口直しをするのだ!」
 パティがオーラを籠めたキャンディをロイの口に突っ込み、内部からクリームの影響を打ち消す。
『シキュー!』
 シューは口を開けてクリームを放射し、どんどんケルベロス達にクリームを浴びせていく。
「クリームでベタベタになっちゃったな。ここまで汚れたらどれだけ浴びても一緒だね」
 クリームのブレスの中を突っ切ったロイがシューの胸に刀を突き刺すと、どろりとクリームが零れた。
「美味しかったですけど、食べ過ぎちゃうからダメなのですっ!」
 ぺろりとクリームを舐めたゆゆこが敵に大麻を向けると、雷が迸りクリームの尻尾を吹き飛ばした。
「むう、クリームで自慢の髭が汚れてしまったのじゃ。早めに洗わなくては汚れが落ちなくなるのじゃ」
 ウィゼが薬液の雨を降らせて汚れを洗い流す。
「これ以上美味しそうなシュークリームを見てるのは目の毒だからね、さっさと倒しちゃおう」
 ノアがスイッチを押すと、動き回っている間に仕掛けておいた爆弾が爆発し、シューの体を右へ左へ吹き飛ばす。
「やっぱり、燃やしてしまうに限りますかね」
 敵が宙へ浮いているところへ、壁をローラーダッシュで駆け上ったアリシアは炎を纏わせた蹴りを浴びせる。
「ほ、欲しがりません……勝つまでは!!」
 麗がガトリングを撃って撃って撃ちまくり、シューの顔を吹き飛ばした。
『シュッ……シュー!』
 ぼこっとクリームが盛り上がり、元より一回り小さな顔と尻尾が生える。そして勢いの弱まったクリームブレスを吐き出した。それを伯爵が受けて毛を白く染める。そこへジャックが普通のシュークリームを投げつけるとシューの口が向けられる。
「俺もディフェンダー役をやってみればよかったかな……」
 そんな事を考えながらノアは縛霊手で尻尾を掴んで引き寄せ、シューの動きを止めた。
「一番食べ物を粗末に扱ってるのは君だと思うよ」
 その隙にロイは傷だらけのシュー生地に刀を振り抜き、傷口を撫でるように斬り広げた。
『シュッ!』
 長い首を曲げてシューはクリームブレスでケルベロス達を薙ぎ払う。
「これでただのシュークリームになってくださいですっ!」
 ゆゆこは光弾を放ち、神の力でシューに宿る魔力を弱体化させた。
「クリームは手応えがないし斬っても楽しくないので、そろそろ終わりにしましょう」
 アリシアが左右のナイフを縦横に振るい斬り刻み、顔や足といったクリームが四方八方に飛び散る。
「これはわざとじゃないんです、事故なんです。ですから仕方ないですよね?」
 口の端についたクリームをペロリと舐め、頬を緩めながら麗は炎の弾丸を撃ち出してシューの体を燃やした。
「お菓子をくれぬなら……お主の魂、悪戯するのだ!」
 周囲がハロウィンのように変貌すると、パティの背後に大鎌を持つジャック・オー・ランタンの幻が現れ、パティの手にした巨大化した大鎌と同時に振るい、2つの刃がシューを両断した。
「見えた──これが人を襲うお菓子の末路だ」
 ルージュが目の炎を強くし、シューの放つクリームを避け続けて懐に入ると、拳で胴を打ち抜き内部のクリームの大半を両断された裂傷から吹き飛ばす。
『……シュッ』
 シューが残ったクリームで傷を塞ぎ、1m程の小さなシュークリームとなった。
「手足を失ってはただのシュークリームじゃのう。ならばこれで止めじゃ」
 ウィゼがアヒル型ミサイルを撃ち出し、シューのど真ん中に風穴を空けた。クリームが流れ出てシューがしわしわになると、萎んでそのまま消え去った。

●スイーツ
「今回の敵さんはかなりの強敵でしたです……」
 そう呟きながらもゆゆこはもう少し食べたかったと、口の中に残る甘さを反芻した。
「大きなお菓子もいいが、やはり食べるなら普通のサイズが食べやすい」
 何よりこんなに汚れる事もないと、ルージュは服に付いたクリームに顔をしかめる。
「帰ったらしっかり刃の手入れをしないと……」
 拭っても残ったクリームの油分でぬるぬるするナイフを見て、アリシアは溜息をついた。
「甘い物を食べてばかりでは喉が渇くじゃろう」
 一息つこうとウィゼが用意しておいた飲み物を配る。
「そうじゃろうと思いドリンクバーを用意しておいたのじゃ」
 受け取った仲間達は甘ったるいクリームを洗い流すようにドリンクを飲み干す。
「んーおっきなシューでお腹いっぱいだよー……あれ?」
 介抱され涎を垂らした少女が目覚める。
「大丈夫だった?」
「えっと、うん!」
 優しくロイが声をかけると、元気よく少女が返事をする。そうして訳の分かっていない少女に事件の事を説明するのだった。
「大きなシュークリームが夢なのは解るのだ♪」
 パティが少女に同意してうんうんと頷く。
「今度、知り合いのケーキ屋さんにちゃんと食べれる奴で大きなの作ってって頼むから、その時一緒に来るのだ?」
「ホント?! いってみたーい!」
 その誘いに無邪気に少女が笑って応えた。
「近くの美味しいスィーツのお店にでも行ってみない?」
「いいですね、ちゃんとしたお菓子が食べたいと思ってたんです」
 身繕いした伯爵を肩に乗せたノアが皆を誘うと、麗が嬉しそうに賛同した。
「お菓子、一緒に食べよ?」
「うん!」
 手を差し伸べるロイに少女は笑顔で頷き、その手を取った。

作者:天木一 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年3月11日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 0
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