自由の代償

作者:宮内ゆう

●焦がれたもの
 眠りは恐怖であった。
 眠ってしまえば、もう二度と目が覚めることがないかもしれないからだ。
 このときも、ゆっくりと目を開いた少年は生きていることを実感して少しだけ安堵した。
 しかしすぐに困惑する。目に映った天井は見慣れた病室のそれとは全く違っていたからだ。
「喜びなさい、我が息子」
 声は傍らから聞こえた。だがそれは父のものではない。仮面姿の見知らぬ男が立っている。
「動くだろう?」
 言われてみればと、手を開いて握り、その感覚を確かめる。そして少年は身を起こした。
 座る、という行為さえ彼にとっては久しぶりだった。
「お前は、ドラゴン因子を植えつけられた事でドラグナーの力を得た。しかし、未だにドラグナーとしては不完全な状態であり、いずれ死亡するだろう」
 男の話はよくわからなかったが、男が自分に力を与えたことで身体が動くようになったこと、このまま放っておくと自分は死んでしまうことはわかった。
 どうすればいいのかと唸ったところで男が続けた。
「与えられたドラグナーの力を振るい、多くの人間を殺してグラビティ・チェインを奪い取るのだ。さすれば完全なドラグナーとなる」
 人を殺す。
 自分が生きるために。
 目を見開く少年に、男は囁いた。
「憎いだろう、自由な者たちが」
 その瞬間、少年の心臓が震えたような気がした。
 そうだ、思っていたはずだ。
 自分の足で歩くことにどれだけ焦がれたか。
 誰も彼も自由に動けるというのに、何故自分だけがこんな目に遭って死を待たなければいけないのか。
 そして願ったのだ。
 何を失っても構わない、もう一度自由になりたい、と。
「案ずることはない。もう、お前も自由なのだから」
 その言葉に、少年はかすかな笑みを浮かべて頷いた。

●自由の力
 あるところにひとりの少年がいた。
 ごく普通の少年で、仲の良い友達と外で遊び回るのが好きな元気な子だった。
 だが、彼は大病を患ってしまう。
 衰弱し、自分で動くこともままならず、余命さえも幾ばくもない。
 そして幾年もの月日が流れ、何も出来ずただ死を待つばかりの日々。
「そんなとき自由に動き回れるようになったら、どうなるのか」
 ヘリオライダーの茶太は淡々といった。
「ならば人を殺してでも、と思うのも無理ないことかもしれません」
 結果的に、少年は自力で動ける者を憎むようになった。もちろん逆恨みに違いない。
「思うところは多々ありますが、やるべきことは単純です」
 新たに生まれたドラグナーが近くの町に赴き、復讐と言って殺戮を行おうとしている。
 ドラグナーを撃破すし、これを阻止するのだ。
「現場にはドラグナーが1体のみ、未完成なのでドラゴンに変身することもありません」
 敵の戦力を考えれば、決して困難な相手でもないだろう。
 言ってみれば、死を間際にして心のタガが外れた者だ。
 どれだけ思い切った行動をしてくるかも分からない。油断はならないということだ。
「ひとまずは周囲の避難も完了させてあります。戦うにあたっては周囲を気にする必要はないでしょう」
 町中で迎え撃つ。
 ただそこにいるだけで少年はこちらを標的として襲ってくるだろう。
「まあ、勝てないと分かるとどう行動に出るかもわかりませんけどね」
 何はともあれ慎重に対処すべきである。
 また、自分で動けることに満足している様子で、大鎌を持っている。これで人を襲うつもりなのだろう。直接的な攻撃が多いかもしれない。
「たとえば、自由な身体をやるから人を殺せ、といわれても承諾するとも限らないとおもうんです」
 思案するように茶太が言う。
 先に動ける身体を与えられ、断るという選択肢が消えてしまったのかもしれない。
 そう考えると、少年がこうなることを望んでいたかどうかさえ定かでなくなってくる。
 ならば、自由の代償は彼の心だったということか。
「どちらにせよ、終わらせる以外に彼を救う方法はありません。どうかドラグナーの撃破をお願いします」
 そう締めくくって茶太は頭を下げた。


参加者
アリス・ヒエラクス(未だ小さな羽ばたき・e00143)
橘・芍薬(アイアンメイデン・e01125)
リリウム・オルトレイン(星見る仔犬・e01775)
佐々塚・ささな(やりたいほうだい・e07131)
ケーシィ・リガルジィ(黒の造形絵師・e15521)
レイラ・クリスティ(蒼氷の魔導士・e21318)
仙道・風(しゃべくり鎌鼬・e31694)

■リプレイ

●往路
 人気のなくなった通りをケルベロスたちが行く。
 そのほとんどが暗い顔持ちをして、誰一人喋ることもない。
「ふうむ……」
 不意に仙道・風(しゃべくり鎌鼬・e31694)が口を開く。
「空気が重いでござるなあ」
 なんかそんなこと言い出した。彼自身にはそんなことは関係ないのだろうが、他の者の動きが硬くなってしまうのも困る。
「少し気分転換が必要ではござらぬかな?」
「そうだな、今回はシリアスな雰囲気だし、疲れてしまうな」
 気が重いと感じていたのだろう。アンゼリカ・アーベントロート(黄金騎使・e09974)も息を吐き出しつつ言った。ていうかシリアスとか言っちゃった。
「というわけでドーナツはあるかね?」
 どうしてそうなった。だが、このセリフを待ってましたと言わんばかりにアホ毛が振れた。ドーナツ掲げたリリウム・オルトレイン(星見る仔犬・e01775)である。
「こんなこともあろーかと用意しておきましたです!」
「どう見てもお父さんがお出かけする娘に持たせたおやつっぽいんだが……ひとついただこうか」
「吾輩も欲しいでござるー」
 なんか便乗してる。
「あまり緊張するといざというときに調子がでないでござこのドーナツめちゃうまでござるっ!」
「その通りだと思うけど、アンタはもうすこし黙ってもいいんじゃないかしら」
「きししっ」
 橘・芍薬(アイアンメイデン・e01125)からの辛辣なツッコミだが、風はなぜか笑った。いまいち奥が見えない。
 とはいえ空気が和らいだのも事実で、互いに話をする程度の雰囲気にはなってきた。
「病に伏し、死の床へ就き。緩慢な死への旅路に至る。其れが定め、であるとしたら。そうであると知ってしまったなら」
 ぽつぽつとアリス・ヒエラクス(未だ小さな羽ばたき・e00143)も話し始め、レイラ・クリスティ(蒼氷の魔導士・e21318)が耳を傾ける。
「ヒトとして壊れてしまうのも、無理からぬ事なのだと思う……なのだわ」
「さらに、希望が見えてしまったわけですからね、まがい物とはいえ」
 絶望した時点でそうなっていたのか、それとも力と理由を与えられたからなったのか、それはわからない。少なくともかの技師が関わらなければ彼が殺戮に走ることはなかったという事実だけがある。
「どーして、こんなことになってしまったのでしょう。きっとおにいさんはなにもわるいことしてないはずですのに」
「……」
「……」
 そう問いかけるリリウムに応えられる言葉はない。レイラは拳を握り、歯噛みするように言った。
「せめて、止めてみせます。せめて、人としての死を……」
 その先の真意に気づきながらも、アリスは言及せずにただ頷いた。
「ま、私は同情するつもりもないわね。せいぜい苦しませずに逝かせてあげるくらいかしら」
「そんな言い方……あ」
 厳しい物言いをする芍薬に、何か言いかけたレイラだが、アリスに軽く制止されて気づいた。彼女も自分と考えていることは同じなのだ。あしもとを見ると、テレビウムの九十九さんがごめんなさいといわんばかりにぺこっと頭を下げていた。
「それくらいしか、今のぼくらにできることはないにゃあ」
 なんともやるせない感じでケーシィ・リガルジィ(黒の造形絵師・e15521)もいう。
「ドラゴンの配下が好意で人に自由を与えるワケないにゃ、とぼっくんも言ってるにゃ」
 その言葉に呼応するかのようにミミックのぼっくんさんがふたをがぱがぱさせて正義感を溢れさせている。だが、隣にいる佐々塚・ささな(やりたいほうだい・e07131)はどこか上の空だった。
「どうかしたにゃ?」
「えっ、あっ、ごめんっ。ちょっと考え事してて」
 らしくない、と思いつつも考えてしまう。
「ボクもね、怖くて。いっそずっと眠ったままならどれだけいいかって、たまにね」
「眠りは大事だからな!」
 唐突にアンゼリカがふたりの間に割り込んできた。
「疲れを癒すのも、心を安定させるのもそうだ」
「ぱやぱやにゃあ」
「明日が来るかわからないから怖くなるなんてな」
「まったくもってひどい話にゃ」
 アンゼリカとケーシィのやり取りに少々ズレを感じるが、なんとなく元気づけてくれようとしてるのはわかった。
「ん、よしっ!」
 パンっと、ささなが自身の両頬を叩く。
「……よし、気を取り直していこう!」
 怖くても前に進まないといけない、それを奪われたことには責任を感じるが、今はその思いを飲み込んだ。
「きししっ、話も盛り上がってきたところで、頃合いでござるよ」
 相変らず風の様子は、道の向こうに人影を見つけても変わらなかった。

●伝心
 少年がやってきた。大鎌を掲げて、隠そうともせずに。
 もう、最初から見かけた人を片っ端から殺していこうというつもりなのかもしれない。
 少年もこちらに気づく。
「ケルベロスです。どうしてここにいるか……おわかりですね?」
「ああ、だから誰もいないんだ。でも……」
 レイラの言葉に少年が少々残念そうに言う。
「でも、関係ないよねッ!!」
「……っ!」
 だが、目を見開いたかと思うと、少年は鎌を振りかぶり一気に距離を詰めてきた。レイラがとっさに後ろに飛び退きながら鎖を放つ。だが、少年はものともせず鎖を薙ぎ払った。
「こんなもので!」
「躊躇ないでござるなあ」
 しかし、さらに湧いた鎖が少年の身体を絡めとる。風が放ったものだ。
「きししっ、直接の相手は他に任せるでござるよ」
「言われなくてもッ!」
 軽やかに飛んで距離をあけた風と入れ替わりに芍薬が少年の前に出る。同時にふわりと風が吹いた。
「風よ、この手に」
 アリスの援護である。風の守りを得たふたりが少年と打ち合い、その動きを阻む。
「地力でそんなに動けるだなんて羨ましいなあ! 僕なんてすぐ死ぬっていうのに!」
「だから憎いって?」
「あたりまえだろ!」
「――はん、笑わせるわね」
 冷静さを欠いたのか、少年の動きが大雑把になる。その瞬間に芍薬の拳が少年の頬にめりこんだ。少年の身体が跳ねる。
「そんなの、自分が生きるために人を殺す、その大義名分が欲しいだけじゃない」
「そんなわけ……そんなっ……」
 たったそれだけで少年が動揺を見せる。ともすれば図星ということか。
 きっと、生きるためとはいえ人を殺すことには大きく抵抗があったのだろう。だから憎いと思わなければ、あるいは憎いと思わせられなければ、行動できなかったのかもしれない。
「……だとすれば、自由の対価としても、その代償は重すぎる」
 そしてあまりにも救いがない、とアリスが呟いた。
 生きるために人の心を捨てるというのだから。
「んにゃああ! ドラグナーはやっぱりやることなすことろくでもないにゃ!」
 仲間たちの治療を続けながらケーシィが憤る。だがそれでも進まなければならないのだ。少年も、自分たちも。
「おにーさんは、人がきらいなんですか?」
「それは……」
 見上げながら聞いてくるリリウムに、少年は答えられない。
「もういいじゃないか」
 アンゼリカが少年の足元を撃ち抜く。爆発と煙から、少年がハッと我に返る。
「生きるためとか、憎いとか、そんなことは。ただ、思うがまま、存分に暴れたまえよ」
 凛とした態度ながらも、表情をすこしだけ和らげて。
「私たちが全て受け止める」
「そのかわり……ボクたちのことも受け止めてもらうよ」
 正面からささなが踏み込んできた。振り抜かれた拳を、少年が鎌で受け止める。
「キミはしたいことを全力ですればいい、ボクたちは全力で止めるから」
「なんていうか……勝手な人たちだなぁ」
 悪態をつきながらも、少年はようやく笑顔を見せた。

●迷い
 かかってこいと言わんばかりにアンゼリカが両腕を広げた。
「君を責めることは出来ない! 私はただ悲劇の連鎖を終わらせる、誰1人君の道連れにはならない、なれない!」
 そう言って少年に指を突きつける。
「さあ、どこからでもかかってきたまえ! この黄金騎使がお相手しよう!」
「でもアンゼリカさんは後衛にゃあ」
「う、うぐっ!」
 ケーシィに痛いところ突かれた。でも気持ちは伝わった、たぶん。
「大丈夫、サポートするにゃ。ぼっくんもたのむにゃ」
「私もいるわ……」
 ぼっくんさんとアリスが並んで少年に向かっていく。ぼっくんさんがかぶりつき、アリスが攻撃を受け止め、ケーシィが癒していく。
「私は、やっぱり……」
 仲間たちが少年の思うがままにさせてやろうとしている一方で、それでもレイラは割り切れずにいた。
 少年の放つ斬撃を、同じく斬撃で打ち払う。
「もう、やめませんか」
「どうして?」
「命の大事さを、尊さを知っているあなたがこんなことを続けるなんて」
 人間らしく生きる道もあるはずなのだ。たとえ残りの命が短くとも。だが少年は首を振った。
「命に尊さも何もないよ。ダメなんだ、生きてるだけじゃ、だから……!」
「だから、もう少しじっとしてもらわねば困るでござるな」
「ッ!?」
 ひゅん、という音と共に風が少年の後ろを駆け抜けた。少年の影の足のところが地面ごと斬りつけられる。
「動けないでござろう?」
「こ……のっ!!」
「と、ととっ、ずいぶん元気でござるなあっ」
 動かなくなった体を無理やり動かして振るわれた鎌を素早く避ける。とはいえ、少年はダメージに加え動きもだいぶ鈍ってきている。
「こんなこと、おにーさんのしたいことじゃないです!」
 そこへリリウムのバールが振り下ろされた。
「だって、じぶんが生きるためにほかのひとがしんじゃったりしたら、明日からたのしくなくなっちゃうです!」
 最初の一撃は強力だったが、その後は両手でぽこぽこ叩いているだけ。しかし、そちらの方がずいぶん痛い気がする。
「ほんとは、げんきになってみんなと仲良くしたいとおもってるですよ!」
「なら、生きるしかないじゃないか!!」
 少年の鎌がリリウムめがけて振り下ろされる。しかし芍薬が庇い、その額に鎌の柄がぶつかった。
「アンタねぇ……いい加減、素直になれってのよッ!!!」
 拳が熱で赤く染まる。拳を叩きつけられ、少年は地面に倒れ伏した。
「おぐ、ごふっ!」
「ったく、足掻くなり命乞いなりしてくれた方がよっぽど楽だわ」
 話の流れ次第では、暴れ回っていたり、逃げだしたりもあったかもしれない。だが、結果としてこの少年は終始感情と力を持て余して困惑していただけだった。
「ねえ、ボクに任せてもらっていいかな」
 そういうささなに誰も反対はしなかった。少年に近づくのをじっと見守る。
「キミはどうしたいの?」
「……か……ない」
「え?」
「わからないんだ……生きたい。けど、殺したくない……どうすればいいか、わからないんだ」
 不意にささなの脳裏に断片的なものが浮かび上がってきた。
 ガラスの向こう、冷たくもどこか希望に満ちた男の顔、いくつもの壊されたカプセル。
 そして『失敗作』という言葉。
「ごめん……」
 最初に気を取り直していこうと言いながら、結局迷ってばかりだった。でも、もう決めた。
「ボクにもどうすればいいのかわからないんだ」
 ささなが腕に全身全霊の力を籠める。あとは、ただ振り下ろすだけ。
「だから、代わりというわけじゃないけど……」
 ――一緒に往こう。

●魂の行方
 結局、少年は何をしたかったのか、何を思っていたのか、不安定で曖昧なままであった。本人でさえ、自身の気持ちを把握しきれなかったのかもしれない。
「はあ」
 ケーシィがため息をついた。慰めようとしてるのか、となりでぼっくんさんがふたをぱかぱかさせてる。
「少し前まで、きっとヒトだったんだろうってヒトを殺さなきゃいけないの、やっぱり辛いにゃ、胸がきゅっとなるにゃ」
「あなたがそう思うのなら、確かに彼は……ヒトだったのだわ」
 摂理を歪め道理を外れた者を討ってきたのがアリスの一族。その信条に則ったというのに、どこか心は晴れない。
 それは、歪んでしまったとはいえ、少年がヒトであることには変わりなかったからともいえる。
「あー、うー、うー、うー」
「あた、あたたたでござ、るぶっ」
 涙で目を潤ませて何事かを呻いてドーナツをかじっているリリウムがものすごい勢いでアホ毛を揺らしていた。なんでか離れて見ていた風のところまで移動して。なので、顔面にアホ毛がぶつかる。べちべちべちべち。
「い、一体何でござるかー」
「あうー、うー、あー、うー」
「さては語彙が足りてないでござるな!?」
 いろいろと吐き出したい感情がリリウムにあるのだろうが、そのための言葉が足りない小学2年生。
 子守は風に任せておくとして、芍薬はもうひとり心配なものがいたのでそちらに向かった。
「で、アンタも少しは落ち着いたらどうなの?」
「簡単には、無理です……」
 レイラが振り向く。その目はすでに赤く腫れていた。
「助けたかったんですっ……たとえ、すぐ死んでしまうとしても……思い出を作るとか、あったでしょうに……!」
「そう簡単に割り切れるような子ならよかったんだけどね、きっと優しい子だったんでしょ」
「そうですよ、だから……」
「だから、せめて私たちで覚えておいてあげましょ。警察に連絡してご両親と連絡を取ってもらうわ」
「……そう、ですね。この場に彼の思い出はありませんから」
 芍薬の言葉にレイラが頷いた。
 遺品があるにしてもそれを受け取るべきは自分たちではない。ならばせめて、少年のことをこの心にとどめておこう、そう思ったのだった。
「生きようとする意思は何より強いと思うのだよ」
 腕組みし、どこか考えるようにアンゼリカが言う。
「本当に彼が生きたいと願っていたのなら……我々も怪我程度では済まなかっただろうに」
「今ならわかるよ。後付けされた理由なんかじゃ人は自由にできない」
 少年はただの被害者、騙されただけに過ぎないとささなも頷く。
「あのとき、なんとなく思い出したんだ。やっぱりあいつは野放しにしちゃダメだ」
 あいつとはすなわち今回の件の首謀、竜技師アウルのことだ。
「当然だ、少年の心を利用した奴への怒りを抑えることはできん!」
「こんなことをしたひとはたおさなきゃですー!」
「そのとおりにゃ。絶対ボコすにゃ! 慈悲なんか一ミリもないにゃ!」
 アンゼリカ、リリウム、ケーシィが口々に言う。だいたいみんな同じ気持ちのようだ。
「必ず、見つけ出してみせるよ。それで……」
 ささなは傾いてきた太陽に手をかざし、ゆっくりと握りこんだ。
 自分自身で決着をつける、その意思を示すかのように。

作者:宮内ゆう 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年3月12日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 6
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