恋の病魔事件~命短し動けよ乙女

作者:baron

「くそっ、こんなことなら料理の練習しとけば……。でも今更だし……こんなの渡せないってば……」
 指に沢山の絆創膏を巻いた少女が、ウロウロ、ウロウロ。
 あんまり綺麗でない包装の包みを抱えたまま、何度も往復している。
「……っ。駄目だ、あたしなんかじゃ……」
 パクパクパクパク。
 顔を真っ赤にして、掛ける言葉を練習しようとして、口に出してしまう言葉は、全て言い訳ばかり。
 貴方が好きですと、一行半もない言葉を告げる勇気が無い。
 受け取ってくださいと、二行にもならない言葉を告げる勇気が無い。
 ついでだし、あげるよと、三行程度にもならない言葉を告げる勇気も無い。
 練習ですら、出せる言葉は、あたしももらったんだー大変だよねーとか、幾つ貰ったんだー色男……とか。
「今日は高校生活、最後のバレンタインデーなんだけどな……」
 少女は元気勇気に満ち溢れ、クラスではいつもリーダーシップを取って来た。
 だけどれも、本日はバレンタインデーなり。
 こんな日だけは、高校生活の最初から、ずっと秘めて居た言葉を告げる勇気も無かった。
 そして……ふらりとバランスを崩して、意識を失ったのである。


「本日、日本各地の病院から原因不明の病気についての連絡がありました。この病気は、誰かに純粋な恋をしている人がかかるらしく、その症状は『胸がドキドキして、食べ物も飲み物も喉を通らない』というものです」
 ユエ・シャンティエが難しい表情をしながら説明を始める。
「これは、比喩表現では無く、本当に水も飲めない状態で、無理矢理飲もうとすると激しく咳き込んで吐き出してしまうそうです。病院に運ばれた患者達は、点滴を受ける事で、命の危機は脱しましたが、治療方法などは全く判明していません」
「そこでちょっと調べてみたのだけど、原因は『恋の病』という病魔みたいね」
 ユエの言葉を、実際に調べて来たアイオーニオン・クリュスタッロス(凍傷ソーダライト・e10107)が語る。
 ユエが難しい顔をしたのも判るだろう、いわゆる病魔は扱いが難しいが、それだけでなく、恋の病とは。
 草津のお湯でも直せないと言うが、どう説明すればよいのだろう?
「まあ今回は明確に病魔なのだし、倒してしまってもよいのでしょう? なら片付ければ済むだけよ」
 皆が釣られて難しい顔をした時、アイオーニオンは平然と冷静なことを口にする。他に解決策はないだろうと、躊躇なく口にしたのである。
「ウィッチドクターがいれば、患者から病魔を引き離して戦闘を行う事が可能。仮にメンバーに居ない場合は、先に連絡しておけば病院の方で手配するでしょう。勿論、場所の方もね」
 アイオーニオンがそう説明すると、その先をユエが引き継いだ。
「戦闘方法に関しては、矢をメインで放ちますが、接近すると格闘戦で挑んで来るようです。あくまで弓は得意技で、他に出来ない訳ではないようですね」
 直線的な黒い矢、追尾し続ける赤い矢、そして格闘。
 この三種を用い、戦うらしいが、戦闘力自体は高くないようだ。
「この病気は、病気の苦しみがトラウマになって、恋をするのを怖がるようになる可能性が高いようです。出来れば……」
「フォローすれば良いのよね? まあ時間があったらやっておくわ。プロフィールを診ると料理が苦手と、代用手段があればそれほど難しくない様だし」
 ユエが説明を終ると、アイオーニオンがさっぱりと対処方法を説明した。
 料理が苦手という短所を気にしているようなので、そこを何とかすれば良いとズバリと切り込む。カルテを覗きこむ目は真摯な物であった。
「と言う訳で、何か思い付けば簡単な料理を。無理ならそうですね……最近はチョコレートフォンデユの機械が安く販売したり、レンタルできるそうですえ」
 ユエは最後にそう締めくくり、近くに在るお店をメモに書いて渡してくれた。


参加者
キーラ・ヘザーリンク(幻想のオニキス・e00080)
ゼロアリエ・ハート(壊れかけのポンコツ・e00186)
リーファリナ・フラッグス(拳で語るお姉さん・e00877)
ロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・e01329)
ラギア・ファルクス(諸刃の盾・e12691)
朱藤・環(飼い猫の爪・e22414)
エドワウ・ユールルウェン(夢路の此方・e22765)
白瀬・凪(オラトリオの鹵獲術士・e34593)

■リプレイ


「始めていいかな?」
「「どうぞどうぞ」」
 白瀬・凪(オラトリオの鹵獲術士・e34593)が声を掛けると、歓談中の7人が同時に頷いた。
「ずっと気になってた幼馴染にバレンタインデーに告白かぁ、良いな良いな青春だなぁ。この告白が上手くいったらどんなカップルができるのかなぁ」
「さっさと終わらせてしまおう。しかし恋の病魔……!! なんて恐ろしい……。私も若い頃ならば、こういう病魔に……い、いや、今だって恋やらなにやらたくさん……」
 凪がお砂糖を吐きながら語っていると、リーファリナ・フラッグス(拳で語るお姉さん・e00877)は拳を握り締めた。
 なんだろう、涙が……。
 ぐぬぬ、とりあえず病魔を殺るか!!
「経路の準備はOKだ。何時でもいいぞ」
 ラギア・ファルクス(諸刃の盾・e12691)が患者の乗ったカートに手を掛け、隣の部屋への通路側へ待機。
「おっといけない、恋の話で盛り上がりに来たわけじゃ無いし、ちゃんと仕事もしないとね。でも、ちょっとだけなら良いよね?」
 その報告を受けて凪は、すましまゃじおといょち~と適当な言葉を逆さまにして呪文を唱えた。
 するとどうだろう、モクモクと夢を形にした様な煙が立ち込め、中から翼が生えて、テテペロしてる女の子が出て来たのである!
「恋のキューピッド見たいな格好をしてるのが許せないよね。人の恋路を邪魔するなんてとんでもない!」 馬の代わりに私が成敗してやる!
 凪は時間を止めると弾丸の様に固めて射出。
 馬の替わりに私が成敗してやる!
 とばかりに鼻息荒く、合図の替わりに撃ち出した。

 病魔の抜き出しと、患者の搬送を待っていた仲間達も次々に攻撃を開始。
「天使の姿をしているなど、とんでもない悪党な気がするな! 速攻で片付けるぞ!」
 リーファリナの生足が宙を舞い、若い子(病魔)目掛けて蹴るナーグル。
「うーん。恋の病とは素敵な響きだね。死ぬまでに一度くらいかかってみたい所だね」
「そんな事を言って居られるのも、今のうちだけだぞ?」
 ロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・e01329)は誰かさんの忠告を聞かなかった事にして、今は余裕でハンマーを変形!
 なんたって華の18歳……。
 じゃなくて、気分屋の彼女に取って、気に成るかならないかが重要なのである。
「ま、今は目の前の患者を助けるとしようかな。それっ」
 ロベリアは仲間達が動くのに合わせ、回避地点を抉る様に放ち味方のサポートを掛けた。
 ゴウと言う豪快な音を立て着弾すると同時に誰かが襲いかかる。
「いまですっ。どっかーん。恋愛については本人次第ですけど、その一歩の邪魔をするような病魔は蹴っ飛ばしちゃいましょう!」
 同じハンマーの使い方でも、この子は逆に接近戦使仕様で突撃戦だ。
 朱藤・環(飼い猫の爪・e22414)は元気よく鉄槌を振り降ろした。
 見れば他の仲間達も、次々に殺到して豪快さの大バーゲンである!


「準備はおーけ? こっちはキット全部借りて来たよ」
「勿論ですっ! チョコとかチョコブロックとかスライスチョコとかいっぱい買ってきました!」
 ゼロアリエ・ハート(壊れかけのポンコツ・e00186)が確認すると、環は肉球でてしてしするニャンコの様にVサイン。
 本当はテレビウムのトレーネに話しかけたのだが、スルーされたので替わってお返事してあげた。
 かたじけなさに涙零るるとか言う感じである。
「じゃあ倒してしまっても良いんだね。カワイくても全力だよ!」
 ゼロアリエは廊下を滑る様に挑みかかり、敵が回避しかけた所で、火花すら伴う強烈な回転!
 ここで病魔の後頭部を刈り取るような、強烈な延髄蹴りをぶちかます!
 そしてクルリとカポエラの様に腕だけで状態を起こすと、転がりながら、ハンマーを変形させていった。
『行けっリゲル!』
「聞いた通り、強く無いね。でも油断は禁物」
 エドワウ・ユールルウェン(夢路の此方・e22765)は仲間達の周囲にドローンを展開し、反撃に対し備えた。
 放たれる恋の矢を、防壁で防ぎ止めながら思わず首を傾げる。
「(恋……ぬいぐるみや動物をかわいいっておもうのとはちがうのかな? なんだかむずかしいです)」
 声には出さずにエドワウはそう呟いたのである。
 恋をすれば判ると言うけど、
「そろそろの筈ですね……挟み討ちと行きましょうか」
「ただいまだっ。恋の病とはスイーツな響きだが、甘そうな敵ではないな。最初からガツンといくぜ」
 走り込みながらキーラ・ヘザーリンク(幻想のオニキス・e00080)は、患者を医師達にトスしてきたラギアが戻って来るタイミングを測る。
 そして貫手を繰り出し、胸元を抉ると同時に脇へ飛んだ。
『暴れさせてもらうぞっ! 降竜裂渦っ!!』
 ラギアは忘れた技の代わりに、竜翼をはばたかせ生命の息吹を叩きつける!
 もし留まったままであれば、キーラとて無事では済まなかったろう。

 そこへUターンを掛け、彼女や他の仲間達も包囲網を築く。
「合わせられる?」
「勿論ですっ! うにゃー」
 キーラと環は挟み討ちで回し蹴りを放ち、逆方向の龍巻と化す。
 ダブルサイクロンが戦場となった手術室を走り抜け、カーテンが吹き飛んで行く。
「時間無いからガンガン行くよ! できればチョコは一度冷やしてもう一回温め直したいところ」
「あー、その方が品質が安定するんだっけ。まあ、程ほどで良いんじゃないかな」
 凪が掌をパンと打ち合わせ雷電を放つと、ロベリアはすかさず鎖を手繰った。
 稲妻の様にチェーンがかっ飛び、それを追い抜いて雷鳴が突き刺さる。
「女の子たちは急いでるみたいだけどどうしよ?」
「ひとまず合わせておけば良いんじゃない? 逃げられない様にするのは必須だけど」
 それもそうか、とゼロアリエはトリガーを引き、ラギアは棍を伸ばして追撃に掛った。
 実際の所、町中に向かう場合と違って、待ち構えて居る分だけやり易い。
 轟音と共に着弾し、戦棍が薙ぎ払って追い詰めていく。
「よしっ。トドメを刺すぞ~!」
「まだ早いんじゃないかな……。でもあんまり、かわらないか」
 リーファリナがルンルンでハンマー振りあげると、エドワウはそれをフォローすべく治療は箱竜のメルにお任せ。
 一足先に掌底で挑みかかり、震動波を放って体勢を崩した所に、豪快なハンマーが一閃したのである。
 無論、これそれだけで倒せはしない。
 もうちょっとだけ戦いは続くのじゃが、戦況の推移は明らかだ。
 あえて語るまでも無いだろう。
「病魔よ、消え去るがいい。二度と彼女に近付くことは許さんぞ!」
 ラギアの怒号と共に消え失せて行ったということである。
 そして患者である真琴さんを起こせば、闘い本当の意味で終焉を迎える。


「みなさん、ボクの為にホントすいませんっ」
 眼を覚まし、恥ずかしいやらドキドキするやらで真琴は顔を赤らめた。
「気にしては駄目よ。……占うまでも無いのだけど、情けは人の為ならず。みんな自分の趣味でやってるから」
「そうだそうだ」
 皆を代表してキーラは忠告を与えつつ、パーティ会場に誘う。
 近くの公民館で部屋を借りただけだが、そこには皆が用意したチョコレート料理が色々と並べてあった。
 ただし、造られた物はあくまでサンプルと宴会用、これから造る物が本命である!
 料理の苦手な彼女の為に、みなで宴会がてらに、恋のお手伝いだ。
「どうも失敗続きみたいだし、まずは基本的な心構えと苦手意識を無くすところからかな?」
「そうだな。料理に自信を持ってもらって、せっかくだから告白まで後押しできれば……!」
 凪がにおにおと笑顔を浮かべて吟味すると、リーファリナは腕を組んで頷いた。
 人の恋路を愉しむというか、素晴らしい恋の気持ちを、減らしてしまうのは悲しいことだよね。
 具体的には彼女の恋の話が聞きたいものである。若者の初々しい気持ちを応援しつつ、例え羨ましさでお砂糖吐いて倒れたとしても。

「まずは料理において大切なのは、イメージと計量です」
「お菓子作りは普通の料理以上に計量が大事ですからねー。そこをきちんとするだけでも変わってきますよー」
 キーラがシンプルに説明を始めると、環が賑やかに付け加えて行く。
 実習室の銀色テーブルに様々な材料を、ホワイトボードに数枚のレシピを用意した。
「ええと、どれをやったら良いんだ?」
「判り易くて、細かい調整の要らないのが良いですかねー? まずは溶かして固めるだけ、慣れたらパンケーキとか、焼き菓子です」
「それなら手間が少ない、ねかせないタイプがいいかな? ふんわりじゃなくて確りしたやつが、おれのお勧め」
 キョロキョロと真琴が右往左往し始めたので、慌てて環が溶かすだけのレシピを渡す。
 エドワウもフォローに入り、慣れたらコレにしようと、どっしりとした男性向けのチョコレートパンケーキを選んだ。
「目分量で失敗するのは、そもそも判断するための基準がないのが理由でもあります。計量は、一回一回きっちり行うのが理想ですが……難しければ、まず一度は見た目の正しい量を見て把握することです」
「だいたいこんな感じ……で済ませない方が良いのか」
 キーラの説明を受けて、出来上がりのイメージを元に、真琴は特に力を入れるべきところを把握しようとする。
 だが、やり慣れない彼女は、イライラしながら計量カップでザックザック。
「ゴメン。どうしても手早く済ませたくなるんだ」
「だいじょうぶです。いっしょに1からがんばりましょう。おれもおてつだいします」
 そんな彼女からエドワウはカップを受け取って、すりきりしながらキッチリと計量して行った。

「俺も真琴側だからー料理とか一切ムリだからー、超分かるよー。卵は粉砕するし粉はぶちまけるし分量は量るたびに変わるしな! だからサッサと済ませたいって良くやる」
「……ま、身も蓋もないこと言っちゃうと、そんな直ぐに料理が上達するワケでもないからさ。気長にやればいいんじゃないかな」
 同じ様に適当に測っていたゼロアリエも、苦笑しながらカップを調整。
 ロベリアはそんな様子を見ながら、『まずは』適当に済ませたまま、計量を終える。
「それはそれとして、上達したらまた作ってあげる、位の事を言っちゃえば良いんじゃない? 完全じゃないからやらないってのもね」
 そしてロベリアは二回目にキッチリ測ったのを用意し直して、何度でも試せばいいとやって見せた。
「まあそうだよな。それにイザとなったら、チョコレートフォンデュを一緒に楽しめばいいさ」
「確かにな。これならば、手料理を食べるのが苦手な人でも、食べられそうだ。すばらしい」
 ここでゼロアリエが借りて来たチョコフォンデュのキットを組み立て始め、ラギアがスイッチを入れて早速試食してみる。
「最近はこんなのもレンタルしてるんだな。便利な世の中に成ったもんだ」
「あんまり食べたらトッピングがなくなるからね」
 ラギアがそのままパクパクしてるのを、エドワウは釘を刺して、一足先にフルーツの下拵えを始めた。


「それでそれで? 気になり始めたきっかけは?」
「中学校の時にもう一人仲の良いやつが増えて、ふと、負けてると気が付いちゃって……」
「むむっ。ライバルの子もなかなかですね。でも、青春って感じでいいですよね!」
 チョコが融け記事が焼けるのを待つ間に、凪が恋の成れそめを促すと、真琴は生徒手帳に挟んだ写真を見せてくれた。
 それを見た環がウニャーと唸ったので、何人かが後ろから様子を窺う。
「これはいかん。動かないと後悔するぞ。私もなー、学生の頃はなー、色々となー! ホント、今のうちに頑張っておくといいぞ、青春だぞ、いいことなんだぞ!!」
 リーファリナは思わず難しい顔を浮かべて唸った。
 何しろ、もう一人の幼馴染は、顔こそ地味だがボンキュボン。
 絵に描いた様な体育会系スレンダーの真琴では、ふとましさがスリム以外で体形では勝てそうにない。
「そうそう。女の子がここまで頑張ったんだって分かったら、男なんて単純だからコロッといっちゃうよ~」
「うーん、でも。あんまり無責任なこと言っちゃうのもね……」
「どうかな? 好意を告げられて、喜ばぬ者はいない。何も恐れることはないんだ」
 ゼロアリエは楽観的に、ロベリアは少し悲観的におしゃべり。
 そしてラギアは気持ちを伝えることを何より意味があると口にした。
「ま、それはそうだろうけど……。部外者があまり好き勝手言うのも何だけど、キミの恋が後悔のないものになるように祈ってるよ」
「それに、断られたとしても、それで終わりではないだろう? 君は生きていくのだから……」
 ロベリアが決断は当人に任せるべきだと一歩下がった立場で応援すると、ラギアは逆に一歩踏み込んで応援する事にした。
 応援された張本人が、行動と停止どちらを取るかは分からない。だが、応援しないよりは、よっぽどいいだろうと判断したのだ。
「確かに……。何もしないよりは、少しでも行動した方が良いよな。頑張って料理を……うーん」
「でもケガは心配だから無茶はしてほしくないな。だからフォンデュを一緒にやるってのは結構良いかもよ? 凝った包装と渡す緊張もいらないし、一緒に食べられるってのも良い!」
 応援されてちょっとだけ前向きになった真琴でも、流石に料理には自身が無い。
 そこでゼロアリエは、改めてフォンデュを押す事で、苦手な料理にこだわる必要がないと伝えた。
「料理、それも告白の為のものとなれば愛情は最強のスパイスだし、上手くいけば緊張もほぐれると思うんだよね」
「例えるとこんな感じかな? アーン」
 凪が微笑みながら最後の後押しを掛けると、エドワウは苺をチョコに付けて口元に持って行った。
 ただそれだけの料理であるが、祭りにも似た愉しげな雰囲気というのは何よりの味付けだ。
「それでも駄目なら占いに頼って見ますか? これから視界が開けていくようです。迷いを捨てて邁進すれば、きっと成就します」
「判ったよ。女は度胸って言うもんな。それに一緒に食べようぜって言うだけなら悪く無いかも」
「そうか。俺も帰ったら告白してみよう、真琴さんを見ていて決心がついたよ」
 最後にキーラがたまたま引き当てたタロットを見せると、真琴は観念したように恥ずかしそうな顔を浮かべた。
 それが本当に実行されるかは置いておいて、ラギアは頷いて自分もトリガーを引くことにしたのである。
 結果がどうあれ、その日は甘いチョコの香りに包まれて一日を終えたと言う。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年3月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 6
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