BでLな者が呼ぶ声

作者:雷紋寺音弥

●究極のBL本
 草木も眠る、丑三つ時。誰も訪れることのなくなった、街外れの古びた屋敷の前。そんな場所に、何故か今宵に限って来客が一人。
「ふふふ……ようやく、噂の洋館に忍び込むチャンスが巡って来たわ」
 懐中電灯を片手に、屋敷を訪れた少女が鉄製の門を開けて中へと足を踏み入れた。
「伝説の中国人BL作家、姚(ヤオ)さんの書いたとされる『姚・異本』に、イケメン男子との秘め事の全てを書いたとされる、『あ~んなこと写本』まで! 噂が本当なら、この屋敷の地下に眠る原初のBL神が、それらの本を守っているはずなんだから!」
 仮に、その神に見つかったが最後、襲われて殺されてしまうそうだ。が、それでも確かめずにはいられない。なぜなら、自分は腐女子を超えた貴腐人(きふじん)であり、やがては汚超腐人(おちょうふじん)と呼ばれる存在になりたいのだから。そう、彼女が呟いたところで、その胸元を唐突に巨大な鍵が貫いた。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 漆黒のローブを羽織ったドリームイーター。第五の魔女・アウゲイアスが言葉を紡ぐと同時に、少女はその場に力無く崩れ落ちる。そして……倒れた彼女の傍らには、何故か股間がモザイク化した全裸のイケメンが、二冊の魔導書を手に佇んでいた。

●腐った世界への誘い
「誰も読んだことのない本を、危険を冒しても読んでみたい……。その好奇心は悪くないっすけど……さすがに、これはヤバすぎるっすよ……」
 その日、ケルベロス達の前に現れた黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は、恐ろしくげっそりとした表情で、どこか遠くを見つめながら語り始めた。
 彼の話では、街の外れにある洋館の中に、誰も読んだことのない至高のBL本が眠っているという噂を嗅ぎ付けて侵入しようとした腐女子の少女が、ドリームイーターに襲われて『興味』を奪われてしまうということである。
「噂によると、その本は人を襲う危険なBL神に守られているって話っす。『興味』を奪ったドリームイーターは既に姿を消しているっすけど、代わりに具現化させられたBL神のドリームイーターが、事件を起こそうっとしているっすよ……」
 危険な原初のBL神。その姿は『興味』を奪われた少女の妄想を反映し、股間がモザイク化した全裸のイケメンである。手には二冊の魔導書を持ち、緑色の粘菌や黒い触手を召喚して来る他、股間のモザイクで相手を包み込む攻撃も行って来る。おまけに、狙撃手の間合いを得意とし、狙った獲物は逃がさない。
 なんというか、これは色々な意味で危険なドリームイーターだった。こんなやつを野に放ったが最後、トラウマを植え付けられたまま殺される者が続出するだろう。
「敵のドリームイーターは、人間を見つけると『自分が何者であるか』を問いかけて、それに正しく対応できなければ殺してしまうっす。自分のことを信じていたり、噂していたりする人が居ると、その人の方に引き寄せられる性質も持っているみたいっすね……」
 あまり気は進まないだろうが、それでも危険なデウスエクスを放置しておくわけにもいかない。まずは、一刻も早く洋館へ向かい、このドリームイーターを撃破して欲しい。
 最後に、それだけ言って、ダンテは本気で懇願するような視線を送りながら、ケルベロス達に依頼した。


参加者
十夜・泉(地球人のミュージックファイター・e00031)
水沢・アンク(クリスティ流神拳術求道者・e02683)
マサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・e02729)
アウラ・シーノ(忘却の巫術士・e05207)
マイヤ・マルヴァレフ(オラトリオのブレイズキャリバー・e18289)
クララ・リンドヴァル(鉄錆魔女・e18856)
オリヴン・ベリル(双葉のカンラン石・e27322)
アリシア・クローウェル(首狩りヴォーパルバニー・e33909)

■リプレイ

●這い寄る全裸神
 時刻は深夜。誰もいないはずの廃屋の中を、床板を軋ませながら走る青年が独り。
「う~、トイレ、トイレ……」
 水沢・アンク(クリスティ流神拳術求道者・e02683)、33歳。ケルベロスであることを除けば、カフェで働く一般的な成人男子。だが、ドリームイーターを倒すべく訪れた廃屋で、何故に洗面所を探しているのだろうか。
「待って、待って! 皆、どこまで行くの!?」
 ボクスドラゴンのラーシュと共に、慌てて追い掛けるマイヤ・マルヴァレフ(オラトリオのブレイズキャリバー・e18289)。しかし、その間にもアンクとの差は開き、気が付けば彼の姿は遠くに見えており。
「トイレ……? おなか壊したのかな……?」
 どうにも状況が掴めないまま、オリヴン・ベリル(双葉のカンラン石・e27322)が大欠伸をしながら呟いたときだった。
「やあ、いらっしゃい。もしかして、君は探し物をしているのかな?」
 ボロボロに朽ち果てたソファーの上。二冊の魔導書を手にした全裸の青年が、唐突にアンクへと声を掛けて来た。
(「アンクさん、一人であんなクソミ……危険な囮行為とか、『アッー!』なことになっちゃうよ!」)
 仲間の貞操を心配し、不安そうに見守るマサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・e02729)。もっとも、アンクもそれは解っているのか、油断なく全裸の青年から距離を取り。
「……やりませんよ?」
 次なる言葉が青年から発せられるよりも先に、すかさず否定の言葉を述べてみせた。
 青年の股間に蠢く怪しいモザイク。間違いない。こいつが今回の依頼のターゲット、原初のBL神を模した姿のドリームイーターだ。
「アンクさん、もしかして男の人に興味が……?」
 思わず、顔を背けそうになったクララ・リンドヴァル(鉄錆魔女・e18856)であったが、当然ながらアンクにそっちの趣味はない。これは、あくまで敵を誘い出す囮。色々な意味で危険な賭けではあったが、とりあえず成功したので問題はあるまい。
「ふふふ……。探し物もいいけれど、僕の質問にも答えて欲しいな。君達、僕の名前を知っているかい?」
 爽やかな笑顔を湛えつつ、ソファーから立ち上がりケルベロス達へと問うドリームイーター。首から上だけならば、間違いなく女の子が黄色い悲鳴を上げそうなイケメンだ。
 が、しかし、それでも全裸! 股間以外は、紛うことなき素っ裸!
「誰ですか……こんな唾棄すべき背徳の噂を流したのは……!」
 あまりに酷過ぎる敵の姿に、早くもアウラ・シーノ(忘却の巫術士・e05207)は茫然自失。冒涜的な存在というだけならば、このドリームイーターも暗黒神話に登場する邪神に負けてはいまい。
「知ってます、知ってます。あの有名な野獣先輩ですよね?」
 敵を怒らせるため、アリシア・クローウェル(首狩りヴォーパルバニー・e33909)が、敢えて誤った回答を述べた。しかし、なぜか目の前のドリームイーターは激昂する素振りさえ見せず、にこやかな笑みを浮かべるだけだった。
「う~ん、残念! 間違えた人には、ちょっと強烈なお仕置きをしちゃうよ♪」
 前言撤回。どうやら怒ってはいるようだが、その感情を表に出すのを良しとしていないだけらしい。
「ええと……状況がよく理解できませんが、とりもあえずも何とかしましょうか」
 このまま襲われては堪らないと、十夜・泉(地球人のミュージックファイター・e00031)が灯りを足元に置いて武器を構える。
 原初のBL神、ウホッ・サセロ。なんとも酷過ぎるネーミングの偽神を相手に、危険な色のする戦いが幕を開けた。

●丸見えの狂気
 腐女子の妄想より具現化された、原初のBL神を名乗るドリームイーター。その外見は全裸な残念系のイケメン男子だが、しかしデウスエクスとしての力は本物だ。
「ところで、君達は受け派かな? それとも、攻め派かな? ちょっと、確かめさせてもらってもいいかな?」
 爽やかスマイルを湛えつつ、なかなか強烈なことを言ってのけるBL神。これが素敵なボーイフレンドからの壁ドンだったら嬉しかったかもしれないが、しかし相手は全裸に魔導書という狂気丸出しの格好である。
「さあ……おいで、ボクの眷属達。まずは、あそこの彼に新しい世界を教えてあげて♪」
 そう言って、BL神が魔導書のページをめくると共に、大量の粘菌が溢れ出してマサムネへと襲い掛かって来た。
「ちょ、ちょっと……! ハッテン場デビューだなんて絶対やだからね!」
 慌てて逃げ回るが、時既に遅し。蠢く緑色の塊を頭から被り、のっけから酷い状態に!
 なんというか、これは色々な意味で危険過ぎる相手だった。同性愛云々に関係なく、初っ端から粘菌プレイとかマニアック過ぎる。
「わー、公害猥褻物を生産するなんて、ドリームイーターも趣味が悪いですねぇ。気兼ねなく切り刻めるのは悪いことじゃないですけど……」
「というか、なんで裸なんですか! しかも、使う技は揃いも揃ってドロドロしてるのばかり……。お宅の神の方向性、どうなってるんですか!?」
 BL神の容赦ない変態攻撃を前にして、早くもアリシアとクララはドン引きしていた。
 だが、ここで怯んでしまっては、仲間のイケメン達の貞操が危ない。それこそ、あ~んなことや、こ~んなことをされまくった挙句、狂気を発症してしまい兼ねない。
「くっ……屋敷の廃墟にBL、確かに惹かれるものがあるじゃないか! でもでも、罪もない腐女子ちゃんが犠牲になるのは良くない!」
 己を取り巻く悪夢に抗いながらも、マサムネは長剣を掲げて星辰の加護を展開した。とりあえず、これで敵の攻撃に対する保険にはなるはず。後は、他の面々が、一斉にあの危険な神を叩くのみ!
「申し訳ないのですが……今宵は修羅となりましょうか」
「ええ、そうですね……。一応言っておきますか。クリスティ流神拳術、参ります……」
 互いに呆れた表情で頷き、それぞれに仕掛ける泉とアンクの二人。できることなら、あまり直視せずに始末したい。が、しかし、二人とも得意な間合いは接近戦のため、どうしても近づかねばならないので、やってられない。
「その汚らわしい存在を、消去させていただきます」
「壱拾四式……炎魔轟拳(デモンフレイム)!!」
 オウガメタルに覆われた泉の拳。白炎に包まれたアンクの拳。二つの拳が左右から迫り、BL神を殴り飛ばす。高々と打ち上げられた敵の身体が天上に激突したところで、テレビウムの地デジが強烈な閃光を叩き込んだ。
「ん~、そういえば、BLってなあに? ベーコン・レタス? なら美味しいよね」
 もっとも、地デジの主人であるオリヴン自身は、どうにも今回の敵の属性を理解していないようだが、それはそれ。世の中には、いたいけな子どもが知ってはならないこともある。迂闊に手を出して禁忌に触れてしまうくらいなら、知らない方が幸せだ。
「これまで色んな珍本奇書を紐解いて来ましたけど、流石にこれは看過できませんよ!?」
 床下に落下し、尻を丸出しにして倒れているBL神を前に、クララが両手で口元を覆いながら叫んでいた。
 ああ、これは夢だ。きっと、悪い夢なんだ。ならば、そんな悪夢は自ら上書きしてやろう。周辺一帯の幻想を蓄積することで生まれる、『夢の領域』を展開することで。
「焦土、微睡、生成……永劫不変の、根源法則……今、再び繰り返す……何度でも、何度でも……」
 そう言って呟くように詠唱する彼女の瞳が、早くも死んだ魚のような色になっていたが、気にしたら負けだ。あまりに酷い現実を前にしたら、逃避という選択をしたくなるのは人の性。
「とりあえず、その粗末な物含め、アリシアが分解してあげますよ!」
 強烈な摩擦熱を伴う蹴撃で、紅い軌跡を描く。三日月状の炎が飛翔して、それは容赦なく敵の股間を直撃したが。
「はぅっ……!? あぁ……君の攻撃、すっごく熱いよ……」
 一瞬、苦悶の表情を浮かべたBL神だったが、すぐに恍惚の表情へと変わり、危険な言葉を吐いて来た。
 これはキモい。キモ過ぎる。いくら顔がイケメンでも、格好と行動が残念過ぎだ。
「うわあ、裸……って、ラーシュ! 目を覆ったら前が見えないよ!?」
 あまりに危険な光景に、ラーシュが主であるマイヤの視界を塞いでいた。それでも、なんとかラーシュのブレス攻撃に合わせ、気弾で敵を攻撃し。
「できることなら、直視したくない相手ですね……」
 敵の股間や尻から目を背けつつ、アウラもまたライフルから中和光線を発射した。
 この一撃で敵の攻撃力を低下させ、股間まで縮小化すれば儲けものだ。そう、考えてのことだったが、果たしてBLの神を名乗る全裸イケメンは、この程度で倒れることもなく。
「ふふふ……君達が、激しいプレイを好むってことは解ったよ。それじゃ……僕の名前を間違えた人にも、強烈なお仕置きをしちゃっていいよね?」
 サラッと恐ろしいことを口にしつつ、魔導書を開くBL神。瞬間、無数の黒い触手が出現し、それは一斉にアリシアへと襲い掛かり。
「やめてー! 黒き触手が穢れますー!」
 襲われるアリシアの姿を前にして、クララの悲痛な叫びが屋敷の中に響き渡った。

●禁断の融合
 廃屋の中で続くBL神との戦い。それは体力というよりは、主に精神力との戦いでもあった。
「服破りって……これ以上、どこ破ればいいんだろ?」
 全裸モザイクなイケメンを前に、オリヴンは拳を構えたまま首を傾げている。
 とりあえず、あのモザイクでも破っておくか。鋼に覆われた剛拳で敵の股間を殴り飛ばせば、同時に背後へと回った地デジの凶器が敵の尻を直撃する。
「うっ……二か所からの同時攻めかい? 君、意外とマニアックだね……」
 攻撃を食らったBL神が何か言っていたが、聞かなかったことにした方がいいだろう。
「わたし達の大事な共有財産に、妙な意味合いを足さないで頂きたい!」
 魔導書の存在そのものを冒涜するような敵に対し、クララは容赦ない突っ込みを入れつつも、仲間達へと薬液の雨を降らせて行く。一通りの体勢を立て直したところで、続けてアリシアが斬り込んだ。
「アリシアに斬れぬものはありません。その首を貰い受けます」
 二つの斬撃を一カ所に重ね、対象を紙屑の如く斬り捨てる技。こんな輩に、暗殺などという殺し方は生ぬるい。真正面から真っ二つにしても、まだ足りないくらいの危険物である。
「神が我々に与えた最大の恩寵は、雄と雄の関連性に思い当たる能力を、我々人類の心から取り除いたことです。故に、私は敵が何者かは存じ上げませんし、知ってはなりません」
 そんな中、狂気に引き込まれまいと必死に平静を保ちつつ、アウラは自分に言い聞かせるようにして敵の股間に炎弾をお見舞いしていた。その様子を、名残惜しそうにしつつもマイヤが見つめていたが、それはそれ。
「う~ん……何をやるのか詳しく聞いてみたいけど、世の中には知ってしまったら戻れなくなる世界もあるっていうしね」
 大人になるということは、知りたくもない世界の扉を開けること。だが、それで狂気を発症しては堪らない。ラーシュが仲間達に属性を付与してフォローする中、マイヤが稲妻を帯びた超高速の突きで、敵の尻を貫いたのだが。
「……ッ! あぁ……なんて固くて痺れる一撃なんだ! 素晴らしいよ!」
 攻撃を食らってもなお、BL神は苦しむ素振りさえ見せようとしない。否、ともすれば、ますます気色悪い性癖を露骨に晒し、ケルベロス達に迫ってくる始末!
「こんなにされたら、僕も本気を出すしかないようだね。さあ、おいで、君達! この僕が、めくるめくBLの世界に、君達を招待してあげよう」
 両手を大きく広げ、股間のモザイクを強調しながらBL神が叫ぶ。肥大化し、巨大な口と化したモザイクは、その場でぼんやりと立ちつくしていたオリヴンを頭から飲み込んだ。
「あ、あれ? 真っ暗だよ? 灯りが消えちゃったの?」
 攻撃を食らった本人は、未だ自分に何が起きたのか気付いていない模様。が、しかし、端から見れば全裸の変態がいたいけな少年に股間の中身を晒しているようにしか見えず、どう考えてもアウトな光景だった。
「ふふふ……BLとショタの、素晴らしき融合だね♪」
 調子にのったBL神が、なにやら危険な妄想を膨らませながら呟いている。これ以上は、放っておくのも限界だ。というか、あまりに放送コードギリギリな光景で、直視するだけで脳が炎症を起こしそうだ。
「やれやれ……君にも、もっとすごい悪夢を魅せてあげるよ」
 さすがに、黙って見ているわけにはいかないと、マサムネが謎の昏き弾丸を敵の身体に撃ち込んだ。それに続け、最後は泉とアンクの二人が、一気に間合いを詰めて仕掛ける。
「このような相手に、この大切なナイフを突き立てるのも気が引けますが……」
「これが今の私に出来る全力……! クリスティ流神拳術壱拾六式……極焔乱撃(ギガントフレイム)!!」
 踊るように、舞うように斬り付ける数多の刃。そして、白炎を纏った両拳による、驟雨の如き無数の乱打。
「あぁ……素晴らしい攻めだよ! 君達こそ、僕の世界に招待するに相応し……」
 そう、BL神が告げようとしたところで、彼の身体もまた木っ端微塵に霧散した。

●アブナイ世界
 戦いの終わった廃屋の中。ケルベロス達は不法侵入した少女を発見し、改めて彼女を介抱していた。
「ん……あれ? 伝説のBL本は……?」
 もっとも、目覚めたところで少女の頭の中は、未だBL本のことでいっぱいだったが。
「あまり危険な場所には近づない様にしてくださいね。今日のところは、これを持って帰って頂ければ」
 それだけ言って、アンクは少女に自分のケルベロスカードを握らせる。
「好奇心は猫をも人をも殺すよ……」
「どんな趣味を持とうが構いませんが、若い子らには悪影響ですから……」
 何事にも節度が大事であると、マサムネと泉もまた少女へ告げた。
「ふわぁ……なんだか、終わったら眠くなってきちゃった」
「ええ、本当に疲れました……。今後もこの手の有害図書は、夢喰いごと焚書刑の方針で行きます」
 そんな中、大欠伸をするオリヴンの横で、クララだけはげっそりとした表情になっていたが。
「とりあえず、めでたしめでたし? 今日から、わたし達はBLフレンズなのかもね」
 去り際に、サラッと危険な発言をするマイヤ。まあ、本当に意味が解って言っているのかは、本人のみぞ知るところ。
「それにしても……いったい、どんな本だったのでしょう?」
 最後に、ふと気になったのか、敵のいた場所に転がっていた本の中身をアウラが妖精に要約させていた。
「……ッ!?」
 瞬間、顔を真っ赤にして、彼女は一目散に屋敷から走り去る。
 覗いてはならない世界への扉。その先にあるものを垣間見てしまったことに対し、深い後悔の念を抱きながら。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年2月25日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 2/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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